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第5章 異世界の男は斬る
第1話
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いろいろと想定外の立場に自分がなった事を知った俺はものすごく悩んだものの、結局のところなるようになるしかないなと開き直る事にした。
そのおかげかはわからないが数日で精神的にも安定し体力も順調に戻ったため、目覚めてから一週間で日常生活へ復帰する。
俺の姿を見るなり他の奴らは戦意をみなぎらせたギラギラしてきたが、学園長の黒鳥夜 綺寂と流々原先生からしばらくは俺への挑戦を禁止すると釘を刺されているため、ギラギラした目の奴らが常に数人俺の周りにいるといううっとうしい状況になっていた。
◆◆◆◆◆
そしてさらに一週間が経ち、とうとう流々原先生から運動の解禁が言い渡されたので、俺は放課後動きやすい格好に着替え学園の人気のない中庭へ来ていた。
目的はもちろん鈍った身体を起こす事で、ひとまず柔軟から始めて軽く走った後に俺を見ている奴らへ話しかける。
「何でシスティーゾ達と流々原先生がいるんだ?」
「あ? 見てたら悪いのか?」
「システィーゾ君、いきなりケンカを売らないで。鶴見君、私達はあなたへ強引に勝負を挑もうとする人が出た時に対応するためにいて、流々原先生は鶴見君の体調が急変した場合に備えてもらってるのよ。だから私達の存在は極力無視してもらって構わないわ」
「…………わかった」
鈴 麗華の説明に納得できたので無視すると決め、俺は身体が温まったのと異常もない事を確認した後、久しぶりに黒い木刀を出現させ握った。
木刀の感触と重さを確かめてから、その場で斬り下ろし、斬り上げ、左右からの斬り払いをゆっくり何回も繰り返す。
次に踏み込みも同時に行い斬り下ろし、斬り上げ、左右からの斬り払いの動きを少しずつ大きくしていく。
…………やっぱり基本の動きでもわかるくらい武鳴 雷門と戦った時よりもキレが数段鈍っているな。
「流々原先生」
「何かしら?」
「今の俺はどの程度動いて良い?」
「そうね……、限界の三歩手前までなら大丈夫よ」
「へえ、意外と許してくれるんだな」
「秋臣君の身体を大事にしている鶴見君なら無茶をしないと思っているわ」
「俺が絶対に否定しない良い言い方をしてくれるな。了解だ。今はほどほどで我慢しておく」
「お願いね」
俺は流々原先生に手を振って答えてから目を閉じて深呼吸を始めた。
そして周りの余計なものを全て頭から追い出し、代わりに戦う相手を思い浮かべる。
目を開けた俺の視界に映るのは、前の世界の戦場。
すでに味方はおらず俺を無数の敵が囲んでいる、そんな絶望的で俺の生き抜いてきた戦場。
よし、頭が切り替わって木刀と身体の隅々にまで俺の意識が通っていくのがわかる。
俺が笑うと戦場の空気に染まり正気を失った敵が叫びながら殺到してきた。
あとは単純。
ただの一度も止まらず全ての敵を斬り捨てるだけ。
◆◆◆◆◆
どれくらい戦っていたのかはわからないが、気が付くと俺は最後の敵に木刀を突き付けていて、その敵の顔は恐怖に歪んでいる。
チラッと周りを見ると地面は俺に斬り殺された敵の死体で覆われていた。
だいたい俺に二、三割くらい斬られると敵の表情に脅えが混ざってくるから、これもいつもの風景だな。
お前らには、この時の俺がどんな風に見えていたんだ?
