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耐久系はつらいよ・・でも思ったより充実感ある仕事です!(前編)

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ーーー

「ということで次の戦争はなんだ?」

かWくぁいい新人君がかわいく顔をわなわなさせるのを見つめながら私は笑顔で問うた。かわいい新人君はかわいく汗をかわいいハンカチで拭いて答えた。

「次の戦争hア・・耐久系っです!」

「へぇ・・・」

私にとってこの程度の戦争など・・戦争など・・。

「うあぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ””””」
「落ち着いてください!落ち着いてください!落ち着いてください!落ち着いてください!!!!」

過去のトラウマのアレがアレした結果、なんかあれになった私に、新人君はアレになった。ちょっと待ってね語彙力低下してるからね。ってあれ?ごいりょくってなにー?!わからないときはじしょひかないとー!あれーじしょってなにー?なにってなにー?あっ、もうおやつのじかんだーしんじんのみみをはみはみしよー♪


そして、


「落ち着いた。」
「よかったー!」

 まあ絶叫から半日は立ってるんだけどね。
ま、もう覚悟決めました。

っていうか、アレだ。あれだわ。あれ?あれってなんだったっけ?なんか思い出さないといけないことがあるようなないような。いやないわ。

なんか不自然にあるきおくが抜け落ちている気がするんだが、まさかこれはスタンド攻撃を受けているのでは?!

「気をつけろ新人君!!今私たちはスタンド攻撃を」
「受けてないと思いますよー」

というわけで記憶の混濁のこともあり、今回は私から事前に語られることは少ない。というわけで早速行ってみよー!!

「いきたくないぃいいいいいい!!いきたくなぃいいいいい!!」
「ほら!さっさときびきび歩け!!」
「やーーーー!!」ぺちぺち


そして私が出発した後、人知れず新人君はこういったのだ。
「やはり・・いずれ僕も・・いや!!禅!!日本の禅ならなんとかなるはず!!無の心!!つまり無敵!!(禅万能説)ワンチャンあるデコレ!」そう狂信的に言ったのだ。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


というわけで私たちは真っ白い広大な空間にきたのだった。
地下水路的に柱がところどころ立っている以外は本当に何もない。あるはずの通気口とか電灯とか。そんなのがないのに暗がりとかが一切ない。っていうか濃淡自体がない?すごくない?ってことは壁自体が光を放ってることになるのだが?

まあそんなわけで何も持たされず装備されず私は着地した。

「ふーむ・・・」

というか、服も着られないのかーそうなのかー

というわけでルールの説明を求む!!

しぃいいいいいいいん

「あ、あれ・・??」

おかしいな。早起きしたからかな?(絶対違う)

なのに・・なんでこんなに涙が出るんだろー!!

あれ?というか強烈なデジャブ・・私はここをすでに知っている・・?

そんな私の疑念をかき消すように、なんか遠くから物音がしてきた。

「行くぞっ!!」行くしかない。

そこにいたのは、幸運にも顔見知りだった。

そう、この業界、ベテランになると、殺し殺され愛みたいな、格ゲー対戦とかで知り合ったみたいな悪い友達ができるのである。

「おやや~?!バーテックス・森羅ではないですかー!」
「そういうお前は、横三ケ原、藍!!」

名前は全然覚えなくていいが、こいつは細身の体、ナナフシの亜人みたいな体格をしており、その素早い動きは先端マッハを超えていると見間違うほどであった。
そう・・こいつの能力が・・・といったところで割り込んでくるナナフシ

「能力の説明くらい私がしますよー。私はですね・・体感時間を早めることによって素早い運動を行うことができる能力なのですー!」

そう、この業界、特殊能力持ちは多い。修羅場を潜り抜けた戦士は強いみたいなやつあるじゃん?あれみたいな感じで実際にそういうことしてると能力を超えた能力、すなわち超能力みたいなのが身につくのだろう。
まあ生き返るといっても痛いのだし、それに勝てばうれしい。殺してうれしい殺されて悔しいみたいなところがあるので、大体みんな必死になってるところがある。
かと思えば死んでしまったりしても大丈夫という余裕もあるので、テンプレ的というよりも自分がより楽しめるスタイルの能力が身につくみたいな傾向がある。
あとよく言われてるところとして、特殊性癖持ちが強いみたいなところがあるな。下着とかストッキングに興奮することで強くなるみたいな。そういうシンプルなのがやっかいなんだよなー。

こいつは素早さに全振り。耐久力ゼロだとしてもあたらなければどうということはない。ゲームによっては最強ともいえる戦闘スタイルだ。さすが忍者汚い。
ちなみに私は全ステータスが高いみたいな。そういうところがあるな。特徴がないのが特徴。でも平均よりは格段上みたいな。十桁の暗算くらいなら一瞬でできるし、運動神経もそこらのアスリートよりかは上よ!!

「とにかくお前がいてくれて助かったよー!これで話し相手には困らないな!!」
「そうですな~。というわけでとりあえずダンスでもしませぬか?」
「よろこんぶ!!」

というわけで私たちは汗だくになるまで全力で踊った。だんすっだんすっだんすっだんすっ!!飛び散る汗。そして・・汗!というわけで数時間くらい踊った。

「はぁ、はぁ、はぁ。はぁ」
「ふひひ~!!ダンスは最高の文化だよー!」

そしてそれから夢を語り合った。過去のこと,そしてこれからの将来のこと。それに飽きたらまた踊った。踊ることに飽きたらまた語った。語ったことのない思い出話を語った。生き別れの妹や感動の再開で闇落ちした妹を語った。いや騙った。
マジ切れして相手の骨を粉砕することもあれば、仲直りの印に血をすすってで乾杯することもあった。肉を剥いでオリジナルのファッションショーを行うこともあった。(まあすぐに何故か再生したけどな!)

数年。数十年、数百年。数千、万一億、十億。オープンザプライスカナ?だとしたらスゴイ値段じゃんよかったね?

そう、私たちは脱出することを考えなかった。そう、ある意味で語り合ったといえる。


いや、【もう全部ご存じなんだろ?】


この部屋からは何億年経たないと出られないということに。

いや、部屋というよりここは時が加速された仮想空間だ。

実際の私たちはなんかすごい注目されている中で眠っていうるはず。なんか確かコードとかスゴイついてた。

だからこれが私たちの精一杯の抵抗なんだ・・・この娯楽をクーラーの効いた部屋で恋人や家族とみて笑っているやつらへの、せめてもの・・・な。

そう、この何もない空間から生み出す無意味な文明(暇つぶし)の開発。

この営みが最善の手だと、その時は私たちは疑ってなかったのだ。

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