258 / 363
第七章
逃亡奴隷
しおりを挟む
飯が終わって、皆で後片付けをした。
思い立った様にシスターが言い出す。
「そうだ、エリアスさん!お風呂に入っていって下さい!ここにも温泉が湧いるんです!」
「わぁ!僕と一緒に入ろう!」
「俺もっ!一緒に入りたいっ!」
「男同士で入ろうよー!」
「あ、いや、俺は……」
「リュカ兄ちゃんも一緒に入ろうっ!」
「いや、それはダメだっ!」
「エリアスさん……?」
「アシュ……リュカは一人の方が良いんだろ?ってか、俺も風呂はいいや。」
「何でだよー!一緒に入ろうよー!」
「エリアス兄ちゃんがダメならさ、今日こそ一緒に入ってくれよ!リュカ兄ちゃんっ!」
「だから、それはダメだろ?!……分かったよ。一緒に入るから。」
「やったぁ!」
「エリアスさん、ごめんなさいね。子供達がワガママ言って……」
「いや、それは良いんだけどな……子供達がビックリしねぇかなって思ってな……」
「え?」
「いや……何でもねぇ。じゃあ、アシュ…リュカは後でゆっくり一人で入れな?俺は先に子供達と入ってくる。」
「あ……うん……」
そう言うことで、男の子5人と俺と、シスターに風呂のある場所までつれてって貰った。
「タオルはここに置いておきますね。」
「あぁ、ありがとな。あ、脱ぎ散らかしたらダメだろ?ちゃんと畳んで……そうそう、上手に出来んじゃねぇか!」
「ふふ……本当にこの子達のお父さんみたいですね!」
「そうか?」
「では、お願いしますね。」
「あぁ!」
子供達が服を脱いで俺も服を脱ぐと、子供達が俺の体を見て、何も言えなくなっちまってた。
「あ、気持ち悪いな……すまねぇな。」
「いっぱいあるね……」
「それはもう痛くない?」
「あぁ、大丈夫だ。」
「触っても良い?」
「いいぜ?」
「戦って出来た傷なの?」
「それもあるけどな。」
「すげぇ!かっけぇ!」
「そうか?」
「うん!カッコいい!」
「そっか……ありがとな。……え…?」
一人の男の子の肩に、見覚えのある印が……
「おまえ……っ!これっ!」
「えっ?!あ……うん……俺、そうだったんだ……」
「逃げて来れたのか?」
「……うん……」
「そっか……そっか……!頑張ったな!」
「うん……っ!」
サシャと名乗った12歳の男の子の肩にあったのは、奴隷紋だった。
3年程前に逃げてここまで来たらしい。
俺の肩にもあったけど、魔眼で捨てられてから、自分で肩をナイフで切り刻んで分からない様にしてやった。
けど奴隷紋は根強く染み付いてて、効果は残っちまってるけどな。
一人一人洗ってやって、皆で湯に浸かる。
「サシャ、なるべく怪我はしねぇ様にな。その印があると、痛みはなかなか取れねぇから。」
「うん。分かった。」
「それと、俺だから良かったものの、他の、例え優しそうなヤツだったとしても、それは見られない様にしなきゃな。」
「……え……?」
「どうした?誰かに見せちまったか?」
「昨日、教会に来てたヤツとケンカしてしまって……取っ組み合いになって、服が破れて肩が見えてしまったんだ……もしかしたら……」
「そっか……何が原因でケンカになったんだ?」
「アイツ、ここにいる奴等は可哀想だって……!親から捨てられたんだろって!いらない子だからだろって……っ!」
「そりゃ怒って当然だ!いらない子なんて、この世に生まれてこねぇんだ。ソイツ、何も分かってねぇなぁ!」
泣きそうな顔をしてるサシャに、俺は頭をワシャワシャして、大丈夫だって言ってニッコリ笑った。
けど……
シアレパス国には、まだ奴隷制度があるんだな。
オルギアン帝国では、奴隷制度を廃止している。
それは、属国である国もそうだ。
だから、以前はあったマルティノア教国もマルティノア国になってからは奴隷制度は無くなったし、アクシタス国もオルギアン帝国の属国になれば廃止される筈だ。
それはディルクが何よりも先に行う事なんだ。
アイツは不平等さをいつも歯痒く感じているからな。
温泉から出て服を着て、居間へ戻る。
アシュレイとシスターはお茶を飲んでいた。
子供達はあや取りとかして遊んでた。
良かった、アシュレイがどっかに行ってたらどうしようって心配してたから、いてくれて安心した!
俺とアシュレイの目が合って、思わず俺が微笑むと、アシュレイはすぐに視線を反らす。
まだまだ信用されてねぇなぁ……
「良い湯だったぜ!ありがとな、シスター!」
「こちらこそ、子供達と一緒に入って貰って、ありがとうございました!」
「んな事、全然大丈夫……」
言ってるそばから、いきなり扉がノックもなく勢いよく開いた。
扉が大きな音で開いて、ビックリして何事かと思って見たら、数人の兵達がそこにはいた。
「なんだ?!突然っ!」
「ここに逃亡奴隷を匿っているとの情報が入った!その者を差し出せ!」
「………っ!」
「そんなヤツ、ここにはいねぇよ!」
「では肩を見せろ!奴隷紋が無ければ見せられる筈だ!」
辺りを見渡す振りをしてサシャの様子を伺うと、下を向いて小さく震えていた。
アシュレイは兵達を睨み付けている。
ヤバい!
兵達に攻撃しようものなら、アシュレイは指名手配されちまう!
グリオルド国での二の舞はごめんだ!
「ここにいる奴等には、奴隷紋とかねぇよ!」
そう言いながら、兵達に攻撃出来ない様にアシュレイの前に立つ。
「アシュレイ……落ち着いてくれ。兵達には絶対攻撃しちゃダメだ。頼むから何もしねぇでいてくれ……」
小さな声で、アシュレイにだけ聞こえる様に呟く。
「お前っ!何を話してる!誰も出て来ないのであれば、ここにいる者皆を裸にするぞっ!」
「あーはいはい、分かったよ。俺だよ。俺が逃亡奴隷だよ。」
「え……っ!?」
皆が驚いた顔をして俺を見る。
「なに?!お前がか!?奴隷だと聞いたのは子供だったぞ?!」
「それを聞いたのは誰からだ?情報源は大人か?もし大人じゃなかったとしたら、子供の言う事を簡単に大人が信じるのもどうかと思うぜ?」
「ではお前には奴隷紋があると言うんだな?」
「自分で消しちまったけどな。」
俺は服を脱ぎ捨てて、上半身を見せた。
傷だらけの体を見て、兵達は納得した様だった。
アシュレイは俺の体を見て小さく呟いた。
ビックリさせちまったかな……
「その……傷痕は……」
「これで分かったろ?」
「ハハ……そうだな。奴隷の特徴である傷痕が至るところに見られるな。それにしても多いな……お前、どれだけ刃向かったんだ?肩のこの傷痕は……奴隷紋の痕に間違いない。おい、コイツを連れていけ!」
泣きそうな顔で見て何か言い出しそうなサシャに、小さく首を横に振って何も言うなと態度で示す。
アシュレイは驚いた顔をして俺を見る。
俺はニッコリ笑って、皆を見る。
それからアシュレイを見て、アシュレイにだけ聞こえる様に小さな声で呟く。
「アシュレイ、ごめんな?ずっと傍にいるって言ったのに……離れねぇって言ったのに……もう約束破っちまったな……」
俺は申し訳なさそうに笑うしか出来なかった。
シスターはどうしようって顔で俺を見る。
「あのっ!エリ……」
「シスター、悪かったな。知らねぇヤツがいきなり来て、こんな騒動起こしたらビックリするよな。さっさと退散すっから、後はよろしくやってくれ。」
俺は後ろ手に縄で縛られて、兵達に連れて行かれた。
馬車に乗せられる時は足蹴にされた。
ったく、そんな事しなくても抵抗なんかしねぇのによ!
あーっ!そうだった!
せめてディルクにアシュレイを見つけた事だけでも言っときゃ良かったっ!
俺にも連絡手段として、ピンクの石を持たされているんだ。
だから、ディルクが気づけばいつでも会話は出来るのに、アシュレイと会ってテンションが上がって、ディルクには何も言えずに拘束されちまった!
ったく……何やってんだよ、俺!
で……俺はこれからどうされちまうんだ……?
逃亡奴隷は拷問されて……
良くて手足切断……
最悪死刑……だな。
ってか、どっちが最悪なんだか分かんねぇな。
ただ、俺はこの国の奴隷ではなくて、オルギアン帝国のSランク冒険者だ。
それが分かるとどうなるか……
政治の道具に、良いように使われるか?
それはダメだ。俺の事でディルクに迷惑はかけらんねぇ。
脱ぎ捨てた上着にギルドカードを入れたままだから、あれを回収されなきゃ何とかなるか……?
まぁ、逃亡奴隷が、まさか他国のSランク冒険者だとは誰も思わねぇだろうしな。
闇魔法でコイツらの数日分の記憶を消しても、誰が逃亡奴隷の情報を知ってるか分かんねぇからな。
そうなると、またサシャを捕まえに来るかも知んねぇ。
やっぱり今は大人しくしとくしかねぇな。
まぁ、どうされるか分かってから考えりゃ良いか。
……また離れちまったな……
また……会えるのか……?
ユリウスの事も分かったし、孤児院に来てる事も分かった。
だから何も情報が無かった時と比べりゃ、探し出すのは簡単かも知んねぇけど……
俺は空間移動が使えるから、逃げ出そうと思えばすぐ出来る。
けど、今そうしちまうと、また兵達は孤児院に行っちまうかも知んねぇ……
そうしたら、孤児院にいたアシュレイを興味を示すかも知んねぇ……
しばらくは大人しくしておいた方が良いだろうな。
その間に、アシュレイがどっか別の所に行っちまったら、また一から探さなきゃなんねぇ……
俺がどうされるか、と言うより、アシュレイにまた会えなくなるかも知れねぇって事の方が、俺には気になる事だったんだ……
思い立った様にシスターが言い出す。
「そうだ、エリアスさん!お風呂に入っていって下さい!ここにも温泉が湧いるんです!」
「わぁ!僕と一緒に入ろう!」
「俺もっ!一緒に入りたいっ!」
「男同士で入ろうよー!」
「あ、いや、俺は……」
「リュカ兄ちゃんも一緒に入ろうっ!」
「いや、それはダメだっ!」
「エリアスさん……?」
「アシュ……リュカは一人の方が良いんだろ?ってか、俺も風呂はいいや。」
「何でだよー!一緒に入ろうよー!」
「エリアス兄ちゃんがダメならさ、今日こそ一緒に入ってくれよ!リュカ兄ちゃんっ!」
「だから、それはダメだろ?!……分かったよ。一緒に入るから。」
「やったぁ!」
「エリアスさん、ごめんなさいね。子供達がワガママ言って……」
「いや、それは良いんだけどな……子供達がビックリしねぇかなって思ってな……」
「え?」
「いや……何でもねぇ。じゃあ、アシュ…リュカは後でゆっくり一人で入れな?俺は先に子供達と入ってくる。」
「あ……うん……」
そう言うことで、男の子5人と俺と、シスターに風呂のある場所までつれてって貰った。
「タオルはここに置いておきますね。」
「あぁ、ありがとな。あ、脱ぎ散らかしたらダメだろ?ちゃんと畳んで……そうそう、上手に出来んじゃねぇか!」
「ふふ……本当にこの子達のお父さんみたいですね!」
「そうか?」
「では、お願いしますね。」
「あぁ!」
子供達が服を脱いで俺も服を脱ぐと、子供達が俺の体を見て、何も言えなくなっちまってた。
「あ、気持ち悪いな……すまねぇな。」
「いっぱいあるね……」
「それはもう痛くない?」
「あぁ、大丈夫だ。」
「触っても良い?」
「いいぜ?」
「戦って出来た傷なの?」
「それもあるけどな。」
「すげぇ!かっけぇ!」
「そうか?」
「うん!カッコいい!」
「そっか……ありがとな。……え…?」
一人の男の子の肩に、見覚えのある印が……
「おまえ……っ!これっ!」
「えっ?!あ……うん……俺、そうだったんだ……」
「逃げて来れたのか?」
「……うん……」
「そっか……そっか……!頑張ったな!」
「うん……っ!」
サシャと名乗った12歳の男の子の肩にあったのは、奴隷紋だった。
3年程前に逃げてここまで来たらしい。
俺の肩にもあったけど、魔眼で捨てられてから、自分で肩をナイフで切り刻んで分からない様にしてやった。
けど奴隷紋は根強く染み付いてて、効果は残っちまってるけどな。
一人一人洗ってやって、皆で湯に浸かる。
「サシャ、なるべく怪我はしねぇ様にな。その印があると、痛みはなかなか取れねぇから。」
「うん。分かった。」
「それと、俺だから良かったものの、他の、例え優しそうなヤツだったとしても、それは見られない様にしなきゃな。」
「……え……?」
「どうした?誰かに見せちまったか?」
「昨日、教会に来てたヤツとケンカしてしまって……取っ組み合いになって、服が破れて肩が見えてしまったんだ……もしかしたら……」
「そっか……何が原因でケンカになったんだ?」
「アイツ、ここにいる奴等は可哀想だって……!親から捨てられたんだろって!いらない子だからだろって……っ!」
「そりゃ怒って当然だ!いらない子なんて、この世に生まれてこねぇんだ。ソイツ、何も分かってねぇなぁ!」
泣きそうな顔をしてるサシャに、俺は頭をワシャワシャして、大丈夫だって言ってニッコリ笑った。
けど……
シアレパス国には、まだ奴隷制度があるんだな。
オルギアン帝国では、奴隷制度を廃止している。
それは、属国である国もそうだ。
だから、以前はあったマルティノア教国もマルティノア国になってからは奴隷制度は無くなったし、アクシタス国もオルギアン帝国の属国になれば廃止される筈だ。
それはディルクが何よりも先に行う事なんだ。
アイツは不平等さをいつも歯痒く感じているからな。
温泉から出て服を着て、居間へ戻る。
アシュレイとシスターはお茶を飲んでいた。
子供達はあや取りとかして遊んでた。
良かった、アシュレイがどっかに行ってたらどうしようって心配してたから、いてくれて安心した!
俺とアシュレイの目が合って、思わず俺が微笑むと、アシュレイはすぐに視線を反らす。
まだまだ信用されてねぇなぁ……
「良い湯だったぜ!ありがとな、シスター!」
「こちらこそ、子供達と一緒に入って貰って、ありがとうございました!」
「んな事、全然大丈夫……」
言ってるそばから、いきなり扉がノックもなく勢いよく開いた。
扉が大きな音で開いて、ビックリして何事かと思って見たら、数人の兵達がそこにはいた。
「なんだ?!突然っ!」
「ここに逃亡奴隷を匿っているとの情報が入った!その者を差し出せ!」
「………っ!」
「そんなヤツ、ここにはいねぇよ!」
「では肩を見せろ!奴隷紋が無ければ見せられる筈だ!」
辺りを見渡す振りをしてサシャの様子を伺うと、下を向いて小さく震えていた。
アシュレイは兵達を睨み付けている。
ヤバい!
兵達に攻撃しようものなら、アシュレイは指名手配されちまう!
グリオルド国での二の舞はごめんだ!
「ここにいる奴等には、奴隷紋とかねぇよ!」
そう言いながら、兵達に攻撃出来ない様にアシュレイの前に立つ。
「アシュレイ……落ち着いてくれ。兵達には絶対攻撃しちゃダメだ。頼むから何もしねぇでいてくれ……」
小さな声で、アシュレイにだけ聞こえる様に呟く。
「お前っ!何を話してる!誰も出て来ないのであれば、ここにいる者皆を裸にするぞっ!」
「あーはいはい、分かったよ。俺だよ。俺が逃亡奴隷だよ。」
「え……っ!?」
皆が驚いた顔をして俺を見る。
「なに?!お前がか!?奴隷だと聞いたのは子供だったぞ?!」
「それを聞いたのは誰からだ?情報源は大人か?もし大人じゃなかったとしたら、子供の言う事を簡単に大人が信じるのもどうかと思うぜ?」
「ではお前には奴隷紋があると言うんだな?」
「自分で消しちまったけどな。」
俺は服を脱ぎ捨てて、上半身を見せた。
傷だらけの体を見て、兵達は納得した様だった。
アシュレイは俺の体を見て小さく呟いた。
ビックリさせちまったかな……
「その……傷痕は……」
「これで分かったろ?」
「ハハ……そうだな。奴隷の特徴である傷痕が至るところに見られるな。それにしても多いな……お前、どれだけ刃向かったんだ?肩のこの傷痕は……奴隷紋の痕に間違いない。おい、コイツを連れていけ!」
泣きそうな顔で見て何か言い出しそうなサシャに、小さく首を横に振って何も言うなと態度で示す。
アシュレイは驚いた顔をして俺を見る。
俺はニッコリ笑って、皆を見る。
それからアシュレイを見て、アシュレイにだけ聞こえる様に小さな声で呟く。
「アシュレイ、ごめんな?ずっと傍にいるって言ったのに……離れねぇって言ったのに……もう約束破っちまったな……」
俺は申し訳なさそうに笑うしか出来なかった。
シスターはどうしようって顔で俺を見る。
「あのっ!エリ……」
「シスター、悪かったな。知らねぇヤツがいきなり来て、こんな騒動起こしたらビックリするよな。さっさと退散すっから、後はよろしくやってくれ。」
俺は後ろ手に縄で縛られて、兵達に連れて行かれた。
馬車に乗せられる時は足蹴にされた。
ったく、そんな事しなくても抵抗なんかしねぇのによ!
