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七章 冒険編
百六十五 揺れる心だよね
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腕から柔らかく心地の良い感触を感じて強く抱きしめる
すると、
「うっ.......んっ.......ヒカル様.......激しい.......」
ロニエの声が聞こえて目を開ける。
そして全てを思い出す。
昨日、ヒムート達とエッチした後、ロニエとする前に眠ってしまったんだ。
で、眠る前に何とかロニエを抱きした。
ロニエを抱きながら寝るのも目を覚ますのも良くある事だが、俺は一日の始まりのこの瞬間に一番の感謝を感じる。
「ありがとう。ロニエ。ロニエがいるなら今日も頑張れるよ。愛してるよロニエ」
昨日早く寝たからかまだ誰も起床していない時間に起きた。
そんな中。ロニエに感謝の気持ちを伝えてから、額に軽くキスをする。
ロニエを起こさない様にゆっくり態勢を変える。
手を離してロニエを抱くのを辞めればすぐにでもロニエは目を覚ますからそれは出来ない。
気持ち良さそうにスヤスヤ寝息を立てるロニエを起こしたくはない。ずっと抱きながら眺めていたい。
そんな俺達を囲うようにルミアが眠っていてその、モフモフの毛の中にヒムートもスヤスヤ音も立てずに眠っている。
俺の嫁達は各々好きなところで静かに寝ている。
メルディとセレナが抱き合いながら寝てるのは微笑ましい。普段仲が悪い二人が揃って寝ていると嬉しくなる。やっぱり本当は仲良いんだよな。と、勝手に結論づけて見たりもする。
イリアは.......いない。今日も.......か。
もちろんメルディもいない。ベッドに誘っても来ないから当たり前といえば当たり前だが。
所で話は変わるが、人間には性欲が高ぶるタイミングがあったりする。
一日主に三回高ぶる。
一回目は朝のこの寝起きの時間。二回目は昼間の眠い時間。三回は夜のエッチな時間。
つまり人間は一日三食。さんエッチが一番健康にいいことになる。
なので、朝のこの時間は誰かに抜いてもらうことにしている。
起きていたらロニエかセレナに抜いて貰うのだが。二人とも寝ているし、起こすのは可哀相だ。
でも、起こすならロニエだよな。
でもな~
「ロニエ。起きてくれる? ロニエ。朝だよ」
結局、ロニエを起こすことにした俺は目覚めのキスをしてあげる。
ロニエは何度か瞬きをしから目を擦って俺の顔を見ると優しく嬉しそうに微笑んだ。
「おはようございます。ヒカル様。朝からヒカル様のお顔を見れるなんて、今日も一日生きる気力が湧いてきます。愛してます。ヒカル様」
「俺もだよ。ロニエ。愛してる.......まだ眠い?」
朝からお互いに愛を囁き会うのも日常だ。ロニエが朝一番この言葉をいってくれるだけでどれだけ安心して一日を始められるのか分からない。
「いえ。もうサッパリ目が覚めましたよ。ヒカル様より早く起きてヒカル様寝顔を堪能する予定でしたが失敗に終わり残念でなりません」
「俺は、ロニエの寝顔を見れたから嬉しかったよ」
「フフフ。光栄です。ヒカル様.......昨日ロニエだけ.......」
「うん。ごめんね。眠くてロニエの事好きなのに我慢させちゃったよね。でもほらロニエに朝一のミルクあげるから許してよ」
「ヒカル様の新鮮なミルクをロニエが食べられるのなら昨日我慢したかいがありますよ。ヒカル様失礼しますね」
そういって、ロニエが朝立ちチンポをペロペロナメてくれる。
ロニエは上手いのですぐに絞り取られてしまう。
それをロニエはごくごく飲み込んでぱっと笑顔になる。
俺のチンポをロニエがちょんちょん触りながら言う。
「ヒカル様。まだ元気ですね。ロニエの中に入れても良いですか?」
「うん。良いよ。というかそうしたいからロニエを起こしたんだし」
「フフフ。ではいただきますね。ヒカル様の1番を」
いながらロニエと繋がる。
ロニエの中は天国の様な快感が襲ってくる。
搾り取りに来るほどきつくなく、ずーっといれっぱなしで快感を享受出来るぐらい気持ちいい。
「どうですか? 今日のロニエは?」
「ネトネト絡み付いてきて気持ちいよ。膣圧もうちょっとあげて一回イきたいから」
「そうですね。高ぶるヒカル様の気を鎮めましょう。ヒカル様も動いてロニエを気持ち良くさせてください」
「うん。じゃあ一緒にイケるようにしようか。気持ちいし」
「そうですね。キスしながらイキたいです」
「うん。俺も」
キュッと膣圧が強くなり、ロニエとキスをして唾液を交換し合う。
腰をクネクネ動かしてロニエの好きな奥の方をゆっくり擦ったあげる。中間のお腹側、
「ついでにクリも、触っちゃうよ」
「フフフっん。良いですよ。ヒカル様の身体ですから、ご自由にしてください」
「良いからもうちょっと、ペースをあげるよ」
「どうぞ.......キスをしてください、ヒカル様。キスを辞めないでキス.......ヒカル様」
気持ち良くなってきたので、奥に突っ込んで中だしをする。
するとその感覚が気持ちいのかロニエも気持ち良さそうにピクッと跳ね上がる。一緒にイけた。
ちなみに朝立ちの処理は一回や二回じゃ終わらないのでそのまま続行する。
「ここからが本番だよ。ロニエのお腹たぷたぷさせてあげる」
「良いですよ。ロニエはヒカル様の性欲を全て貰って見せます」
「.......ダーリン?」
セレナが目を覚ましてすぐに俺を呼ぶ。かぁわいい~。
「セレナ。おいで」
「ダーリン。もう。またやっているのね。私も混ぜなさい」
「うん。セレナのつるぺたおっぱいペロペロ、チュッチュしてあげる」
「ふふん。好きにして良いわよ」
セレナを転移させて腕に抱き、キスをしてからセレナのつるぺたおっぱいのピンク色の小さいボタンをチュルチュル吸っていく。
セレナが目覚めたことでここからは第二ラウンド三Pへと移行する。
「セレナ。ロニエ。アレやって」
「良いですよ。ヒカル様横になって力を抜いていてください」
「うん」
「そうね。良いわよ。ダーリンがしてほしいならしてあげるわ」
「ありがとう。セレナ」
ダブルフェラチオ!!
