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夏休み編

36話「サマータイムツインズ伍」

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新川優希しんかわゆうき3泊4日の旅、3日目
一瞬と言う名の永遠…

朝か、あんまり寝れなかったな…
昨日のキスが忘れられない。
確かに久々に会ったゆいは大人になっていた
そりゃ可愛いかったしかなり変わった所もあったけど…

「お兄ちゃん~海行こ~!!」

「あ、そうだった…」

昨日のことが衝撃的すぎてすっかり忘れていた
今日はみんなで海で遊ぶって話だった。

「お兄ちゃん具合悪いの?」

「いや全然そんな事ないよ!準備するね。」

昨日の今日でどんな顔でゆいに会えば良いんだ。

「おはよ~昨日のは事故だったよな!!」

これは違うか…

「おはよ、ゆい、昨日はありがと❤︎楽しかったぜ!」

これも絶対違う…

まあ気にしすぎもよくないか…

楽しみな反面少し不安にも思いながら海に向かう準備をした。

「お兄ちゃん~まだ~」







三日連続快晴だな。
なんなら雨でも降ってくれればなんて思ってしまった。
積乱雲が俺の悩みなんかアホらしいぐらい大きくてビビるレベルだ…

「暑いね、お兄ちゃん。」

「な~」

「やっぱお兄ちゃん元気ない?」

まずいこんな子供にも気を遣わせてしまった…

「いや、本当に大丈夫だよ!!」

「あ、2人もう居るよ~」

「おはよう、優希君、未来《みく》ちゃん!」

「おっす~2人とも」

そこには特に気にしてなさそうなもえが立っていた。

「お、おはよ…」

「じゃ、じゃあ早速行こうか!」

「お、おう!」

「私たちは更衣室で着替えてくるから!!」

「分かった、未来の事よろしく。」







更衣室にて…

「ねぇもえ、絶対昨日なんかあったろ!」

「いや、本当に何もないんだって~」

「お兄ちゃんも朝から元気なさそうだったよ?」

「おい、まさか優希のやつ…」

「ち、違うの…」

「じゃあ、何があったんだよ!!」

「…。」

「え、ええええええ~!!!!」

「なになに~未来も聞きたい~」

「未来ちゃん、あんたには早いよ。」

「お兄ちゃんとゆいちゃんは両想いなんでしょ!」

「違うよ~、まあかおり、そういう事だから!優希君には言わないでね。
私先行ってるから!」

「ゆい、まさかあんたがそんなに大胆とは…」







「みんな遅いな。」

「お兄ちゃんお待たせ!」

「優希君、遅くなってごめんね。」

「よし、泳ぐぜ~」

ーーその時、俺は思い出した。
みんなと海に行くという事の凄さを。水着が見れるという喜びを…

「おい、優希のやつ、ゆいの水着姿見て鼻の下伸ばしてるぞ?」

「いやいやいや、そんな事は…」

「優希君、嫌だった?」

「いやいやいや、そんな事は…」

「お兄ちゃん、未来は~!」

「おー未来はとっても似合ってるな。可愛いぞ!う、うん」

「逃げたな、優希のやつ…」

「かおり、ちょっとやめてよ~」

昔はよく海でかおりと素潜り対決とかやったりしたもんだ。

「とりあえず場所取りも終わったし、どうするか」

「私は未来ちゃんと海で遊んでくるから、優希とゆいは好きにぷらぷらしてなよ!じゃ!」シュババババ

「ちょっと、かおり~」

「2人とも行っちゃったな。」

「私、飲み物買ってくる…」

「俺も行くよ!」

「1人で行きたいの!」

なんだかゆいに怒られてしまった…
まあゆいも少し一人になりたかったんだろう







「もう~かおりには言うんじゃ無かった…分かりやすく優希君と2人にするのとか恥ずかしいからっやめて欲しいよ
それに、昨日のこともあるし…」

「ねぇねぇお姉さん1人?」

「え?」

「可愛いねお姉さん。いくつ?」

「あ、あの、私その地元の人で…」

「地元なら尚更良いじゃん!ちょっと俺たち男だけできててさ~」

「やめてください…」

「一緒にお酒飲もうよ~」

「あ、あの本当に…」

「おい、お前らやめろよ!」

「ゆ、優希君…」

「嫌がってんだろ」

「は、お前何?」

「俺はこいつの彼氏だけど?」

「チッなんだよ」

「おい、何だよじゃなくて謝れよ?」

「うるせーな」

「おい、お前ら大人数で恥ずかしくねぇのか?」

この声は…

「おい、拓真君この人読モの七海和也ななみかずやだ。この人確か空手黒帯だよ…」

「す、すいませんでした~」

「まさかお前に助けてもらうとはな、余計なお世話だったけど。」

「あ!お前、桃花の…チッ、助けなきゃ良かったぜ。じゃあな…」

「大丈夫だったか?ゆい?」

「優希君が私の彼氏…優希君が私の彼氏…優希君が私の彼氏…」

「おい、ゆい?」

「え、あ、は!ありがとう…優君!」

「良かった、やっぱ1人で飲み物買いに行くの1人で行かせるのもなって思って…」

「う、うんごめんね。」

「謝んなよ!行こうぜ!」

「うん!」

その後はみんなで普通に海で遊んだ
帰るのが惜しくなるぐらいに感じた。

「いや~遊んだね。」

「う、うん」

「未来ちゃん眠い?」

「う、うん」

「そろそろ帰るか、タイムカプセルも見にいくし!」

「そうだね。」

「でさ、この後、ゆいさ、ちょっと時間あるか?」

「優希、あれだったら未来ちゃん家まで送ろうか?」

「頼んでもいいか?」

「任せて~後はお二人でごゆっくり~」

「ちょっと、かおり~」

「ゆい、昨日の事も含めて話したいことがあるんだ。」

やっぱり、ちゃんと話さなきゃな…
俺の気持ち。

ー続くー
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