95 / 120
人肌恋しくなる冬模様
入試とバレンタイン
しおりを挟むそういえば、旦那様最近げっそりとしております。お仕事が大変なのかと思ったら、いきなり抱きつかれました。
「旦那様!?」
「充電させて」
って私、コンセントじゃないんですが。
「麻帆佳が二人のために色々手を尽くしている時に、私が口出ししていいものじゃないのも分かる。でも、寂しかった」
……はぃぃぃ?
意味が分からないのですが。
よくよく聞いてみると、ここのところ夕飯を一緒に食べることはあっても、寝るのは別。千夏と花音の受験勉強に合わせてご飯が作れるようにと、二人と寝ていたんですよ。
夜十時ぐらいに就寝して、朝四時に起きる生活をここのころ続けております。朝勉強した方が夜勉強するよりも頭に入るんだそうです。私もその口ですが。
で、四時に少しつまめるものと、その後の朝食。リフレッシュのため少し動いてから食べるおやつ。英語教師が来てからの英語レッスン。その時の茶菓子。そして家庭教師として来る大志さんたちにも出すお菓子。……大半を私が作っております。その合間に私も勉強をしているといった感じですね。
夕飯時は大志さんたちもいるので、旦那様と食べておりましたが、それ以外は二人と食べてました。
それが続いたため、寂しかったのだとか。
すみません。寂しいとかよりもおさんどんしているのが楽しかったです。
「だと思ったからずっと言わなかった。でも一人寝が凄く堪えてる」
あははは。分かっていただけたようで何よりです。もう少しこらえ性を出してくださいな。
現在二人とも私立大学入試でバタバタしているんですから。
その日は二人とも別々の大学とはいえ、入試試験の日。
朝ごはんのメニューは豚まんでした。理由ですか? 千夏のリクエストですが、何か。
ネタが作り終わったところで、あっという間に千夏のお母さんが綺麗に包んでいきます。美味しいんですよね、この豚まん。そして大きい! 私までよだれが出てきそうです。
「大丈夫よ。私たちの分もあるから」
ありがとうございます! またしても悔しそうなのは風吹さんで。これも悪阻が収まったら食べるつもりのようです。
相変わらず食に対する執念が凄いです。早く悪阻が収まることを祈ります。
「麻帆佳ちゃーーん。お願いがあるんだけど」
そんな青い顔で言わないでくださいよ。で、何事かと思ったら、私がアルバイトしていた喫茶店に行って欲しいとのこと。
「何かありましたっけ?」
「麻帆佳ちゃん、忘れてるね。今日は二月十四日だ。つまりバレンタインデーなのだよ」
……ん? 二月十四日? ということは。
「あぁぁぁぁ!!」
忘れておりました!!
「やっぱりか」
「マスターのフォンダンショコラがぁぁぁ!!」
そう、二月十四日限定で喫茶店で出されるフォンダンショコラ。あれ美味しいんですよ。この二年間絶対にアルバイトを入れていたというのに!! しかもあれ、スタッフと常連さんにしか振舞われないという限定品なんですよ!
「そっちかい! ってかあたしもだけど」
「それ以外何かありましたっけ?」
「わざとか? 素なのか!?」
0
お気に入りに追加
1,298
あなたにおすすめの小説
お嬢様、お仕置の時間です。
moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。
両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。
私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。
私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。
両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。
新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。
私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。
海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。
しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。
海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。
しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
隣の人妻としているいけないこと
ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。
そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。
しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。
彼女の夫がしかけたものと思われ…
隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました
ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら……
という、とんでもないお話を書きました。
ぜひ読んでください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる