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第2話『騙されているんだ。お前たちは!!』
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聖女オリヴィアの一日は多忙である。
朝はまだ日が昇る前から目を覚まし、質素な部屋のベッドの上で聖女アメリア様へ、今日も朝を迎えられた事に感謝し、祈りを捧げる。
そして十分に祈りを捧げた後に、台所へ向かい朝食の準備をするのだが、当然、食材を作った人々、ここまで運んでくれた人々に感謝を告げ、彼らが無事毎日を過ごせている事に聖女アメリア様へ感謝の祈りを捧げるのだ。
その後、朝食を作ってから子供たちを起こし、皆が揃ってから朝食を食べられる喜びを、聖女アメリア様へ祈りという形で捧げ、食後も皆で感謝の祈りを捧げる。当然聖女アメリア様へ、だ。
それから子供たちは勉強をしたり、遊んだりと、各々の時間を過ごすが、聖女オリヴィアは教会へ来る人々の相手をしながら、子供の相手をして、と慌ただしく日常を過ごす事になる。
当然、何かトラブルが起こった際には、聖女アメリア様へ祈りを捧げ。
事態が解決すれば聖女アメリア様へ祈りを捧げ、聖女オリヴィアに相談しに来た人には共に聖女アメリア様へ祈りを捧げ、言葉を授けた後も、解決すれば聖女アメリア様のお陰であり、失敗すれば自分の責任だと話す。
その後、昼食も夕食も朝食と同じ様に過ごし、夜子供たちが寝る際には、聖女アメリア様への感謝を忘れぬ様にと共に祈り、眠らせる。
ただ子供も多く居る為、夜眠れない子供も居るが、その時は部屋に招いて聖女アメリア様の素晴らしさを語って聞かせるのであった。
そして一日の終わりには聖女アメリア様へ感謝の祈りをしてから、ベッドに入り聖女アメリア様へ感謝の祈りをしてから目を閉じ、聖女アメリア様への感謝の祈りと共に眠りの世界へと旅立つ。
これが聖女オリヴィアの一日である。
「頭がおかしいんじゃないのか!?」
「えー? そうかなぁ」
「うーん。何がおかしいんだろう?」
「騙されているんだ。お前たちは!!」
魔王は子供たちに、聖女オリヴィアの異常性を訴えるが、物心ついた時からオリヴィアの常識と共に生きてきた彼らに、魔王の言葉は響かない。
当然の様に受け入れ、当然の様に聖女アメリア様への祈りを捧げるだけなのだ。
「お前たちな。おかしな事にはおかしいと訴えなければ、なぁなぁに流される人生になってしまうぞ? それでも良いのか?」
「うーん?」
「なぁなぁ?」
「つまりだな。自分をしっかりと持てという話だ。確かに、聖女オリヴィアの言葉は正しい風に聞こえるかもしれない。腐っても聖女だ。雰囲気は間違いなく良い人間という奴だろう。しかし本性は、恐ろしいぞ」
「なんかまおー君の話難しいなぁ」
「そんな事はない。よく考えるんだ! とりあえず我と同じ言葉を言え。聖女オリヴィアは頭がおかしい」
「あ、オリヴィアお姉ちゃん!!」
「オリヴィアお姉ちゃんだ!」
「っ!!!??」
「皆さんお待たせしました」
魔王が子供たちを集めて、聖女オリヴィアの洗脳を解こうと必死になっている頃、背後からこの狂団の主が現れた。
そう。聖女オリヴィアである。
魔王は完全に固まり、彫刻の様になっていたが、子供たちはそんな魔王の事を気にする事なく、楽しそうに、嬉しそうに聖女オリヴィアへ駆け寄った。
そして、魔王は恐る恐る振り返り、いつも変わらない笑顔を浮かべるオリヴィアに笑いかけた。
「……」
「……」
「お、怒っておらんのか?」
「怒る理由がありませんよ」
「そ、そうか……」
「何を怯えているのか分かりませんが、私は聖女アメリア様の後を継ぎ、聖女と名乗っております。理由もなく、人に危害を加える事はありません」
「そうかそうか! そう言えばそんな事を言っていたな! アホのアメリアに憧れて……ガガガガ、ぐぁあああ!!」
「アメリア様を侮辱する事は許されません」
「分かった、分かったから!」
「では共に祈りましょう。皆さんも、一緒にお願いします」
「はーい!」
「分かりましたー!」
「いのる! 前に! これを!! 止めろ!!」
「魔王さん。ふざけないで下さい。アメリア様への祈りは何よりも大事な事なのですよ」
「そう! 思うなら! これを! 止めろぉ!!」
魔王は地面の上を転がりながら必死にオリヴィアへ訴えかけるが、オリヴィアは首を傾げるばかりであった。
そして魔王にとって衝撃的な言葉を放つ。
「アメリア様への信仰心があれば、どの様な痛みであろうと、苦痛など感じる筈がありません」
「そんな訳あるか!! アメリアのアホに祈るだけで痛みが消えたら聖女は要らんだろ!!」
「む。やはり魔王さんはアメリア様への敬意が足りませんね。仕方がありません。おしおきです。アメリア様へのお祈りをちゃんと行うまではそのままですよ」
「なんだと!? お、おい! お前たち! 我を助けろ! 助けてくれたらおやつをやるぞ!!」
「駄目だよ。まおーくん。オリヴィアお姉ちゃんの言う事ちゃんと聞かないと」
「そうだよー」
「お、お前たち……!」
「さ、みんなで聖女アメリア様へお祈りをしましょう。魔王さんも一緒にお願いしますね」
魔王はオリヴィアに言われても動かない。
仕方ないかとオリヴィアは魔王の内部に眠る光の魔力をより強く呼び出す事にした。
「うがががががあ!!! 分かった! 分かったから止めろ!!」
「はい。では少し弱くしますが、しっかりと魔王さんもお祈りしましょうね」
「……分かった。分かった」
オリヴィアの周りだけでなく、魔王の周りにも子供たちは集まり、皆で両手を組みながら目を閉じて祈る。
「聖女アメリア様」
「「「聖女アメリア様」」」
「アホリア、がががが!! やめい! 分かった! 我が悪かったから! ……くそぅ。聖女アメリア様! これで良いんだろう!?」
「本日も変わらず、世界は平和です。これも全て聖女アメリア様の祈りがあってこそ。我らもその祈りに協力させていただきます。聖女アメリア様に祝福を」
「「「聖女アメリア様に祝福を」」」
「せーじょアメリアに祝福をー。ってなんだ! これで良いんだろう!?」
「まぁ、良いでしょう。アメリア様への敬意が足りない様に思いますが、まずは祈る事。これが大事ですからね」
オリヴィアはそう言いながら魔王の体への影響を止め、微笑んだ。
そんな微笑みを見て、魔王は鼻で笑う。
「まったく。お前ら人間は無意味な事ばかりしているな」
「無意味……ですか?」
「そりゃそうだろう。いくら祈ろうとアメリアへは聞こえないし。そもそもアメリアは自分が祈られる様な人間だとは思っていない。別のアメリアが祈られてるなーくらいにしか感じて無いだろうよ」
「……っ」
「そもそもなんだ? お前らは。アメリアに救われた癖に、まだアメリアに助けを求めているのか? 随分と強欲な奴らだな」
「っ、違います!! 私たちは、アメリア様に感謝を、伝えているだけで」
「ハン! 何を言うか。お前の心は今もアメリアを強く求めているだろうが、祈り? 感謝? 違うな。お前がアメリアに求めているのは! ぐがっ!?」
オリヴィアは珍しく笑顔でない、どこか焦った様な表情で魔王に向かって二本の指を向けていた。
そしてその影響で魔王は地面にひっくり返り、目を回している。
おそらくは瞬間的に光の魔力が爆発した様に強くなった為、意識を保っている事が出来なくなったのだろう。
気絶してしまった魔王の周りで不思議そうに子供たちが、どうしたんだろうと騒いでいるが、オリヴィアはどこか冷たい目で魔王を見ているのだった。
朝はまだ日が昇る前から目を覚まし、質素な部屋のベッドの上で聖女アメリア様へ、今日も朝を迎えられた事に感謝し、祈りを捧げる。
そして十分に祈りを捧げた後に、台所へ向かい朝食の準備をするのだが、当然、食材を作った人々、ここまで運んでくれた人々に感謝を告げ、彼らが無事毎日を過ごせている事に聖女アメリア様へ感謝の祈りを捧げるのだ。
その後、朝食を作ってから子供たちを起こし、皆が揃ってから朝食を食べられる喜びを、聖女アメリア様へ祈りという形で捧げ、食後も皆で感謝の祈りを捧げる。当然聖女アメリア様へ、だ。
それから子供たちは勉強をしたり、遊んだりと、各々の時間を過ごすが、聖女オリヴィアは教会へ来る人々の相手をしながら、子供の相手をして、と慌ただしく日常を過ごす事になる。
当然、何かトラブルが起こった際には、聖女アメリア様へ祈りを捧げ。
事態が解決すれば聖女アメリア様へ祈りを捧げ、聖女オリヴィアに相談しに来た人には共に聖女アメリア様へ祈りを捧げ、言葉を授けた後も、解決すれば聖女アメリア様のお陰であり、失敗すれば自分の責任だと話す。
その後、昼食も夕食も朝食と同じ様に過ごし、夜子供たちが寝る際には、聖女アメリア様への感謝を忘れぬ様にと共に祈り、眠らせる。
ただ子供も多く居る為、夜眠れない子供も居るが、その時は部屋に招いて聖女アメリア様の素晴らしさを語って聞かせるのであった。
そして一日の終わりには聖女アメリア様へ感謝の祈りをしてから、ベッドに入り聖女アメリア様へ感謝の祈りをしてから目を閉じ、聖女アメリア様への感謝の祈りと共に眠りの世界へと旅立つ。
これが聖女オリヴィアの一日である。
「頭がおかしいんじゃないのか!?」
「えー? そうかなぁ」
「うーん。何がおかしいんだろう?」
「騙されているんだ。お前たちは!!」
魔王は子供たちに、聖女オリヴィアの異常性を訴えるが、物心ついた時からオリヴィアの常識と共に生きてきた彼らに、魔王の言葉は響かない。
当然の様に受け入れ、当然の様に聖女アメリア様への祈りを捧げるだけなのだ。
「お前たちな。おかしな事にはおかしいと訴えなければ、なぁなぁに流される人生になってしまうぞ? それでも良いのか?」
「うーん?」
「なぁなぁ?」
「つまりだな。自分をしっかりと持てという話だ。確かに、聖女オリヴィアの言葉は正しい風に聞こえるかもしれない。腐っても聖女だ。雰囲気は間違いなく良い人間という奴だろう。しかし本性は、恐ろしいぞ」
「なんかまおー君の話難しいなぁ」
「そんな事はない。よく考えるんだ! とりあえず我と同じ言葉を言え。聖女オリヴィアは頭がおかしい」
「あ、オリヴィアお姉ちゃん!!」
「オリヴィアお姉ちゃんだ!」
「っ!!!??」
「皆さんお待たせしました」
魔王が子供たちを集めて、聖女オリヴィアの洗脳を解こうと必死になっている頃、背後からこの狂団の主が現れた。
そう。聖女オリヴィアである。
魔王は完全に固まり、彫刻の様になっていたが、子供たちはそんな魔王の事を気にする事なく、楽しそうに、嬉しそうに聖女オリヴィアへ駆け寄った。
そして、魔王は恐る恐る振り返り、いつも変わらない笑顔を浮かべるオリヴィアに笑いかけた。
「……」
「……」
「お、怒っておらんのか?」
「怒る理由がありませんよ」
「そ、そうか……」
「何を怯えているのか分かりませんが、私は聖女アメリア様の後を継ぎ、聖女と名乗っております。理由もなく、人に危害を加える事はありません」
