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第50話『聖女シーラ爆誕』②

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「あぁ、いや、対処に忙しかったというのは分かりますし。気づいていなかった私が偉そうに言うのはおかしいですね。はい。そう。皆さんはとても頑張っていました。私は遅れてしまいましたが、今度は遅れない様に気を付けます。はい」

「いや! シーラ様がその様な!」

「ちゃんと反省して、対策を考えます」

「た、対策でありますか?」

「はい。世界中のどこに居ても、どこかで起こった問題を把握する方法を」

「なっ!?」

私はため息を吐きながら、ナルシス君とレナちゃんが居る所へと向かった。

別にそこまで急ぎじゃないから転移せず飛んで行ったのだけれど、どうやら現地は大騒ぎの様である。

「どうにかなりませんか! マクシム様」

「……僕にはどうすることも」

なんだろう。重い空気。

どうしたんだろう。

「はいはい。シーラが来ましたよ。何かあればどうにかしますけど」

「……シーラ様。それが」

「はい」

「兄さんは怪我が酷く、このままでは命を落としてしまう状態です」

「なるほど」

私はチラッとレナちゃんを見るが、レナちゃんは青ざめていて、手を震えさせている。

自分が聖女だと名乗る事はしたくないのだろう。

まぁ、それはそうだ。

この世界で聖女の扱いなんて、便利な医療器具以下だし。

最悪友達が人質に取られてーとか。家族がー。とか色々あるしね。

よっし。ここは私が頑張りますか!

「分かりました。では私が何とかしましょう」

「え!? ですが、シーラ様は」

「ふふ。いつ私が聖女では無いと言いましたか?」

「「っ!」」

驚くレナちゃんとマクシム君。そして周囲の人たちを見ながら、私はとりあえずナルシス君を近くにある家に運んで、誰にも中が見えない様にして欲しいと告げた。

「シーラ様……?」

「良いですか!? 私は今から癒しの儀式をします。しかし、それは服を全て脱ぎ捨てて行う物な為、中を覗いた人はそういう趣味の人だと生涯言われる事になるでしょう! 覚悟して下さい」

「決して中は覗きません!!」

「よろしい。では助手としてレナちゃんも連れていきます。後はしばしお待ちください」

「ハッ!!」

「兄さんをお願いします。シーラ様。レナちゃん」

「はい!」
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