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第71話『そして帰ってきた日常』(レナ視点)①

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(レナ視点)



例の女が消えてから一日経った。

既に学園の外には多くの灯りが集まっている。

おそらくは炎の魔法か、松明か何かなのだろう。

私は学園の奥にある見張り台からそれを見て、その多すぎる数にゴクリと唾を飲み込んだ。

「れ、レナちゃん」

「大丈夫。ヤスミンは私が必ず守るからね」

「そういうお前も前には出るなよ。レナ」

「そうそう。俺たちよりも後ろにいて」

「まぁ、そうだね。レナちゃんは考えが足りないタイプだし」

よくもまぁ言ってくれる。

しかし、完全に間違いという訳でもないし、何も言い返せない所ではある。

「それはみんな同じでしょ。という訳で、レナチームは無理しないで、生き残る事を第一に考える事」

「うん。そうしよう!」

私とヤスミンの言葉にみんなが頷いて、私たちは戦いの為の準備をしていたワケだが……思っていたよりも早く獲物が釣れた。

「あーあー。無駄な努力を頑張ってるんですねぇ」

「っ! みんな! 警戒して! コイツがシーラちゃんを傷つけた女だ!」

「傷つけた。なんて言うと語弊がありますね。私は先輩に愛の告白をしただけなんですから」

「頭もおかしい! 気を付けて!」

「本当に失礼な子ですねぇ。まぁ良いですけど。私の理解者は先輩だけで」

「シーラちゃんがお前みたいな女を認めるワケ無いだろ!!」

「先輩の事。なぁーんにも知らないんですね。ふふ。愚かな子」

「っ」

「先輩は誰かの事を否定しませんよ。私の事も同じ。だから先輩が欲しいんです。先輩だけが私の世界」

空中に浮きながら笑っていた女に、私たちは警戒をしつつ、それぞれが魔法の準備をしていた。

しかし、女は手を横に振るうと、私たちを全て見張り台の外へと吹き飛ばしてしまうのだった。

「あ、あわ! わたし、とべ!」

「ヤスミン!」

私は短距離転移でヤスミンの傍に移動すると、そのままヤスミンを支えて宙に飛ぶ。

他のみんなはと見ると、何とか飛行しながら地面に降りて行っている様だった。

そして、私は見張り台の屋根を壊し、中にあるベッドに近づく女に視線を移す。

「あぁ、先輩。会いたかったですよ。さ。一緒に世界の終わりを見ましょう? 先輩の事を閉じ込める世界の終わりを」

「かかった……! コピーシーラちゃん! 今だよ!!」
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