37 / 120
天高く陰謀巡る秋
今度は不審な手紙です
しおりを挟むその後、知らない電話番号からのいたずら電話が発生したので、登録以外の番号は着信不可にしました。一応、マスターと奥さんには伝えておきます。
「龍雅君に言ったの?」
奥さんがそんなことを聞いてきましたので、とりあえずその前の話もしておきます。
「りょーかい。分かった。なんかあったら、こっちで矢面に立つから」
マスターもすっごく心強いことを言ってくれます。
帰ると、差出人のない手紙が。
――拝啓
あなたのご主人とは結婚前から恋人同士でした。先日、あなたが出張だと思っていた〇月〇日は私と旅行に出かけておりました。
あなたは私から大切な人を奪いました。返してください。
かしこ――
……なんというか、消印つきで出してくるって、おバカですかね。
いくらPCの文字だって言っても、こりゃまずいでしょ。
一応、取っておきましょう。離婚する際に、慰謝料取るためのいい証拠です。
ってか、この日って……。私らパジャマパーティをした日じゃないですか。そして旦那様の電話から珍しく着信のあった日。……黒ですかね。
旦那様の住んでいる住所も知っていて、「お出かけ」した日も知っている。一応、千夏と花音にも相談しちゃいましょう。
「ってか、麻帆佳。あんた忘れてる。登録番号以外着拒、挙句マンションはコンシェルジュがいるってなったら、封書投函しかないでしょ」
千夏があきれ果てて言います。そういえばそうでした。コンシェルジュがいて、かなりセキュリティが厳しいんでしたっけ。
「でも、住所知ってるってあたりで悪質だよね。コンシェルジュの人にも聞いてみようよ。あの旦那様に女性の来客があったのかって。この手紙のことを含めてさ」
花音が言いますが、そこまで大事にしたくないのですよ。あちらさんに愛人いるならしばらく遊んで暮らせるだけのお金もらって、のんびりするのも手だなって思ってるので。
「あと、この手の封書が来たら、あとは手袋はめてあんたの指紋残さない。指紋だって証拠になるんだからね」
さすが千夏。お母さん仕込みですね。これも証拠になれば、慰謝料増えるよ。にんまりと千夏と花音が笑っていいました。
やっぱりこの二人に相談すると和みますね。
……この話、千夏から克人さんを通じて、旦那様に伝わっていたと知るのは、すべてが解決した後でした。
もちろんマスターに相談した件も、お義姉様を通じて旦那様の耳に入っておりました。
つまり、私一人蚊帳の外だったわけで……。
解せぬ。
10
お気に入りに追加
1,299
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
双葉病院小児病棟
moa
キャラ文芸
ここは双葉病院小児病棟。
病気と闘う子供たち、その病気を治すお医者さんたちの物語。
この双葉病院小児病棟には重い病気から身近な病気、たくさんの幅広い病気の子供たちが入院してきます。
すぐに治って退院していく子もいればそうでない子もいる。
メンタル面のケアも大事になってくる。
当病院は親の付き添いありでの入院は禁止とされています。
親がいると子供たちは甘えてしまうため、あえて離して治療するという方針。
【集中して治療をして早く治す】
それがこの病院のモットーです。
※この物語はフィクションです。
実際の病院、治療とは異なることもあると思いますが暖かい目で見ていただけると幸いです。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
マッサージ
えぼりゅういち
恋愛
いつからか疎遠になっていた女友達が、ある日突然僕の家にやってきた。
背中のマッサージをするように言われ、大人しく従うものの、しばらく見ないうちにすっかり成長していたからだに触れて、興奮が止まらなくなってしまう。
僕たちはただの友達……。そう思いながらも、彼女の身体の感触が、冷静になることを許さない。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる