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番外編
9 子作り 前 ※妊娠表現あり
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コト。
ひとつまみほどの小さな瓶に入れられた、紫色に輝く液体。
ついに、ついに、これを飲む時が来た。
クライヴ様はルイ様としての商会を、僕は絵本を初めとした子供を支援する商会を運営して、軌道に乗っている。故に、資産や収入に不安は無い。
妊娠中はお酒も飲めないし、お茶の種類にも気をつけなければならないし、無属性の魔術しか使えない。
僕は結界も、治癒も使えなくなる。その為、結界や治癒の魔術符を作りに作って溜めてきた。
多分二年くらい妊娠していても大丈夫。いや、妊娠期間はほんの半年なのだけれど。
僕たちが子作りするにあたって、産婆さんが付いた。なんと恐れ多くも、現在も水の巫子として活躍している、ユエラ様。
70代の彼は、もう移動も大変だからと言って、伴侶であるモーリス様と一緒に、僕たちと同じ屋敷に越してきたのだ。めちゃくちゃ心強い。
ユエラ様は50代を過ぎたあたりから薬師兼産婆としてもやっていて、超ベテラン。クライヴ様も遠縁ではあるし、僕も後輩にあたるからと、この依頼を引き受けてくださった。
そんなユエラ様に作成していただいた妊娠薬。
覚悟はできた。
栓を開け、一気に胃へ流し込む!
「……っ、うう……」
「大丈夫か?ほら、口直しだ」
青臭い?泥臭い?見た目は透き通っているのに、ドロドロと舌に、喉に張り付くよう。
クライヴ様が、口元にコップをあてがってくれた。果実水だ。ごきゅごきゅと飲んで、一掃する。はぁ、なんとか、なった……!?
「はっ、……はっ……!」
「効いて、きたようだな」
「はい……、クライヴさま……っ」
身体が熱ってきた。ああ、核が、腹に出来始めたのだ。
クライヴ様が僕に覆い被さってきて、その日は、長い長い夜となった。
妊娠薬を飲むと、赤ちゃんの元になる核が腹に出来る。そこにパートナーの精を受けて、成功すれば赤ちゃんの種が出来るという。成功率は25%。
だから、失敗してもまた作って貰えばいい。一度作成したら、次からは割と作りやすいらしいので。
……たった一晩で授かるとは思っていなかったけれど。
一回、とは言わない。一晩、である。クライヴ様から、『絶対に孕ませる』という意気込みが伝わってくるほどにどろどろに抱かれた。
男の妊婦は腹が出てくる訳ではないけれど、魔力の塊がお腹にのしかかっているような感じだ。なんとなく、重い。
ぽやぽやして、時に具合が悪くなったり、吐きたくなったり、眠たかったり。身体は常にだるくて、そして、魔力が常に減る。
「ああ……あー、うー、」
「大丈夫?シュリちゃん」
「はい……うっ、もう一つ、ポーションを……」
「はいはい。ゆっくりね」
自分で作った魔力回復ポーションを飲むけれど、効果は微々たるもの。僕の魔力量の多すぎるのが悪いのか、少し、具合が良くなる程度だ。
ユエラ様が、孫を微笑ましく見るような感じでお世話してくれるのがありがたい。
妊娠中の僕は、誘拐しやすい、格好の餌食である。なぜなら、得意の水属性魔術は使えないし、そうでなくとも感覚が鈍っていて動けないから。
一応、屋敷の周りは厳重な警備がされているし、護身の為にスイちゃんたちやエディを召喚している。
以前ならこの程度の魔力消費は微々たるものなのだが、こう、妊娠してから分かった。結構、思った以上に減るみたい。
そうなると、魔力を注いで欲しくなるのは仕方のないことで。
「シュリエル、帰った。具合はどうだ?今日もつらいか……?」
ご公務から帰宅してきたクライヴ様は、シャワーを浴びて埃を落としてから、速攻僕の部屋へ来る。それは嬉しい。嬉しいけれど、なんというか、羨ましくもある。
僕の身体は僕でないものに支配されて、常に魔力不足でぐらぐらする。そのため、歩くのも常に誰かと一緒だし、寝ていても具合が悪い。だから、体調万全のクライヴ様を羨んでしまう。
「クライヴさま……抱っこ……」
「!わ、わかった……!いつまでもする」
「少しでいいので……」
クライヴ様に抱きついて、重い腕の中に囲われて、やっと深く息が吸える。
ああ、やっぱり、赤ちゃんも喜んでいるのかな。お腹もぽっ、とあったかい気がする。
もぞもぞと良いところを探して、収まる。
「かわいい……」
「クライヴさま、……その」
「ああ、任せろ」
言い淀んだ言葉の先は、クライヴ様の想像通り。
熱った身体を押し付けると、もう既に固くなったものと擦れて。
口付けあい、肌を重ねて、一つになる。
こんなふうにして、クライヴ様の魔力を取り込んで、それが、僕たちの赤ちゃんを育てる栄養になるのだ。
男の妊婦がどのくらいつわり症状に悩まされるのかと言えば、おそらく、ほぼ全員が、重た目の吐き気と怠さを訴えるらしい。
「シュリちゃんは魔力が豊富だけど、それとつわりは関係ないからねぇ。クライヴくんが溺愛しているから、魔力不足の心配をしなくていいのはいいね」
「う……でも、ユエラ様。本当に僕、氷しか食べられないんです……」
「赤ちゃんは至って健康だから大丈夫!シュリちゃんは辛いけどねぇ。出産まで続くけど、いざとなったら点滴もあるからね」
ユエラ様の、柔らかなお手で背中を撫でられると、意味もなく泣けてくる。情緒不安定すぎる。
けれど、クライヴ様がお仕事で家を開けている間、ユエラ様たちがいてくださって良かった。いつでも不安なことがあれば聞きに行けるし、モーリス様が庭で素振りをしている姿を見ると、なんだか安心するから。
お二人とも40代に見えるほど若々しく、特にモーリス様は、70代というのに筋骨隆々だ。今でも毎日乾布摩擦と鍛錬は怠らないという。
こうして庭を眺められる茶室で、ユエラ様と二人お茶を飲んでいる。ユエラ様は、のほほんとした綿毛みたいな方だ。癒される。アランと雰囲気が似ているのも、ほっとする要因なのかもしれない。
「シュリちゃんも少しは歩けたらいいんだけどねぇ。動いて血行を良くしなきゃ、健康に悪い。クライヴくんに言っておこうね」
「はい……お願いします」
妊娠が判明してからというものの、クライヴ様の過保護に磨きがかかった。部屋から出してくれないのだ。
常に僕の具合が悪いというのもあるけれど、ちょっと、鬱陶しい……なんて、思ってはいけない。
ああ、僕って本当に性格が悪い。こんなに大事にしてくれているのに、少し庭に出て外の空気を味わうくらい、させてくれたっていいのにと思ってしまう。
彼の行動に制限は一切ないというのが、余計に、羨ましいというか、恨めしいというか。
世の妊婦さんは、皆んなこのような気持ちになるのだろうか?
次のクライヴ様の休日になって、ようやく僕は庭を散歩することが出来た。
「ああ……やっぱり、気持ちいい、です」
花の香り。草の青い香り。
頬や髪を撫でていく風も、じんわり身体を温めてくれる陽の光も。
僕って実は葉っぱなのかもしれない。こんなに外の空気が美味しいなんて。
「良かった。最近、君の笑顔が見れなくて心配していたんだ」
「すみません。その……時々は、やはりこうして外を歩かせて頂けると、嬉しいのですが」
「それは……俺がいない時に、か?」
クライヴ様が、眉根を下げる。負けないように、僕は少し早口になりながら、懇願した。
「ユエラ様からも、聞いていますでしょう?適度な運動をしなくては、どんどん身体が衰えてしまいます。それに、ずっと閉じ込められていては気鬱にもなりやすい。どうか、この美しい庭を眺めることを、お許しください……」
「……従魔とモーリス様と一緒ならば。仕方ない。すまないな。彼を信用していない訳ではない。ただ、もうご高齢の彼は、何かあったとして咄嗟には動けないから……」
「それは、護衛騎士がいるではないですか」
「しかし、数は十分でない。集団で一気に忍び込まれたら?どこか陽動されて隙が出来たら?……心配すればキリがないことは分かるのだが」
「スイちゃんたちもいますから。ね?クライヴ様、そんなことを言うなら、お仕事を全部放り出して僕と一緒にいてください。それなら、閉じ込められていても全く構いませんから」
はた、とクライヴ様が止まった。
えっと、冗談だから、気にしないで……?
