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青の村にて 区切りとそれぞれの笑顔
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令和一回目の更新です。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
僕が青の村に戻ってきて三日が経った。戻ってからの日課として大霊湖や青の村に異常がないかを朝・昼・夜と一日三回確認してるけど、今のところ特に異常はない。イーリリスさんの言っていた青の方で警戒していた期間を含めると、魔石が消滅してから十日になる。
これだけの期間に渡って何もないなら大丈夫だって言いたいけど、あの魔石のしぶとさを見てるから、どうしても警戒心が薄れない。広大な大霊湖とはいえ、二体目・三体目の魔石がいるかもって考えるのは、さすがに考え過ぎだよね。
……このままズルズル警戒し続けるのも変だし、区切りをハインネルフさん達と相談してみるか。僕が今後について考えてたら、広場での僕の作業を見守っていた三体が僕の近くに寄ってきた。
「ガア?」
「うん、異常はない」
「ブオブオ」
「確かに、そろそろ警戒を解いても良いとは思うんだけど……」
「消滅シテナオ忌々シイデスネ」
「魔石の事を考えたら、もしかしたらを想像してしまうのはしょうがないよ」
僕が魔石の事を言うと三体は心底嫌そうな顔になったのが印象的だ。三体ぐらい強くても嫌な相手は本当に嫌なんだね。……あまり参考にはしたくないけど、直接戦闘が弱い僕からしたら、魔石みたいに戦いたくない、もしくは戦いづらい存在だって思われるのが理想のはず。
一度、自分の戦い方や魔法の使い方を見直そうって今後のための計画を立てていたら、兄さん・姉さん・リンリー・イリュキンが近づいてきて、イリュキンが話しかけてきた。
「ヤート君、今日も異常がないか確認してくれてありがとう。大霊湖の様子はどうかな?」
「どこにも異常はないね」
「良かった。私を含めてヤート君のその言葉を聞くと落ち着くよ」
「そろそろ警戒するのは良いかなって思うから、ハインネルフさん達と区切りについて相談してみようと思ってる」
「確かにこれ以上、警戒の質を保つといろいろなところに負担がくるかもしれないね……。うん、お願いするよ」
イリュキンは僕の言葉を聞いて考え込んだ後、うなずきニコッと笑ってきた。僕がイリュキンの笑顔から、ゆるやかに流れる清流を思い浮かべて、さわやかな良い笑顔だって感心してると次に兄さんが話しかけてくる。
「ヤート、身体は平気なのか?」
「さすがに三日たったら、いつもの感じに戻ってるよ」
「そうかそうか。それならたまには手合わせしようぜ」
「……また急だね」
「ヤートの戦い方には興味があるからな。身体が治った祝いにどうだ?」
「今すぐじゃなくて良いなら僕は大丈夫だよ」
「おう。手合わせしたくなったら言え。楽しみにしてるぞ」
兄さんは闘志に満ちた猛獣のような表情で笑った。なんとも兄さんらしい笑顔だなって納得してると兄さんの前に姉さんがズイッと出てくる。
「ヤート、ガルの寝言は無視して良いわよ」
「姉さん?」
「ガルの場合、最初は手合わせでも楽しくなると激しくなっていくから、病み上がりのヤートが付き合う必要はないわ。……とはいえ私もヤートと手合わせはしてみたいから、黒の村に戻ったら良いかしら?」
「わかった。心構えをしておくね」
「うふ、私も万全に動けるように準備しておくわ」
姉さんが笑った。姉さんの笑顔は前世の病室のテレビで見た日本刀に似てる。武器として一級品なのに美術品としても負けずに綺麗だ。……うん、姉さんらしい笑顔だね。
僕が納得してたら、姉さんの後ろにいた兄さんが姉さんの頭を狙って蹴りを放ち、姉さんは見えてないはずの兄さんの蹴りを避けて飛び退く。
「「……フンッ!!」」
兄さんと姉さんは数瞬にらみ合った後に言葉も交わさず打撃を繰り出す。
「せめて何か話してからケンカを始めてよ……」
「これからぶちのめす奴と話してもしょうがねえだろ!!」
「話す意味を感じないわ」
「ああ?」
「何よ」
「「…………ハアッ!!」」
二人はまたにらみ合ってからケンカを再開した。……うーん、魔石に操られてた時とは違って、健全な状態でケンカできてるのは良いと思うけど、なんか複雑だな。僕が反応に困ってる今度はリンリーが僕の隣に立った。
