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第61話『ヤスミンの乙女世界』(ヤスミン視点)①

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(ヤスミン視点)



危険な魔物が多数生息する危険な森での野外活動!

私は大した魔法が使えなくて……! このままじゃあ死んでしまう。

でも大丈夫。安心して。

だって私には素敵なナイト様が居るんだから!

一人目は、キッフレイ聖国の王子様で、いずれ王様になる御方!

お父様に似て、凛々しいお姿がとても素敵な方よ!

二人目は、ウィルベン王国の伯爵令息であるトリスタン・ド・モスネル様!

名門モスネル家の跡継ぎで、甘いマスクの紳士的な方よ。

女の子との噂は多いけど、トリスタン様が素敵なだけだから、しょうがないの。

でも、私を見る目は真剣で、いつも困った事があると助けてくれるの!

三人目は、活発な男の子。ルイ君よ。

いつも太陽みたいな笑顔で楽しそうにしていて、見ているだけで癒されちゃうわ!

でも、寂しがりな所もあって、そういう所もキュンと来ちゃうの!

四人目は、うん。誰でも知っているよね。そう。シーラ様! ……の、複製体なんだけど。

シーラ様と殆ど変わらなくて、とっても強くて、頼りになって。

それでいて可愛いの。

シーラ様を知っている人なら、みんな知ってるわよね。そう。あのチョコチョコ歩く姿が可愛いシーラ様がすぐ傍に居るのよ。

もうたまらないわ! 家に帰って一緒に住みたいくらい!

あ、ちょっと熱くなっちゃったわね。

最後の一人の事、話すのを忘れていたわ。

うん。

最後の一人。それはね。私の大親友。レナよ。

女の子みたいな見た目をしてるでしょ? でもね。実は違うの。

シーラ様の密命を受けて、私を守る為に、こうして女の子のフリをしてるんだ。

初めて部屋で男の子だって知った時はビックリしちゃった。

でも、彼は凄く紳士的で、同じ部屋に居ても、一度だって酷い事をした事は無いわ。

それでもね。

私の事、どう思ってるの? って聞くと、顔を真っ赤にしながら素敵な人です。って……。

「いや、解釈違いだわ」

「は? 何? 何かあった? ヤスミン」

「何も」

「なら良いけど。ちゃんと集中しないと危ないよ。さっきも転びそうになってたでしょ。手、繋ごうか?」

「くっ」

「いや、何、その顔」

「レナが女という事に悔しさを覚えてるの」

「意味わかんないんだけど」

「まぁ、レナがあまり女性らしくないからじゃないか?」

「はぁー? こんな女らしい女が他にいるかい! 同じ年の中じゃあ結構胸デカいんだよ?」

「そういう所じゃないかな。レナちゃん」
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