216 / 404
豪宴客船編
突然の訪問者その1
しおりを挟む
「ふっひ~」
部屋に辿り着くなり、結城は頭からベッドに倒れこんだ。黄金男爵とのルーレット勝負の後、何とか意識を取り戻した結城は、媛寿とクロランを伴って自室に帰ることにした。一千万円という大金を賭けた大勝負の後では、もはや結城の一般人的な神経は擦り減りきってしまっていたからだ。
マスクマンとシロガネはそれぞれで用があったらしく、カジノで別れてきた。
そして今、結城は緊張と混沌の数時間から解放され、ようやくオアシスたる自室でひと心地つくことができた。
「ゆうき、だいじょうぶ?」
ベッドの上でうつ伏せで脱力する結城を心配して、媛寿がそっと顔を覗いてきた。
「うん。大丈夫だよ、媛寿。ちょっと疲れただけ」
結城は首だけを動かして、顔を覗き込んできた媛寿に視線を合わせた。少し心配そうにしている媛寿の顔が映る。
(それにしても……)
結城はベッド脇に放り出されている物に視線を向けた。
(どうしよう……これ……)
部屋のカードキーにして、船内のクレジットカードも兼ねた黒いカードだった。中には今夜のカジノでの勝ち分、総額二千万円が入っている。
恵比須の提示した依頼料は五百万円プラスα。プラスαはカジノで儲けた分をそのまま懐に収めていいという条件だ。
媛寿がカジノに興味津々だったので、大体のことは覚悟していくつもりだったが、これほどに予想を大きく上回る結果になってしまった。
金銭感覚が一般人レベルの結城が、二時間にも満たないうちに二千万円も手に入れてしまうと、それこそ目玉がスロットマシンのように後ろに回ってしまいそうだった。
(それとあの仮面の人は何だったんだろう)
結城は一千万円のルーレット勝負を挑んできた黄金男爵のことを思い出していた。
他の挑戦者とは明らかに違う上に、媛寿が座敷童子であることも見抜いていたようだ。
そして冷静になって思い返してみれば、特に勝利にこだわっていた様子もない。
いったい何のために一千万円もポンと賭けてきたのか。
おそらく上流階級の人間であろう黄金男爵の考えが、結城は到底理解できずにもやもやとしていた。
「ゆうき、コーラのむ?」
いつの間にか媛寿は、部屋に備え付けてある冷蔵庫から、コーラの缶とグラスを持ってきていた。それを結城にそっと差し出してくる。
媛寿の表情は先程よりも心配の色が濃くなっていた。どうやら相当思いつめた顔をしていたために、媛寿を不安にさせてしまったと、結城は心の中で自省した。
「ありがとう、媛寿。もう大丈夫だよ」
結城はベッドから起き上がり、軽くガッツポーズをして見せた。
「ほんと?」
「うん、ほんとほんと。そのコーラ、みんなで飲もうよ」
ここで深刻に考えても仕方ないと思い直し、結城は媛寿とクロランの分のグラスを用意するために立ち上がった。
「ふっひゅ~」
結城、媛寿、クロランの三人でコーラを分けて乾杯した後、媛寿は結城の胸板を背もたれにして座り、お腹を撫でられて気持ち良さそうに息を吹いた。時折『けぽっ』と炭酸のげっぷをしながら。
(この船がすごいのは確かだけど、それで僕が参っちゃって、媛寿に心配かけさせちゃいけないよね。気をつけないと)
膝の上に座って脱力する媛寿のお腹を撫でながら、結城は心構えを新たにした。
座敷童子である媛寿は、気持ちが沈んだり、機嫌が傾けば、それが能力に影響して不運をもたらすことがある。
そのために結城は媛寿の心の変化に気を配ることもあるが、それ以上に、媛寿に悲しい顔をしてほしくないという思いがあった。
アテナと同等に自由奔放で、振り回されることも多々ある。しかし、いつも目を輝かせながら結城の名を呼び、面白いことに共に引っ張っていこうとする媛寿の姿勢に、結城もまた少なからず心が躍っていた。
媛寿にはそうであってほしいと願いつつ、そんな媛寿を見ていなければ、結城も調子が出ない。
四柱の神霊たちの中で、結城が最初に出逢い、そして最も付き合いの長いこの座敷童子の少女こそが、あながち一番相性の良い存在なのかもしれない。
安心しきってもたれてくる媛寿の顔を見ながら、結城はそう考えていた。
「ん?」
ふと視線を感じて横を見ると、クロランが媛寿をじっと見つめていた。正確には媛寿のお腹を撫でている結城の右手と、お腹を撫でられて気持ち良さそうにしている媛寿の表情を、だが。
おまけにクロランは右手の人差し指の先を咥え、物欲しそうな、羨ましそうな目をしている。
結城は媛寿とクロランを何度か交互に見た後、
「クロランもしてほしいの?」
と聞いてみた。
クロランはこくこくと頷いた。頭の獣耳は期待の表れなのか、ぱたぱたと開いたり垂れたりを繰り返している。
「いいよ。してあげる」
「っ!」
結城がそう答えると、クロランは獣耳をぴんと立て、結城が座るベッドのすぐ横に仰向けに寝転がった。
(へ? なに?)
