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第一章
01-04「前夜」
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グラディアの装備。
それらは「プロテクター」、通称:「ネオン」あるいは「ネオン装置」と呼ばれる物を宿し、それらは衝撃が加われば反応して電子シールドを展開し、それを吸収する。
だが特徴的なのはそれが「衝撃を受けるはずだった箇所」の耐久性を反映する為、ネオンの耐久力を強化するには己の肉体の強化や何かしらの技能習得の必要があるということだ。
また、ネオン残量が無になると使用者の全身の筋肉を拘束し、行動を禁止する機能を搭載している。
こうなったグラディアートルは原則即座に戦場外へ「ワープ」させられる。
装備とワープの力によってグラディアは「安全なる剣闘」たり得るのだ。
マイクロバスに乗って「第7区」へ。
「ブラザーズ・イン・アームズ」と表示された巨大なスクリーンを入り口の上部に備え付けてある高層ビルに、7人は入っていった。
入って早々、マネキンに着せられたスタイリッシュな防具の数々や丁寧に陳列された武器の数々が目を引く。
「ここは一階から十一階まで全部売り場だから、きっと気にいる物があるはずさ。僕は順々に回ってくるから、その時に君たちがいいなと思うものは遠慮せず報告してくれ」
彼らはわくわくしながら広い建物全体に散り散りになっていった。
エレベーターを駆使し、ソウは三階の「オーディン社」の売り場に来ていた。
「何かお困りですか?」
難しい顔で空間に映し出された商品の説明文を眺めていた彼に、優しげな男性店員が声を掛けてくる。
「これ、なんて書いてあるか教えて」
「畏まりました」
そう言って、店員は最新作の兜:「サーガ-008」の説明を読み上げた。
「ぼうぎょりょくが高いのか、いいね」
「はい、試合の時この商品の防御力を頼りにされてみてもよいかと」
「じゃあ、買う」
「お客様ご自身が買われるのですか?」
「いや、かんとくのジュピターが買ってくれる。…だから来るまで待つよ」
「畏まりました」
ソウはそれからも店員と一緒に品々を見て回った。
「そういえば」
ふと湧いてきた疑問を、プロにぶつける。
「おれのうで時計でここのそうびはよび出せるの?」
「腕時計?」
ソウは装着しているロキの形見を店員に見せた。
店員はそれをまじまじと見ていたが、
「ちょっと拝借してもよろしいですか?」
とソウからそれを受け取った。
「ぬすまないでね」
「御冗談を」
店員は、飴細工に触れるような手付きでソウの腕時計を操作し、驚いていた。
「この腕時計、市場に出回ったことがない物かもしれません。腕時計型のデバイス自体は存在しているのですが、このような形状でこのような型番の腕時計は見たことがありません」
「知らないだけじゃないの?」
「いえ、自信を持ってそれはないと言えます。私自身、子供の頃からこのグラディアの世界が好きでこの会社に入って、業界には20年以上携わってきたので主要な物は全て頭に入っています。社内で実施されるテストでも最優秀でしたし。…それで、これをどこで?」
「ロキっていう元プロのグラディアートルからもらった」
「でしたら、そのロキさんがお使いになっていた頃の記録が残っているはずです」
店員は夢中になってボタンやタッチパネルをいじっていた。
そして怪訝な顔をした。
「おかしいですね。お客様のお名前しか『所有者履歴』にはありません。所有者の変更はご自身でされたのですか?」
「いや、かってに使えるようになっていた」
「そうですか」
店員はソウの返答を聞いて、困ってしまった。
ベテランでも打つ手なし。