「いつものガル君とマイネさんですね」
「そうだね。……むしろ元気すぎかな」
「それは……、私もそう思います」
「まあ、兄さんと姉さんが静かだと逆にどうしたんだろって思うから、これくらいの方が良いのかもしれない。最悪、僕かラカムタさんや父さんに母さんが止めるだろうしね」
「その時は私も協力するので言ってください」
「ありがとう。そうするよ」
「ところで私も黒の村に戻ったらヤート君と散歩に行きたいです」
「それじゃあ、また誘うよ」
「わかりました。待ってます」
リンリーがフワッと笑う。一番始めに話した時の引きつった笑顔に比べたら雲泥の差だね。……リンリーの笑顔は派手じゃない花って感じかな。派手じゃないから、すぐには目に入らないけど一度目にしたらしばらく見てたくなるような、そんな感じの花みたいな笑顔。リンリーらしいね。
「あと、その散歩は二人で行けたら嬉しいです」
妙にリンリーが二人でっていうのを強調するのが気になるし、リンリーの言葉を聞いたイリュキンがピリッとした雰囲気になったのも気になる。……とりあえず大前提を言っておこう。
「それは三体次第かな。ただ事前にお願いしておけば、三体が来ない日は作れると思う」
「それなら大丈夫です。黒の村に戻れば二人になれる機会は、それなりにあるとはずなので」
「そう?」
「はい」
「……リンリー」
僕とリンリーが話を進めてると、少し硬い表情のイリュキンがリンリーに呼びかける。
「何ですか?」
「……いろいろと気になるんだけれど、わざとかな?」
「ふふふ、どうでしょうね」
「わかった。宣戦布告と受け取るよ」
「そうですか」
「「…………ハッ!!」」
リンリーとイリュキンも数瞬にらみ合ってから打撃の応酬を始めた。……流行ってるのかな? あと今日はというか青の村に戻ってきてから、みんなの笑顔をよく見るようになり思うのは僕自身の事。
もし笑えるようになったら僕の笑顔は、どんな感じなんだろ? …………まあ、焦っても仕方ない。死ぬまでには笑えたら良いかって思いながら気長にやっていこう。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
◎後書き
最後まで読んでいただきありがとうございます。
注意はしていますが誤字・脱字がありましたら教えてもらえるとうれしいです。
感想や評価もお待ちしています。
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僕が青の村に戻ってきて三日が経った。戻ってからの日課として大霊湖や青の村に異常がないかを朝・昼・夜と一日三回確認してるけど、今のところ特に異常はない。イーリリスさんの言っていた青の方で警戒していた期間を含めると、魔石が消滅してから十日になる。
これだけの期間に渡って何もないなら大丈夫だって言いたいけど、あの魔石のしぶとさを見てるから、どうしても警戒心が薄れない。広大な大霊湖とはいえ、二体目・三体目の魔石がいるかもって考えるのは、さすがに考え過ぎだよね。
……このままズルズル警戒し続けるのも変だし、区切りをハインネルフさん達と相談してみるか。僕が今後について考えてたら、広場での僕の作業を見守っていた三体が僕の近くに寄ってきた。
「ガア?」
「うん、異常はない」
「ブオブオ」
「確かに、そろそろ警戒を解いても良いとは思うんだけど……」
「消滅シテナオ忌々シイデスネ」
「魔石の事を考えたら、もしかしたらを想像してしまうのはしょうがないよ」
僕が魔石の事を言うと三体は心底嫌そうな顔になったのが印象的だ。三体ぐらい強くても嫌な相手は本当に嫌なんだね。……あまり参考にはしたくないけど、直接戦闘が弱い僕からしたら、魔石みたいに戦いたくない、もしくは戦いづらい存在だって思われるのが理想のはず。
一度、自分の戦い方や魔法の使い方を見直そうって今後のための計画を立てていたら、兄さん・姉さん・リンリー・イリュキンが近づいてきて、イリュキンが話しかけてきた。
「ヤート君、今日も異常がないか確認してくれてありがとう。大霊湖の様子はどうかな?」
「どこにも異常はないね」
「良かった。私を含めてヤート君のその言葉を聞くと落ち着くよ」
「そろそろ警戒するのは良いかなって思うから、ハインネルフさん達と区切りについて相談してみようと思ってる」
「確かにこれ以上、警戒の質を保つといろいろなところに負担がくるかもしれないね……。うん、お願いするよ」
イリュキンは僕の言葉を聞いて考え込んだ後、うなずきニコッと笑ってきた。僕がイリュキンの笑顔から、ゆるやかに流れる清流を思い浮かべて、さわやかな良い笑顔だって感心してると次に兄さんが話しかけてくる。
「ヤート、身体は平気なのか?」
「さすがに三日たったら、いつもの感じに戻ってるよ」
「そうかそうか。それならたまには手合わせしようぜ」
「……また急だね」
「ヤートの戦い方には興味があるからな。身体が治った祝いにどうだ?」
「今すぐじゃなくて良いなら僕は大丈夫だよ」
「おう。手合わせしたくなったら言え。楽しみにしてるぞ」
兄さんは闘志に満ちた猛獣のような表情で笑った。なんとも兄さんらしい笑顔だなって納得してると兄さんの前に姉さんがズイッと出てくる。
「ヤート、ガルの寝言は無視して良いわよ」
「姉さん?」
「ガルの場合、最初は手合わせでも楽しくなると激しくなっていくから、病み上がりのヤートが付き合う必要はないわ。……とはいえ私もヤートと手合わせはしてみたいから、黒の村に戻ったら良いかしら?」
「わかった。心構えをしておくね」
「うふ、私も万全に動けるように準備しておくわ」
姉さんが笑った。姉さんの笑顔は前世の病室のテレビで見た日本刀に似てる。武器として一級品なのに美術品としても負けずに綺麗だ。……うん、姉さんらしい笑顔だね。
僕が納得してたら、姉さんの後ろにいた兄さんが姉さんの頭を狙って蹴りを放ち、姉さんは見えてないはずの兄さんの蹴りを避けて飛び退く。
「「……フンッ!!」」
兄さんと姉さんは数瞬にらみ合った後に言葉も交わさず打撃を繰り出す。
「せめて何か話してからケンカを始めてよ……」
「これからぶちのめす奴と話してもしょうがねえだろ!!」
「話す意味を感じないわ」
「ああ?」
「何よ」
「「…………ハアッ!!」」
二人はまたにらみ合ってからケンカを再開した。……うーん、魔石に操られてた時とは違って、健全な状態でケンカできてるのは良いと思うけど、なんか複雑だな。僕が反応に困ってる今度はリンリーが僕の隣に立った。
「いつものガル君とマイネさんですね」
「そうだね。……むしろ元気すぎかな」
「それは……、私もそう思います」
「まあ、兄さんと姉さんが静かだと逆にどうしたんだろって思うから、これくらいの方が良いのかもしれない。最悪、僕かラカムタさんや父さんに母さんが止めるだろうしね」
「その時は私も協力するので言ってください」
「ありがとう。そうするよ」
「ところで私も黒の村に戻ったらヤート君と散歩に行きたいです」
「それじゃあ、また誘うよ」
「わかりました。待ってます」
リンリーがフワッと笑う。一番始めに話した時の引きつった笑顔に比べたら雲泥の差だね。……リンリーの笑顔は派手じゃない花って感じかな。派手じゃないから、すぐには目に入らないけど一度目にしたらしばらく見てたくなるような、そんな感じの花みたいな笑顔。リンリーらしいね。
「あと、その散歩は二人で行けたら嬉しいです」
妙にリンリーが二人でっていうのを強調するのが気になるし、リンリーの言葉を聞いたイリュキンがピリッとした雰囲気になったのも気になる。……とりあえず大前提を言っておこう。
「それは三体次第かな。ただ事前にお願いしておけば、三体が来ない日は作れると思う」
「それなら大丈夫です。黒の村に戻れば二人になれる機会は、それなりにあるとはずなので」
「そう?」
「はい」
「……リンリー」
僕とリンリーが話を進めてると、少し硬い表情のイリュキンがリンリーに呼びかける。
「何ですか?」
「……いろいろと気になるんだけれど、わざとかな?」
「ふふふ、どうでしょうね」
「わかった。宣戦布告と受け取るよ」
「そうですか」
「「…………ハッ!!」」
リンリーとイリュキンも数瞬にらみ合ってから打撃の応酬を始めた。……流行ってるのかな? あと今日はというか青の村に戻ってきてから、みんなの笑顔をよく見るようになり思うのは僕自身の事。
もし笑えるようになったら僕の笑顔は、どんな感じなんだろ? …………まあ、焦っても仕方ない。死ぬまでには笑えたら良いかって思いながら気長にやっていこう。
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◎後書き
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