クライヴ様は本当に公務を縮小された。
どうしても、というものだけに一時的に絞ったらしく、ほぼ一緒に過ごせるようになったのだ。
こうして、庭に用意された寝椅子に寝そべりながら、僕を後から抱きかかえ、お腹を撫でてくださる。
ぽかぽかするし、クライヴ様に守ってもらえている安心感もあるし、そもそも妊娠中だからか、うとうととしてくる。
クライヴ様とくっついていると、とても気分が良くて。
具合が悪くて眠るのとは違う。圧倒的気持ちよさの中で眠ることができる。
さわさわ。
風か、あるいはクライヴ様が、撫でてくれる。ふと、小さな声が聞こえて。
「よく眠れ。辛い思いをさせてすまない。……愛している、シュリエル」
※次回で終わります
ひとつまみほどの小さな瓶に入れられた、紫色に輝く液体。
ついに、ついに、これを飲む時が来た。
クライヴ様はルイ様としての商会を、僕は絵本を初めとした子供を支援する商会を運営して、軌道に乗っている。故に、資産や収入に不安は無い。
妊娠中はお酒も飲めないし、お茶の種類にも気をつけなければならないし、無属性の魔術しか使えない。
僕は結界も、治癒も使えなくなる。その為、結界や治癒の魔術符を作りに作って溜めてきた。
多分二年くらい妊娠していても大丈夫。いや、妊娠期間はほんの半年なのだけれど。
僕たちが子作りするにあたって、産婆さんが付いた。なんと恐れ多くも、現在も水の巫子として活躍している、ユエラ様。
70代の彼は、もう移動も大変だからと言って、伴侶であるモーリス様と一緒に、僕たちと同じ屋敷に越してきたのだ。めちゃくちゃ心強い。
ユエラ様は50代を過ぎたあたりから薬師兼産婆としてもやっていて、超ベテラン。クライヴ様も遠縁ではあるし、僕も後輩にあたるからと、この依頼を引き受けてくださった。
そんなユエラ様に作成していただいた妊娠薬。
覚悟はできた。
栓を開け、一気に胃へ流し込む!
「……っ、うう……」
「大丈夫か?ほら、口直しだ」
青臭い?泥臭い?見た目は透き通っているのに、ドロドロと舌に、喉に張り付くよう。
クライヴ様が、口元にコップをあてがってくれた。果実水だ。ごきゅごきゅと飲んで、一掃する。はぁ、なんとか、なった……!?
「はっ、……はっ……!」
「効いて、きたようだな」
「はい……、クライヴさま……っ」
身体が熱ってきた。ああ、核が、腹に出来始めたのだ。
クライヴ様が僕に覆い被さってきて、その日は、長い長い夜となった。
妊娠薬を飲むと、赤ちゃんの元になる核が腹に出来る。そこにパートナーの精を受けて、成功すれば赤ちゃんの種が出来るという。成功率は25%。
だから、失敗してもまた作って貰えばいい。一度作成したら、次からは割と作りやすいらしいので。
……たった一晩で授かるとは思っていなかったけれど。
一回、とは言わない。一晩、である。クライヴ様から、『絶対に孕ませる』という意気込みが伝わってくるほどにどろどろに抱かれた。
男の妊婦は腹が出てくる訳ではないけれど、魔力の塊がお腹にのしかかっているような感じだ。なんとなく、重い。
ぽやぽやして、時に具合が悪くなったり、吐きたくなったり、眠たかったり。身体は常にだるくて、そして、魔力が常に減る。
「ああ……あー、うー、」
「大丈夫?シュリちゃん」
「はい……うっ、もう一つ、ポーションを……」
「はいはい。ゆっくりね」
自分で作った魔力回復ポーションを飲むけれど、効果は微々たるもの。僕の魔力量の多すぎるのが悪いのか、少し、具合が良くなる程度だ。
ユエラ様が、孫を微笑ましく見るような感じでお世話してくれるのがありがたい。
妊娠中の僕は、誘拐しやすい、格好の餌食である。なぜなら、得意の水属性魔術は使えないし、そうでなくとも感覚が鈍っていて動けないから。
一応、屋敷の周りは厳重な警備がされているし、護身の為にスイちゃんたちやエディを召喚している。
以前ならこの程度の魔力消費は微々たるものなのだが、こう、妊娠してから分かった。結構、思った以上に減るみたい。
そうなると、魔力を注いで欲しくなるのは仕方のないことで。
「シュリエル、帰った。具合はどうだ?今日もつらいか……?」
ご公務から帰宅してきたクライヴ様は、シャワーを浴びて埃を落としてから、速攻僕の部屋へ来る。それは嬉しい。嬉しいけれど、なんというか、羨ましくもある。
僕の身体は僕でないものに支配されて、常に魔力不足でぐらぐらする。そのため、歩くのも常に誰かと一緒だし、寝ていても具合が悪い。だから、体調万全のクライヴ様を羨んでしまう。
「クライヴさま……抱っこ……」
「!わ、わかった……!いつまでもする」
「少しでいいので……」
クライヴ様に抱きついて、重い腕の中に囲われて、やっと深く息が吸える。
ああ、やっぱり、赤ちゃんも喜んでいるのかな。お腹もぽっ、とあったかい気がする。