「やはり私には分かりかねます。お力になれず申し訳ありません。ですが、お買い物のお手伝いはこなすことが出来ると思いますのでどうぞご遠慮なく声を掛けて下さいませ」
ソウは全く気にする様子無く、また店員と共に装備品の検討をして回った。
「どうだい?」
ジュピターに訊かれて、ソウは全身鎧「ラタトスク-002」と兜「ブーリ・カスタム」をそれぞれ指さした。
前者は身体にぴったり密着する漆黒のボディースーツ型で、水平方向に伸びる細いネオンが間隔を開けて何本も張り巡らされている。補助機能によって急加速やスピードを維持したままの方向転換が可能である。
後者は口元を覆い隠す金属製のマスク。ガスマスクの口元を切り取ったような格好をしていて、ネオンは縁に張り付いている。着用者の状況に合わせて取り込める酸素量を増加させる。
「ブーリか、懐かしいな」
ジュピターがふと呟いた。
彼がグラディアートルを夢見た約30年前、新興のオーディン社が一作目として発売した「ブーリ」を使っているプロ選手は少なかった。
その名前の響きとデザインが好きだった。だから試合を見ていて時々それを発見した時、ジュピター少年は喜んだ。
「よし、買おうじゃないか」
ここでもジュピターを最も喜ばせたのはソウだった。
帰舎後は、各々がデータを基にしたオーダーメイドの計画に沿って鍛錬を積んだ。
ソウの場合、基礎身体能力は十分であったから、走りながらの正確な射撃能力を強化するトレーニングが核だった。
肉体を酷使する先程とは対照的に、訓練後はソウは与えられたタブレット端末で識字と教養を身につける。
端末によると、ソウの学習能力は抜群に秀でているようだった。
ジュピターもそのデータを見て満足気に頷いた。
夕食の時間になった。
一日目と同じように、皆で食卓を囲んだ。
「一つ良いニュースだ」
食事の途中、ジュピターは切り出した。
「ちょうど一週間後、他のクラブとの練習試合が決まった」
その言葉を聞いて、グラディアートル達に緊張と興奮がほとばしった。
「誰だ!? どこのどいつが相手なんだ監督!?」
ウィルが思わず身を乗り出す。
「対戦相手は」
その名を聞いて、無知なソウ以外、驚天動地の思いだった。
「デスティニーヒル・ライオンズ」
デスティニーヒル・ライオンズ。
「第6区」北方に位置する工業地域:デスティニーヒルに存在するマイナーチーム。
このチームは「プリマ・リーガ」での優勝を4回経験する超大手:「GCソルレオンズ」の傘下にあるのだ。
歴代の実力は極めて高く、現にかつての所属選手の中には「プリマ・リーガ」で高い評価を受けている者も多い。
「相手は交流試合と言い張っているが僕達にとっては練習試合。ルールは『3on3』で一戦のみ。相手は多分2軍、3軍だろうから勝機は十分にあるはずだ。それに、もし勝ったら僕達は一気に強力なチームとして有名になる」
ジュピターが熱弁する。
「出場メンバーは基本的にスタンダードの3人だが、誰かをソウ君と交代させる可能性がある。なるべく相手の意表を突きたいんだ。その場合はどうかわかってほしい」
その言葉を聞き、ミナーヴァは嫌そうにそっぽを向いていた。
嫌な予感が彼女の胸を締め付けていた。
だがそんな予想も外れ、試合前日訓練後に発表された出場メンバーでは、ウィルがソウと交代させられていた。
ミナーヴァは胸を撫で下ろし、自尊心を少し取り戻した。
「お前、俺の分まで活躍しろよ」
「うん」
ミーティング終了後、残っていたウィルはソウの返事を聞くと、ようやく戻っていった。
「ねえ」
ミナーヴァがソウに話しかける。
「ん、なに?」
「あんた、最近ちょっとパパに気に入られてるからってあまり調子乗らないでよね。あたしの方が優秀だし、パパにとっていつでも一番なのはあたしなんだから」
ソウは返答に困り、小さく「うん」とだけ答えた。
ミナーヴァは席を立った。
彼女自身、ソウにこのように接した時、自分が荒んで醜悪な存在だと思った。
