達観した紫の上と、年上旦那様

人肌恋しくなる冬模様

旦那様、ありがとうございます！

　その話を夕飯時に旦那様にすれば。
「麻帆佳らしいね。二人と一緒に卒業祝いに行っておいでよ。何なら提携ホテルのスイートルームを私で押さえておくよ」
「え！？」
「私からの卒業祝いだ。夢の国のチケットも一緒に手配するから」
　お高い卒業旅行ですな！

　と思ったら、旦那様夢の国とそのホテルを運営している会社の株をお持ちなんだとか。株主の優待チケットを譲ってくださるそうです。
「ありがとうございます」
「麻帆佳に喜んでもらえて何よりだよ。今までは忘新年会の景品にしていたからね」
　あーー、会社の。今年その前に辞めましたもんね。余っているというわけですね。

「明日にでも、二人の受験日程教えて。それに合わせてホテルの予約を……って、麻帆佳それ、その予定表何？」
「二人の受験日程です！」
　千夏と花音の受験日前日は、毎回メニューのリクエストを取っているのですよ。なので、受験日程が分かっていないと、困るのです。
　そして、夢の国とホテルの話をメールしたら、二人とも食いつきまして。「予定決めヨロ！！」とグルチャが入ってまいりました。

　食事中は受験のことを考えないようにしている二人。そして旦那様にまで餌をぶら下げられ、俄然やる気になったようです。
「……そういうことなら、この辺りどう？」
　旦那様もいつの間にやらパソコンを開いております。

　あっという間に予定が出来上がり、私も楽しみになりました。

　旦那様、ありがとうございます！