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レバノン杉騒動
ウルク国の朝 その1
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「ん~~~! イイ朝だな~」
「んっぐぐ~! ホント、気ぃ持ちいい~」
家の外に出たエーラとビーは、揃って大きく体を伸ばし、朝の爽やかさを満喫していた。
「イサオも早く出てこいよ~。朝の空気が美味いぞ~」
エーラは振り返って勇男を呼ぶが、当の勇男は陰からそろっと顔を半分出すだけで、一向に出てこようとしない。
「どうしたんだよ、イサオ? そんな風に物陰にいると体に苔が生えるぞ?」
「だったらせめてコレ着けてくれよ、エーラ!」
叫びながら勇男は右手に持ったものをエーラに向けて突き出す。エーラが胸に巻いている布(元は服の破片)だった。
起き抜けにそれが肌蹴て以降、エーラは上半身に何も身に着けていないままだった。
それも全く隠そうとしないものだから、勇男としてはかなり出て行きづらい状況だった。
「街中でもないし、人目もないからいいだろ?」
「あるだろ! 人目! オレ!」
「って言ったって今さらだろ? もう何度も一緒に風呂入ってる仲だし」
エーラは勇男の考えが解りかねると言うように、両手を頭の上に置いて困った顔をした。それが一層色っぽいポージングになってしまったので、ますます勇男は出て行きづらくなった。
「風呂か~。顔だけ洗うより朝風呂に入れたらもっと気持ちイイだろうな~」
勇男の懊悩をよそに、エーラは自分で言った風呂という単語に思いを馳せていると、
「冷たいのでいいなら入れるよ~」
ビーが右手をぱっと上げてそう言った。
「おっ、いけるのか?」
「だいじょ~ぶ~」
ビーは昨夜、風呂の水を用意するのに使った戸板を持つと、また泉の中心付近まで入っていった。
「とぉえっりゃっ!」
戸板を振るって大量の水を弾き飛ばすと、湯が抜かれていた風呂に再び水が張られた。
「これで入れる~」
泉から上がってきたビーは、早速着ているものをぱっぱと脱ぎ始めた。
「ビーと一緒にいると風呂にすぐ入れていいな。イサオ~、朝風呂入れるからお前も出てこいよ~」
「オ、オレは後でいいよ! こ、今度はお湯じゃないから冷めるとかないだろ?」
「皆で一緒に入った方がいいだろ――――――って、ああ、そうか」
渋っている勇男に声をかけていたエーラは、何かに勘付いて一人で納得していた。
「気にするなよイサオ~。男は朝そうなるモンなんだろ~」
「ちょっ!?」
エーラのいきなりの言葉に、勇男は言葉を詰まらせてしまった。思いっきり図星だった。
「知ってるから安心しろ~。大丈夫だ~」
「安心できるかい! むしろ余計に気にするわ!」
もはや恥ずかしいのか怒っているのか判らなくなった勇男は、真っ赤になった顔だけ出して叫んでいた。
実際のところ、朝の状態というのもあるが、エーラの格好のせいで治まりがつかないというのもある。
「イサオ、お風呂入んないの?」
もういつでも風呂に飛び込める準備ができたビーは、不思議そうにしながらエーラの横に並んだ。
「イサオはこーゆートコ、男らしくないよなぁ。よし、ビー。またイサオのヤツ引ん剥いて風呂に放り込むぞ」
「分かったー」
結局またエーラとビーに身ぐるみ剥がされた勇男は、すっぽんぽんで風呂に投げ込まれ、落ち着かない入浴を過ごすことになってしまったのだった。
「んっぐぐ~! ホント、気ぃ持ちいい~」
家の外に出たエーラとビーは、揃って大きく体を伸ばし、朝の爽やかさを満喫していた。
「イサオも早く出てこいよ~。朝の空気が美味いぞ~」
エーラは振り返って勇男を呼ぶが、当の勇男は陰からそろっと顔を半分出すだけで、一向に出てこようとしない。
「どうしたんだよ、イサオ? そんな風に物陰にいると体に苔が生えるぞ?」
「だったらせめてコレ着けてくれよ、エーラ!」
叫びながら勇男は右手に持ったものをエーラに向けて突き出す。エーラが胸に巻いている布(元は服の破片)だった。
起き抜けにそれが肌蹴て以降、エーラは上半身に何も身に着けていないままだった。
それも全く隠そうとしないものだから、勇男としてはかなり出て行きづらい状況だった。
「街中でもないし、人目もないからいいだろ?」
「あるだろ! 人目! オレ!」
「って言ったって今さらだろ? もう何度も一緒に風呂入ってる仲だし」
エーラは勇男の考えが解りかねると言うように、両手を頭の上に置いて困った顔をした。それが一層色っぽいポージングになってしまったので、ますます勇男は出て行きづらくなった。
「風呂か~。顔だけ洗うより朝風呂に入れたらもっと気持ちイイだろうな~」
勇男の懊悩をよそに、エーラは自分で言った風呂という単語に思いを馳せていると、
「冷たいのでいいなら入れるよ~」
ビーが右手をぱっと上げてそう言った。
「おっ、いけるのか?」
「だいじょ~ぶ~」
ビーは昨夜、風呂の水を用意するのに使った戸板を持つと、また泉の中心付近まで入っていった。
「とぉえっりゃっ!」
戸板を振るって大量の水を弾き飛ばすと、湯が抜かれていた風呂に再び水が張られた。
「これで入れる~」
泉から上がってきたビーは、早速着ているものをぱっぱと脱ぎ始めた。
「ビーと一緒にいると風呂にすぐ入れていいな。イサオ~、朝風呂入れるからお前も出てこいよ~」
「オ、オレは後でいいよ! こ、今度はお湯じゃないから冷めるとかないだろ?」
「皆で一緒に入った方がいいだろ――――――って、ああ、そうか」
渋っている勇男に声をかけていたエーラは、何かに勘付いて一人で納得していた。
「気にするなよイサオ~。男は朝そうなるモンなんだろ~」
「ちょっ!?」
エーラのいきなりの言葉に、勇男は言葉を詰まらせてしまった。思いっきり図星だった。
「知ってるから安心しろ~。大丈夫だ~」
「安心できるかい! むしろ余計に気にするわ!」
もはや恥ずかしいのか怒っているのか判らなくなった勇男は、真っ赤になった顔だけ出して叫んでいた。
実際のところ、朝の状態というのもあるが、エーラの格好のせいで治まりがつかないというのもある。
「イサオ、お風呂入んないの?」
もういつでも風呂に飛び込める準備ができたビーは、不思議そうにしながらエーラの横に並んだ。
「イサオはこーゆートコ、男らしくないよなぁ。よし、ビー。またイサオのヤツ引ん剥いて風呂に放り込むぞ」
「分かったー」
結局またエーラとビーに身ぐるみ剥がされた勇男は、すっぽんぽんで風呂に投げ込まれ、落ち着かない入浴を過ごすことになってしまったのだった。
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