クロランの取った行動に一瞬戸惑った結城だったが、すぐにその意味が解った。クロランは両手を胸のあたりで組んで、結城に期待の眼差しを向けてきている。
この体勢で撫でてほしいということだ。
結城は心の中で少し面食らいつつ、空いている左手を伸ばし、クロランのお腹を上下に撫でた。
「くひっ……くひゅ……」
くすぐったいのかクロランは身をくねらせるが、どこか嬉しそうな表情で、そこから逃げるようなことはしない。
まるで犬のお腹を撫でているようだ、と結城は思ったが、いかんせん相手は犬ではなく少女である。
(何だかすっごくイケナイことしているような気がする……大丈夫なのかな、これ?)
とてつもない違和感に圧し掛かられながら、結城は媛寿とクロランが眠ってしまうまで、二人を撫で続けた。
「くぅ……くぅ……」
「すぅ……すぅ……」
結城にお腹を撫でられていた媛寿とクロランは、よほど心地よかったのか、すっかり眠ってしまっていた。
媛寿は両手を投げ出した大の字で、クロランは軽く背を曲げた胎児のような姿勢ですやすやと寝息を立てている。
ベッドで平和に眠る二人を見ながら、結城はその微笑ましさに頬を緩めた。
「可愛らしいですね~」
「ええ、とても」
「可愛らしいからって~、変な悪戯しちゃいけませんよ~?」
「いや、媛寿とクロランにそういうことは……」
「じゃあ結城さんは~、どういう娘が好みなんですか~?」
「え? それは……アテナ様や千夏さんみたいに美人でスタイルのいい人が……」
「む~、それじゃあ~、私ではグッときませんか~?」
「いえ、もちろんキュウ様も美人でスタイルがいいんですけど……あれ?」
結城はあまりにも自然に会話していたが、いったい誰と話しているのかと疑問が生じ、ゆっくりと声がした方に顔を向けた。
キングサイズのベッドの脇で、縁にファーをあしらった扇をはためかせているのは、九本の尻尾こそ見当たらないが、見間違えるはずもない。ウェーブのかかった金色の髪と、そこに頂く狐耳。そして見る者を惹き込むような妖しい魅力を持つ瞳。
金毛稲荷神宮の主にして、伝説の妖狐、白面金毛九尾の狐ことキュウだった。
「キュ、キュウ様!?」
「コンばんは~」
音もなく霧のように部屋に現れたキュウは、扇で軽く結城に風を送りながら、にっこりと微笑んで挨拶してきた。
部屋に辿り着くなり、結城は頭からベッドに倒れこんだ。黄金男爵とのルーレット勝負の後、何とか意識を取り戻した結城は、媛寿とクロランを伴って自室に帰ることにした。一千万円という大金を賭けた大勝負の後では、もはや結城の一般人的な神経は擦り減りきってしまっていたからだ。
マスクマンとシロガネはそれぞれで用があったらしく、カジノで別れてきた。
そして今、結城は緊張と混沌の数時間から解放され、ようやくオアシスたる自室でひと心地つくことができた。
「ゆうき、だいじょうぶ?」
ベッドの上でうつ伏せで脱力する結城を心配して、媛寿がそっと顔を覗いてきた。
「うん。大丈夫だよ、媛寿。ちょっと疲れただけ」
結城は首だけを動かして、顔を覗き込んできた媛寿に視線を合わせた。少し心配そうにしている媛寿の顔が映る。
(それにしても……)
結城はベッド脇に放り出されている物に視線を向けた。
(どうしよう……これ……)
部屋のカードキーにして、船内のクレジットカードも兼ねた黒いカードだった。中には今夜のカジノでの勝ち分、総額二千万円が入っている。
恵比須の提示した依頼料は五百万円プラスα。プラスαはカジノで儲けた分をそのまま懐に収めていいという条件だ。
媛寿がカジノに興味津々だったので、大体のことは覚悟していくつもりだったが、これほどに予想を大きく上回る結果になってしまった。
金銭感覚が一般人レベルの結城が、二時間にも満たないうちに二千万円も手に入れてしまうと、それこそ目玉がスロットマシンのように後ろに回ってしまいそうだった。
