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第6話
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「「「「「…………」」」」」
私がグレスオリオ様に返礼して姿勢を戻した後、謁見の間には沈黙が流れる。
こういう場合は位の上のものが話すまで待つしかないので、私はもとよりお父様も陛下かグレスオリオ様が話すまでは黙っているしかない。
それにしても、あのグレスオリオ様の私を見てニコニコしてるのは何なのかしら?
この先の展開が読めなくて、対策を考える事もできないのは厄介だわ。
「あー……、コホン……」
陛下が軽く咳をすると、グレスオリオ様以外の全員の身体がピクっと動いてしまう。
とうとう話が進むみたいね。
「ロアンド候爵家長子のリリスリエッタよ。まずは昨日こちらにいるサベリュヤ教帯剣者であるグレスオリオ殿を歓待してくれた事、誠に大儀であった」
「ありがとうございます」
私が陛下へ最敬礼をすると、陛下や王妃様が小さくため息をついた。
「もし、グレスオリオ殿と衛兵とのいざこざが公になっていれば我が国は大陸中から孤立するところだった……、一度、衛兵達の教育を見直さねばならんな」
「私はリリス嬢から、この国でのサベリュヤ教の認識を聞いて理解したから大事にする気はないと宣言しておくよ。あの時の従者を連れず一人で行動していた私にも非があるし、誰だって自分の知らない事を正しい対応をして解決しろと言われたら無理だからね」
「グレスオリオ殿、感謝いたす」
…………グレスオリオ様、さらっと一人でいた事を言っていますが、それはグレスオリオ様が従者の方々を気絶させたためですよね?
「それでリリスリエッタよ、そなたの大義に応えたい。何か望みはあるか?」
「私はたまたま居合わせただけですので大丈夫です」
「そうなのか? 国を救ったに等しい事をしたのだ。たいていの願いは叶えられるぞ?」
「いえ、本当に大丈夫です」
「そうか、それならば何か望みができた時に言うが良い」
「ありがとうございます」
この流れで何か言ったら、それこそ変な厄介事を背負いかねない。
お父様も私が余計な事を言うなと思ってるでしょうし、ここは無欲に徹して一刻も早くこの場から立ち去ろうと思ってたけど、そんな私の考えは次の瞬間崩れ去る。
「それじゃあ、私から一つ提案がある。リリスリエッタ嬢、君さえ良ければ私とサベリュヤ教の聖地へ行ってみないかい?」
「は?」
グレスオリオ様の爆弾発言で、また謁見の間に沈黙が降りた。
いやいや、他国の女性を婚姻以外の目的で国外に連れ出すのは非常識ですよ、グレスオリオ様。
「今回の事はひとえにお互いの相手に対する無理解が招いた事だ」
「そうですね……」
ならば、その無理解や溝を埋めるための人材が必要だとなる。ぜひ、君のような知識があり機転も効く優秀な人にサベリュヤ教を知ってもらいたんだ。どうかな?」
「ええと……」
これは、どう答えるべきかしら……?
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
◎後書き
最後まで読んでいただきありがとうございます。
「面白かった!」
「続きが気になる、読みたい!」
「今後どうなるのっ……!」
と思ったら
お気に入りの登録を、ぜひお願いします
また感想や誤字脱字報告もお待ちしています。
私がグレスオリオ様に返礼して姿勢を戻した後、謁見の間には沈黙が流れる。
こういう場合は位の上のものが話すまで待つしかないので、私はもとよりお父様も陛下かグレスオリオ様が話すまでは黙っているしかない。
それにしても、あのグレスオリオ様の私を見てニコニコしてるのは何なのかしら?
この先の展開が読めなくて、対策を考える事もできないのは厄介だわ。
「あー……、コホン……」
陛下が軽く咳をすると、グレスオリオ様以外の全員の身体がピクっと動いてしまう。
とうとう話が進むみたいね。
「ロアンド候爵家長子のリリスリエッタよ。まずは昨日こちらにいるサベリュヤ教帯剣者であるグレスオリオ殿を歓待してくれた事、誠に大儀であった」
「ありがとうございます」
私が陛下へ最敬礼をすると、陛下や王妃様が小さくため息をついた。
「もし、グレスオリオ殿と衛兵とのいざこざが公になっていれば我が国は大陸中から孤立するところだった……、一度、衛兵達の教育を見直さねばならんな」
「私はリリス嬢から、この国でのサベリュヤ教の認識を聞いて理解したから大事にする気はないと宣言しておくよ。あの時の従者を連れず一人で行動していた私にも非があるし、誰だって自分の知らない事を正しい対応をして解決しろと言われたら無理だからね」
「グレスオリオ殿、感謝いたす」
…………グレスオリオ様、さらっと一人でいた事を言っていますが、それはグレスオリオ様が従者の方々を気絶させたためですよね?
「それでリリスリエッタよ、そなたの大義に応えたい。何か望みはあるか?」
「私はたまたま居合わせただけですので大丈夫です」
「そうなのか? 国を救ったに等しい事をしたのだ。たいていの願いは叶えられるぞ?」
「いえ、本当に大丈夫です」
「そうか、それならば何か望みができた時に言うが良い」
「ありがとうございます」
この流れで何か言ったら、それこそ変な厄介事を背負いかねない。
お父様も私が余計な事を言うなと思ってるでしょうし、ここは無欲に徹して一刻も早くこの場から立ち去ろうと思ってたけど、そんな私の考えは次の瞬間崩れ去る。
「それじゃあ、私から一つ提案がある。リリスリエッタ嬢、君さえ良ければ私とサベリュヤ教の聖地へ行ってみないかい?」
「は?」
グレスオリオ様の爆弾発言で、また謁見の間に沈黙が降りた。
いやいや、他国の女性を婚姻以外の目的で国外に連れ出すのは非常識ですよ、グレスオリオ様。
「今回の事はひとえにお互いの相手に対する無理解が招いた事だ」
「そうですね……」
ならば、その無理解や溝を埋めるための人材が必要だとなる。ぜひ、君のような知識があり機転も効く優秀な人にサベリュヤ教を知ってもらいたんだ。どうかな?」
「ええと……」
これは、どう答えるべきかしら……?
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