婚約破棄された候爵令嬢は曲者聖職者に気に入られ公私を共にする深い仲になる

ロアンド侯爵家の長子リリスリエッタは婚約者だった皇太子から婚約破棄を言い渡され、新たな婚約者となった自分の妹であるエンリエッタと元婚約者の皇太子が踊っているのを広間の壁際からながめていた。

これまで様々なものを妹のエンリエッタにもぎ取られていたため、今度こそはと奮起し数年間王妃教育に取り組んでいたが、その努力も無駄となりけっきょく婚約者の座を奪われた事で心が折れた。

これからの事をまるで考えられず諦め混じりに屋敷に帰ろうとした時、衛兵と口論をしているグレスオリオと出会う。

リリスリエッタはすぐさまグレスオリオがただ者でない事に気づき仲裁し、グレスオリオを必死に歓迎すると、なぜか気に入られてしまった。

これは何一つ報われてこなかった侯爵令嬢が、自分を認めてくれる存在と出会い関わっていく事で自信と誇りを取り戻し大きく花開く物語である。
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