上 下
61 / 69
親友ポジ編

56話「THIS IS LOVE」

しおりを挟む

日向ひなたこはるが二次試験を直前に控えた時の話。

2月14日とある放課後の話

「やっほ~優希ゆうき君」

「お疲れ様!優希!」

自由登校の日に何故か居る風夏ふうかと久しぶりにもえに話かけられた。

「風夏に萌もおはよう!」

「あれ、朝比奈先輩、自由登校なのにわざわざ来てるんですか?
もしかして留年?」

「あら、もやちゃん?もゆちゃん?だっけ?あなたこそ最近見ないから友達もできなくて学校辞めたのかと思ってたわ!」

この感じ文化祭ぶりだな…

「2人とも朝から仲良いね…」

「仲良い訳ないでしょ!」

「そうですよ!」

うーん、息ぴったりな気もするが…

「てか、先輩は今年で卒業しちゃうんですねぇ~残念だなぁ~LJKですね??」

「さっきからあなたって人は…」

「で、2人ともどうしたの?」

「優希君、今日何かわかってる?」

「うーんと、hssのニューアルバムの発売日?」

「確かにお兄ちゃんのバンドもそうですけど!」

「今日はバレンタインよ?」

hssの新曲が良すぎてすっかり忘れていた…

「あ、あ~そうだったそうだった。はいはい、バレンタインね…」

「絶対忘れてましたよね?」

「ごめんなさい…」

「優希君これ、私からのほ、ん、め、い!」

風夏から手作りのチョコを渡された。

「あっ先越された…
優希、私からも本命!!!!」

「え?」

「はぁ??」

咄嗟に受け取ってしまった…

「萌ちゃん?ちょっと良いかな?」

「お二人がお似合いなのも分かってますけど、今日ぐらいいいじゃないですか~!
朝比奈先輩…重くて拘束する嫉妬深い女は振られますよ?」

「あのねぇ~てか、優希君何受け取ってるのよ!」

前より口が達者になった萌にいつも以上に怒ってる風夏に挟まれる俺…

「まあ、私が選ばれる訳ないの分かってるんで…
まああれですよ、2人にちゃんとお幸せにって言いたくて…
あの、2人が結ばれて良かったって思ってます。
まあ本当は私と桃花ももかちゃんなんて最高におもしれぇ女を選ばなかったの後悔させますよ!
それじゃ、私は忙しんで。」

言いたいことだけ言って萌は去っていった。

「あの!お兄さんに新曲最高でしたって伝えといて!」

「わかりましたよ~あのアルバム私もボーカルで参加してるんで~では!」

「元気そうで良かったわ。」

風夏から意外な言葉が出てきた。

「実はね、私さ文化祭の後なんて声かければ良いか分からなくてさ、萌ちゃんを避けてたんだよね。
でもでも!あの子やっぱムカつく…まあそんな所も可愛いか…」

バレンタインは毎年、栞菜かんなから義理チョコしか貰ってなかったから今年はすっかり忘れてたな。

「ねぇ優希君。」

「どうしたの?」

「一緒に帰らない?」

「もちろんいいよ!」

「いやさ、バレンタインってのもあったんだけどさ、この裏高で後何回優希君と顔合わせて、後何回制服着れて、後何回、君と下校できるんだろうって
思ったらさ、会いたくなっちゃって…
わざわざ制服着て来ちゃった。」

そうか、初めて出会った時はまだ桜も咲いててまだ時間なんて一生あると思ってたな。
この学校から風夏がいなくなるのか、寂しいな…
風夏から声かけてくれて次第に仲良くなって、縮まった距離がまた離れていってそれでも好きで良かったな…

「そんなこと言われたらさ、寂しくなるよ。」

「意外と優希君もそんなふうに思うんだ~」

「当たり前じゃん!」

「本当ね、できれば優希君が入学してすぐに知り合えて付き合えてたらなとかさ、もし2人が同い年だったらとか思っちゃうよね~
でもその時出会えてたとして、私達付き合えてたなんて分からないしやっぱ今が一番なのかなとも思ったり…」

