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第13話『色とりどりの光は、空を染めて』(ダン視点)④
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シーラ様はジャックに笑いかけると、傍にいたメイド服を着たやつから何かを受け取って、顔に付ける。
「それは?」
「これは魔力測定装置にして、人魔物判別装置になります」
「なん?」
「シーラ様。以前そちらの装置はスカウターという名前であると言っていませんでしたか?」
「シッ! シー! ですよ! その名前は危ないですから、使うのは禁止です! 権利者団体から怒れてしまうかもしれません!」
「はぁ」
「という訳で、魔力測定装置です。どうぞお見知りおきを」
「わ、分かったよ。それで? そのなんたら装置で何をしようってんだ?」
「今からこの町の周辺にいる魔物を全て掃討します。一応確認ですが、森に人は居ませんね?」
「あぁ、あんな場所にわざわざ行くやつは居ない」
「それは良かった。一応人の反応は除くつもりですが、万が一という事はありますからね。では行きます」
そしてシーラ様は背中から魔力の粒子を出しながら、ゆっくりと空中に浮かび上がっていった。
俺は家の中からじゃ見えないと外へ出て、シーラ様の姿を追った。
次の瞬間だ。
空が光ったかのような閃光と共に、シーラ様からいくつもの光る何かが森の方へと向かってゆき、それが森へと着弾してゆく。
何が起きているのかは分からないが、人間に理解できない何かという事だけは分かった。
「こ、これは……」
「シーラ様考案の広範囲魔物討伐魔法です。シーラ様は『やった! できた! ハイマットフルバーストだ!』と喜んでいらっしゃいましたから、おそらくはそれが魔法名だと思われます」
「……ハイマットフルバーストか。凄い魔法だ」
俺の呟きにメイドさんの一人が答えてくれた。
そしてそのメイドさんの言葉通り、シーラ様の魔法は町の付近にいた魔物をことごとく討伐しており、この魔法を恐れたのか魔物たちはよほどの事以外では町に来ることも無くなったのである。
この世の終わりとでもいうような世界から、一気にシーラ様が奇跡をもたらした町として有名になり、ムイゼンは瞬く間に発展していったのだ。
この日の奇跡を俺たちは忘れない。
シーラ様は世界で唯一、ムイゼンを見捨てず救ってくれた方なのだ。
そのお体に何かがあっては駄目だ。
という訳で、今日もシーラ様には傷一つ付かぬ様、皆で全ての危険を排除しつつ、心安らかに過ごしていただいているという訳だ。
お優しいシーラ様は、俺たちがいくら隠しても、危険な依頼を受けようとするが、どんな事態になろうともそれをさせる訳にはいかない。
シーラ様にいただいた平穏は、シーラ様にお返ししなくてはいけないのだから。
「それは?」
「これは魔力測定装置にして、人魔物判別装置になります」
「なん?」
「シーラ様。以前そちらの装置はスカウターという名前であると言っていませんでしたか?」
「シッ! シー! ですよ! その名前は危ないですから、使うのは禁止です! 権利者団体から怒れてしまうかもしれません!」
「はぁ」
「という訳で、魔力測定装置です。どうぞお見知りおきを」
「わ、分かったよ。それで? そのなんたら装置で何をしようってんだ?」
「今からこの町の周辺にいる魔物を全て掃討します。一応確認ですが、森に人は居ませんね?」
「あぁ、あんな場所にわざわざ行くやつは居ない」
「それは良かった。一応人の反応は除くつもりですが、万が一という事はありますからね。では行きます」
そしてシーラ様は背中から魔力の粒子を出しながら、ゆっくりと空中に浮かび上がっていった。
俺は家の中からじゃ見えないと外へ出て、シーラ様の姿を追った。
次の瞬間だ。
空が光ったかのような閃光と共に、シーラ様からいくつもの光る何かが森の方へと向かってゆき、それが森へと着弾してゆく。
何が起きているのかは分からないが、人間に理解できない何かという事だけは分かった。
「こ、これは……」
「シーラ様考案の広範囲魔物討伐魔法です。シーラ様は『やった! できた! ハイマットフルバーストだ!』と喜んでいらっしゃいましたから、おそらくはそれが魔法名だと思われます」
「……ハイマットフルバーストか。凄い魔法だ」
俺の呟きにメイドさんの一人が答えてくれた。
そしてそのメイドさんの言葉通り、シーラ様の魔法は町の付近にいた魔物をことごとく討伐しており、この魔法を恐れたのか魔物たちはよほどの事以外では町に来ることも無くなったのである。
この世の終わりとでもいうような世界から、一気にシーラ様が奇跡をもたらした町として有名になり、ムイゼンは瞬く間に発展していったのだ。
この日の奇跡を俺たちは忘れない。
シーラ様は世界で唯一、ムイゼンを見捨てず救ってくれた方なのだ。
そのお体に何かがあっては駄目だ。
という訳で、今日もシーラ様には傷一つ付かぬ様、皆で全ての危険を排除しつつ、心安らかに過ごしていただいているという訳だ。
お優しいシーラ様は、俺たちがいくら隠しても、危険な依頼を受けようとするが、どんな事態になろうともそれをさせる訳にはいかない。
シーラ様にいただいた平穏は、シーラ様にお返ししなくてはいけないのだから。
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