もぞもぞと良いところを探して、収まる。
「かわいい……」
「クライヴさま、……その」
「ああ、任せろ」
言い淀んだ言葉の先は、クライヴ様の想像通り。
熱った身体を押し付けると、もう既に固くなったものと擦れて。
口付けあい、肌を重ねて、一つになる。
こんなふうにして、クライヴ様の魔力を取り込んで、それが、僕たちの赤ちゃんを育てる栄養になるのだ。
男の妊婦がどのくらいつわり症状に悩まされるのかと言えば、おそらく、ほぼ全員が、重た目の吐き気と怠さを訴えるらしい。
「シュリちゃんは魔力が豊富だけど、それとつわりは関係ないからねぇ。クライヴくんが溺愛しているから、魔力不足の心配をしなくていいのはいいね」
「う……でも、ユエラ様。本当に僕、氷しか食べられないんです……」
「赤ちゃんは至って健康だから大丈夫!シュリちゃんは辛いけどねぇ。出産まで続くけど、いざとなったら点滴もあるからね」
ユエラ様の、柔らかなお手で背中を撫でられると、意味もなく泣けてくる。情緒不安定すぎる。
けれど、クライヴ様がお仕事で家を開けている間、ユエラ様たちがいてくださって良かった。いつでも不安なことがあれば聞きに行けるし、モーリス様が庭で素振りをしている姿を見ると、なんだか安心するから。
お二人とも40代に見えるほど若々しく、特にモーリス様は、70代というのに筋骨隆々だ。今でも毎日乾布摩擦と鍛錬は怠らないという。
こうして庭を眺められる茶室で、ユエラ様と二人お茶を飲んでいる。ユエラ様は、のほほんとした綿毛みたいな方だ。癒される。アランと雰囲気が似ているのも、ほっとする要因なのかもしれない。
「シュリちゃんも少しは歩けたらいいんだけどねぇ。動いて血行を良くしなきゃ、健康に悪い。クライヴくんに言っておこうね」
「はい……お願いします」
妊娠が判明してからというものの、クライヴ様の過保護に磨きがかかった。部屋から出してくれないのだ。
常に僕の具合が悪いというのもあるけれど、ちょっと、鬱陶しい……なんて、思ってはいけない。
ああ、僕って本当に性格が悪い。こんなに大事にしてくれているのに、少し庭に出て外の空気を味わうくらい、させてくれたっていいのにと思ってしまう。
彼の行動に制限は一切ないというのが、余計に、羨ましいというか、恨めしいというか。
世の妊婦さんは、皆んなこのような気持ちになるのだろうか?
次のクライヴ様の休日になって、ようやく僕は庭を散歩することが出来た。
「ああ……やっぱり、気持ちいい、です」
花の香り。草の青い香り。
頬や髪を撫でていく風も、じんわり身体を温めてくれる陽の光も。
僕って実は葉っぱなのかもしれない。こんなに外の空気が美味しいなんて。
「良かった。最近、君の笑顔が見れなくて心配していたんだ」
「すみません。その……時々は、やはりこうして外を歩かせて頂けると、嬉しいのですが」
「それは……俺がいない時に、か?」
クライヴ様が、眉根を下げる。負けないように、僕は少し早口になりながら、懇願した。
「ユエラ様からも、聞いていますでしょう?適度な運動をしなくては、どんどん身体が衰えてしまいます。それに、ずっと閉じ込められていては気鬱にもなりやすい。どうか、この美しい庭を眺めることを、お許しください……」
「……従魔とモーリス様と一緒ならば。仕方ない。すまないな。彼を信用していない訳ではない。ただ、もうご高齢の彼は、何かあったとして咄嗟には動けないから……」
「それは、護衛騎士がいるではないですか」
「しかし、数は十分でない。集団で一気に忍び込まれたら?どこか陽動されて隙が出来たら?……心配すればキリがないことは分かるのだが」
「スイちゃんたちもいますから。ね?クライヴ様、そんなことを言うなら、お仕事を全部放り出して僕と一緒にいてください。それなら、閉じ込められていても全く構いませんから」
はた、とクライヴ様が止まった。
えっと、冗談だから、気にしないで……?
クライヴ様は本当に公務を縮小された。
どうしても、というものだけに一時的に絞ったらしく、ほぼ一緒に過ごせるようになったのだ。
こうして、庭に用意された寝椅子に寝そべりながら、僕を後から抱きかかえ、お腹を撫でてくださる。
ぽかぽかするし、クライヴ様に守ってもらえている安心感もあるし、そもそも妊娠中だからか、うとうととしてくる。
クライヴ様とくっついていると、とても気分が良くて。
具合が悪くて眠るのとは違う。圧倒的気持ちよさの中で眠ることができる。
さわさわ。
風か、あるいはクライヴ様が、撫でてくれる。ふと、小さな声が聞こえて。
「よく眠れ。辛い思いをさせてすまない。……愛している、シュリエル」
※次回で終わります
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