様々な感情が交差する決戦前夜。
夜が明けた時、彼らが出会うのは果たして一体何なのか。
それらは「プロテクター」、通称:「ネオン」あるいは「ネオン装置」と呼ばれる物を宿し、それらは衝撃が加われば反応して電子シールドを展開し、それを吸収する。
だが特徴的なのはそれが「衝撃を受けるはずだった箇所」の耐久性を反映する為、ネオンの耐久力を強化するには己の肉体の強化や何かしらの技能習得の必要があるということだ。
また、ネオン残量が無になると使用者の全身の筋肉を拘束し、行動を禁止する機能を搭載している。
こうなったグラディアートルは原則即座に戦場外へ「ワープ」させられる。
装備とワープの力によってグラディアは「安全なる剣闘」たり得るのだ。
マイクロバスに乗って「第7区」へ。
「ブラザーズ・イン・アームズ」と表示された巨大なスクリーンを入り口の上部に備え付けてある高層ビルに、7人は入っていった。
入って早々、マネキンに着せられたスタイリッシュな防具の数々や丁寧に陳列された武器の数々が目を引く。
「ここは一階から十一階まで全部売り場だから、きっと気にいる物があるはずさ。僕は順々に回ってくるから、その時に君たちがいいなと思うものは遠慮せず報告してくれ」
彼らはわくわくしながら広い建物全体に散り散りになっていった。
エレベーターを駆使し、ソウは三階の「オーディン社」の売り場に来ていた。
「何かお困りですか?」
難しい顔で空間に映し出された商品の説明文を眺めていた彼に、優しげな男性店員が声を掛けてくる。
「これ、なんて書いてあるか教えて」
「畏まりました」
そう言って、店員は最新作の兜:「サーガ-008」の説明を読み上げた。
「ぼうぎょりょくが高いのか、いいね」
「はい、試合の時この商品の防御力を頼りにされてみてもよいかと」
「じゃあ、買う」
「お客様ご自身が買われるのですか?」
「いや、かんとくのジュピターが買ってくれる。…だから来るまで待つよ」
「畏まりました」
ソウはそれからも店員と一緒に品々を見て回った。
「そういえば」
ふと湧いてきた疑問を、プロにぶつける。
「おれのうで時計でここのそうびはよび出せるの?」
「腕時計?」
ソウは装着しているロキの形見を店員に見せた。
店員はそれをまじまじと見ていたが、
「ちょっと拝借してもよろしいですか?」
とソウからそれを受け取った。
「ぬすまないでね」
「御冗談を」
店員は、飴細工に触れるような手付きでソウの腕時計を操作し、驚いていた。
「この腕時計、市場に出回ったことがない物かもしれません。腕時計型のデバイス自体は存在しているのですが、このような形状でこのような型番の腕時計は見たことがありません」
「知らないだけじゃないの?」
「いえ、自信を持ってそれはないと言えます。私自身、子供の頃からこのグラディアの世界が好きでこの会社に入って、業界には20年以上携わってきたので主要な物は全て頭に入っています。社内で実施されるテストでも最優秀でしたし。…それで、これをどこで?」
「ロキっていう元プロのグラディアートルからもらった」
「でしたら、そのロキさんがお使いになっていた頃の記録が残っているはずです」
店員は夢中になってボタンやタッチパネルをいじっていた。
そして怪訝な顔をした。
「おかしいですね。お客様のお名前しか『所有者履歴』にはありません。所有者の変更はご自身でされたのですか?」
「いや、かってに使えるようになっていた」
「そうですか」
店員はソウの返答を聞いて、困ってしまった。
ベテランでも打つ手なし。
「やはり私には分かりかねます。お力になれず申し訳ありません。ですが、お買い物のお手伝いはこなすことが出来ると思いますのでどうぞご遠慮なく声を掛けて下さいませ」
ソウは全く気にする様子無く、また店員と共に装備品の検討をして回った。