(それとあの仮面の人は何だったんだろう)
結城は一千万円のルーレット勝負を挑んできた黄金男爵のことを思い出していた。
他の挑戦者とは明らかに違う上に、媛寿が座敷童子であることも見抜いていたようだ。
そして冷静になって思い返してみれば、特に勝利にこだわっていた様子もない。
いったい何のために一千万円もポンと賭けてきたのか。
おそらく上流階級の人間であろう黄金男爵の考えが、結城は到底理解できずにもやもやとしていた。
「ゆうき、コーラのむ?」
いつの間にか媛寿は、部屋に備え付けてある冷蔵庫から、コーラの缶とグラスを持ってきていた。それを結城にそっと差し出してくる。
媛寿の表情は先程よりも心配の色が濃くなっていた。どうやら相当思いつめた顔をしていたために、媛寿を不安にさせてしまったと、結城は心の中で自省した。
「ありがとう、媛寿。もう大丈夫だよ」
結城はベッドから起き上がり、軽くガッツポーズをして見せた。
「ほんと?」
「うん、ほんとほんと。そのコーラ、みんなで飲もうよ」
ここで深刻に考えても仕方ないと思い直し、結城は媛寿とクロランの分のグラスを用意するために立ち上がった。
「ふっひゅ~」
結城、媛寿、クロランの三人でコーラを分けて乾杯した後、媛寿は結城の胸板を背もたれにして座り、お腹を撫でられて気持ち良さそうに息を吹いた。時折『けぽっ』と炭酸のげっぷをしながら。
(この船がすごいのは確かだけど、それで僕が参っちゃって、媛寿に心配かけさせちゃいけないよね。気をつけないと)
膝の上に座って脱力する媛寿のお腹を撫でながら、結城は心構えを新たにした。
座敷童子である媛寿は、気持ちが沈んだり、機嫌が傾けば、それが能力に影響して不運をもたらすことがある。
そのために結城は媛寿の心の変化に気を配ることもあるが、それ以上に、媛寿に悲しい顔をしてほしくないという思いがあった。
アテナと同等に自由奔放で、振り回されることも多々ある。しかし、いつも目を輝かせながら結城の名を呼び、面白いことに共に引っ張っていこうとする媛寿の姿勢に、結城もまた少なからず心が躍っていた。
媛寿にはそうであってほしいと願いつつ、そんな媛寿を見ていなければ、結城も調子が出ない。
四柱の神霊たちの中で、結城が最初に出逢い、そして最も付き合いの長いこの座敷童子の少女こそが、あながち一番相性の良い存在なのかもしれない。
安心しきってもたれてくる媛寿の顔を見ながら、結城はそう考えていた。
「ん?」
ふと視線を感じて横を見ると、クロランが媛寿をじっと見つめていた。正確には媛寿のお腹を撫でている結城の右手と、お腹を撫でられて気持ち良さそうにしている媛寿の表情を、だが。
おまけにクロランは右手の人差し指の先を咥え、物欲しそうな、羨ましそうな目をしている。
結城は媛寿とクロランを何度か交互に見た後、
「クロランもしてほしいの?」
と聞いてみた。
クロランはこくこくと頷いた。頭の獣耳は期待の表れなのか、ぱたぱたと開いたり垂れたりを繰り返している。
「いいよ。してあげる」
「っ!」
結城がそう答えると、クロランは獣耳をぴんと立て、結城が座るベッドのすぐ横に仰向けに寝転がった。
(へ? なに?)
クロランの取った行動に一瞬戸惑った結城だったが、すぐにその意味が解った。クロランは両手を胸のあたりで組んで、結城に期待の眼差しを向けてきている。
この体勢で撫でてほしいということだ。
結城は心の中で少し面食らいつつ、空いている左手を伸ばし、クロランのお腹を上下に撫でた。
「くひっ……くひゅ……」
くすぐったいのかクロランは身をくねらせるが、どこか嬉しそうな表情で、そこから逃げるようなことはしない。
まるで犬のお腹を撫でているようだ、と結城は思ったが、いかんせん相手は犬ではなく少女である。
(何だかすっごくイケナイことしているような気がする……大丈夫なのかな、これ?)