あーっ!そうだった!
せめてディルクにアシュレイを見つけた事だけでも言っときゃ良かったっ!
俺にも連絡手段として、ピンクの石を持たされているんだ。
だから、ディルクが気づけばいつでも会話は出来るのに、アシュレイと会ってテンションが上がって、ディルクには何も言えずに拘束されちまった!
ったく……何やってんだよ、俺!
で……俺はこれからどうされちまうんだ……?
逃亡奴隷は拷問されて……
良くて手足切断……
最悪死刑……だな。
ってか、どっちが最悪なんだか分かんねぇな。
ただ、俺はこの国の奴隷ではなくて、オルギアン帝国のSランク冒険者だ。
それが分かるとどうなるか……
政治の道具に、良いように使われるか?
それはダメだ。俺の事でディルクに迷惑はかけらんねぇ。
脱ぎ捨てた上着にギルドカードを入れたままだから、あれを回収されなきゃ何とかなるか……?
まぁ、逃亡奴隷が、まさか他国のSランク冒険者だとは誰も思わねぇだろうしな。
闇魔法でコイツらの数日分の記憶を消しても、誰が逃亡奴隷の情報を知ってるか分かんねぇからな。
そうなると、またサシャを捕まえに来るかも知んねぇ。
やっぱり今は大人しくしとくしかねぇな。
まぁ、どうされるか分かってから考えりゃ良いか。
……また離れちまったな……
また……会えるのか……?
ユリウスの事も分かったし、孤児院に来てる事も分かった。
だから何も情報が無かった時と比べりゃ、探し出すのは簡単かも知んねぇけど……
俺は空間移動が使えるから、逃げ出そうと思えばすぐ出来る。
けど、今そうしちまうと、また兵達は孤児院に行っちまうかも知んねぇ……
そうしたら、孤児院にいたアシュレイを興味を示すかも知んねぇ……
しばらくは大人しくしておいた方が良いだろうな。
その間に、アシュレイがどっか別の所に行っちまったら、また一から探さなきゃなんねぇ……
俺がどうされるか、と言うより、アシュレイにまた会えなくなるかも知れねぇって事の方が、俺には気になる事だったんだ……
0
お気に入りに追加
47
あなたにおすすめの小説
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
【完結】聖女にはなりません。平凡に生きます!
暮田呉子
ファンタジー
この世界で、ただ平凡に、自由に、人生を謳歌したい!
政略結婚から三年──。夫に見向きもされず、屋敷の中で虐げられてきたマリアーナは夫の子を身籠ったという女性に水を掛けられて前世を思い出す。そうだ、前世は慎ましくも充実した人生を送った。それなら現世も平凡で幸せな人生を送ろう、と強く決意するのだった。
好きでした、さようなら
豆狸
恋愛
「……すまない」
初夜の床で、彼は言いました。
「君ではない。私が欲しかった辺境伯令嬢のアンリエット殿は君ではなかったんだ」
悲しげに俯く姿を見て、私の心は二度目の死を迎えたのです。
なろう様でも公開中です。
まだ20歳の未亡人なので、この後は好きに生きてもいいですか?