敵を斬り捨てた後に味方の陣地に戻ったら実績のある傭兵や名のある騎士とか貴族が、俺を化け物のように見ていたから本当にろくな見た目じゃなかったんだろう。
再び俺が笑うと、最後の敵が剣で俺の木刀を跳ね上げようとしたから動き出した瞬間に剣ごと叩き斬った。
武器ごと斬られて唖然とした敵の身体が肩口から斜めにずれ地面に落ちた時、風景が一瞬暗転とともに戦場も無数の死体も消えて中庭に戻る。
少しの間ボーッとしてしまうが、自分の荒い息の音、流れ落ちる汗、吹き抜ける風を認識して現実感が戻ってきた。
このままもう少し動こうと思ったが鍛錬初日ならこんなものだろうと考え直し、流々原先生達のところへ戻るため振り向くと全員が複雑な表情をしていた。
呼吸を整えながら近づいても全員の表情は変わらない。
「どうかしたのか?」
「鶴見、お前……本当に十日も寝てたんだよな?」
「そうだが、システィーゾは流々原先生に聞いてないのか?」
「いや、知っている。知っているが信じられねえ……」
「何がだ?」
「どうして病み上がりで、あそこまで動けたんだ……?」
「ああ、そんな事か。単に慣れているだけだな」
「慣れだと……?」
「俺は前の世界で戦場暮らしだった」
「言ってたな」
「ずっと五体満足で戦えたと思うか?」
「あ……」
「ズタボロの状態でも動ける方法はある」
「…………」
システィーゾが何と言って良いのかわからなくなっていたら、流々原先生は俺の前まで来て額に右掌を頸動脈あたりに左の指先を当てる。
「過剰な発熱も不整脈もないわね。ちゃんと身体の事を考えてくれてうれしいわ」
「信用ないな」
「少なくともまだまだ全快には遠いみたいだから、今までの事を考えるとどうしても心配が先に来るのよ」
「そうか? 病み上がりにしては良い感じに動けたから、そこまで体調は悪くないはずだぞ?」
「いいえ、もっと休ませるべきか悩むところね」
「そこまでか?」
「そうよ。周りを見てみなさい」
「周り? なっ……」
流々原先生に言われて周りを見たら、中庭に面した窓や屋上から俺を見ている奴らがいた。
「鶴見君が本格的に動き出してから集まってきたのよ」
「…………チッ、いつもの俺なら集中を解いた瞬間に気がついているはずなのに流々原先生に言われるまでわからなかったのは、まだまだ集中するだけで精一杯の自分以外に意識を向ける余裕がない状態ってわけか」
「そうね。とにかく、じっくり調整していきましょう」
「そうだな……」
ゴウッ‼︎
バキバキバキッ‼︎
自分の状態に気づけなかった事で少しヘコんでいると、突然窓や屋上から見ている奴らの視界を遮るように炎と氷の壁が出現した。
「は?」
「余計な事は考えずに、さっさと感覚を取り戻して俺と戦え」
「システィーゾ君の言い方はどうかと思うけれど、さっきも言った通り鶴見君が完治するまでは私達があの人達の相手をするから気にしないで。あと私とも戦ってね」
「生徒会としてもあなたを無用なトラブルから守ると決定しているので、問題解決は任せてください。……できれば私も戦いたいです」
システィーゾ、鈴 麗華、荒幡 桜がギラギラした目で見てきたものの、すぐに中庭から出ていく。
不思議に思っていたら、中庭の近くで戦闘音が鳴り響いた。
「何なんだ……?」
「鶴見君と戦いたいけど我慢している人達のガス抜きをしているのよ」
「…………いくら何でもおかしいだろ」
「気にしなくて良いわ」
「いや、ケガ人とかを気にしろよ」
「良いのよ。みんな骨折くらいまでは許容範囲って納得してるから。それよりも少し身体を診させてもらうから、こっちに来て」
俺は流々原先生に促されて簡易のイスに座らされ、戦闘音が大きくなっていく中されるがままになる。
本当に何なんだ? この状況は……。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
◎後書き
最後まで読んでいただきありがとうございます。
「面白かった!」、「続きが気になる、読みたい!」、「今後どうなるのっ……!」と思ったら、お気に入りの登録を、ぜひお願いします。
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「何でシスティーゾ達と流々原先生がいるんだ?」
「あ? 見てたら悪いのか?」
「システィーゾ君、いきなりケンカを売らないで。鶴見君、私達はあなたへ強引に勝負を挑もうとする人が出た時に対応するためにいて、流々原先生は鶴見君の体調が急変した場合に備えてもらってるのよ。だから私達の存在は極力無視してもらって構わないわ」
「…………わかった」
鈴 麗華の説明に納得できたので無視すると決め、俺は身体が温まったのと異常もない事を確認した後、久しぶりに黒い木刀を出現させ握った。
木刀の感触と重さを確かめてから、その場で斬り下ろし、斬り上げ、左右からの斬り払いをゆっくり何回も繰り返す。
次に踏み込みも同時に行い斬り下ろし、斬り上げ、左右からの斬り払いの動きを少しずつ大きくしていく。
…………やっぱり基本の動きでもわかるくらい武鳴 雷門と戦った時よりもキレが数段鈍っているな。
「流々原先生」
「何かしら?」
「今の俺はどの程度動いて良い?」
「そうね……、限界の三歩手前までなら大丈夫よ」
「へえ、意外と許してくれるんだな」
「秋臣君の身体を大事にしている鶴見君なら無茶をしないと思っているわ」
「俺が絶対に否定しない良い言い方をしてくれるな。了解だ。今はほどほどで我慢しておく」
「お願いね」
俺は流々原先生に手を振って答えてから目を閉じて深呼吸を始めた。
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目を開けた俺の視界に映るのは、前の世界の戦場。
すでに味方はおらず俺を無数の敵が囲んでいる、そんな絶望的で俺の生き抜いてきた戦場。
よし、頭が切り替わって木刀と身体の隅々にまで俺の意識が通っていくのがわかる。
俺が笑うと戦場の空気に染まり正気を失った敵が叫びながら殺到してきた。
あとは単純。
ただの一度も止まらず全ての敵を斬り捨てるだけ。
◆◆◆◆◆
どれくらい戦っていたのかはわからないが、気が付くと俺は最後の敵に木刀を突き付けていて、その敵の顔は恐怖に歪んでいる。
チラッと周りを見ると地面は俺に斬り殺された敵の死体で覆われていた。
だいたい俺に二、三割くらい斬られると敵の表情に脅えが混ざってくるから、これもいつもの風景だな。
お前らには、この時の俺がどんな風に見えていたんだ?
敵を斬り捨てた後に味方の陣地に戻ったら実績のある傭兵や名のある騎士とか貴族が、俺を化け物のように見ていたから本当にろくな見た目じゃなかったんだろう。
再び俺が笑うと、最後の敵が剣で俺の木刀を跳ね上げようとしたから動き出した瞬間に剣ごと叩き斬った。
武器ごと斬られて唖然とした敵の身体が肩口から斜めにずれ地面に落ちた時、風景が一瞬暗転とともに戦場も無数の死体も消えて中庭に戻る。
少しの間ボーッとしてしまうが、自分の荒い息の音、流れ落ちる汗、吹き抜ける風を認識して現実感が戻ってきた。
このままもう少し動こうと思ったが鍛錬初日ならこんなものだろうと考え直し、流々原先生達のところへ戻るため振り向くと全員が複雑な表情をしていた。
呼吸を整えながら近づいても全員の表情は変わらない。
「どうかしたのか?」
「鶴見、お前……本当に十日も寝てたんだよな?」
「そうだが、システィーゾは流々原先生に聞いてないのか?」
「いや、知っている。知っているが信じられねえ……」
「何がだ?」
「どうして病み上がりで、あそこまで動けたんだ……?」
「ああ、そんな事か。単に慣れているだけだな」
「慣れだと……?」
「俺は前の世界で戦場暮らしだった」
「言ってたな」
「ずっと五体満足で戦えたと思うか?」
「あ……」
「ズタボロの状態でも動ける方法はある」
「…………」
システィーゾが何と言って良いのかわからなくなっていたら、流々原先生は俺の前まで来て額に右掌を頸動脈あたりに左の指先を当てる。
「過剰な発熱も不整脈もないわね。ちゃんと身体の事を考えてくれてうれしいわ」
「信用ないな」
「少なくともまだまだ全快には遠いみたいだから、今までの事を考えるとどうしても心配が先に来るのよ」
「そうか? 病み上がりにしては良い感じに動けたから、そこまで体調は悪くないはずだぞ?」
「いいえ、もっと休ませるべきか悩むところね」
「そこまでか?」
「そうよ。周りを見てみなさい」
「周り? なっ……」
流々原先生に言われて周りを見たら、中庭に面した窓や屋上から俺を見ている奴らがいた。
「鶴見君が本格的に動き出してから集まってきたのよ」
「…………チッ、いつもの俺なら集中を解いた瞬間に気がついているはずなのに流々原先生に言われるまでわからなかったのは、まだまだ集中するだけで精一杯の自分以外に意識を向ける余裕がない状態ってわけか」
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自分の状態に気づけなかった事で少しヘコんでいると、突然窓や屋上から見ている奴らの視界を遮るように炎と氷の壁が出現した。
「は?」
「余計な事は考えずに、さっさと感覚を取り戻して俺と戦え」
「システィーゾ君の言い方はどうかと思うけれど、さっきも言った通り鶴見君が完治するまでは私達があの人達の相手をするから気にしないで。あと私とも戦ってね」
「生徒会としてもあなたを無用なトラブルから守ると決定しているので、問題解決は任せてください。……できれば私も戦いたいです」
システィーゾ、鈴 麗華、荒幡 桜がギラギラした目で見てきたものの、すぐに中庭から出ていく。
不思議に思っていたら、中庭の近くで戦闘音が鳴り響いた。
「何なんだ……?」
「鶴見君と戦いたいけど我慢している人達のガス抜きをしているのよ」
「…………いくら何でもおかしいだろ」
「気にしなくて良いわ」
「いや、ケガ人とかを気にしろよ」
「良いのよ。みんな骨折くらいまでは許容範囲って納得してるから。それよりも少し身体を診させてもらうから、こっちに来て」
俺は流々原先生に促されて簡易のイスに座らされ、戦闘音が大きくなっていく中されるがままになる。
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