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友宮の守護者編
斬るメイド
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芝生に横たえていた身体を起こしたものの、実質シロガネの機動力はほぼ皆無と言って差し支えない。右脚はかろうじて繋がっている状態であり、ほとんど動かすことはできない。何とか膝立ちになったが、姿勢を保つことさえ難しくなっていた。
左腕は最初に拳銃弾を受けて負傷していても、まだ動かすことはできた。しかし、右腕ほど切れが良いわけではない。
最後の頼みは無傷の右腕と左脚。一歩たりとも動けないその状態から、目の前の強大な敵を打ち倒す。シロガネは今、その離れ業に挑もうとしていた。
まずシロガネはメイド服のスカートをスリット状に破いた。両太腿が露出する格好となったが、それを見たトミーは冷たい殺気のこもった目をさらに細めた。
露になった太腿のガーターベルトには、短いナイフが装備されていた。両方合わせて八本。シロガネはその八本のナイフで以って、トミーに相対する気でいた。
「本気でやろうってんだな? いいぜ。オレもトモミヤのダンナのために退けねぇしな。刃向かうってんなら、先に地獄に送ってやろうじゃねぇか!」
今度こそ相手を葬ると決めたトミーは、左手のリボルバーをシロガネに向けて構えた。引き金はトミーの腕にかかれば、コンマ数秒で引き絞られてしまう。
そのコンマ数秒を征するべく、シロガネの無傷の右腕は目にも止まらぬ速さで駆動した。ガーターベルトからナイフを取り、そのまま腕を上方に振るう。放たれたナイフは弾丸に匹敵する速度で対象に飛来する。
「くっ!」
スローイングナイフの異常な速度は予想外だったのか、トミーはくぐもった声を漏らしながら上半身を傾ける。ナイフの射線上からは外れ、刃は少し頬を掠めただけで通り過ぎた。
わずかに体勢は崩されたが、まだ射撃不可能な状態ではない。そのままシロガネの心臓を撃ち抜くべく、リボルバーの狙いを修正する。が、その時すでに二本目のナイフが飛来していた。トミーはこれも身体を仰け反らせることで回避する。でなくば確実に右目を潰されていた。
(今度は投げナイフで撃つ隙を作らせねぇ気か!? けどな、投げられるナイフは数が限られてるぜ。全部投げきった時が、俺の勝ちだ)
三本、四本、右腿にセットされたナイフは尽きた。残るは左腿のナイフ四本。これが闘いの明暗を分ける投擲となる。
(この四本で、斬る!)
左腿のナイフ四本を右手でさらい、指の間に一本ずつ挟む。右腕を振り、まずは一本を解き放つ。
仰け反らせていた上半身を起こしたトミーの眼前に迫るナイフ。避ける間は無いと判断したトミーは、口を開け、上下の顎でナイフを噛み止めた。そのままリボルバーを構え直すが、二本目のナイフの切っ先が銃口に突き刺さる。
「ぐぬっ!」
このまま撃てば暴発も在り得る。トミーはリボルバーを離し、右手に持ったライフルを構えようとした。
その動作は拳銃を構えて撃つよりも時間を要した。ならばシロガネのナイフの方が断然速い。三本目のナイフが左目を狙って迫り来る。
トミーは咄嗟に左袖に収めていたスリーブガンを出した。全弾撃ち尽くしているが、単なる盾としては使える。スリーブガンの側面に弾かれ、ナイフはあらぬ方向へと跳んだ。
そこでトミーは気付いた。自分が今、最も大きな隙を晒していることを。防御のために左手で顔を覆ってしまっては、自ら視界を遮っている。これで次に狙ってくるとすれば―――。
(心臓!)
直感的に狙いを覚ったトミーは、半ば無意識に宙に跳んだ。跳び上がりながら、一瞬前まで自分がいた位置をナイフが空を切る音を聞く。やはり心臓が狙われていた。
しかし、最大の危機は脱した。シロガネはナイフを全て投げきった。もはや距離を取って攻撃できる手段は無い。
トミーは空中での自由落下が始める頃、ライフルのストックを肩に付け、狙撃体勢に入った。薬室にはすでに次弾が装填されている。落下しながらの射撃はプロでも命中させるのは困難だが、銃の化身であるトミーには何ら問題ではない。狙いは定まった。あとは引き金を引くのみ。
(さぁ、逝け)
トミーは勝利を確信していた――――――――――背中に鋭い痛みを覚えるまでは。
(!? 何だ!? 何が起こって……!)
突然の出来事に困惑しながらも、トミーは背中の痛みが刃物による傷であると把握した。そう、トミーの背中は真一文字に斬りつけられたのだ。
(ちょっと待て! 何でだ! 何で俺が斬られてるんだ……!!)
トミーが勘付いた頃には遅かった。芝生に落下する直前に捉えた視界には、シロガネの姿はどこにもいなくなっていた。
地面に激突した衝撃と、背中の刀傷のダメージに苛まれながらも、トミーは素早く起き上がり、ライフルを構えて周囲を見回した。しかし、シロガネの姿はどこにもない。あるのは日が暮れかかった薄暗い前庭の風景のみ。
そこでトミーは気が付いた。大抵の戦闘者が陥る盲点、最大の死角を。
慌てて銃口を真上に向ける。そこにはツヴァイヘンダーを突き出しながら急降下してくる白いメイドがいた。
トミーが斬られた瞬間、シロガネはツヴァイヘンダーを右脚代わりに地面に突き立て、無傷の左脚と合わせて空中へ跳んでいた。トミーが背中を向けた隙に背面の死角に隠したツヴァイヘンダーはノーマークとなり、トミーはナイフ八本のみを脅威と見なしていた。それが完全な誤算を生んだ。
刃の化身シロガネの持つ大両刃剣が、今こそトミーを貫かんと空を切り進む。
銃の化身トミーもまた、上空より迫る敵を迎撃すべく引き金を引く。
炸薬の撃発により撃ち出されたライフル弾は、シロガネに向かって真っ直ぐに飛ぶ。だが、狙いが正確すぎたのが仇となった。至近距離の銃撃であろうとも、狙っている箇所が判断できたならば、あとはタイミングの問題である。
シロガネは空中でわずかに身体を捻り、ライフル弾をかわしてみせた。左頬を少し掠めたが、その程度なら何ともない。
次弾装填のためにコッキングしようとするトミー。しかし、ボルトハンドルを引くよりも速く、両刃剣の切っ先がトミーの鳩尾を突き抜けた。
「がはっ!」
ツヴァイヘンダーの長大な刀身は、トミーの身体を貫いて、そのまま地面に深々と突き刺さった。剣がほとんど埋まると、シロガネは柄から手を離し、芝生の上に転がり落ちた。
「ゴフッ! ゲホッ! て、てめぇ……何しやがった……何で俺は斬られたんだ……」
吐血しながらも、トミーはすぐ隣に倒れこんだシロガネに最大の疑問を問いただす。
うつ伏せのまま顔も上げないシロガネは、右手の人差し指だけをある方向に向けた。
その指の延長線上を、トミーは目で追った。指し示されたのはトミーとシロガネのすぐ近くに建つ、天に向けて弓を引く彫像だった。よく見れば、彫像の腕から頭にかけて引っ掛かっている物がある。シロガネの持っていた日本刀だった。
それを見たトミーは理解した。シロガネが最初に投げた日本刀はダメージを狙ったものではなく、彫像に引っ掛けるためだったのだと。スローイングナイフもまた攻撃のためではなく、引っ掛けた日本刀と接触させるための囮であったのだと。
「けど……何でだ……そんなとこにサムライソードがありゃ……気付いたはずなのに……」
「磨き上げられた日本刀の刀身は、角度によっては見えなくなる。周囲の風景と、同化する」
加えて暗がりに近付いた時間帯であるならば、刀身の存在感はさらに消える。刃物の特性を誰よりも知るシロガネであるからこそ成し得た戦法だった。
「ますます……気に入ったぜ……情婦なんて言わねぇ……俺の女にならねぇ……か?」
「さっき、言った。エロいこと許すのは、結城だけ」
「ぐぶっ……まいったぜ……」
トミーが意識を失うのを見届けたシロガネだったが、当のシロガネもまた、結城たちの後を追える状態ではない。化身の体は通常の人間よりも生命力はずっと強いが、それでも決して浅い傷ではない。
這ってでも追おうとした矢先、シロガネの意識も途絶えた。
左腕は最初に拳銃弾を受けて負傷していても、まだ動かすことはできた。しかし、右腕ほど切れが良いわけではない。
最後の頼みは無傷の右腕と左脚。一歩たりとも動けないその状態から、目の前の強大な敵を打ち倒す。シロガネは今、その離れ業に挑もうとしていた。
まずシロガネはメイド服のスカートをスリット状に破いた。両太腿が露出する格好となったが、それを見たトミーは冷たい殺気のこもった目をさらに細めた。
露になった太腿のガーターベルトには、短いナイフが装備されていた。両方合わせて八本。シロガネはその八本のナイフで以って、トミーに相対する気でいた。
「本気でやろうってんだな? いいぜ。オレもトモミヤのダンナのために退けねぇしな。刃向かうってんなら、先に地獄に送ってやろうじゃねぇか!」
今度こそ相手を葬ると決めたトミーは、左手のリボルバーをシロガネに向けて構えた。引き金はトミーの腕にかかれば、コンマ数秒で引き絞られてしまう。
そのコンマ数秒を征するべく、シロガネの無傷の右腕は目にも止まらぬ速さで駆動した。ガーターベルトからナイフを取り、そのまま腕を上方に振るう。放たれたナイフは弾丸に匹敵する速度で対象に飛来する。
「くっ!」
スローイングナイフの異常な速度は予想外だったのか、トミーはくぐもった声を漏らしながら上半身を傾ける。ナイフの射線上からは外れ、刃は少し頬を掠めただけで通り過ぎた。
わずかに体勢は崩されたが、まだ射撃不可能な状態ではない。そのままシロガネの心臓を撃ち抜くべく、リボルバーの狙いを修正する。が、その時すでに二本目のナイフが飛来していた。トミーはこれも身体を仰け反らせることで回避する。でなくば確実に右目を潰されていた。
(今度は投げナイフで撃つ隙を作らせねぇ気か!? けどな、投げられるナイフは数が限られてるぜ。全部投げきった時が、俺の勝ちだ)
三本、四本、右腿にセットされたナイフは尽きた。残るは左腿のナイフ四本。これが闘いの明暗を分ける投擲となる。
(この四本で、斬る!)
左腿のナイフ四本を右手でさらい、指の間に一本ずつ挟む。右腕を振り、まずは一本を解き放つ。
仰け反らせていた上半身を起こしたトミーの眼前に迫るナイフ。避ける間は無いと判断したトミーは、口を開け、上下の顎でナイフを噛み止めた。そのままリボルバーを構え直すが、二本目のナイフの切っ先が銃口に突き刺さる。
「ぐぬっ!」
このまま撃てば暴発も在り得る。トミーはリボルバーを離し、右手に持ったライフルを構えようとした。
その動作は拳銃を構えて撃つよりも時間を要した。ならばシロガネのナイフの方が断然速い。三本目のナイフが左目を狙って迫り来る。
トミーは咄嗟に左袖に収めていたスリーブガンを出した。全弾撃ち尽くしているが、単なる盾としては使える。スリーブガンの側面に弾かれ、ナイフはあらぬ方向へと跳んだ。
そこでトミーは気付いた。自分が今、最も大きな隙を晒していることを。防御のために左手で顔を覆ってしまっては、自ら視界を遮っている。これで次に狙ってくるとすれば―――。
(心臓!)
直感的に狙いを覚ったトミーは、半ば無意識に宙に跳んだ。跳び上がりながら、一瞬前まで自分がいた位置をナイフが空を切る音を聞く。やはり心臓が狙われていた。
しかし、最大の危機は脱した。シロガネはナイフを全て投げきった。もはや距離を取って攻撃できる手段は無い。
トミーは空中での自由落下が始める頃、ライフルのストックを肩に付け、狙撃体勢に入った。薬室にはすでに次弾が装填されている。落下しながらの射撃はプロでも命中させるのは困難だが、銃の化身であるトミーには何ら問題ではない。狙いは定まった。あとは引き金を引くのみ。
(さぁ、逝け)
トミーは勝利を確信していた――――――――――背中に鋭い痛みを覚えるまでは。
(!? 何だ!? 何が起こって……!)
突然の出来事に困惑しながらも、トミーは背中の痛みが刃物による傷であると把握した。そう、トミーの背中は真一文字に斬りつけられたのだ。
(ちょっと待て! 何でだ! 何で俺が斬られてるんだ……!!)
トミーが勘付いた頃には遅かった。芝生に落下する直前に捉えた視界には、シロガネの姿はどこにもいなくなっていた。
地面に激突した衝撃と、背中の刀傷のダメージに苛まれながらも、トミーは素早く起き上がり、ライフルを構えて周囲を見回した。しかし、シロガネの姿はどこにもない。あるのは日が暮れかかった薄暗い前庭の風景のみ。
そこでトミーは気が付いた。大抵の戦闘者が陥る盲点、最大の死角を。
慌てて銃口を真上に向ける。そこにはツヴァイヘンダーを突き出しながら急降下してくる白いメイドがいた。
トミーが斬られた瞬間、シロガネはツヴァイヘンダーを右脚代わりに地面に突き立て、無傷の左脚と合わせて空中へ跳んでいた。トミーが背中を向けた隙に背面の死角に隠したツヴァイヘンダーはノーマークとなり、トミーはナイフ八本のみを脅威と見なしていた。それが完全な誤算を生んだ。
刃の化身シロガネの持つ大両刃剣が、今こそトミーを貫かんと空を切り進む。
銃の化身トミーもまた、上空より迫る敵を迎撃すべく引き金を引く。
炸薬の撃発により撃ち出されたライフル弾は、シロガネに向かって真っ直ぐに飛ぶ。だが、狙いが正確すぎたのが仇となった。至近距離の銃撃であろうとも、狙っている箇所が判断できたならば、あとはタイミングの問題である。
シロガネは空中でわずかに身体を捻り、ライフル弾をかわしてみせた。左頬を少し掠めたが、その程度なら何ともない。
次弾装填のためにコッキングしようとするトミー。しかし、ボルトハンドルを引くよりも速く、両刃剣の切っ先がトミーの鳩尾を突き抜けた。
「がはっ!」
ツヴァイヘンダーの長大な刀身は、トミーの身体を貫いて、そのまま地面に深々と突き刺さった。剣がほとんど埋まると、シロガネは柄から手を離し、芝生の上に転がり落ちた。
「ゴフッ! ゲホッ! て、てめぇ……何しやがった……何で俺は斬られたんだ……」
吐血しながらも、トミーはすぐ隣に倒れこんだシロガネに最大の疑問を問いただす。
うつ伏せのまま顔も上げないシロガネは、右手の人差し指だけをある方向に向けた。
その指の延長線上を、トミーは目で追った。指し示されたのはトミーとシロガネのすぐ近くに建つ、天に向けて弓を引く彫像だった。よく見れば、彫像の腕から頭にかけて引っ掛かっている物がある。シロガネの持っていた日本刀だった。
それを見たトミーは理解した。シロガネが最初に投げた日本刀はダメージを狙ったものではなく、彫像に引っ掛けるためだったのだと。スローイングナイフもまた攻撃のためではなく、引っ掛けた日本刀と接触させるための囮であったのだと。
「けど……何でだ……そんなとこにサムライソードがありゃ……気付いたはずなのに……」
「磨き上げられた日本刀の刀身は、角度によっては見えなくなる。周囲の風景と、同化する」
加えて暗がりに近付いた時間帯であるならば、刀身の存在感はさらに消える。刃物の特性を誰よりも知るシロガネであるからこそ成し得た戦法だった。
「ますます……気に入ったぜ……情婦なんて言わねぇ……俺の女にならねぇ……か?」
「さっき、言った。エロいこと許すのは、結城だけ」
「ぐぶっ……まいったぜ……」
トミーが意識を失うのを見届けたシロガネだったが、当のシロガネもまた、結城たちの後を追える状態ではない。化身の体は通常の人間よりも生命力はずっと強いが、それでも決して浅い傷ではない。
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