「光?」
「おっ! デリカおはよう」
デリカも起きたので.......
トリプルフェラチオ!!
おおお! 気持ちいよ~元々フェラチオ好きのロリコンの俺がロリ美少女三人にしゃぶらせているのだ。
状況も相まって天国にいる気分だ。
「王様~ヒムートも」
「ちょっ!? フォースフェラチオだと!? ヒムートグッジョブ!」
左右前後から丁寧に念入りにネチネチとナメてくれる少女達、これは.......病み付きになる。
しかも、精液を出した側から一滴残らず吸われていく.......
いつの間にか、乱交になるのは何時ものことか、結局。このまま昼過ぎまでエッチをし続けたのだった。
エッチを辞めたのは、ロニエが料理を作ると言い出したからだ。
だから、俺はロニエと共にキッチンへと向かってロニエが料理を作っているのを見ていた。
よって乱交は俺がベッドからいなくなったことにより終わりを迎える。
セレナはロニエについて行った俺に着いてきたが、ヒムートはベビーベッドに眠る赤ちゃんをあやすために残ったり、デリカは毎日の日課なのか訓練に向かおうとした。
そうして何時もなら夜まで自由行動が始まるのだが。
出ていこうとした、デリカにロニエが声をかける。
「デリカさん。今日は大事な話があるので昼食を家族皆で食べましょう」
「話? 皆? そう.......わかったわぁ」
デリカは何やら一瞬悲しそうな顔をした後部屋を出るのを辞めて俺に視線を向けてきた。
「ん? どした? デリカ」
「ワタシ.......光と暮らせて浮かれちゃていたわぁ。やっぱりいらなくなっちゃったのよね?」
「ん?! 何が? 何の話?」
「光。感謝しちゃっているわぁ」
「んん? うん。感謝しちゃっているのか。俺もだよデリカありがとう」
なんか微妙に話が噛み合っていない気もするがまあいいや。
「セレナ。イリア姉様と、メルディさんを連れて来てください」
そんなやり取りをよそにロニエがセレナにお願いする。これにセレナが。
「嫌よ。ダーリンから離れたく無いもの。ロニエのお願いでも私をダーリンから引き離すことは出来ないわよ」
「そうですか、ではヒカル様お一人で」
「うん。良いよ。セレナは一緒に行かないんだ、じゃあ.......」
「王様!」
「じゃあ。ヒムート一緒に行こうか」
「はい。王様~」
と、そういうことになった。
「待ちなさい! 私も行くわよ! ロニエ嵌めたわね!」
「さて? 何のことでしょう。フフフ」
「貴女顔に出ているのよ! その嫌らしい笑い方直した方がーー」
「セレナ!! おいで」
ロニエの可愛らしいへら~っと笑う笑顔を辞めろなんて言わせる訳にはいかない。あんなに可愛いのに何を言おうとしているのか!!
俺は即座に転移させて口元を押さえるためにキスを断行する。
「セレナも一緒に行くよね?」
「もちろんよ、ダーリンが行くところならそこがこの身体を焼く灼熱の火の中でも、全てを凍りつかせる絶対零度の氷海の中でも一緒に行くわ」
「ハハッ、そりゃあ凄く心強いよ。でもセレナ。ロニエには自由に生きて欲しいんだ」
「もうっ。分かってるわ。ダーリンはやとちりよ。そんなんじゃモテ無いわよ」
「モテるんだよな~これが何故か。おいでセレナ。ヒムート、行くよ」
セレナを腕に抱いて、ヒムートと手を繋ぎながら部屋を出て昇降機に乗り込む俺の後ろでロニエが、
「フフフ。そうですか。顔に出ていましたか.......」
と、呟いていたが俺は気付かないふりをした。
セレナは化け物を生んでしまったのかも知れない、なんちゃってね、ハハッ.......ハハハハ.......ハァ~
「ダーリン。話って何なのか知ってるの?」
「ん? んー。知らない。楽しいことなら良いな~」
「王様と一緒~」
「.......ヒムート、ダメムートになってるよ」
「ヒムートは♪ ヒムート♪ 王様は♪ ヒムートの♪」
「うん。楽しそうだね.......凄く」
鼻歌を即興で歌うぐらいヒムートはノリノリだ。何に? さあ? 何に何だろう?
まあいいよ。ヒムートが楽しそうにしてるとそれだけで俺まで楽しくなれるから。
昇降機で下降しながら眼下の景色を眺める。セントラルの町並みが一望できるのだ。
「そういえばダーリン。私の子の名前どうするのよ! ずっと赤ちゃんって呼ぶわけにはいかないわよ」
「っあ」
忘れていた.......
