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親友ポジ編
56話「THIS IS LOVE」
しおりを挟む日向こはるが二次試験を直前に控えた時の話。
2月14日とある放課後の話
「やっほ~優希君」
「お疲れ様!優希!」
自由登校の日に何故か居る風夏と久しぶりに萌に話かけられた。
「風夏に萌もおはよう!」
「あれ、朝比奈先輩、自由登校なのにわざわざ来てるんですか?
もしかして留年?」
「あら、もやちゃん?もゆちゃん?だっけ?あなたこそ最近見ないから友達もできなくて学校辞めたのかと思ってたわ!」
この感じ文化祭ぶりだな…
「2人とも朝から仲良いね…」
「仲良い訳ないでしょ!」
「そうですよ!」
うーん、息ぴったりな気もするが…
「てか、先輩は今年で卒業しちゃうんですねぇ~残念だなぁ~LJKですね??」
「さっきからあなたって人は…」
「で、2人ともどうしたの?」
「優希君、今日何かわかってる?」
「うーんと、hssのニューアルバムの発売日?」
「確かにお兄ちゃんのバンドもそうですけど!」
「今日はバレンタインよ?」
hssの新曲が良すぎてすっかり忘れていた…
「あ、あ~そうだったそうだった。はいはい、バレンタインね…」
「絶対忘れてましたよね?」
「ごめんなさい…」
「優希君これ、私からのほ、ん、め、い!」
風夏から手作りのチョコを渡された。
「あっ先越された…
優希、私からも本命!!!!」
「え?」
「はぁ??」
咄嗟に受け取ってしまった…
「萌ちゃん?ちょっと良いかな?」
「お二人がお似合いなのも分かってますけど、今日ぐらいいいじゃないですか~!
朝比奈先輩…重くて拘束する嫉妬深い女は振られますよ?」
「あのねぇ~てか、優希君何受け取ってるのよ!」
前より口が達者になった萌にいつも以上に怒ってる風夏に挟まれる俺…
「まあ、私が選ばれる訳ないの分かってるんで…
まああれですよ、2人にちゃんとお幸せにって言いたくて…
あの、2人が結ばれて良かったって思ってます。
まあ本当は私と桃花ちゃんなんて最高におもしれぇ女を選ばなかったの後悔させますよ!
それじゃ、私は忙しんで。」
言いたいことだけ言って萌は去っていった。
「あの!お兄さんに新曲最高でしたって伝えといて!」
「わかりましたよ~あのアルバム私もボーカルで参加してるんで~では!」
「元気そうで良かったわ。」
風夏から意外な言葉が出てきた。
「実はね、私さ文化祭の後なんて声かければ良いか分からなくてさ、萌ちゃんを避けてたんだよね。
でもでも!あの子やっぱムカつく…まあそんな所も可愛いか…」
バレンタインは毎年、栞菜から義理チョコしか貰ってなかったから今年はすっかり忘れてたな。
「ねぇ優希君。」
「どうしたの?」
「一緒に帰らない?」
「もちろんいいよ!」
「いやさ、バレンタインってのもあったんだけどさ、この裏高で後何回優希君と顔合わせて、後何回制服着れて、後何回、君と下校できるんだろうって
思ったらさ、会いたくなっちゃって…
わざわざ制服着て来ちゃった。」
そうか、初めて出会った時はまだ桜も咲いててまだ時間なんて一生あると思ってたな。
この学校から風夏がいなくなるのか、寂しいな…
風夏から声かけてくれて次第に仲良くなって、縮まった距離がまた離れていってそれでも好きで良かったな…
「そんなこと言われたらさ、寂しくなるよ。」
「意外と優希君もそんなふうに思うんだ~」
「当たり前じゃん!」
「本当ね、できれば優希君が入学してすぐに知り合えて付き合えてたらなとかさ、もし2人が同い年だったらとか思っちゃうよね~
でもその時出会えてたとして、私達付き合えてたなんて分からないしやっぱ今が一番なのかなとも思ったり…」
「今が幸せだから今が一番だよ。」
「私もだよ。じゃあ帰ろっか~」
「うん!」
「てか私がいないからって萌ちゃんとか新しく入る後輩とかにうつつ抜かさないでよ~」
「こんなに可愛い人他にいないから大丈夫だよ!」
「可愛いとかじゃなくて、好きで愛してるからとかそういうこと言えないのかな~」
「ごめんて~」
出会いがあれば別れもあるし、今日ぐらいは国民的アニメみたいに一生歳取らなきゃいいのにな、なんて思った。
・
・
・
「もしもし、桃花ちゃん?あのさ、今度のオーディションのことなんだけどさ、私やっぱり出たい!」
・
・
・
「栞菜、大丈夫?」
「どうしたの?沙織ちゃん?」
「いや、今年は渡さなかったんでしょ?毎年恒例の義理という名の本命チョコ。」
「うん、なんか作るには作ったんだけど…」
「私が貰ってあげてもいいよ?本命?」
「何それ~励ましてるつもり~?」
「私は結構本気なんだけどな~
な~んてね」
・
・
・
(お疲れ様です、こはるは二次試験終わった後の日曜ってなんか予定あります?)
(翼くんからFINE送ってくるなんて珍しいわね、空いてるわよ?)
(良かったらお疲れ様も兼ねて出かけませんか?)
(いいわよ?)
・
・
・
それぞれのバレンタイン…
それぞれの将来
それぞれの第一歩が輝くために…
・
・
・
「や、やばい、翼様にバレンタインあげるの忘れたああああああああああああああああああああああああ」
ー続くー
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