「どうだい?」
ジュピターに訊かれて、ソウは全身鎧「ラタトスク-002」と兜「ブーリ・カスタム」をそれぞれ指さした。
前者は身体にぴったり密着する漆黒のボディースーツ型で、水平方向に伸びる細いネオンが間隔を開けて何本も張り巡らされている。補助機能によって急加速やスピードを維持したままの方向転換が可能である。
後者は口元を覆い隠す金属製のマスク。ガスマスクの口元を切り取ったような格好をしていて、ネオンは縁に張り付いている。着用者の状況に合わせて取り込める酸素量を増加させる。
「ブーリか、懐かしいな」
ジュピターがふと呟いた。
彼がグラディアートルを夢見た約30年前、新興のオーディン社が一作目として発売した「ブーリ」を使っているプロ選手は少なかった。
その名前の響きとデザインが好きだった。だから試合を見ていて時々それを発見した時、ジュピター少年は喜んだ。
「よし、買おうじゃないか」
ここでもジュピターを最も喜ばせたのはソウだった。
帰舎後は、各々がデータを基にしたオーダーメイドの計画に沿って鍛錬を積んだ。
ソウの場合、基礎身体能力は十分であったから、走りながらの正確な射撃能力を強化するトレーニングが核だった。
肉体を酷使する先程とは対照的に、訓練後はソウは与えられたタブレット端末で識字と教養を身につける。
端末によると、ソウの学習能力は抜群に秀でているようだった。
ジュピターもそのデータを見て満足気に頷いた。
夕食の時間になった。
一日目と同じように、皆で食卓を囲んだ。
「一つ良いニュースだ」
食事の途中、ジュピターは切り出した。
「ちょうど一週間後、他のクラブとの練習試合が決まった」
その言葉を聞いて、グラディアートル達に緊張と興奮がほとばしった。
「誰だ!? どこのどいつが相手なんだ監督!?」
ウィルが思わず身を乗り出す。
「対戦相手は」
その名を聞いて、無知なソウ以外、驚天動地の思いだった。
「デスティニーヒル・ライオンズ」
デスティニーヒル・ライオンズ。
「第6区」北方に位置する工業地域:デスティニーヒルに存在するマイナーチーム。
このチームは「プリマ・リーガ」での優勝を4回経験する超大手:「GCソルレオンズ」の傘下にあるのだ。
歴代の実力は極めて高く、現にかつての所属選手の中には「プリマ・リーガ」で高い評価を受けている者も多い。
「相手は交流試合と言い張っているが僕達にとっては練習試合。ルールは『3on3』で一戦のみ。相手は多分2軍、3軍だろうから勝機は十分にあるはずだ。それに、もし勝ったら僕達は一気に強力なチームとして有名になる」
ジュピターが熱弁する。
「出場メンバーは基本的にスタンダードの3人だが、誰かをソウ君と交代させる可能性がある。なるべく相手の意表を突きたいんだ。その場合はどうかわかってほしい」
その言葉を聞き、ミナーヴァは嫌そうにそっぽを向いていた。
嫌な予感が彼女の胸を締め付けていた。
だがそんな予想も外れ、試合前日訓練後に発表された出場メンバーでは、ウィルがソウと交代させられていた。
ミナーヴァは胸を撫で下ろし、自尊心を少し取り戻した。
「お前、俺の分まで活躍しろよ」
「うん」
ミーティング終了後、残っていたウィルはソウの返事を聞くと、ようやく戻っていった。
「ねえ」
ミナーヴァがソウに話しかける。
「ん、なに?」
「あんた、最近ちょっとパパに気に入られてるからってあまり調子乗らないでよね。あたしの方が優秀だし、パパにとっていつでも一番なのはあたしなんだから」
ソウは返答に困り、小さく「うん」とだけ答えた。
ミナーヴァは席を立った。
彼女自身、ソウにこのように接した時、自分が荒んで醜悪な存在だと思った。
様々な感情が交差する決戦前夜。
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