そういえばそうだった。セレナの子供の名前考えないと。俺の子だし。
「んー。セントラルで生まれた女の子.......セラグラとかは?」
「良いわね!」
こうして、セレナと俺の第二子はセラグラに決ま.......
「却下です!」
らなかった。
イリアとメルディを連れ戻ってロニエに報告したら一刀両断。
「セレナ。ヒカル様。真面目に考え無ければ駄目ですよ。名は呈を現します。子の行く末を考えてくだいね」
「う、うん。分かったからオーラしまって。もっとちゃんと考えるから」
「そ、そうね。セラグラも悪くはないけどーー」
「ダメダメです!」
「.......ダーリン!!」
「よしよし。セレナ。怖くない怖くない。セレナは俺が守ってあげるよ」
ロニエの迫力に泣きついて来るセレナをヨシヨシしてあげながら、皆の様子を見る。
「ロニエは何時も通り可愛いね」
「ありがとうございます」
「ヒムートは.......楽しそうだね」
「王様の匂い~好き」
「ルミアも毛並みが綺麗だね」
「グルル。グルルルルル(うんっ。お兄ちゃん触っても良いよっ)」
ここまでは良いのだが。
「んー。デリカ何かあった? メルディも.......イリアにいたっては俺何かしたかな?」
デリカ、イリア、メルディの三人は俯いていた。
「コホン、その辺の話もしましょうか。お腹を満たしながら、食べながら聞いてくださいね」
「おっ。このご飯美味しいな。味噌汁も極上だよ! ロニエはどんどん美味くなるな」
「フフフ。ヒカル様が美味しそうに食べてくれますからね。作りがいがあります」
「そうね。美味しいわ。ダーリンのミルクもかけてみようかしら」
「王様の精液食べる~」
「こらこら! ロニエの料理になんてモノをトッピングしようとしてるんだよ」
「好きなモノよ。良いじゃない。減るもんじゃないわ。出しなさい」
「牛か俺は!」
「グルル」
こうして楽しい食事を繰り広げる。食事の最中は口を開くなとかある、実際日本の家ではそうだった。
唾が飛ぶ汚い。行儀が悪い。はしたない。等など色々あったんだろうけど。
だけど食事は楽しんで食べ方が美味しいに決まっている。唾が飛ぶ? むしろロニエ達のなら喜んで食べるね愛が足りないだけだ。行儀が悪い? それは誰の目線の話? 他人? そんなもの関係ない。人の目を気にして何ができるんだ。
「天野家はこうで無いとね。でもさセレナ。ヒムート。そしてロニエ! 流石に精液かけご飯は俺が食欲無くなるから辞めて!」
「頂きます!」
「ロニエ!? 駄目! チンコ食べちゃ駄目~エッチしたくなっちゃうから!」
バン!!
デリカが急にテーブルをおもいっきり叩いた。
テーブルは割れて料理が床へと落ちていく。ロニエの美味しい料理が.......
「デリカ! ロニエのーー」
「早く話しちゃってよ! ワタシ達に話があるんでしょ! 茶番はいいわぁ」
流石に怒ろうとしたらそれより先にデリカが怒り出した。
えッ? 何? なんなの!?
と困惑していると、ロニエが切なそうに落ちた料理を見ていた。
一生懸命作った料理が落ちて悲しいのだろう。
デリカの怒りは全く分からないがそれでもこんなことして良い理由にはならない。というかロニエを哀しませて良い理由にはならない!
「デリカ! 先ずは謝って! ロニエが一生懸命作ったんだよ!」
「こんな風に見せ付けてくれなくてもちゃんと分かっているわぁ! ワタシ達に光といる資格は無いって言いたいんでしょ!」
「ん? だから何の話なんだよ! なんでそんなにロニエを目の敵みたいに見るんだよ」
「もういいわぁ! 燃えちゃえ! 光も何もかも燃えちゃえ! 燃えちゃえ! 燃えちゃえ!」
普段の特訓の成果か、何時もよりも何倍も激しく猛り大きい炎の弾が幾つも現れる。その数は無数と言っても良い。
デリカが本気で!!