「今が幸せだから今が一番だよ。」

「私もだよ。じゃあ帰ろっか~」

「うん!」

「てか私がいないからって萌ちゃんとか新しく入る後輩とかにうつつ抜かさないでよ~」

「こんなに可愛い人他にいないから大丈夫だよ!」

「可愛いとかじゃなくて、好きで愛してるからとかそういうこと言えないのかな~」

「ごめんて~」

出会いがあれば別れもあるし、今日ぐらいは国民的アニメみたいに一生歳取らなきゃいいのにな、なんて思った。







「もしもし、桃花ちゃん?あのさ、今度のオーディションのことなんだけどさ、私やっぱり出たい!」







「栞菜、大丈夫?」

「どうしたの?沙織さおりちゃん?」

「いや、今年は渡さなかったんでしょ?毎年恒例の義理という名の本命チョコ。」

「うん、なんか作るには作ったんだけど…」

「私が貰ってあげてもいいよ?本命?」

「何それ~励ましてるつもり~?」

「私は結構本気なんだけどな~
な~んてね」







(お疲れ様です、こはるは二次試験終わった後の日曜ってなんか予定あります?)

(翼くんからFINE送ってくるなんて珍しいわね、空いてるわよ?)

(良かったらお疲れ様も兼ねて出かけませんか?)

(いいわよ?)







それぞれのバレンタイン…
それぞれの将来
それぞれの第一歩が輝くために…







「や、やばい、翼様にバレンタインあげるの忘れたああああああああああああああああああああああああ」


ー続くー
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

男女比1:10000の貞操逆転世界に転生したんだが、俺だけ前の世界のインターネットにアクセスできるようなので美少女配信者グループを作る

電脳ピエロ
恋愛
男女比1:10000の世界で生きる主人公、新田 純。 女性に襲われる恐怖から引きこもっていた彼はあるとき思い出す。自分が転生者であり、ここが貞操の逆転した世界だということを。 「そうだ……俺は女神様からもらったチートで前にいた世界のネットにアクセスできるはず」 純は彼が元いた世界のインターネットにアクセスできる能力を授かったことを思い出す。そのとき純はあることを閃いた。 「もしも、この世界の美少女たちで配信者グループを作って、俺が元いた世界のネットで配信をしたら……」

これ以上ヤったら●っちゃう!

ヘロディア
恋愛
彼氏が変態である主人公。 いつも自分の部屋に呼んで戯れていたが、とうとう彼の部屋に呼ばれてしまい…

妻がエロくて死にそうです

菅野鵜野
大衆娯楽
うだつの上がらないサラリーマンの士郎。だが、一つだけ自慢がある。 美しい妻、美佐子だ。同じ会社の上司にして、できる女で、日本人離れしたプロポーションを持つ。 こんな素敵な人が自分のようなフツーの男を選んだのには訳がある。 それは…… 限度を知らない性欲モンスターを妻に持つ男の日常

ニューハーフな生活

フロイライン
恋愛
東京で浪人生活を送るユキこと西村幸洋は、ニューハーフの店でアルバイトを始めるが

お兄ちゃんはお医者さん!?

すず。
恋愛
持病持ちの高校1年生の女の子。 如月 陽菜(きさらぎ ひな) 病院が苦手。 如月 陽菜の主治医。25歳。 高橋 翔平(たかはし しょうへい) 内科医の医師。 ※このお話に出てくるものは 現実とは何の関係もございません。 ※治療法、病名など ほぼ知識なしで書かせて頂きました。 お楽しみください♪♪

生贄にされた先は、エロエロ神世界

雑煮
恋愛
村の習慣で50年に一度の生贄にされた少女。だが、少女を待っていたのはしではなくどエロい使命だった。

My Doctor

west forest
恋愛
#病気#医者#喘息#心臓病#高校生 病気系ですので、苦手な方は引き返してください。 初めて書くので読みにくい部分、誤字脱字等あると思いますが、ささやかな目で見ていただけると嬉しいです! 主人公:篠崎 奈々 (しのざき なな) 妹:篠崎 夏愛(しのざき なつめ) 医者:斎藤 拓海 (さいとう たくみ)

泥々の川

フロイライン
恋愛
不遇な生活を送る少年、祢留の数奇な半生。

処理中です...