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豪宴客船編
第二試合 その1
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「で、では次の対戦者の準備もできましたので! 超級異種格闘大会! 第二回戦を始めさせていただきたいと思います!」
再びリング中央に立った野摩ではあったが、声は当初の自信満々な様子とは違って、わずかに震え声となっていた。アテナの驚異的な戦闘力を見せつけられた上、恐怖に屈して対戦表を独断で変えてしまい、おまけに失禁までしてしまったのだから無理もない。
まだ逃げ出す一歩手前で踏みとどまっているが、格闘大会が終わった後には上役からどんな制裁を受けるか分からないため、野摩は留まっても逃げても悲惨な目に遭うと予見していた。
それでも審判を務めているうちは安全だと考えられたので、審判としての立場が野摩の精神をぎりぎりのところで保たせていた。
そういうわけで、震えながらも野摩は試合の進行を続けることにした。
「ま、まずは引き続き! 今大会の美しき挑戦者! ミネルヴァ・カピトリーノ!」
野摩の声に合わせ、スポットライトがリングサイドにいたアテナを照らした。
「む、思っていたよりも早かったですね」
アテナはチーズケーキの最後の一欠けを口に運ぶと、『テーブル』の上に皿をそっと置いた。そしてグラスのワインを少しだけ飲むと、そのグラスも『テーブル』に置き、口元を軽く布で拭いてリングに上がる。
「次の相手はもう少し手応えがあれば良いのですが」
開始位置に着いたアテナは、軽く腕をストレッチして相手を待った。
次の試合も何ら緊張していないアテナだったが、反対に野摩はアテナが近くに立っただけで脚を小刻みに震わせていた。
本当なら、この大会に選ばれる特別枠は、他の参加者や観客にいたぶられ、愉しませるだけの生け贄に過ぎなかったはずだったのだ。
上役から渡された資料を見て、野摩も大会終了後は存分に愉しめると思い、意気揚々とリングに上がっていた。
それが絶世の美女を前に、恐怖に慄くことになろうとは。野摩はまるで悪夢に叩き落されたかのように感じていた。
(い、一体全体どうなってんだよ!? こんなの聞いてねぇよ! ありえねぇくらい強いじゃねぇかよ! 何なんだよコイツは! 美女の形してるだけの何かじゃねぇのか!?)
「……審判、何か無礼なことを考えていませんか?」
「ヒィッ!? い、いえ! な、何も!」
アテナにギロリと一睨みされ、野摩は脊椎の芯から凍えそうになってしまった。
(ま、まさか心まで読まれてんの!? オ、オレ逃げ場がない!? か、神様~!)
滂沱の涙を流して神に縋る野摩をよそに、アテナは黙々とストレッチを続けていた。
「こ、こちらご注文のキャラメルポップコーンになります」
「ありがと~」
係りの者から注文したキャラメルポップコーン(Lサイズ)を受け取ると、媛寿はにこやかにお礼を言った。当の係りの者はそんな媛寿に笑い返すも、その顔は引きつっていた。
そして、それを見ていた結城の感想は、『無理ないな~』と『分かるな~』だった。
VIP専用のボックス席は、三分の一が切り取られるように無くなっていたのだから。
第一試合でアテナが対戦相手のグロース・アクストを投げ飛ばし、そのスポンサーである会苦巣が座っていた位置に、知ってか知らずか的確にヒットさせた結果だった。もちろん結城たちには傷一つなかったわけだが。
そんな凄まじい試合結果を目の当たりにし、なおかつそんな状況で呑気にキャラメルポップコーンを注文して満面の笑みを浮かべている子どもを前にした係りの者は、さぞかし困惑したことだろう。
結城はそう思いながら、努めて冷静であろうと、小さな深呼吸を繰り返していた。
とりあえず第一試合は死人は出ていない。