「.......消えなさい!」
だけど、セレナが悲しそうにデリカが生み出した。炎球を全て消滅させた。
その時にセレナは手さえ動かしはしなかった。
そしてゆっくり浮き上がり俺の前に浮かぶ。
「.......ダーリンを本気で攻撃したわね。許さないわよ。ロニエの料理はどうでもいいわ。でもこれは許せないわ。貴女は私達の敵になったのよ.......後悔すらさせないわ」
「セレナ。ルミア! 落ち着いて。こんなの.......変だよ」
「ダーリン。事実だけを受け止めなさい。あるがままを見極めるのよ。この子はダーリンを殺す気で攻撃したわ。もちろん、ロニエも殺す気だったのよ。それが事実。なら私は、例えダーリンが悲しんでもダーリンを傷つけるモノは排除するわ」
セレナの言う通りだ、ロニエを殺す気で攻撃した。それだけは許せない。絶対に。
でも。
「セレナ!! デリカは家族だ!」
「「!!」」
「俺の大切な家族の一人だ。許せないことをされても、許すとは言わない。けどそれで全て終わりな訳では無いよ。そんな小さい繋がりじゃ無いよ、セレナ。デリカに何かするなら俺を殺すつもりでやってよ」
ガタンとデリカが床に力無く落ちた。
「デリカ! 大丈夫? デリカ!」
俺はデリカをすぐに抱き起こし身体に怪我が無いかを確認する。
「ふふん。そうね.......わかったわ。ダーリンはそういう人よね。また惚れ直したわ」
「王様の精液~王様~精液」
「貴女は空気を読みなさい!」
「ハッ! 王様の精液.......私.......ううぅ.......恥ずかしいです」
俺に飛び付こうとしたヒムートの首をセレナが掴むとヒムートが正気に戻って顔を赤く染め上げる。
それを視界の端で見ながらデリカに聞いてみる。
「ねぇ。デリカ、怒らないから話してよ。どうしてロニエに怒ってるの? 俺達を攻撃したの?」
デリカはぐったりしながら涙を流した。そして。
「光に捨てられちゃうって思ったわぁ。光にワタシが要らないって思われて.......それなのにロニエもセレナもヒムートも光達がワタシの前でわざわざ.......見せびらかすから! そういう事だって思っちゃったの.......でも光はそんな事しない.......のに.......ワタシはーー」
「だいたいわかった。デリカが不安だったのは知ってるからそれ以上言わなくても良いよ。今は俺に捨てられるなんて思って無いんだよね?」
「思って無いわぁ」
要するにただの勘違い。そういうことなんだろう。今一要領を得ないが。セレナより能力的に劣っていデリカは自分に価値を見出だす事が出来なかったんだろう。
だから必死に努力して力を磨いていた。
そんな時。ロニエが話があるから全員集まれと召集をかけた。
疑うのも無理は無く、その状態でセレナ達と楽しそうにイチャイチャしていた俺を見て感情が揺れていたんだろう。
って所か。
「俺は家族を捨てたりしない。平等に愛しているとかは消して言わない。デリカの思っている通りセレナ達三人は特別で俺の好きなランキングの上位三人は何時もロニエ達が奪い合っている」
俺はそこまで優秀じゃない。ハーレムモノのラノベの主人公のように皆を平等に愛してあげる事なんかできない。
セレナを一番抱いていたいし、ロニエには一番側にいて貰いたい。ヒムートには一番.......ん? 何だろう? まあいいか。
「でもさ。それでデリカがロニエ達に劣っているって訳じゃないんだよ。この際だから言うよ。デリカ。例えセレナに魔女の力が全くなくても俺はセレナをデリカより愛しているよ」
「.......」
「力なんて要らないんだよ。デリカの力なんて要らない。俺が欲しいのはデリカの心なんだから.......わかる?」
俺の好きなランキングに力は関係ない。と思う。あるならロニエとセレナまともかく、ヒムートがランクインしてるわけ無いし。
「光.......分かっちゃたわぁ。もう分かっちゃったわぁ.......間違えちゃっていたのはワタシ.......光を裏切っちゃった.......光を.......光!」
「大丈夫。それは怒ってないよ。それよりもだよ。ロニエの事を攻撃したことと、ロニエの料理を落としたことはちゃんと反省してよ。ロニエがまだシックで立ち直れて無いから」
落ちた料理を見てカチコチに固まり続けるロニエ。
「って。ロニエ。いつまで固まってるの? 大丈夫落ちたのもちゃんと食べるよ。俺そういうの気にしないし」
三秒ルールはとっくに過ぎているけど、折角のロニエの料理だ。落ちようが何だろうが腹に入れなければもったいなくてしかたない。
例え毒が入っていようともロニエが作った料理なら食べる。
美味しいし。
そう声をかけるとようやく、ロニエが起動した。
「.......どれがヒカル様のか分からなくなってしまいました......ヒカル様には特別に作っていたんです.......なのでヒカル様以外はけして口にしてほしくはありません。処分させてください」
「ん? 特別? そんなことまでしてたのか、気付かなかったよ」
落ちた料理は確かに混ざり合い、もう誰が誰のなのかは流石に判別不能だ。
料理自体は見た目同じなのでロニエが俺の為に特別にこしらへてくれたと言うのはちょっとしたアレンジ程度なのかもしれない。
「はい.......ヒカル様のには特別に」
「うん」
「ロニエの【愛液】を少々入れています」
「ふーん。そうなんだ。だからロニエの味がしたんだね。美味しいよ」
「ロニエは! ヒカル様以外には食べて欲しくありません! 処分させてください! お願いします」
『燃え尽きなさい!!』
セレナが、いきなりロニエの料理を燃やしてしまった。食べようと思ってたのに。ロニエの愛液入りなのに.......
不満顔をセレナに向けると。
「誰も食べないわよ! なんてモノをダーリンに食べさせているのよ! 即刻辞めなさい」
セレナは意に返さずロニエに指を指した。
対してロニエは首を傾げながら言った。
「ヒカル様の好物ですが? 何か駄目でしたか?」
「そういう問題じゃないでしょ!! 馬鹿なの!?」
「何を言っているのですか。セレナの料理にも他の方達にもちゃんとヒカル様から採取した精液を練り込んでいますよ」
「あら! 良いじゃない! 気が利くわね」
その瞬間。まず最初にイリアがプルプル震えて「お手洗いに行きます」と言って立ち上がり、デリカが青い顔をして何処かに消えた。ヒムートはキョトンとしている。可愛いね。
そして俺は。
「なにしてんのぉおおお!?」
と、叫んでいた。
こうして、ロニエは毎日の料理当番から外されることになったとさ。
精液は食べ物ではありません。何だこのオチ。
すると、
「うっ.......んっ.......ヒカル様.......激しい.......」
ロニエの声が聞こえて目を開ける。
そして全てを思い出す。
昨日、ヒムート達とエッチした後、ロニエとする前に眠ってしまったんだ。
で、眠る前に何とかロニエを抱きした。
ロニエを抱きながら寝るのも目を覚ますのも良くある事だが、俺は一日の始まりのこの瞬間に一番の感謝を感じる。
「ありがとう。ロニエ。ロニエがいるなら今日も頑張れるよ。愛してるよロニエ」
昨日早く寝たからかまだ誰も起床していない時間に起きた。
そんな中。ロニエに感謝の気持ちを伝えてから、額に軽くキスをする。
ロニエを起こさない様にゆっくり態勢を変える。
手を離してロニエを抱くのを辞めればすぐにでもロニエは目を覚ますからそれは出来ない。
気持ち良さそうにスヤスヤ寝息を立てるロニエを起こしたくはない。ずっと抱きながら眺めていたい。
そんな俺達を囲うようにルミアが眠っていてその、モフモフの毛の中にヒムートもスヤスヤ音も立てずに眠っている。
俺の嫁達は各々好きなところで静かに寝ている。
メルディとセレナが抱き合いながら寝てるのは微笑ましい。普段仲が悪い二人が揃って寝ていると嬉しくなる。やっぱり本当は仲良いんだよな。と、勝手に結論づけて見たりもする。
イリアは.......いない。今日も.......か。
もちろんメルディもいない。ベッドに誘っても来ないから当たり前といえば当たり前だが。
所で話は変わるが、人間には性欲が高ぶるタイミングがあったりする。
一日主に三回高ぶる。
一回目は朝のこの寝起きの時間。二回目は昼間の眠い時間。三回は夜のエッチな時間。
つまり人間は一日三食。さんエッチが一番健康にいいことになる。
なので、朝のこの時間は誰かに抜いてもらうことにしている。
起きていたらロニエかセレナに抜いて貰うのだが。二人とも寝ているし、起こすのは可哀相だ。
でも、起こすならロニエだよな。
でもな~
「ロニエ。起きてくれる? ロニエ。朝だよ」
結局、ロニエを起こすことにした俺は目覚めのキスをしてあげる。
ロニエは何度か瞬きをしから目を擦って俺の顔を見ると優しく嬉しそうに微笑んだ。
「おはようございます。ヒカル様。朝からヒカル様のお顔を見れるなんて、今日も一日生きる気力が湧いてきます。愛してます。ヒカル様」
「俺もだよ。ロニエ。愛してる.......まだ眠い?」
朝からお互いに愛を囁き会うのも日常だ。ロニエが朝一番この言葉をいってくれるだけでどれだけ安心して一日を始められるのか分からない。
「いえ。もうサッパリ目が覚めましたよ。ヒカル様より早く起きてヒカル様寝顔を堪能する予定でしたが失敗に終わり残念でなりません」
「俺は、ロニエの寝顔を見れたから嬉しかったよ」
「フフフ。光栄です。ヒカル様.......昨日ロニエだけ.......」
「うん。ごめんね。眠くてロニエの事好きなのに我慢させちゃったよね。でもほらロニエに朝一のミルクあげるから許してよ」
「ヒカル様の新鮮なミルクをロニエが食べられるのなら昨日我慢したかいがありますよ。ヒカル様失礼しますね」
そういって、ロニエが朝立ちチンポをペロペロナメてくれる。
ロニエは上手いのですぐに絞り取られてしまう。
それをロニエはごくごく飲み込んでぱっと笑顔になる。
俺のチンポをロニエがちょんちょん触りながら言う。
「ヒカル様。まだ元気ですね。ロニエの中に入れても良いですか?」
「うん。良いよ。というかそうしたいからロニエを起こしたんだし」
「フフフ。ではいただきますね。ヒカル様の1番を」
いながらロニエと繋がる。
ロニエの中は天国の様な快感が襲ってくる。
搾り取りに来るほどきつくなく、ずーっといれっぱなしで快感を享受出来るぐらい気持ちいい。
「どうですか? 今日のロニエは?」
「ネトネト絡み付いてきて気持ちいよ。膣圧もうちょっとあげて一回イきたいから」
「そうですね。高ぶるヒカル様の気を鎮めましょう。ヒカル様も動いてロニエを気持ち良くさせてください」
「うん。じゃあ一緒にイケるようにしようか。気持ちいし」
「そうですね。キスしながらイキたいです」
「うん。俺も」
キュッと膣圧が強くなり、ロニエとキスをして唾液を交換し合う。
腰をクネクネ動かしてロニエの好きな奥の方をゆっくり擦ったあげる。中間のお腹側、
「ついでにクリも、触っちゃうよ」
「フフフっん。良いですよ。ヒカル様の身体ですから、ご自由にしてください」
「良いからもうちょっと、ペースをあげるよ」
「どうぞ.......キスをしてください、ヒカル様。キスを辞めないでキス.......ヒカル様」
気持ち良くなってきたので、奥に突っ込んで中だしをする。
するとその感覚が気持ちいのかロニエも気持ち良さそうにピクッと跳ね上がる。一緒にイけた。
ちなみに朝立ちの処理は一回や二回じゃ終わらないのでそのまま続行する。
「ここからが本番だよ。ロニエのお腹たぷたぷさせてあげる」
「良いですよ。ロニエはヒカル様の性欲を全て貰って見せます」
「.......ダーリン?」
セレナが目を覚ましてすぐに俺を呼ぶ。かぁわいい~。
「セレナ。おいで」
「ダーリン。もう。またやっているのね。私も混ぜなさい」
「うん。セレナのつるぺたおっぱいペロペロ、チュッチュしてあげる」
「ふふん。好きにして良いわよ」
セレナを転移させて腕に抱き、キスをしてからセレナのつるぺたおっぱいのピンク色の小さいボタンをチュルチュル吸っていく。
セレナが目覚めたことでここからは第二ラウンド三Pへと移行する。
「セレナ。ロニエ。アレやって」
「良いですよ。ヒカル様横になって力を抜いていてください」
「うん」
「そうね。良いわよ。ダーリンがしてほしいならしてあげるわ」
「ありがとう。セレナ」
ダブルフェラチオ!!