「そうかそうか! そう言えばそんな事を言っていたな! アホのアメリアに憧れて……ガガガガ、ぐぁあああ!!」
「アメリア様を侮辱する事は許されません」
「分かった、分かったから!」
「では共に祈りましょう。皆さんも、一緒にお願いします」
「はーい!」
「分かりましたー!」
「いのる! 前に! これを!! 止めろ!!」
「魔王さん。ふざけないで下さい。アメリア様への祈りは何よりも大事な事なのですよ」
「そう! 思うなら! これを! 止めろぉ!!」
魔王は地面の上を転がりながら必死にオリヴィアへ訴えかけるが、オリヴィアは首を傾げるばかりであった。
そして魔王にとって衝撃的な言葉を放つ。
「アメリア様への信仰心があれば、どの様な痛みであろうと、苦痛など感じる筈がありません」
「そんな訳あるか!! アメリアのアホに祈るだけで痛みが消えたら聖女は要らんだろ!!」
「む。やはり魔王さんはアメリア様への敬意が足りませんね。仕方がありません。おしおきです。アメリア様へのお祈りをちゃんと行うまではそのままですよ」
「なんだと!? お、おい! お前たち! 我を助けろ! 助けてくれたらおやつをやるぞ!!」
「駄目だよ。まおーくん。オリヴィアお姉ちゃんの言う事ちゃんと聞かないと」
「そうだよー」
「お、お前たち……!」
「さ、みんなで聖女アメリア様へお祈りをしましょう。魔王さんも一緒にお願いしますね」
魔王はオリヴィアに言われても動かない。
仕方ないかとオリヴィアは魔王の内部に眠る光の魔力をより強く呼び出す事にした。
「うがががががあ!!! 分かった! 分かったから止めろ!!」
「はい。では少し弱くしますが、しっかりと魔王さんもお祈りしましょうね」
「……分かった。分かった」
オリヴィアの周りだけでなく、魔王の周りにも子供たちは集まり、皆で両手を組みながら目を閉じて祈る。
「聖女アメリア様」
「「「聖女アメリア様」」」
「アホリア、がががが!! やめい! 分かった! 我が悪かったから! ……くそぅ。聖女アメリア様! これで良いんだろう!?」
「本日も変わらず、世界は平和です。これも全て聖女アメリア様の祈りがあってこそ。我らもその祈りに協力させていただきます。聖女アメリア様に祝福を」
「「「聖女アメリア様に祝福を」」」
「せーじょアメリアに祝福をー。ってなんだ! これで良いんだろう!?」
「まぁ、良いでしょう。アメリア様への敬意が足りない様に思いますが、まずは祈る事。これが大事ですからね」
オリヴィアはそう言いながら魔王の体への影響を止め、微笑んだ。
そんな微笑みを見て、魔王は鼻で笑う。
「まったく。お前ら人間は無意味な事ばかりしているな」
「無意味……ですか?」
「そりゃそうだろう。いくら祈ろうとアメリアへは聞こえないし。そもそもアメリアは自分が祈られる様な人間だとは思っていない。別のアメリアが祈られてるなーくらいにしか感じて無いだろうよ」
「……っ」
「そもそもなんだ? お前らは。アメリアに救われた癖に、まだアメリアに助けを求めているのか? 随分と強欲な奴らだな」
「っ、違います!! 私たちは、アメリア様に感謝を、伝えているだけで」
「ハン! 何を言うか。お前の心は今もアメリアを強く求めているだろうが、祈り? 感謝? 違うな。お前がアメリアに求めているのは! ぐがっ!?」
オリヴィアは珍しく笑顔でない、どこか焦った様な表情で魔王に向かって二本の指を向けていた。
そしてその影響で魔王は地面にひっくり返り、目を回している。
おそらくは瞬間的に光の魔力が爆発した様に強くなった為、意識を保っている事が出来なくなったのだろう。
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