アテナと闘った―――始まった瞬間に一方的にボコボコにされた―――グロース・アクストは、アテナがリングの端まで引きずっていって、その背は注文したルームサービスを置いておくための『テーブル』になっている。うつ伏せのまま起き上がろうとしないが、背中に置かれた皿とグラスがわずかに上下しているので、一応、命は助かったらしい。一応は。
会苦巣はアテナがグロースを引きずっていく際、係りの者に言って医務室に運ばせた。担架で運ばれていく時、しきりに痙攣していたので、こちらも命は助かっていた。手足から指まで変な方向に曲がっていたが、結城は気のせいだと思うことにした。
アテナとの付き合いも二年以上になると、最初の頃と比べれば、まだ慣れてきた方だった。
基本的に知的で物腰の柔らかい女神ではあるが、時々変な方向にアグレッシブになったり、怒りの沸点が異様に低くなることがある。
アテナの名を掲げて犯罪まがいの破壊活動をする新興宗教団体がニュースで流れた時は、『ユウキ、出かけますよ』の一言で総本山まで押しかけて、一日で団体を壊滅に追いやったことがあった。二度と名を騙らないように教祖に誓わせていた際は、結城は『違う神様を出しとけばよかったのに』と相手側に同情していた。
また馴染みの店を地上げ屋が荒らした時は、事務所に乗り込み、三分でビルをぺしゃんこにしてしまった。『幽幻調書』に出てきた『大蛇姉妹』の妹が言っていた、『三分でビルを平らにする』というのを、まさかリアルで見ることになるとは結城も思っていなかった。媛寿は大はしゃぎ、地上げ屋の頭目は放心状態だったが。
良い意味でも悪い意味でもパワフルさを発揮し、結城も度々振り回されることもあるアテナ。
だが、だからこそ、結城は確固たる信頼を寄せ、確信をもって言えた。
(この大会、優勝するのはアテナ様だな……絶対)
少々やっていることが悪役じみている気がしないでもないが、結城にはアテナが負けるところは全く想像できなかったので、そのあたりは安心して観戦ができそうだった。クロランはアテナがグロースを引きずっていく場面を見た時点で、ちょっと固まり気味になってしまっているが。
「フフフ、なかなか活きの良い従者を持っているねぇ、キミ」
左側から聞こえてきた声に気付き、結城は声の方を振り向いた。
(そういえばボックス席って三席あったな)
右側の会苦巣ばかりが喋っていたので、結城は左側にいるもう一人の存在を忘れていた。
ソファにどっかりと腰を落ち着けているのは、研究者のような白衣を着た細身の青年だった。
「それほど筋肉量があるとは思えない身体だが、信じなれない程のパワーを持っている。長身であるところを見ると巨鬼か何かとのハーフか? だとしたらコボルトでは歯が立たないな」
青年は何か分析しているようだったが、結城は何を言っているのかあまり理解できなかった。ただ、会苦巣とは違う意味での『嫌な感覚』だけは感じ取っていた。
「ん~、自己紹介がまだだったか。オレは『商業呪術師』をやっている蛙魅場だ。次に出てくるのはオレの『最高傑作』だから、期待しててくれよぉ?」
第一試合は完全に期待はずれだったものの、リング上でストレッチするアテナはなかなかに上機嫌だった。
マスクマンほどではないが、アテナもそれなりに耳が良い。ボックス席で話す結城たちの会話が、少しだけ耳に入っていた。
あの方がそんな安い金額で吊りあうわけがない。結城は会苦巣に対して毅然と言い放った。
金額云々の話をされるのは癪ではあっても、会苦巣の言葉に一切揺らぐことなく、そう言い返した結城の心意気を、アテナは嬉しく思っていた。
(成長しましたね、ユウキ)
見守っている人間が成長する様子は、神として喜びも一入だった。
そして結城はアテナが必ず勝ち上がると信じている。
ならば、多少つまらない相手であっても、良いところを見せてやろうと、戦女神として俄然やる気が湧いていた。
「審判、早く次の相手を呼んでください」
アテナはその場で軽くジャンプしながら野摩に言った。
「は、はいぃ!」
アテナに言われ、泣きながら神に祈っていた野摩は慌てて我に返った。
「え、え~、対するは! 数多の戦場で恐れられ! 刻んだ敵兵は数知れず! その手に携えた刃は死してなお! 刻む相手を求め続ける!」
再び昇降機が稼動し、次なる対戦者がスポットライトの光の中へ現れる。
「地獄の戦場から蘇った狂気の傭兵! 切り裂きクローバー!」
再びリング中央に立った野摩ではあったが、声は当初の自信満々な様子とは違って、わずかに震え声となっていた。アテナの驚異的な戦闘力を見せつけられた上、恐怖に屈して対戦表を独断で変えてしまい、おまけに失禁までしてしまったのだから無理もない。
まだ逃げ出す一歩手前で踏みとどまっているが、格闘大会が終わった後には上役からどんな制裁を受けるか分からないため、野摩は留まっても逃げても悲惨な目に遭うと予見していた。
それでも審判を務めているうちは安全だと考えられたので、審判としての立場が野摩の精神をぎりぎりのところで保たせていた。
そういうわけで、震えながらも野摩は試合の進行を続けることにした。
「ま、まずは引き続き! 今大会の美しき挑戦者! ミネルヴァ・カピトリーノ!」
野摩の声に合わせ、スポットライトがリングサイドにいたアテナを照らした。
「む、思っていたよりも早かったですね」
アテナはチーズケーキの最後の一欠けを口に運ぶと、『テーブル』の上に皿をそっと置いた。そしてグラスのワインを少しだけ飲むと、そのグラスも『テーブル』に置き、口元を軽く布で拭いてリングに上がる。
「次の相手はもう少し手応えがあれば良いのですが」
開始位置に着いたアテナは、軽く腕をストレッチして相手を待った。
次の試合も何ら緊張していないアテナだったが、反対に野摩はアテナが近くに立っただけで脚を小刻みに震わせていた。
本当なら、この大会に選ばれる特別枠は、他の参加者や観客にいたぶられ、愉しませるだけの生け贄に過ぎなかったはずだったのだ。
上役から渡された資料を見て、野摩も大会終了後は存分に愉しめると思い、意気揚々とリングに上がっていた。
それが絶世の美女を前に、恐怖に慄くことになろうとは。野摩はまるで悪夢に叩き落されたかのように感じていた。
(い、一体全体どうなってんだよ!? こんなの聞いてねぇよ! ありえねぇくらい強いじゃねぇかよ! 何なんだよコイツは! 美女の形してるだけの何かじゃねぇのか!?)
「……審判、何か無礼なことを考えていませんか?」
「ヒィッ!? い、いえ! な、何も!」
アテナにギロリと一睨みされ、野摩は脊椎の芯から凍えそうになってしまった。
(ま、まさか心まで読まれてんの!? オ、オレ逃げ場がない!? か、神様~!)
滂沱の涙を流して神に縋る野摩をよそに、アテナは黙々とストレッチを続けていた。
「こ、こちらご注文のキャラメルポップコーンになります」
「ありがと~」
係りの者から注文したキャラメルポップコーン(Lサイズ)を受け取ると、媛寿はにこやかにお礼を言った。当の係りの者はそんな媛寿に笑い返すも、その顔は引きつっていた。
そして、それを見ていた結城の感想は、『無理ないな~』と『分かるな~』だった。
VIP専用のボックス席は、三分の一が切り取られるように無くなっていたのだから。
第一試合でアテナが対戦相手のグロース・アクストを投げ飛ばし、そのスポンサーである会苦巣が座っていた位置に、知ってか知らずか的確にヒットさせた結果だった。もちろん結城たちには傷一つなかったわけだが。
そんな凄まじい試合結果を目の当たりにし、なおかつそんな状況で呑気にキャラメルポップコーンを注文して満面の笑みを浮かべている子どもを前にした係りの者は、さぞかし困惑したことだろう。
結城はそう思いながら、努めて冷静であろうと、小さな深呼吸を繰り返していた。
とりあえず第一試合は死人は出ていない。
アテナと闘った―――始まった瞬間に一方的にボコボコにされた―――グロース・アクストは、アテナがリングの端まで引きずっていって、その背は注文したルームサービスを置いておくための『テーブル』になっている。うつ伏せのまま起き上がろうとしないが、背中に置かれた皿とグラスがわずかに上下しているので、一応、命は助かったらしい。一応は。
会苦巣はアテナがグロースを引きずっていく際、係りの者に言って医務室に運ばせた。担架で運ばれていく時、しきりに痙攣していたので、こちらも命は助かっていた。手足から指まで変な方向に曲がっていたが、結城は気のせいだと思うことにした。
アテナとの付き合いも二年以上になると、最初の頃と比べれば、まだ慣れてきた方だった。
基本的に知的で物腰の柔らかい女神ではあるが、時々変な方向にアグレッシブになったり、怒りの沸点が異様に低くなることがある。
アテナの名を掲げて犯罪まがいの破壊活動をする新興宗教団体がニュースで流れた時は、『ユウキ、出かけますよ』の一言で総本山まで押しかけて、一日で団体を壊滅に追いやったことがあった。二度と名を騙らないように教祖に誓わせていた際は、結城は『違う神様を出しとけばよかったのに』と相手側に同情していた。
また馴染みの店を地上げ屋が荒らした時は、事務所に乗り込み、三分でビルをぺしゃんこにしてしまった。『幽幻調書』に出てきた『大蛇姉妹』の妹が言っていた、『三分でビルを平らにする』というのを、まさかリアルで見ることになるとは結城も思っていなかった。媛寿は大はしゃぎ、地上げ屋の頭目は放心状態だったが。
良い意味でも悪い意味でもパワフルさを発揮し、結城も度々振り回されることもあるアテナ。
だが、だからこそ、結城は確固たる信頼を寄せ、確信をもって言えた。
(この大会、優勝するのはアテナ様だな……絶対)
少々やっていることが悪役じみている気がしないでもないが、結城にはアテナが負けるところは全く想像できなかったので、そのあたりは安心して観戦ができそうだった。クロランはアテナがグロースを引きずっていく場面を見た時点で、ちょっと固まり気味になってしまっているが。
「フフフ、なかなか活きの良い従者を持っているねぇ、キミ」
左側から聞こえてきた声に気付き、結城は声の方を振り向いた。
(そういえばボックス席って三席あったな)
右側の会苦巣ばかりが喋っていたので、結城は左側にいるもう一人の存在を忘れていた。
ソファにどっかりと腰を落ち着けているのは、研究者のような白衣を着た細身の青年だった。
「それほど筋肉量があるとは思えない身体だが、信じなれない程のパワーを持っている。長身であるところを見ると巨鬼か何かとのハーフか? だとしたらコボルトでは歯が立たないな」
青年は何か分析しているようだったが、結城は何を言っているのかあまり理解できなかった。ただ、会苦巣とは違う意味での『嫌な感覚』だけは感じ取っていた。
「ん~、自己紹介がまだだったか。オレは『商業呪術師』をやっている蛙魅場だ。次に出てくるのはオレの『最高傑作』だから、期待しててくれよぉ?」
第一試合は完全に期待はずれだったものの、リング上でストレッチするアテナはなかなかに上機嫌だった。
マスクマンほどではないが、アテナもそれなりに耳が良い。ボックス席で話す結城たちの会話が、少しだけ耳に入っていた。
あの方がそんな安い金額で吊りあうわけがない。結城は会苦巣に対して毅然と言い放った。
金額云々の話をされるのは癪ではあっても、会苦巣の言葉に一切揺らぐことなく、そう言い返した結城の心意気を、アテナは嬉しく思っていた。
(成長しましたね、ユウキ)
見守っている人間が成長する様子は、神として喜びも一入だった。
そして結城はアテナが必ず勝ち上がると信じている。
ならば、多少つまらない相手であっても、良いところを見せてやろうと、戦女神として俄然やる気が湧いていた。
「審判、早く次の相手を呼んでください」
アテナはその場で軽くジャンプしながら野摩に言った。
「は、はいぃ!」
アテナに言われ、泣きながら神に祈っていた野摩は慌てて我に返った。
「え、え~、対するは! 数多の戦場で恐れられ! 刻んだ敵兵は数知れず! その手に携えた刃は死してなお! 刻む相手を求め続ける!」
再び昇降機が稼動し、次なる対戦者がスポットライトの光の中へ現れる。
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