「光?」
「おっ! デリカおはよう」
デリカも起きたので.......
トリプルフェラチオ!!
おおお! 気持ちいよ~元々フェラチオ好きのロリコンの俺がロリ美少女三人にしゃぶらせているのだ。
状況も相まって天国にいる気分だ。
「王様~ヒムートも」
「ちょっ!? フォースフェラチオだと!? ヒムートグッジョブ!」
左右前後から丁寧に念入りにネチネチとナメてくれる少女達、これは.......病み付きになる。
しかも、精液を出した側から一滴残らず吸われていく.......
いつの間にか、乱交になるのは何時ものことか、結局。このまま昼過ぎまでエッチをし続けたのだった。
エッチを辞めたのは、ロニエが料理を作ると言い出したからだ。
だから、俺はロニエと共にキッチンへと向かってロニエが料理を作っているのを見ていた。
よって乱交は俺がベッドからいなくなったことにより終わりを迎える。
セレナはロニエについて行った俺に着いてきたが、ヒムートはベビーベッドに眠る赤ちゃんをあやすために残ったり、デリカは毎日の日課なのか訓練に向かおうとした。
そうして何時もなら夜まで自由行動が始まるのだが。
出ていこうとした、デリカにロニエが声をかける。
「デリカさん。今日は大事な話があるので昼食を家族皆で食べましょう」
「話? 皆? そう.......わかったわぁ」
デリカは何やら一瞬悲しそうな顔をした後部屋を出るのを辞めて俺に視線を向けてきた。
「ん? どした? デリカ」
「ワタシ.......光と暮らせて浮かれちゃていたわぁ。やっぱりいらなくなっちゃったのよね?」
「ん?! 何が? 何の話?」
「光。感謝しちゃっているわぁ」
「んん? うん。感謝しちゃっているのか。俺もだよデリカありがとう」
なんか微妙に話が噛み合っていない気もするがまあいいや。
「セレナ。イリア姉様と、メルディさんを連れて来てください」
そんなやり取りをよそにロニエがセレナにお願いする。これにセレナが。
「嫌よ。ダーリンから離れたく無いもの。ロニエのお願いでも私をダーリンから引き離すことは出来ないわよ」
「そうですか、ではヒカル様お一人で」
「うん。良いよ。セレナは一緒に行かないんだ、じゃあ.......」
「王様!」
「じゃあ。ヒムート一緒に行こうか」
「はい。王様~」
と、そういうことになった。
「待ちなさい! 私も行くわよ! ロニエ嵌めたわね!」
「さて? 何のことでしょう。フフフ」
「貴女顔に出ているのよ! その嫌らしい笑い方直した方がーー」
「セレナ!! おいで」
ロニエの可愛らしいへら~っと笑う笑顔を辞めろなんて言わせる訳にはいかない。あんなに可愛いのに何を言おうとしているのか!!
俺は即座に転移させて口元を押さえるためにキスを断行する。
「セレナも一緒に行くよね?」
「もちろんよ、ダーリンが行くところならそこがこの身体を焼く灼熱の火の中でも、全てを凍りつかせる絶対零度の氷海の中でも一緒に行くわ」
「ハハッ、そりゃあ凄く心強いよ。でもセレナ。ロニエには自由に生きて欲しいんだ」
「もうっ。分かってるわ。ダーリンはやとちりよ。そんなんじゃモテ無いわよ」
「モテるんだよな~これが何故か。おいでセレナ。ヒムート、行くよ」
セレナを腕に抱いて、ヒムートと手を繋ぎながら部屋を出て昇降機に乗り込む俺の後ろでロニエが、
「フフフ。そうですか。顔に出ていましたか.......」
と、呟いていたが俺は気付かないふりをした。
セレナは化け物を生んでしまったのかも知れない、なんちゃってね、ハハッ.......ハハハハ.......ハァ~
「ダーリン。話って何なのか知ってるの?」
「ん? んー。知らない。楽しいことなら良いな~」
「王様と一緒~」
「.......ヒムート、ダメムートになってるよ」
「ヒムートは♪ ヒムート♪ 王様は♪ ヒムートの♪」
「うん。楽しそうだね.......凄く」
鼻歌を即興で歌うぐらいヒムートはノリノリだ。何に? さあ? 何に何だろう?
まあいいよ。ヒムートが楽しそうにしてるとそれだけで俺まで楽しくなれるから。
昇降機で下降しながら眼下の景色を眺める。セントラルの町並みが一望できるのだ。
「そういえばダーリン。私の子の名前どうするのよ! ずっと赤ちゃんって呼ぶわけにはいかないわよ」
「っあ」
忘れていた.......
そういえばそうだった。セレナの子供の名前考えないと。俺の子だし。
「んー。セントラルで生まれた女の子.......セラグラとかは?」
「良いわね!」
こうして、セレナと俺の第二子はセラグラに決ま.......
「却下です!」
らなかった。
イリアとメルディを連れ戻ってロニエに報告したら一刀両断。
「セレナ。ヒカル様。真面目に考え無ければ駄目ですよ。名は呈を現します。子の行く末を考えてくだいね」
「う、うん。分かったからオーラしまって。もっとちゃんと考えるから」
「そ、そうね。セラグラも悪くはないけどーー」
「ダメダメです!」
「.......ダーリン!!」
「よしよし。セレナ。怖くない怖くない。セレナは俺が守ってあげるよ」
ロニエの迫力に泣きついて来るセレナをヨシヨシしてあげながら、皆の様子を見る。
「ロニエは何時も通り可愛いね」
「ありがとうございます」
「ヒムートは.......楽しそうだね」
「王様の匂い~好き」
「ルミアも毛並みが綺麗だね」
「グルル。グルルルルル(うんっ。お兄ちゃん触っても良いよっ)」
ここまでは良いのだが。
「んー。デリカ何かあった? メルディも.......イリアにいたっては俺何かしたかな?」
デリカ、イリア、メルディの三人は俯いていた。
「コホン、その辺の話もしましょうか。お腹を満たしながら、食べながら聞いてくださいね」
「おっ。このご飯美味しいな。味噌汁も極上だよ! ロニエはどんどん美味くなるな」
「フフフ。ヒカル様が美味しそうに食べてくれますからね。作りがいがあります」
「そうね。美味しいわ。ダーリンのミルクもかけてみようかしら」
「王様の精液食べる~」
「こらこら! ロニエの料理になんてモノをトッピングしようとしてるんだよ」
「好きなモノよ。良いじゃない。減るもんじゃないわ。出しなさい」
「牛か俺は!」
「グルル」
こうして楽しい食事を繰り広げる。食事の最中は口を開くなとかある、実際日本の家ではそうだった。
唾が飛ぶ汚い。行儀が悪い。はしたない。等など色々あったんだろうけど。
だけど食事は楽しんで食べ方が美味しいに決まっている。唾が飛ぶ? むしろロニエ達のなら喜んで食べるね愛が足りないだけだ。行儀が悪い? それは誰の目線の話? 他人? そんなもの関係ない。人の目を気にして何ができるんだ。
「天野家はこうで無いとね。でもさセレナ。ヒムート。そしてロニエ! 流石に精液かけご飯は俺が食欲無くなるから辞めて!」
「頂きます!」
「ロニエ!? 駄目! チンコ食べちゃ駄目~エッチしたくなっちゃうから!」
バン!!
デリカが急にテーブルをおもいっきり叩いた。
テーブルは割れて料理が床へと落ちていく。ロニエの美味しい料理が.......
「デリカ! ロニエのーー」
「早く話しちゃってよ! ワタシ達に話があるんでしょ! 茶番はいいわぁ」
流石に怒ろうとしたらそれより先にデリカが怒り出した。
えッ? 何? なんなの!?
と困惑していると、ロニエが切なそうに落ちた料理を見ていた。
一生懸命作った料理が落ちて悲しいのだろう。
デリカの怒りは全く分からないがそれでもこんなことして良い理由にはならない。というかロニエを哀しませて良い理由にはならない!
「デリカ! 先ずは謝って! ロニエが一生懸命作ったんだよ!」
「こんな風に見せ付けてくれなくてもちゃんと分かっているわぁ! ワタシ達に光といる資格は無いって言いたいんでしょ!」
「ん? だから何の話なんだよ! なんでそんなにロニエを目の敵みたいに見るんだよ」
「もういいわぁ! 燃えちゃえ! 光も何もかも燃えちゃえ! 燃えちゃえ! 燃えちゃえ!」
普段の特訓の成果か、何時もよりも何倍も激しく猛り大きい炎の弾が幾つも現れる。その数は無数と言っても良い。
デリカが本気で!!
「.......消えなさい!」
だけど、セレナが悲しそうにデリカが生み出した。炎球を全て消滅させた。
その時にセレナは手さえ動かしはしなかった。
そしてゆっくり浮き上がり俺の前に浮かぶ。
「.......ダーリンを本気で攻撃したわね。許さないわよ。ロニエの料理はどうでもいいわ。でもこれは許せないわ。貴女は私達の敵になったのよ.......後悔すらさせないわ」
「セレナ。ルミア! 落ち着いて。こんなの.......変だよ」
「ダーリン。事実だけを受け止めなさい。あるがままを見極めるのよ。この子はダーリンを殺す気で攻撃したわ。もちろん、ロニエも殺す気だったのよ。それが事実。なら私は、例えダーリンが悲しんでもダーリンを傷つけるモノは排除するわ」
セレナの言う通りだ、ロニエを殺す気で攻撃した。それだけは許せない。絶対に。
でも。
「セレナ!! デリカは家族だ!」
「「!!」」
「俺の大切な家族の一人だ。許せないことをされても、許すとは言わない。けどそれで全て終わりな訳では無いよ。そんな小さい繋がりじゃ無いよ、セレナ。デリカに何かするなら俺を殺すつもりでやってよ」
ガタンとデリカが床に力無く落ちた。
「デリカ! 大丈夫? デリカ!」
俺はデリカをすぐに抱き起こし身体に怪我が無いかを確認する。
「ふふん。そうね.......わかったわ。ダーリンはそういう人よね。また惚れ直したわ」
「王様の精液~王様~精液」
「貴女は空気を読みなさい!」
「ハッ! 王様の精液.......私.......ううぅ.......恥ずかしいです」
俺に飛び付こうとしたヒムートの首をセレナが掴むとヒムートが正気に戻って顔を赤く染め上げる。
それを視界の端で見ながらデリカに聞いてみる。
「ねぇ。デリカ、怒らないから話してよ。どうしてロニエに怒ってるの? 俺達を攻撃したの?」
デリカはぐったりしながら涙を流した。そして。
「光に捨てられちゃうって思ったわぁ。光にワタシが要らないって思われて.......それなのにロニエもセレナもヒムートも光達がワタシの前でわざわざ.......見せびらかすから! そういう事だって思っちゃったの.......でも光はそんな事しない.......のに.......ワタシはーー」
「だいたいわかった。デリカが不安だったのは知ってるからそれ以上言わなくても良いよ。今は俺に捨てられるなんて思って無いんだよね?」
「思って無いわぁ」
要するにただの勘違い。そういうことなんだろう。今一要領を得ないが。セレナより能力的に劣っていデリカは自分に価値を見出だす事が出来なかったんだろう。
だから必死に努力して力を磨いていた。
そんな時。ロニエが話があるから全員集まれと召集をかけた。
疑うのも無理は無く、その状態でセレナ達と楽しそうにイチャイチャしていた俺を見て感情が揺れていたんだろう。
って所か。
「俺は家族を捨てたりしない。平等に愛しているとかは消して言わない。デリカの思っている通りセレナ達三人は特別で俺の好きなランキングの上位三人は何時もロニエ達が奪い合っている」
俺はそこまで優秀じゃない。ハーレムモノのラノベの主人公のように皆を平等に愛してあげる事なんかできない。
セレナを一番抱いていたいし、ロニエには一番側にいて貰いたい。ヒムートには一番.......ん? 何だろう? まあいいか。
「でもさ。それでデリカがロニエ達に劣っているって訳じゃないんだよ。この際だから言うよ。デリカ。例えセレナに魔女の力が全くなくても俺はセレナをデリカより愛しているよ」
「.......」
「力なんて要らないんだよ。デリカの力なんて要らない。俺が欲しいのはデリカの心なんだから.......わかる?」
俺の好きなランキングに力は関係ない。と思う。あるならロニエとセレナまともかく、ヒムートがランクインしてるわけ無いし。
「光.......分かっちゃたわぁ。もう分かっちゃったわぁ.......間違えちゃっていたのはワタシ.......光を裏切っちゃった.......光を.......光!」
「大丈夫。それは怒ってないよ。それよりもだよ。ロニエの事を攻撃したことと、ロニエの料理を落としたことはちゃんと反省してよ。ロニエがまだシックで立ち直れて無いから」
落ちた料理を見てカチコチに固まり続けるロニエ。
「って。ロニエ。いつまで固まってるの? 大丈夫落ちたのもちゃんと食べるよ。俺そういうの気にしないし」
三秒ルールはとっくに過ぎているけど、折角のロニエの料理だ。落ちようが何だろうが腹に入れなければもったいなくてしかたない。
例え毒が入っていようともロニエが作った料理なら食べる。
美味しいし。
そう声をかけるとようやく、ロニエが起動した。
「.......どれがヒカル様のか分からなくなってしまいました......ヒカル様には特別に作っていたんです.......なのでヒカル様以外はけして口にしてほしくはありません。処分させてください」
「ん? 特別? そんなことまでしてたのか、気付かなかったよ」
落ちた料理は確かに混ざり合い、もう誰が誰のなのかは流石に判別不能だ。
料理自体は見た目同じなのでロニエが俺の為に特別にこしらへてくれたと言うのはちょっとしたアレンジ程度なのかもしれない。
「はい.......ヒカル様のには特別に」
「うん」
「ロニエの【愛液】を少々入れています」
「ふーん。そうなんだ。だからロニエの味がしたんだね。美味しいよ」
「ロニエは! ヒカル様以外には食べて欲しくありません! 処分させてください! お願いします」
『燃え尽きなさい!!』
セレナが、いきなりロニエの料理を燃やしてしまった。食べようと思ってたのに。ロニエの愛液入りなのに.......
不満顔をセレナに向けると。
「誰も食べないわよ! なんてモノをダーリンに食べさせているのよ! 即刻辞めなさい」
セレナは意に返さずロニエに指を指した。
対してロニエは首を傾げながら言った。
「ヒカル様の好物ですが? 何か駄目でしたか?」
「そういう問題じゃないでしょ!! 馬鹿なの!?」
「何を言っているのですか。セレナの料理にも他の方達にもちゃんとヒカル様から採取した精液を練り込んでいますよ」
「あら! 良いじゃない! 気が利くわね」
その瞬間。まず最初にイリアがプルプル震えて「お手洗いに行きます」と言って立ち上がり、デリカが青い顔をして何処かに消えた。ヒムートはキョトンとしている。可愛いね。
そして俺は。
「なにしてんのぉおおお!?」
と、叫んでいた。
こうして、ロニエは毎日の料理当番から外されることになったとさ。
精液は食べ物ではありません。何だこのオチ。
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