せいめ
恋愛
政略結婚で愛することもなかった旦那様が魔物討伐中の事故で亡くなったのが1年前。
喪が明け、子供がいない私はこの家を出て行くことに決めました。
そんな時でした。高額報酬の良い仕事があると声を掛けて頂いたのです。
その仕事内容とは高貴な身分の方の閨指導のようでした。非常に悩みましたが、家を出るのにお金が必要な私は、その仕事を受けることに決めたのです。
閨指導って、そんなに何度も会う必要ないですよね?しかも、指導が必要には見えませんでしたが…。
でも、高額な報酬なので文句は言いませんわ。
家を出る資金を得た私は、今度こそ自由に好きなことをして生きていきたいと考えて旅立つことに決めました。
その後、新しい生活を楽しんでいる私の所に現れたのは……。
まずは亡くなったはずの旦那様との話から。
ご都合主義です。
設定は緩いです。
誤字脱字申し訳ありません。
主人公の名前を途中から間違えていました。
アメリアです。すみません。
元侯爵令嬢は冷遇を満喫する
cyaru
恋愛
第三王子の不貞による婚約解消で王様に拝み倒され、渋々嫁いだ侯爵令嬢のエレイン。
しかし教会で結婚式を挙げた後、夫の口から開口一番に出た言葉は
「王命だから君を娶っただけだ。愛してもらえるとは思わないでくれ」
夫となったパトリックの側には長年の恋人であるリリシア。
自分もだけど、向こうだってわたくしの事は見たくも無いはず!っと早々の別居宣言。
お互いで交わす契約書にほっとするパトリックとエレイン。ほくそ笑む愛人リリシア。
本宅からは屋根すら見えない別邸に引きこもりお1人様生活を満喫する予定が・・。
※専門用語は出来るだけ注釈をつけますが、作者が専門用語だと思ってない専門用語がある場合があります
※作者都合のご都合主義です。
※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。
※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
そろそろ前世は忘れませんか。旦那様?
氷雨そら
恋愛
結婚式で私のベールをめくった瞬間、旦那様は固まった。たぶん、旦那様は記憶を取り戻してしまったのだ。前世の私の名前を呼んでしまったのがその証拠。
そしておそらく旦那様は理解した。
私が前世にこっぴどく裏切った旦那様の幼馴染だってこと。
――――でも、それだって理由はある。
前世、旦那様は15歳のあの日、魔力の才能を開花した。そして私が開花したのは、相手の魔力を奪う魔眼だった。
しかも、その魔眼を今世まで持ち越しで受け継いでしまっている。
「どれだけ俺を弄んだら気が済むの」とか「悪い女」という癖に、旦那様は私を離してくれない。
そして二人で眠った次の朝から、なぜかかつての幼馴染のように、冷酷だった旦那様は豹変した。私を溺愛する人間へと。
お願い旦那様。もう前世のことは忘れてください!
かつての幼馴染は、今度こそ絶対幸せになる。そんな幼馴染推しによる幼馴染推しのための物語。
小説家になろうにも掲載しています。
私のお父様とパパ様
棗
ファンタジー
非常に過保護で愛情深い二人の父親から愛される娘メアリー。
婚約者の皇太子と毎月あるお茶会で顔を合わせるも、彼の隣には幼馴染の女性がいて。
大好きなお父様とパパ様がいれば、皇太子との婚約は白紙になっても何も問題はない。
※箱入り娘な主人公と娘溺愛過保護な父親コンビのとある日のお話。
追記(2021/10/7)
お茶会の後を追加します。
更に追記(2022/3/9)
連載として再開します。
雪解けの白い結婚 〜触れることもないし触れないでほしい……からの純愛!?〜
川奈あさ
恋愛
セレンは前世で夫と友人から酷い裏切りを受けたレスられ・不倫サレ妻だった。
前世の深い傷は、転生先の心にも残ったまま。
恋人も友人も一人もいないけれど、大好きな魔法具の開発をしながらそれなりに楽しい仕事人生を送っていたセレンは、祖父のために結婚相手を探すことになる。
だけど凍り付いた表情は、舞踏会で恐れられるだけで……。
そんな時に出会った壁の花仲間かつ高嶺の花でもあるレインに契約結婚を持ちかけられる。
「私は貴女に触れることもないし、私にも触れないでほしい」
レインの条件はひとつ、触らないこと、触ることを求めないこと。
実はレインは女性に触れられると、身体にひどいアレルギー症状が出てしまうのだった。
女性アレルギーのスノープリンス侯爵 × 誰かを愛することが怖いブリザード令嬢。
過去に深い傷を抱えて、人を愛することが怖い。
二人がゆっくり夫婦になっていくお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる