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距離の近づく猛暑日和
楽しい旅行の道連れとその後
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いちごさんのお友達も一緒になり、女六人による京都探索です!
花音と千夏のおうちには三人で出し合って一つのお土産にして、私個人で買うのはバイト先と義実家くらいでしょうか。
「……旦那さんに一応買ってやりなよ」
そう言ったのは千夏です。
「男の人の喜ぶものなんざ、分からないんですが。そういう千夏は克人さんに何買うの?」
「兄貴に? ん~~。適当」
聞くんじゃありませんでした。ちなみにいちごさんはブックカバーと枝折|のセットだそうです。なるほど。
正直な話、私、旦那様の好きなものって分からないんですよね。いっそのことお弁当箱でも買っていこうか……。
「だったら風呂敷選べや!」
花音、突っ込みがきついです。でもね、風呂敷っていいお値段するんですよ。
「あ~ん~た~は~~!」
ふ、二人とも怖いですよ! 思っただけでしたが、どうやら声に出ていたようです。失敗、失敗。
「麻帆佳ちゃん、確かにいいお値段するけど、質もいいんだし。たまに奮発してもいいと思うんだ」
……確かにそうですねぇ。私扶養家族なわけですし。
迷いに迷ったうえで選んだ風呂敷を、他の方々は生暖かい目で見てきました。
観光と買い物を楽しんだ旅行はあっという間に終わってしまいました。
いちごさんと義実家にお土産を置きに行って、別れた足でバイト先へ。菓子類ですので、早めに持っていくに越したことはありません。
「麻帆佳、お帰り」
……え゛どうして旦那様がここにいるのでしょうか。本日平日ですよね!? しかも機嫌悪いし。愛人さんと何かあったのでしょうか?
「麻帆佳ちゃん、お帰り。京都どうだった?」
「ただいまです! すっごく楽しかったですよ! マスターのおっしゃってた器関係も見ごたえありました! で、こちらが依頼の生八つ橋です」
「お、ありがとう」
ブリザード漂う旦那様にお土産を渡すというのは、かなりミッションの難易度が高いのですが、家に帰ってしまうと渡しにくくなりそうですのでここで渡しちゃいましょう。
「……だ、旦那様」
「……」
シカトですか。そうですか。
「麻帆佳ちゃんって龍雅のこと『旦那様』って呼んでるの? なんかこう、クルね」
常連さんがそんなフォローをしてくれますが、ブリザードは酷くなるばかりです。
「麻帆佳、帰るよ」
そんな旦那様に手を引かれて喫茶店を後にしました。
花音と千夏のおうちには三人で出し合って一つのお土産にして、私個人で買うのはバイト先と義実家くらいでしょうか。
「……旦那さんに一応買ってやりなよ」
そう言ったのは千夏です。
「男の人の喜ぶものなんざ、分からないんですが。そういう千夏は克人さんに何買うの?」
「兄貴に? ん~~。適当」
聞くんじゃありませんでした。ちなみにいちごさんはブックカバーと枝折|のセットだそうです。なるほど。
正直な話、私、旦那様の好きなものって分からないんですよね。いっそのことお弁当箱でも買っていこうか……。
「だったら風呂敷選べや!」
花音、突っ込みがきついです。でもね、風呂敷っていいお値段するんですよ。
「あ~ん~た~は~~!」
ふ、二人とも怖いですよ! 思っただけでしたが、どうやら声に出ていたようです。失敗、失敗。
「麻帆佳ちゃん、確かにいいお値段するけど、質もいいんだし。たまに奮発してもいいと思うんだ」
……確かにそうですねぇ。私扶養家族なわけですし。
迷いに迷ったうえで選んだ風呂敷を、他の方々は生暖かい目で見てきました。
観光と買い物を楽しんだ旅行はあっという間に終わってしまいました。
いちごさんと義実家にお土産を置きに行って、別れた足でバイト先へ。菓子類ですので、早めに持っていくに越したことはありません。
「麻帆佳、お帰り」
……え゛どうして旦那様がここにいるのでしょうか。本日平日ですよね!? しかも機嫌悪いし。愛人さんと何かあったのでしょうか?
「麻帆佳ちゃん、お帰り。京都どうだった?」
「ただいまです! すっごく楽しかったですよ! マスターのおっしゃってた器関係も見ごたえありました! で、こちらが依頼の生八つ橋です」
「お、ありがとう」
ブリザード漂う旦那様にお土産を渡すというのは、かなりミッションの難易度が高いのですが、家に帰ってしまうと渡しにくくなりそうですのでここで渡しちゃいましょう。
「……だ、旦那様」
「……」
シカトですか。そうですか。
「麻帆佳ちゃんって龍雅のこと『旦那様』って呼んでるの? なんかこう、クルね」
常連さんがそんなフォローをしてくれますが、ブリザードは酷くなるばかりです。
「麻帆佳、帰るよ」
そんな旦那様に手を引かれて喫茶店を後にしました。
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