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第63話『帰ってきたシーラの恋愛教室』②
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(えっと。ですね。レナちゃん。良いですか?)
(うん)
(恋とは、甘酸っぱい物なんです)
(うん?)
(だから、こう何といいますか。世界が色付いた様に綺麗になって)
(……)
(その、ですね。こう、世界が)
(シーラちゃんさ)
(……はい)
(恋した事無いんでしょ)
(いや! そんな事は!)
(無いんでしょ?)
(……はい)
(はぁー。まぁしょうがない。シーラちゃんは人間じゃないんだもんね。人間のこういう気持ちは分からないか)
(う)
(しょうがない。私がちゃんと自分で考えて、答え出して、シーラちゃんに教えてあげるよ)
(えと、ありがとうございます)
(うん。ま、シーラちゃんは放っておくと、変な人に騙されそうだし。ちゃんと私が見てあげないとね。じゃ、また)
(……はい、お気を付けて)
それからレナちゃんは会話を打ち切ると、そのまま行動を始めた様だ。
なんて、ことだ!!
私はとりあえず自分の体を見えない様にしてからレナちゃんのすぐ傍に移動する。
コピーシーラ各体には子供たちに何かあった時にすぐ対応できる様に個々の判断に任せておく。
そして、とにかく最速でレナちゃんの所へと向かうのだった。
転移とほぼ同じ速度と言っても過言ではない速さでレナちゃんの元へ到着した私は、レナちゃんとナルシス君、トリスタン君、ルイ君の話を見る事にした。
とは言っても、レナちゃんは上手く会話出来ていないんだけど。
「あー。えっと。さ。なんていうかな。ナルシス君たちが色々と私に言いたい事がある様な気がするんだけど。とりあえず落ち着いて貰いたいんだ」
「あぁ」
「それがレナの望みなら」
「僕は別に?」
「あ、そうなんだね。じゃあとりあえず、ルイ君は大丈夫という事で、まずはナルシス君とトリスタン君とちょっと二人きりで話そうか」
「……む。そういう話なら、僕もレナちゃんと話したいな」
「あぇ!? そ、そうなの!? じゃあ、やっぱり三人と順番にお話ししましょう。一対一の真剣勝負だよ!」
「戦うのか? レナ」
「そんな訳無いでしょ! 会話だよ! 会話!」
「それはスマン」
「もう! ナルシス君はそういう所、気を付けて欲しいね! 本当にね!」
「困ったものだね。まったく。レナにここまで言われるとは」
「何分かった様な事言ってんのよ! アンタは! トリスタン! アンタにナルシス君の何が分かるっていうんだ!」
「す、すまない。レナ」
「私に謝ってどうするのよ」
「すまないね。レナ」
「アンタ。話、聞いてる?」
(うん)
(恋とは、甘酸っぱい物なんです)
(うん?)
(だから、こう何といいますか。世界が色付いた様に綺麗になって)
(……)
(その、ですね。こう、世界が)
(シーラちゃんさ)
(……はい)
(恋した事無いんでしょ)
(いや! そんな事は!)
(無いんでしょ?)
(……はい)
(はぁー。まぁしょうがない。シーラちゃんは人間じゃないんだもんね。人間のこういう気持ちは分からないか)
(う)
(しょうがない。私がちゃんと自分で考えて、答え出して、シーラちゃんに教えてあげるよ)
(えと、ありがとうございます)
(うん。ま、シーラちゃんは放っておくと、変な人に騙されそうだし。ちゃんと私が見てあげないとね。じゃ、また)
(……はい、お気を付けて)
それからレナちゃんは会話を打ち切ると、そのまま行動を始めた様だ。
なんて、ことだ!!
私はとりあえず自分の体を見えない様にしてからレナちゃんのすぐ傍に移動する。
コピーシーラ各体には子供たちに何かあった時にすぐ対応できる様に個々の判断に任せておく。
そして、とにかく最速でレナちゃんの所へと向かうのだった。
転移とほぼ同じ速度と言っても過言ではない速さでレナちゃんの元へ到着した私は、レナちゃんとナルシス君、トリスタン君、ルイ君の話を見る事にした。
とは言っても、レナちゃんは上手く会話出来ていないんだけど。
「あー。えっと。さ。なんていうかな。ナルシス君たちが色々と私に言いたい事がある様な気がするんだけど。とりあえず落ち着いて貰いたいんだ」
「あぁ」
「それがレナの望みなら」
「僕は別に?」
「あ、そうなんだね。じゃあとりあえず、ルイ君は大丈夫という事で、まずはナルシス君とトリスタン君とちょっと二人きりで話そうか」
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「戦うのか? レナ」
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「困ったものだね。まったく。レナにここまで言われるとは」
「何分かった様な事言ってんのよ! アンタは! トリスタン! アンタにナルシス君の何が分かるっていうんだ!」
「す、すまない。レナ」
「私に謝ってどうするのよ」
「すまないね。レナ」
「アンタ。話、聞いてる?」
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