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人肌恋しくなる冬模様

旦那様とお話

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「旦那様、今日はありがとうございました」
 皆さんも帰ったところで、お礼を。
「こちらこそ。麻帆佳の楽しそうな表情見れただけでよかったよ」
 だ~か~ら~。どうしてそういうことをあっさりと。……恥ずかしいです。

 最近すっぽりと後ろから抱きしめるのがお好きなようで、本日もいつの間にかその体勢に。
 そしてずるずると引きずられるようにして、ソファへ。

 気づけば旦那様のお膝の上に座っておりまする。
「麻帆佳と晩御飯の後ゆっくり過ごすの、久しぶりだ」
 そりゃそうでしょうとも! よくよく考えれば数か月ぶりですねぇ。

 何せ、あの老爺のことがあってからそういう機会はめっきりと減りましたし。気づけば盛った旦那様の餌食になり、そのあと国外に行って……なかなか忙しい日々でした。
「現在は、二人のために頑張っているしね」
 当然です。あの二人とその家族には多大な迷惑をかけたわけですし。縁切られても不思議じゃない状況なわけですよ。
「その辺りは麻帆佳の人徳もあるんじゃないかな」
「どうでしょう?」
「あのね、普通あれだけの事されて、厳原にお土産買って行こうとか思わないから。海外発送だって視野に入れていたのは麻帆佳だ。今日だって色々話聞いて、東輝のところに行くとき持っていこうとか、考えていたんだろう?」
 当り前じゃないんですかね。

 旦那様に言わせると、「当たり前じゃない」と返ってきました。そんなものなのですか。

「やっぱり麻帆佳と離れて過ごせそうにない」
 ……ん? 何故そんな話になったし!
 どうやら、先日「渡米が遅れる」と東輝さんに連絡を入れたら「さっさと来やがれ。俺は何年伽耶と離れていると思っていやがる。麻帆佳と一年離れるくらい我慢しやがれ」と言われたそうで。
 確かに。何年離れて暮らしていたのでしょうかね。
「……それ言われると痛い。年に数回行き来していたといっても、単身赴任と変わらないしね。
 ただ、言い訳させてもらうと何度か東輝のところで暮らせって言ったんだけどさ」
 多分旦那様が頼りなかったせいですね。うん。
「わざと口に出して言わないで。へこむから」
 あ、ばれてましたか。

「そんな麻帆佳にお仕置き」
「ひゃぁっ」
 いきなり首筋舐めないでくださいな! あ、それがお仕置きですか。酷いです。

 それで済んだだけ良しとするしかないのでしょうかね、お仕置き。


 そのあとも、今までで一番他愛もない話をしたような気がします。

 あっという間に夜中になったので就寝です。おやすみなさい。
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