上 下
132 / 169
六月に書いた短編

温泉2

しおりを挟む
 求めるリヒトが堪らなく可愛い。
 けれどここは高級旅館で、一応俺は招待客、しかも有志の人間として来てるわけで。パーティのあれは、有志が貸し切って行ったからまぁ多少は目を瞑ってくれたが、流石にここでお粗末なことは出来ない。

「この後散策もしたいしなぁ」
「ユーリ……?」

 俺が何もしてこないのを不安に思ったのか、リヒトが軽く首を傾げた。その不安を和らげるように「なんでもないよ」と額に軽く口付けしてやる。

「ちょっと待ってね」
「ん……」

 座布団を敷いてそこに胡座をかいて座る。

「リヒト、おいで」

 そう言い両手を広げてやれば、リヒトは少し躊躇いながらも、おずおずと俺へと跨った。その際、こちらは何も言っていないというのに、片足だけ残して衣服を脱ぎ去ったのを見て内心にやりと笑ってしまう。

「自分から脱ぐなんて、そんなに欲しいの?」
「そんなん、じゃ、ない……けど」
「じゃあ、なんで脱いだの?」

 両手でリヒトの腰を優しく撫でてやる。それだけでリヒトは「ひうっ」と身体を縮こませて、俺の肩に置いた手に力を込めた。緩く勃ち上がりかけたリヒト自身からは、トロトロと先走りが我慢出来ずに溢れている。

「リヒト、これじゃ俺の服、汚れちゃうよ?」

 わざとらしく、腰を撫でていた右手で、リヒトの可愛らしい竿を突いてやる。

「ゃ……やだ、ごめ、ごめんなさ……」

 最近バイト疲れで触りもしなかったからか、リヒトは呆気なく理性を失くして、その綺麗な目からポロポロと涙を零しだした。

「ふふ。泣き顔も好きだけど、やっぱりリヒトには思いきり気持ちよくなってほしいから……」

 先ほど、座布団を用意する際に荷物から出した箱を机の下から取り出した。一見すればお菓子の箱サイズだけど、真っ黒なパッケージのそれはどう見てもお菓子が入ってるとは思えない。

「これ、つけよっか」
「なに……?」

 新品のそれを開け、中に入っている小袋を取り出した。リヒトはこれを初めて見るのか、ひとしきり首を傾げている。

「ゴムだよ。ま、リヒトは使ったことないか」
「ぼく、は……?」
「んー? なんでもないよ」

 しまったしまった。危うく変なことでリヒトを拗ねさせるとこだった。
 手早くひとつ取り出し、箱をその辺りに放ってから、左手をリヒトの後ろ側へと伸ばした。指先をゆっくりと埋めて中を擦ってやる。

「ひうっ、あああっ、んあっ」
「久しぶりだもんね。これだけでイッちゃう?」
「や、あ、イッ……ぇ……?」

 俺はリヒトがイク寸前で指を引き抜いた。流石にこれで達してもらっては困る。いや、これが家なら構わないし、いくらでも可愛がりたい。
 けれど、この後の予定だって考えてるし、リヒトとやりたいことだってある。足腰立たないのでは意味がない。

「ユーリ、やだ、なんで? ぼく……」
「大丈夫。ね? ちゃんと気持ちよくしてあげるから」

 欲しくて堪らないとばかりに、リヒトは目尻を下げ、俺に自分から唇を重ねてくる。それを宥めるように軽く受け入れてやりながら、俺は右手でリヒトの竿を握り込んだ。

「あ、や、だめっ」
「大丈夫。ほら、俺に掴まってればいいから」

 軽く扱いてやれば、ピクピクと震えていた竿が芯を持ち始めた。そこで一旦手を離し、さきほど用意した袋を破いてゴムを取り出す。それをリヒト自身に被せてから、俺は右腕でリヒトを抱えるようにして、後ろに回した左手をリヒトの蕾へと押し進めた。

「な、に、これ……っ」

 初めてのゴムに慣れないのか、リヒトは明らかに動揺を隠せていない。

「大丈夫だから。気にせずいっぱい出して?」
「ひ……ぁ、やだ、はずかしっ」
「お漏らしまで見せておいて、今さら何を恥ずかしがるの?」

 笑いながらあの時のことを言ってやれば、リヒトは嫌でもそれを思い出してしまうのか、中に入れた指を一層締めつけてきた。それでもまだ恥ずかしさが勝つのか、膝を震わせながらも必死に快楽に抗っている。
 ギリギリを攻めて、この蕩けた顔を見るのも愉しいけど、今はそれが目的じゃない。入れていた指を一旦抜いてから、リヒトの服の裾を捲り上げる。

「リヒト、服、噛んでて」
「ぇ、ぁ……? ん」
「いい子」

 ちょうどいい高さにリヒトの真っ赤に熟れた膨らみが出てきて、たまらずそれにしゃぶりついた。

「んんんっ」

 再び左手の指先でリヒトの中を擦ってやる。
 背筋を仰け反らせて快楽に溺れるリヒトが可愛くて、愛しくて、その気持ちを伝えるように胸の飾りに歯を立てた。

「んぎっ」

 リヒトの中がヒクヒクと震え、次に力が抜けたように少しだけ緩くなる。小さな竿につけたゴムに、濁った欲が溜まっていくのが酷く愛らしかった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!

当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。 しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。 彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。 このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。 しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。 好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。 ※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*) ※他のサイトにも重複投稿しています。

孕ませねばならん ~イケメン執事の監禁セックス~

あさとよる
恋愛
傷モノになれば、この婚約は無くなるはずだ。 最愛のお嬢様が嫁ぐのを阻止? 過保護イケメン執事の執着H♡

陰キャ系腐男子はキラキラ王子様とイケメン幼馴染に溺愛されています!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 まったり書いていきます。 2024.05.14 閲覧ありがとうございます。 午後4時に更新します。 よろしくお願いします。 栞、お気に入り嬉しいです。 いつもありがとうございます。 2024.05.29 閲覧ありがとうございます。 m(_ _)m 明日のおまけで完結します。 反応ありがとうございます。 とても嬉しいです。 明後日より新作が始まります。 良かったら覗いてみてください。 (^O^)

魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました

タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。 クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。 死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。 「ここは天国ではなく魔界です」 天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。 「至上様、私に接吻を」 「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」 何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?

その溺愛は伝わりづらい!気弱なスパダリ御曹司にノンケの僕は落とされました

海野幻創
BL
人好きのする端正な顔立ちを持ち、文武両道でなんでも無難にこなせることのできた生田雅紀(いくたまさき)は、小さい頃から多くの友人に囲まれていた。 しかし他人との付き合いは広く浅くの最小限に留めるタイプで、女性とも身体だけの付き合いしかしてこなかった。 偶然出会った久世透(くぜとおる)は、嫉妬を覚えるほどのスタイルと美貌をもち、引け目を感じるほどの高学歴で、議員の孫であり大企業役員の息子だった。 御曹司であることにふさわしく、スマートに大金を使ってみせるところがありながら、生田の前では捨てられた子犬のようにおどおどして気弱な様子を見せ、そのギャップを生田は面白がっていたのだが……。 これまで他人と深くは関わってこなかったはずなのに、会うたびに違う一面を見せる久世は、いつしか生田にとって離れがたい存在となっていく。 【7/27完結しました。読んでいただいてありがとうございました。】 【続編も8/17完結しました。】 「その溺愛は行き場を彷徨う……気弱なスパダリ御曹司は政略結婚を回避したい」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/962473946/911896785 ↑この続編は、R18の過激描写がありますので、苦手な方はご注意ください。

新しいパパは超美人??~母と息子の雌堕ち記録~

焼き芋さん
BL
ママが連れてきたパパは超美人でした。 美しい声、引き締まったボディ、スラリと伸びた美しいおみ足。 スタイルも良くママよりも綺麗…でもそんなパパには太くて立派なおちんちんが付いていました。 これは…そんなパパに快楽地獄に堕とされた母と息子の物語… ※DLsite様でCG集販売の予定あり

どうせ全部、知ってるくせに。

楽川楽
BL
【腹黒美形×単純平凡】 親友と、飲み会の悪ふざけでキスをした。単なる罰ゲームだったのに、どうしてもあのキスが忘れられない…。 飲み会のノリでしたキスで、親友を意識し始めてしまった単純な受けが、まんまと腹黒攻めに捕まるお話。 ※fujossyさんの属性コンテスト『ノンケ受け』部門にて優秀賞をいただいた作品です。

その転生幼女、取り扱い注意〜稀代の魔術師は魔王の娘になりました〜

みおな
ファンタジー
かつて、稀代の魔術師と呼ばれた魔女がいた。 魔王をも単独で滅ぼせるほどの力を持った彼女は、周囲に畏怖され、罠にかけて殺されてしまう。 目覚めたら、三歳の幼子に生まれ変わっていた? 国のため、民のために魔法を使っていた彼女は、今度の生は自分のために生きることを決意する。

処理中です...