とてつもない違和感に圧し掛かられながら、結城は媛寿とクロランが眠ってしまうまで、二人を撫で続けた。
「くぅ……くぅ……」
「すぅ……すぅ……」
結城にお腹を撫でられていた媛寿とクロランは、よほど心地よかったのか、すっかり眠ってしまっていた。
媛寿は両手を投げ出した大の字で、クロランは軽く背を曲げた胎児のような姿勢ですやすやと寝息を立てている。
ベッドで平和に眠る二人を見ながら、結城はその微笑ましさに頬を緩めた。
「可愛らしいですね~」
「ええ、とても」
「可愛らしいからって~、変な悪戯しちゃいけませんよ~?」
「いや、媛寿とクロランにそういうことは……」
「じゃあ結城さんは~、どういう娘が好みなんですか~?」
「え? それは……アテナ様や千夏さんみたいに美人でスタイルのいい人が……」
「む~、それじゃあ~、私ではグッときませんか~?」
「いえ、もちろんキュウ様も美人でスタイルがいいんですけど……あれ?」
結城はあまりにも自然に会話していたが、いったい誰と話しているのかと疑問が生じ、ゆっくりと声がした方に顔を向けた。
キングサイズのベッドの脇で、縁にファーをあしらった扇をはためかせているのは、九本の尻尾こそ見当たらないが、見間違えるはずもない。ウェーブのかかった金色の髪と、そこに頂く狐耳。そして見る者を惹き込むような妖しい魅力を持つ瞳。
金毛稲荷神宮の主にして、伝説の妖狐、白面金毛九尾の狐ことキュウだった。
「キュ、キュウ様!?」
「コンばんは~」
音もなく霧のように部屋に現れたキュウは、扇で軽く結城に風を送りながら、にっこりと微笑んで挨拶してきた。
0
お気に入りに追加
19
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
幼馴染の彼女と妹が寝取られて、死刑になる話
島風
ファンタジー
幼馴染が俺を裏切った。そして、妹も......固い絆で結ばれていた筈の俺はほんの僅かの間に邪魔な存在になったらしい。だから、奴隷として売られた。幸い、命があったが、彼女達と俺では身分が違うらしい。
俺は二人を忘れて生きる事にした。そして細々と新しい生活を始める。だが、二人を寝とった勇者エリアスと裏切り者の幼馴染と妹は俺の前に再び現れた。
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
冤罪だと誰も信じてくれず追い詰められた僕、濡れ衣が明るみになったけど今更仲直りなんてできない
一本橋
恋愛
女子の体操着を盗んだという身に覚えのない罪を着せられ、僕は皆の信頼を失った。
クラスメイトからは日常的に罵倒を浴びせられ、向けられるのは蔑みの目。
さらに、信じていた初恋だった女友達でさえ僕を見限った。
両親からは拒絶され、姉からもいないものと扱われる日々。
……だが、転機は訪れる。冤罪だった事が明かになったのだ。
それを機に、今まで僕を蔑ろに扱った人達から次々と謝罪の声が。
皆は僕と関係を戻したいみたいだけど、今更仲直りなんてできない。
※小説家になろう、カクヨムと同時に投稿しています。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
『王家の面汚し』と呼ばれ帝国へ売られた王女ですが、普通に歓迎されました……
Ryo-k
ファンタジー
王宮で開かれた側妃主催のパーティーで婚約破棄を告げられたのは、アシュリー・クローネ第一王女。
優秀と言われているラビニア・クローネ第二王女と常に比較され続け、彼女は貴族たちからは『王家の面汚し』と呼ばれ疎まれていた。
そんな彼女は、帝国との交易の条件として、帝国に送られることになる。
しかしこの時は誰も予想していなかった。
この出来事が、王国の滅亡へのカウントダウンの始まりであることを……
アシュリーが帝国で、秘められていた才能を開花するのを……
※この作品は「小説家になろう」でも掲載しています。
〈完結〉妹に婚約者を獲られた私は実家に居ても何なので、帝都でドレスを作ります。
江戸川ばた散歩
ファンタジー
「私」テンダー・ウッドマンズ伯爵令嬢は両親から婚約者を妹に渡せ、と言われる。
了承した彼女は帝都でドレスメーカーの独立工房をやっている叔母のもとに行くことにする。
テンダーがあっさりと了承し、家を離れるのには理由があった。
それは三つ下の妹が生まれて以来の両親の扱いの差だった。
やがてテンダーは叔母のもとで服飾を学び、ついには?
100話まではヒロインのテンダー視点、幕間と101話以降は俯瞰視点となります。
200話で完結しました。
今回はあとがきは無しです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる