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五章 裏切り編
百二十三 冒険は終わるものだよね
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固い床.......柔らかいロニエの身体.......相反する二つの感触に挟まれる中、股間に感じるぬめりと湿った感触。
冷たい唾液と熱い唾液とが俺の大きくなったマグナムを濡らす。
舌で鬼頭を舐められ、唇でカリを擦られ、極上の快感を得る。
鬼頭から透明の液体がダラダラ流れ出るけどそれを片っ端から舐め取っていく。
「ヒカル様の好きなフェラですよ~思い出しましたか?」
俺が一番気持ちい所をしてほしい所を舐めて擦って吸う。
美味しそうに舌を絡ませてペロペロ舐めていく。
「ヒカル様気持ちいですか? 気持ちいですよね? もっとしてあげますよ」
「ちょっ! ロニエ!」
「辞めませんよ! ロニエはヒカル様の妻です。こうする権利があります。どうしても嫌なら.......ロニエを突き飛ばしてください」
そこで初めて気付いた。ロニエが泣いている事に.......
「ロニエ.......」
「ロニエを飽きないでください.......嫌です.......ヒカル様を気持ち良くしますから! ロニエを好きになってください」
両目から流れ出る涙が口から流れ出る言葉が.......ロニエの本心.......。
「嘘だろ.......ロニエ本気で泣いてるの?」
「ロニエはヒカル様のお側に居たいです.......お願いします.......何でもします。ロニエを愛してください.......ヒカル様に見捨てられたらロニエは.......」
ーーーノロニエ.......力を戻して。
ーーー嫌です。もう少しその子には悲しんで貰います。
ーーーノロニエ!!
ーーー.......分かりました.......私を嫌いにならないでください。
どっちのロニエもこれ程脆い。
ロニエという存在は、脆い。多分前の俺からロニエを奪えば今のロニエと同じようになったのだろう。
だから、ロニエは俺に忠実でありつづけ、そして俺から消して離れなかった。
俺はロニエの頭を掴んで無理矢理キスする。
そして、俺の気持ちを共有する。
ロニエは最初こそ驚いていたけれど、すぐに俺を強く抱きしめて泣きながら言った。
「意地悪しないでくださいよ~」
「ごめん。ちょっとからかっただっんだよ。ロニエがそんなに落ち込むって分からなかったから」
俺はロニエをいつもの様にからかって焦らそうとした、でも共有が無かったためにロニエは俺が本当に嫌ってしまったのかと思った.......
「ごめん。ロニエ。俺は変わらずロニエが好きだよ。ロニエの為に死ねるよ。だから泣かないで」
「.......はい。大好きです。ロニエはヒカル様が大好きです」
俺の胸を涙で濡らしながらロニエはやっと微笑んだ。だからもう一度ロニエにキスして。
「じゃあ、お詫びに沢山注ぎ込んであげるよ」
「.......いえ。ヒカル様がロニエを愛しているなら良いのです。それより、ルミアさんの結婚式の事をどうにかしましょう」
もう一度ラブラブエッチをしようかと思ったけど、ロニエはもう満足したらしい。
既に涙は流れていなかった。
「嘘泣き?」
「いえ。ロニエはヒカル様にあいされていると分かったので何時でも交われます。今で無くても良いだけです」
「ロニエは可愛いな~」
「!? ですが気が変わりました。ロニエとまぐわってください」
どうやら、ロニエの感情はコロコロ変わるらしい。
ちょっと覗いて見よう。
ーーーヒカル様に久しぶり可愛いと言われました! 嬉しいです。我慢できません。ヒカル様に抱かれたいです。
「良いよ。沢山抱いてあげる。ロニエが不安なら沢山抱いてあげる」
「.......ヒカル様.......何時からロニエより共有の力を使いこなして居るんですか? プライバシーの侵害です。心を覗かないでください」
「それだけは、ロニエに言われたくない。それより、したくないの?」
散々俺の心を覗いていたロニエが言うべき台詞では無いだろう。
今の俺にはノロニエが居るから絶対に俺の方がのぞきまくれる。
これからはロニエの企みは全て分かるということだ。
「まぁ、ロニエがすぐ凹むからしばらく共有したままにしとくよ」
「そうしてください。ヒカル様の愛をロニエに伝えてください。言葉も力も無ければロニエには分かりませんから」
「少しは俺のロニエへの愛を信じようよ」
「それだけはヒカル様には言われたくありません」
ん?
「俺とロニエの立場が入れ代わってるね」
「そうですね。ロニエはヒカル様の心を自由に覗けません」
「俺はロニエの心を自由に覗けるよ。愛してるってすぐ分かる」
「ロニエは分かりません! 狡いです!」
つまり、これが少し前のロニエに見えていた安心か。
確かにこれだったらロニエを疑うことはしないな。
つねに、ロニエが俺を愛しているのが分かるから。
不安何てある分けない。
「ロニエ。俺はここに居るよ。ロニエの光はここに居るよ」
「ヒカル様.......もっと抱きしめてください。不安で心が張り裂けそうです」
「大丈夫。俺はロニエを好きだから」
「はい。もヒカル様が大好きです」
そのまま何時間も愛し合った。ロニエの不安が消えるまで、俺が抱けばロニエの不安が薄くなるのが手に取るように分かるから。
何度も何度も.......
ーーーだとしたら、ロニエが不要の力を求めたのは、エッチしたいからでは無く、俺を安心させるために必要だったから.......
その真実に気付いて泣きそうになった。
ロニエはただ単に俺の為に.......
ロニエと俺の立場が変わっただけでここまで見える物が変わるのか.......
「愛してるよ。ロニエ」
「はい。ロニエもヒカル様を愛してます」
今のロニエは脆い。かつてあれほど強いと思ったロニエが今はもう.......
だから今度は俺がロニエを支えなければいけない。
息を整えているロニエがまた不安そうに何かを考えている.......
「ロニエ。俺は君の側にいるよ。一緒に考えてあげられるよ、だから一人で不安にならないで、俺にその不安分けて」
ああ、多分これがロニエが俺に一人で考えるなと言った理由なのだろう。
今のロニエは全く悩まくて良いことに悩みそして不安になる。
俺は、まず誰よりもロニエを幸せしないといけない。
それが俺のロニエにたいする、誠意だから。
ロニエを愛しているから。
「大丈夫です。それより、ルミアさんの.......」
「.......良いよ。ルミアの事は後でで、今はロニエの笑顔を取り戻さないと」
ロニエが笑ってくれるまで俺は、他のことはしない。
「そうですか.......ならもう少しだけ.......いえ。もうロニエを離さないでください。ヒカル様が近くに居ないとロニエは.......」
「うん。分かった」
ロニエを抱きしめて離さない。ロニエが泣くくらいなら、もうけしてロニエから離れない。
「ヤンデレロニエも可愛いよ」
「ヒカル様.......怖いです」
確かに腕の中でロニエは震えている.......
「何が?」
「ヒカル様が突然居なくなりそうで怖いです.......一人になりたくありません」
こういうとき、ロニエは俺をいつも何時も励ましてくれていた。
でも俺にはそれは出来ない。良い言葉が見つからない。分からない。ロニエを元気付けてあげる言葉が.......
「なら、ロニエのハーレム作ろうか?」
「は?」
そうだ、ロニエは俺のロニエへの依存を無くすために俺のハーレムを作った。
なら俺もそうしよう。大丈夫ロニエは可愛いから引く手数多だ。後はロニエをちゃんと大切にしてくれる.......
「馬鹿ぁ!」
ロニエにホッペを叩かれた.......
「嫌ですよ! ヒカル様がロニエを幸せしてくれるですよね?」
そういわれて、はっと我に返る。
俺は今、ロニエを誰かに抱かせようとした.......自分で解決出来ないからって人任せにしようとした。
「ロニエはヒカル様じゃないと嫌です! 絶対嫌です.......ロニエは天野ロニエです」
「ごめん.......馬鹿だったよ」
俺が謝るとロニエは俺のオデコを撫でて優しく笑った。
「ヒカル様がお馬鹿様なのは元からですが、もう少し考えて物を言ってください。ロニエはちょっとおぞけがしました」
「うん。ごめん」
ロニエを包み込むように胸で抱きしめて精一杯の謝意を伝える。
「ヒカル様はお馬鹿様です。バカル様です。フフフ。でも少しだけ元気が出ました。ヒカル様がお馬鹿様なおかげですね」
その声にその笑みに嘘が無かったから俺は胸を撫で下ろした。
「ねぇ。ロニエ俺がずっとロニエを好きって信じてくれない?」
だからこそ、先に進む。
もう一歩先に進む。
ロニエと俺なら進める気がするから。
ロニエは答える変わりに俺の胸元をキュッと握った。
「今更、セレナやヒムートをロニエの為に捨てる事は出来ないけど、ロニエ.......その指輪に誓って俺はロニエが好きだというよ。例えどんなロニエでもね」
ロニエと俺の薬指にしてある金色の指輪、ロニエにだけあげた指輪、結婚の証。
セレナにもあげなかった、ロニエにだけあげた。
「それは、それが俺とロニエの新しい絆じゃダメかな?」
そう、ただ、ロニエと呪い以外の繋がりが欲しかった。唯一無二の繋がりが欲しかった。
「この指輪にそこまでの念いが.......分かりました。ロニエはヒカル様を信じます。ヒカル様がロニエを好きな証はこの指輪です。ロニエがヒカル様を好きな証もこの指輪です。この指輪がある限りロニエはヒカル様を信じます」
「ロニエ.......そのうち何もなくても信じてよ」
指輪や呪いの繋がりは確かに大事だったけれど、それだけじゃダメな気がする。でも今はその時じゃない。
俺があげた新しい証。それを信じてくれるならそれで良い。
「誓いと証は大事です。この指輪はロニエの宝物になりました。傷一つつけません。割れてしまったら大変ですから」
「いや.......壊れたらまた違うのあげるよ」
どっかの誰かが言った、「形あるものは全て壊れる」と、指輪もまた形ある物だから.......いずれ。
「嫌です! この指輪が良いんです。これじゃ無ければ嫌なんです!」
「.......ロニエ。そんな子供みたいな事言わないでよ」
ロニエのじゃれる様子を見ていて、思う。形ある物は壊れる、でも俺とロニエの絆は形なんて無い特別な物だから、そう簡単に壊れない。そう思う。
俺はもう一度優しくロニエを抱きしめて言う。
「愛してるよ。ロニエ」
「はい。ロニエもヒカル様を愛してます」
この愛が不滅の物になるように.......不滅? ん? まあ良いか。
「あら、ダーリンは私も愛してるのよね?」
快感の絶頂から戻ってきたセレナが乱れた服を直している。
ので。
「セレナ」
「!」
セレナを俺の胸元に転移させてロニエと一緒に抱きしめる。
「もうさ。ロニエとセレナはセットで一緒に抱いてあげるよ」
「そうね.......良いわよ」
セレナが受け入れ俺の胸に額をこすりつけて顔を紅に染める。
ロニエは、
「嫌です! ロニエはヒカル様を独り占めしたいです」
口では嫌がっているけど、キュッと俺の服を握ってセレナと同じく俺の胸元に体重を預けた。
二人のサラサラの髪を撫でる。
この時間が永遠に続けば良いのに、そう思った。
「ダーリンに抱きしめられる時が永遠だったらどれ程幸せなのかしらね」
「そうですね。邪魔者が居ても良いくらいには幸せですね」
ロニエがセレナをからかい、セレナがロニエにぐぬぬっと睨んでいる。
「喧嘩はダメだよ、仲良くね」
前より険悪になっている、ロニエとセレナの関係を取り持とうとしたら、
「無理よ」
と、セレナが一喝。
続けてロニエも。
「そうですね。もう無理です。ロニエはもう取り持っていたくありません。ヒカル様を独占したいので」
「それじゃハーレムが地獄に.......」
今まではロニエを頂点として、皆がロニエを好きでいたから、楽しいハーレムが出来たのに.......
「大丈夫です。ヒカル様」
「そうね。大丈夫よ」
ロニエがへら~っと笑い、セレナもニヤリと笑う。
「「そんなヤワな娘じゃ、ダーリン(ヒカル様)には釣り合わないわ(です)」」
どうやら、ハーレムの頂点二人がもう決めているようなので俺が口を挟む予知が無い。
けれど一つだけ。
「ロニエとセレナは仲良くしてよ。どっちかを選ばないといけないなんて今更嫌だからね」
これだけは、言っておく。俺にはもう選べない。だから。
「そうね。私は良いわよ。仲良くしてあげるわ。ダーリンに会えたのはロニエのおかげだからね」
「そうですね。仕方ありません。ロニエの親友の願いとヒカル様の願いを無下には出来ませんから」
「うん。二人が仲良く出来るなら何でもいいよ」
ロニエとセレナの事を好きになれなければ、ハーレムにはなれない。新しいハーレム条件が加わった。
ん? ヒムートとデリカはまぁ大丈夫だろうか、デリカ大丈夫かな?
ルミアは? ルミアは.......大丈夫だよね。
「セレナ、ベッド」
「任せなさい」
まあ、今はロニエとセレナを抱きたい。
新しい子も作って子沢山にしよう。ロニエとセレナの子供を沢山作ろう。
「王様!!」
と、セレナが造ったベッドにベッドインしたタイミングでヒムートが登場。
「ヒムート!?」
「仲間外れは嫌です! ヒムートも王様のお嫁様の一人です」
「うん。おいでヒムート、調度今からだから」
「そうね。来なさい」
「何故、セレナが偉そうに言っているんですか! ヒカル様の気分次第です」
「王様~!!」
ロニエ。ヒムート。セレナ。始まりの三人と夫婦の営みをする。
何だかんだ、このメンバーが揃うと落ち着く。しっくり来る。
だから感情も高ぶって気絶するまで続けてしまった.......
王室で、デリカに見守られる、ルミアが会議室の方角を見詰めて呟いた。
「お兄ちゃんの嘘つき.......」
乱れたロニエの服を正してあげていると、
「ヒカル様にこうして貰うのも久しぶりな気がします」
「うん。最近はセレナばっかり構ってたからね、でもやっぱり、ロニエが一番落ち着くよ」
最後にシワを伸ばして抱きしめる。
「そのまま掴まっててね。離れちゃダメだよ」
「はい。離れません」
ロニエの着替えを終わらせて次はセレナだ。
と言ってもセレナは.......ローブを着せるだけ.......
「ん? そういえばローブは? 普通に黒いドレス来てるから気付かなかったよ」
セレナの白い肌が所々から見えるそのドレスはエロい。いやね。別にエロいドレスじゃなくて普通のドレスだけどね、セレナが着るとエロい。
際立つ。
「ふふん。私もダーリンの為に自分を磨くことにしたのよ。似合うかしら?」
「似合う! 似合う! ほらこんなに大きくなっちゃったよ」
「ふふん。ダーリンが愛してるって言ってくれたら私が処理してあげるわ」
小悪魔的に微笑むセレナに俺がにべもなく、骨抜きになってセレナに言おうとしたら。
「むーっ! 王様! 寒いです! ヒムートも着せてください」
ヒムートが膨れっ面で前に出た。
「いや、ヒムートは自分で着なよ、寒いなら尚更ね」
「むー!! 王様の馬鹿ぁ! ヒムートも王様に構って欲しいです」
「自分で構って欲しいって言っちゃうんだ。まあ良いや、でもほら今エッチな気分でセレナに処理してもらうから、待っててよ」
一度脹れ上がった性欲を解消するのに一番良いのはセレナかロニエを抱くことだ。
ヒムートもだけど、今はセレナを見て興奮したからセレナで発散したい。
「なら、ヒムートがお相手します」
「え? 良いの?」
ヒムートはあまり、俺の性欲処理をしてくれないからそういうことが嫌いなのかと思ってた。
俺の性欲だけの為にヒムートに煩わセルノハ気が引けるし。
「ヒムートは王様のお嫁様です。少しはそういうことも頼ってください」
「ヒムート!! じゃお願いするよ」
ピンとそそり立つ、肉棒をヒムートに向ける。
「どうして欲しいです?」
「うーん。やっぱり口でしてほしいな」
やはり、口でされると、手や他のところでされるより、気持ちいと言うより、何だろう。いい気分になれる。
俺の答にうなづいてヒムートが肉棒を躊躇無く舐めてくれた。
「どうです?」
「気持ちいよ.......でもやっぱり、セレナ交代」
いつもやらないせいか、ヒムートは拙い。これじゃいくらやっても絶頂には達しないだろう。
「ダーリン折角その子が、やる気になったんだから様子を見なさい」
「まぁ、最初はセレナも下手だったからね。ロニエは何故か最初から上手かったけど」
何にでも最初はある。ここでヒムートからセレナに替えたら、ヒムートが成長しないか。セレナの言うとおり様子を見ないといけない。
でも今セレナの気持ち良さを知っているともどかしい。
「ヒカル様落ち着いてください。ロニエが抱き着いて居るんですよ? それではダメですか?」
視線をしたに下げて、ロニエを見る。ああ、世界一可愛い俺の嫁が抱き着いている。
それ以上何を望むんだ。
「ダメじゃない。ロニエが抱き着いて居るから満足」
「ヒカル様は相変わらずチョロイです。チョロる様です。ヒムートさん。ロニエが時間を稼いでいる間にヒカル様をイカせてください。出来なかったらそれまですよ」
一生懸命、俺の肉棒に奉仕するヒムートが一度口を離して、
「ロニエちゃんありがとうです」
二パーッと笑いながらお礼を言った。
「良いのですよ、ダーリンさんはロニエの大切の内の一つですから、1番はヒカルですけど」
ロニエの返答を聞いて頷いてからちゅぱちゅぱ再開する。
その頭を撫でながらロニエを抱きしめてセレナに手を伸ばして言う。
「じゃあ、そろそろ、ルミア結婚式作戦会議を始めるか」
ロニエは「はい」と返事して、セレナが俺の胸に飛びいて。
「そうね。ダーリンの晴れ舞台、成功させるわ」
「いや、ルミアが主役だから」
こうして、三人でルミアの結婚式計画を練り上げた。
ヒムートはずっと奉仕してて会話に参加出来なかったけど......
最後にロニエが快感増強をさりげなく使えと言うので仕方なく使った。
能力を使うとただのオナニーの様な気分になるからあまり使いたく無いのだが、まぁヒムートの自尊心を守れるのなら安いものだ。そのあとヒムートには内緒でセレナにしてもらったのは、国家機密だが。
*********************************************
大賢者のダンジョン最深部に二年以上かけて要約たどり着いたアルランは絶句していた。
数々の凶悪強大なモンスター達を屠り進んできたノートンとアルランは巨大な門の立っていた。
「ノートンさん......この門を開ける方法は......」
「ああ、これは決別の門。大賢者のダンジョンのラスボスは俺とお前だって事だあ」
決別の門。その門はいにしえの呪われた門で、その門を会える方法は一つ、ただ一人になることだ。
つまり、ノートンかアルランのどっちかしか先に進むことは出来ない。
それが大賢者のダンジョンの最後のギミックだ。
「悪趣味なダンジョンだな~」
たった二人しか入れないダンジョンで今まで協力してここまでたどり着いた。友情も信頼も芽生えているのは当たり前だ。だが。
進むためには、その仲間を切り捨てなければいけない。
「悪いが遠慮はしないからな」
ノートンが愛剣を抜きアルランに向ける。
「そんな! 他の方法を探しましょうよ!」
だがアルランはそれを認めない。仮にも友情の女神に選ばれた男だ。仲間殺しが出来る分けない。
「そんな方法はねぇ。どっちかが死ぬしかねぇんだ。覚悟を決めやがれ」
一歩近付くノートンは想いを打ち明ける。
「俺には帰りを待つ嫁がいる。ボスやちびっ子だって待っている。ここで立ち止まれねぇんだ。戦わないなら死にやがれ!!」
クリスが待っている、だから帰る。そのために殺す。
殺意を向ける、ノートンに対し。
アルランはやはり動けなかった......
目前迫るノートンの刃を見ても避ける事は頭に無かった。
スローモーションで時が進む中、思い出すのは、1番長く近くに居た存在ルミアの事だ。
血が繋がっていなくても本当の兄妹として可愛がった。
盲目の目を治したいと思って秘薬を探し回った事もあった。
勇者になったのも、本当はルミアのためだ。
勇者になればお金を稼げる。国から援助が出るし、加護によって強くもなれる。ルミアを守れるようになれる。
自分の半身のようなルミアを、家族のルミアを。
だがもうルミアは大丈夫だ。今や世界一の大国となった天野王国の王にめとられる。
ルミアも良く懐いていたこれほどうれしいことは無いだろう。
ーーー本当にそうか?
僕は? 本当にそれでよかったのか?
体が勝手に動いていた。
迫り来る剣を交わして、勇者の剣を抜き放ちノートンへと向ける。
「僕は! 死ねない! 僕は! まだやり残したことがあるから!」
この旅路で尊敬したノートンに殺意を向けた。
アルランはルミアを家族以上の感情を感じていた。
それが妹に対して向けていい感情では無いことは分かっていた。
けれど。ずっと共にいたのだ。辛いときに肩をさすって慰めてくれた、背中を押して勇気をくれた。
「僕は! この気持ちをルミアに伝えるまで死ねない!」
二人の男の殺しあいが始まった。
剣と剣のぶつかる音が響く。
ノートンの振り下ろし斬りを、アルランが剣を振り上げて弾き、そのまま足を払いをかける。
ノートンはジャンプで交わして、下げきった剣を反対の手でアルランに投げ付ける。
戦いの最中に命綱である剣を離すという行為に驚いて一瞬反応が遅れたアルランの肩にノートンの投げた剣が突き刺さる。
ノートンはアルランに近づいてその剣を引き抜いた。
やはり、アルランよりもノートンの方が強かった。
このままでは負ける! アルランはそれを悟って高速で思考を回転させる。
ノートンの猛攻にかろうじてついていきながら、勝ち筋を探す。
傷ついていく体と流れでる血の量は既に常人並ば死んでいてもおかしくない。
薄れ行く意識を辛うじて保つ。
探せ! 探せ! 探せ!
だが......ノートンの剣はアルランの腹部の中心を貫いた。
その瞬間、警戒が緩んだ、ノートンの腕を掴んで反撃した。
一線でぼとりとノートンの右腕が落ちた。
落ちた右腕を見ながらノートンは思う。
ーーー油断した!!
腕に走る激痛を無視して剣を拾う。
腕はボスに頼めば治る気にするな! 俺ぇはクリスの所に帰るんだ! ちびっ子の病を治すんだ!
気合いを入れ直してアルランを観察する。
腹に大きな傷、体中から出血が止まっていない。
片腕を斬られたとはいえまだ俺の方が有利だ。
ノートンはそう結論づけてアルランと最後の闘いに足を動かした。
闘いは互角だった、どっちが勝ってもおかしく無かったが、勝敗を分けたのは剣の質の違いだった。
アルランとノートンの剣がぶつかり砕けたのだ。ノートンの剣が。アルランは友情の聖剣は不壊属性がある。対してノートンが使っていた剣は、ただの剣だ。名刀でも魔刀でもでも無い市販されているただの剣。
壊れるのは必然だった......剣を失った隙はアルランとノートンの闘いには大きすぎる。
最早ノートンに立て直す術は無かった。
アルランも今更ここで剣を止めはしなかった。お互いが命をかけて戦う理由があったからだ。
だからノートンは素直に負けを認め......るわけ無かった!
「俺はボスの為に死ねねえんだよ!」
ノートンの叫びに奇跡が起きた。ノートンの手にかつて剣王ジークフリードアルバランがある使った『爆風剣』が突如現れた。
その意味はつまり。
世界一の剣士として認められたということだ。剣王は剣が選ぶ。爆風剣に選ばれたノートンはかつてジークフリード・アルバランを入れて最強と唄われた男達の一人になったのだ。
強烈な風がアルランを吹き飛ばした。
これで勝負は決した。壁にぶつかり気絶したアルランの首を落とす。
最後までノートンは油断しなかった。
「僕を殺せば光王様が悲しみますよ」
剣はアルランの首の薄皮を一枚居るところで止まった。
目を開けたアルランの言葉でノートンの剣が止まったのだ。
「僕は、時期王妃になるルミアの兄だ。殺せばルミアが悲しむ」
「!! この野郎」
アルランはその戸惑いを見逃さなかった。
一撃でノートンの首を落とした。
ノートンは最後の言葉に「クリス......」とだけ呟き絶命した。
アルランは残った力で這いながら決別の門を開けた。
この瞬間、大賢者のダンジョンが崩壊した。
中に入ると、真っ黒な空間だった。
「大賢者の雫は? どこだ......」
「よくぞ参られた。よくぞ試練を突破した。新たな魔王の誕生した!!」
探す。アルランの声に反応したのは、白い髭を長く生やした老人だった。
そいつを、光が見たのなら、エルフの大長老と応えられたかもしれない。
エルフの大長老は、かつて大賢者と言われた男だ。
その時、世界最強の魔王を生むためのダンジョンを作ったそれが大賢者のだ。
そして攻略したものには、その者の望みを叶える権化になる。
大賢者が渡す呪いの剣『デスブランド』によって。
黒く染まったアルランの剣とともに、世界に最強で最悪の魔王が今生まれた。
魔王の目的は望みは。
「僕は......アイツに光に奪われた全ての物を奪い返す! ルミアも姫もセレーナもアイツのすべてを奪ってやる!!」
それが、アルランのいや大魔王の目的だった。
冷たい唾液と熱い唾液とが俺の大きくなったマグナムを濡らす。
舌で鬼頭を舐められ、唇でカリを擦られ、極上の快感を得る。
鬼頭から透明の液体がダラダラ流れ出るけどそれを片っ端から舐め取っていく。
「ヒカル様の好きなフェラですよ~思い出しましたか?」
俺が一番気持ちい所をしてほしい所を舐めて擦って吸う。
美味しそうに舌を絡ませてペロペロ舐めていく。
「ヒカル様気持ちいですか? 気持ちいですよね? もっとしてあげますよ」
「ちょっ! ロニエ!」
「辞めませんよ! ロニエはヒカル様の妻です。こうする権利があります。どうしても嫌なら.......ロニエを突き飛ばしてください」
そこで初めて気付いた。ロニエが泣いている事に.......
「ロニエ.......」
「ロニエを飽きないでください.......嫌です.......ヒカル様を気持ち良くしますから! ロニエを好きになってください」
両目から流れ出る涙が口から流れ出る言葉が.......ロニエの本心.......。
「嘘だろ.......ロニエ本気で泣いてるの?」
「ロニエはヒカル様のお側に居たいです.......お願いします.......何でもします。ロニエを愛してください.......ヒカル様に見捨てられたらロニエは.......」
ーーーノロニエ.......力を戻して。
ーーー嫌です。もう少しその子には悲しんで貰います。
ーーーノロニエ!!
ーーー.......分かりました.......私を嫌いにならないでください。
どっちのロニエもこれ程脆い。
ロニエという存在は、脆い。多分前の俺からロニエを奪えば今のロニエと同じようになったのだろう。
だから、ロニエは俺に忠実でありつづけ、そして俺から消して離れなかった。
俺はロニエの頭を掴んで無理矢理キスする。
そして、俺の気持ちを共有する。
ロニエは最初こそ驚いていたけれど、すぐに俺を強く抱きしめて泣きながら言った。
「意地悪しないでくださいよ~」
「ごめん。ちょっとからかっただっんだよ。ロニエがそんなに落ち込むって分からなかったから」
俺はロニエをいつもの様にからかって焦らそうとした、でも共有が無かったためにロニエは俺が本当に嫌ってしまったのかと思った.......
「ごめん。ロニエ。俺は変わらずロニエが好きだよ。ロニエの為に死ねるよ。だから泣かないで」
「.......はい。大好きです。ロニエはヒカル様が大好きです」
俺の胸を涙で濡らしながらロニエはやっと微笑んだ。だからもう一度ロニエにキスして。
「じゃあ、お詫びに沢山注ぎ込んであげるよ」
「.......いえ。ヒカル様がロニエを愛しているなら良いのです。それより、ルミアさんの結婚式の事をどうにかしましょう」
もう一度ラブラブエッチをしようかと思ったけど、ロニエはもう満足したらしい。
既に涙は流れていなかった。
「嘘泣き?」
「いえ。ロニエはヒカル様にあいされていると分かったので何時でも交われます。今で無くても良いだけです」
「ロニエは可愛いな~」
「!? ですが気が変わりました。ロニエとまぐわってください」
どうやら、ロニエの感情はコロコロ変わるらしい。
ちょっと覗いて見よう。
ーーーヒカル様に久しぶり可愛いと言われました! 嬉しいです。我慢できません。ヒカル様に抱かれたいです。
「良いよ。沢山抱いてあげる。ロニエが不安なら沢山抱いてあげる」
「.......ヒカル様.......何時からロニエより共有の力を使いこなして居るんですか? プライバシーの侵害です。心を覗かないでください」
「それだけは、ロニエに言われたくない。それより、したくないの?」
散々俺の心を覗いていたロニエが言うべき台詞では無いだろう。
今の俺にはノロニエが居るから絶対に俺の方がのぞきまくれる。
これからはロニエの企みは全て分かるということだ。
「まぁ、ロニエがすぐ凹むからしばらく共有したままにしとくよ」
「そうしてください。ヒカル様の愛をロニエに伝えてください。言葉も力も無ければロニエには分かりませんから」
「少しは俺のロニエへの愛を信じようよ」
「それだけはヒカル様には言われたくありません」
ん?
「俺とロニエの立場が入れ代わってるね」
「そうですね。ロニエはヒカル様の心を自由に覗けません」
「俺はロニエの心を自由に覗けるよ。愛してるってすぐ分かる」
「ロニエは分かりません! 狡いです!」
つまり、これが少し前のロニエに見えていた安心か。
確かにこれだったらロニエを疑うことはしないな。
つねに、ロニエが俺を愛しているのが分かるから。
不安何てある分けない。
「ロニエ。俺はここに居るよ。ロニエの光はここに居るよ」
「ヒカル様.......もっと抱きしめてください。不安で心が張り裂けそうです」
「大丈夫。俺はロニエを好きだから」
「はい。もヒカル様が大好きです」
そのまま何時間も愛し合った。ロニエの不安が消えるまで、俺が抱けばロニエの不安が薄くなるのが手に取るように分かるから。
何度も何度も.......
ーーーだとしたら、ロニエが不要の力を求めたのは、エッチしたいからでは無く、俺を安心させるために必要だったから.......
その真実に気付いて泣きそうになった。
ロニエはただ単に俺の為に.......
ロニエと俺の立場が変わっただけでここまで見える物が変わるのか.......
「愛してるよ。ロニエ」
「はい。ロニエもヒカル様を愛してます」
今のロニエは脆い。かつてあれほど強いと思ったロニエが今はもう.......
だから今度は俺がロニエを支えなければいけない。
息を整えているロニエがまた不安そうに何かを考えている.......
「ロニエ。俺は君の側にいるよ。一緒に考えてあげられるよ、だから一人で不安にならないで、俺にその不安分けて」
ああ、多分これがロニエが俺に一人で考えるなと言った理由なのだろう。
今のロニエは全く悩まくて良いことに悩みそして不安になる。
俺は、まず誰よりもロニエを幸せしないといけない。
それが俺のロニエにたいする、誠意だから。
ロニエを愛しているから。
「大丈夫です。それより、ルミアさんの.......」
「.......良いよ。ルミアの事は後でで、今はロニエの笑顔を取り戻さないと」
ロニエが笑ってくれるまで俺は、他のことはしない。
「そうですか.......ならもう少しだけ.......いえ。もうロニエを離さないでください。ヒカル様が近くに居ないとロニエは.......」
「うん。分かった」
ロニエを抱きしめて離さない。ロニエが泣くくらいなら、もうけしてロニエから離れない。
「ヤンデレロニエも可愛いよ」
「ヒカル様.......怖いです」
確かに腕の中でロニエは震えている.......
「何が?」
「ヒカル様が突然居なくなりそうで怖いです.......一人になりたくありません」
こういうとき、ロニエは俺をいつも何時も励ましてくれていた。
でも俺にはそれは出来ない。良い言葉が見つからない。分からない。ロニエを元気付けてあげる言葉が.......
「なら、ロニエのハーレム作ろうか?」
「は?」
そうだ、ロニエは俺のロニエへの依存を無くすために俺のハーレムを作った。
なら俺もそうしよう。大丈夫ロニエは可愛いから引く手数多だ。後はロニエをちゃんと大切にしてくれる.......
「馬鹿ぁ!」
ロニエにホッペを叩かれた.......
「嫌ですよ! ヒカル様がロニエを幸せしてくれるですよね?」
そういわれて、はっと我に返る。
俺は今、ロニエを誰かに抱かせようとした.......自分で解決出来ないからって人任せにしようとした。
「ロニエはヒカル様じゃないと嫌です! 絶対嫌です.......ロニエは天野ロニエです」
「ごめん.......馬鹿だったよ」
俺が謝るとロニエは俺のオデコを撫でて優しく笑った。
「ヒカル様がお馬鹿様なのは元からですが、もう少し考えて物を言ってください。ロニエはちょっとおぞけがしました」
「うん。ごめん」
ロニエを包み込むように胸で抱きしめて精一杯の謝意を伝える。
「ヒカル様はお馬鹿様です。バカル様です。フフフ。でも少しだけ元気が出ました。ヒカル様がお馬鹿様なおかげですね」
その声にその笑みに嘘が無かったから俺は胸を撫で下ろした。
「ねぇ。ロニエ俺がずっとロニエを好きって信じてくれない?」
だからこそ、先に進む。
もう一歩先に進む。
ロニエと俺なら進める気がするから。
ロニエは答える変わりに俺の胸元をキュッと握った。
「今更、セレナやヒムートをロニエの為に捨てる事は出来ないけど、ロニエ.......その指輪に誓って俺はロニエが好きだというよ。例えどんなロニエでもね」
ロニエと俺の薬指にしてある金色の指輪、ロニエにだけあげた指輪、結婚の証。
セレナにもあげなかった、ロニエにだけあげた。
「それは、それが俺とロニエの新しい絆じゃダメかな?」
そう、ただ、ロニエと呪い以外の繋がりが欲しかった。唯一無二の繋がりが欲しかった。
「この指輪にそこまでの念いが.......分かりました。ロニエはヒカル様を信じます。ヒカル様がロニエを好きな証はこの指輪です。ロニエがヒカル様を好きな証もこの指輪です。この指輪がある限りロニエはヒカル様を信じます」
「ロニエ.......そのうち何もなくても信じてよ」
指輪や呪いの繋がりは確かに大事だったけれど、それだけじゃダメな気がする。でも今はその時じゃない。
俺があげた新しい証。それを信じてくれるならそれで良い。
「誓いと証は大事です。この指輪はロニエの宝物になりました。傷一つつけません。割れてしまったら大変ですから」
「いや.......壊れたらまた違うのあげるよ」
どっかの誰かが言った、「形あるものは全て壊れる」と、指輪もまた形ある物だから.......いずれ。
「嫌です! この指輪が良いんです。これじゃ無ければ嫌なんです!」
「.......ロニエ。そんな子供みたいな事言わないでよ」
ロニエのじゃれる様子を見ていて、思う。形ある物は壊れる、でも俺とロニエの絆は形なんて無い特別な物だから、そう簡単に壊れない。そう思う。
俺はもう一度優しくロニエを抱きしめて言う。
「愛してるよ。ロニエ」
「はい。ロニエもヒカル様を愛してます」
この愛が不滅の物になるように.......不滅? ん? まあ良いか。
「あら、ダーリンは私も愛してるのよね?」
快感の絶頂から戻ってきたセレナが乱れた服を直している。
ので。
「セレナ」
「!」
セレナを俺の胸元に転移させてロニエと一緒に抱きしめる。
「もうさ。ロニエとセレナはセットで一緒に抱いてあげるよ」
「そうね.......良いわよ」
セレナが受け入れ俺の胸に額をこすりつけて顔を紅に染める。
ロニエは、
「嫌です! ロニエはヒカル様を独り占めしたいです」
口では嫌がっているけど、キュッと俺の服を握ってセレナと同じく俺の胸元に体重を預けた。
二人のサラサラの髪を撫でる。
この時間が永遠に続けば良いのに、そう思った。
「ダーリンに抱きしめられる時が永遠だったらどれ程幸せなのかしらね」
「そうですね。邪魔者が居ても良いくらいには幸せですね」
ロニエがセレナをからかい、セレナがロニエにぐぬぬっと睨んでいる。
「喧嘩はダメだよ、仲良くね」
前より険悪になっている、ロニエとセレナの関係を取り持とうとしたら、
「無理よ」
と、セレナが一喝。
続けてロニエも。
「そうですね。もう無理です。ロニエはもう取り持っていたくありません。ヒカル様を独占したいので」
「それじゃハーレムが地獄に.......」
今まではロニエを頂点として、皆がロニエを好きでいたから、楽しいハーレムが出来たのに.......
「大丈夫です。ヒカル様」
「そうね。大丈夫よ」
ロニエがへら~っと笑い、セレナもニヤリと笑う。
「「そんなヤワな娘じゃ、ダーリン(ヒカル様)には釣り合わないわ(です)」」
どうやら、ハーレムの頂点二人がもう決めているようなので俺が口を挟む予知が無い。
けれど一つだけ。
「ロニエとセレナは仲良くしてよ。どっちかを選ばないといけないなんて今更嫌だからね」
これだけは、言っておく。俺にはもう選べない。だから。
「そうね。私は良いわよ。仲良くしてあげるわ。ダーリンに会えたのはロニエのおかげだからね」
「そうですね。仕方ありません。ロニエの親友の願いとヒカル様の願いを無下には出来ませんから」
「うん。二人が仲良く出来るなら何でもいいよ」
ロニエとセレナの事を好きになれなければ、ハーレムにはなれない。新しいハーレム条件が加わった。
ん? ヒムートとデリカはまぁ大丈夫だろうか、デリカ大丈夫かな?
ルミアは? ルミアは.......大丈夫だよね。
「セレナ、ベッド」
「任せなさい」
まあ、今はロニエとセレナを抱きたい。
新しい子も作って子沢山にしよう。ロニエとセレナの子供を沢山作ろう。
「王様!!」
と、セレナが造ったベッドにベッドインしたタイミングでヒムートが登場。
「ヒムート!?」
「仲間外れは嫌です! ヒムートも王様のお嫁様の一人です」
「うん。おいでヒムート、調度今からだから」
「そうね。来なさい」
「何故、セレナが偉そうに言っているんですか! ヒカル様の気分次第です」
「王様~!!」
ロニエ。ヒムート。セレナ。始まりの三人と夫婦の営みをする。
何だかんだ、このメンバーが揃うと落ち着く。しっくり来る。
だから感情も高ぶって気絶するまで続けてしまった.......
王室で、デリカに見守られる、ルミアが会議室の方角を見詰めて呟いた。
「お兄ちゃんの嘘つき.......」
乱れたロニエの服を正してあげていると、
「ヒカル様にこうして貰うのも久しぶりな気がします」
「うん。最近はセレナばっかり構ってたからね、でもやっぱり、ロニエが一番落ち着くよ」
最後にシワを伸ばして抱きしめる。
「そのまま掴まっててね。離れちゃダメだよ」
「はい。離れません」
ロニエの着替えを終わらせて次はセレナだ。
と言ってもセレナは.......ローブを着せるだけ.......
「ん? そういえばローブは? 普通に黒いドレス来てるから気付かなかったよ」
セレナの白い肌が所々から見えるそのドレスはエロい。いやね。別にエロいドレスじゃなくて普通のドレスだけどね、セレナが着るとエロい。
際立つ。
「ふふん。私もダーリンの為に自分を磨くことにしたのよ。似合うかしら?」
「似合う! 似合う! ほらこんなに大きくなっちゃったよ」
「ふふん。ダーリンが愛してるって言ってくれたら私が処理してあげるわ」
小悪魔的に微笑むセレナに俺がにべもなく、骨抜きになってセレナに言おうとしたら。
「むーっ! 王様! 寒いです! ヒムートも着せてください」
ヒムートが膨れっ面で前に出た。
「いや、ヒムートは自分で着なよ、寒いなら尚更ね」
「むー!! 王様の馬鹿ぁ! ヒムートも王様に構って欲しいです」
「自分で構って欲しいって言っちゃうんだ。まあ良いや、でもほら今エッチな気分でセレナに処理してもらうから、待っててよ」
一度脹れ上がった性欲を解消するのに一番良いのはセレナかロニエを抱くことだ。
ヒムートもだけど、今はセレナを見て興奮したからセレナで発散したい。
「なら、ヒムートがお相手します」
「え? 良いの?」
ヒムートはあまり、俺の性欲処理をしてくれないからそういうことが嫌いなのかと思ってた。
俺の性欲だけの為にヒムートに煩わセルノハ気が引けるし。
「ヒムートは王様のお嫁様です。少しはそういうことも頼ってください」
「ヒムート!! じゃお願いするよ」
ピンとそそり立つ、肉棒をヒムートに向ける。
「どうして欲しいです?」
「うーん。やっぱり口でしてほしいな」
やはり、口でされると、手や他のところでされるより、気持ちいと言うより、何だろう。いい気分になれる。
俺の答にうなづいてヒムートが肉棒を躊躇無く舐めてくれた。
「どうです?」
「気持ちいよ.......でもやっぱり、セレナ交代」
いつもやらないせいか、ヒムートは拙い。これじゃいくらやっても絶頂には達しないだろう。
「ダーリン折角その子が、やる気になったんだから様子を見なさい」
「まぁ、最初はセレナも下手だったからね。ロニエは何故か最初から上手かったけど」
何にでも最初はある。ここでヒムートからセレナに替えたら、ヒムートが成長しないか。セレナの言うとおり様子を見ないといけない。
でも今セレナの気持ち良さを知っているともどかしい。
「ヒカル様落ち着いてください。ロニエが抱き着いて居るんですよ? それではダメですか?」
視線をしたに下げて、ロニエを見る。ああ、世界一可愛い俺の嫁が抱き着いている。
それ以上何を望むんだ。
「ダメじゃない。ロニエが抱き着いて居るから満足」
「ヒカル様は相変わらずチョロイです。チョロる様です。ヒムートさん。ロニエが時間を稼いでいる間にヒカル様をイカせてください。出来なかったらそれまですよ」
一生懸命、俺の肉棒に奉仕するヒムートが一度口を離して、
「ロニエちゃんありがとうです」
二パーッと笑いながらお礼を言った。
「良いのですよ、ダーリンさんはロニエの大切の内の一つですから、1番はヒカルですけど」
ロニエの返答を聞いて頷いてからちゅぱちゅぱ再開する。
その頭を撫でながらロニエを抱きしめてセレナに手を伸ばして言う。
「じゃあ、そろそろ、ルミア結婚式作戦会議を始めるか」
ロニエは「はい」と返事して、セレナが俺の胸に飛びいて。
「そうね。ダーリンの晴れ舞台、成功させるわ」
「いや、ルミアが主役だから」
こうして、三人でルミアの結婚式計画を練り上げた。
ヒムートはずっと奉仕してて会話に参加出来なかったけど......
最後にロニエが快感増強をさりげなく使えと言うので仕方なく使った。
能力を使うとただのオナニーの様な気分になるからあまり使いたく無いのだが、まぁヒムートの自尊心を守れるのなら安いものだ。そのあとヒムートには内緒でセレナにしてもらったのは、国家機密だが。
*********************************************
大賢者のダンジョン最深部に二年以上かけて要約たどり着いたアルランは絶句していた。
数々の凶悪強大なモンスター達を屠り進んできたノートンとアルランは巨大な門の立っていた。
「ノートンさん......この門を開ける方法は......」
「ああ、これは決別の門。大賢者のダンジョンのラスボスは俺とお前だって事だあ」
決別の門。その門はいにしえの呪われた門で、その門を会える方法は一つ、ただ一人になることだ。
つまり、ノートンかアルランのどっちかしか先に進むことは出来ない。
それが大賢者のダンジョンの最後のギミックだ。
「悪趣味なダンジョンだな~」
たった二人しか入れないダンジョンで今まで協力してここまでたどり着いた。友情も信頼も芽生えているのは当たり前だ。だが。
進むためには、その仲間を切り捨てなければいけない。
「悪いが遠慮はしないからな」
ノートンが愛剣を抜きアルランに向ける。
「そんな! 他の方法を探しましょうよ!」
だがアルランはそれを認めない。仮にも友情の女神に選ばれた男だ。仲間殺しが出来る分けない。
「そんな方法はねぇ。どっちかが死ぬしかねぇんだ。覚悟を決めやがれ」
一歩近付くノートンは想いを打ち明ける。
「俺には帰りを待つ嫁がいる。ボスやちびっ子だって待っている。ここで立ち止まれねぇんだ。戦わないなら死にやがれ!!」
クリスが待っている、だから帰る。そのために殺す。
殺意を向ける、ノートンに対し。
アルランはやはり動けなかった......
目前迫るノートンの刃を見ても避ける事は頭に無かった。
スローモーションで時が進む中、思い出すのは、1番長く近くに居た存在ルミアの事だ。
血が繋がっていなくても本当の兄妹として可愛がった。
盲目の目を治したいと思って秘薬を探し回った事もあった。
勇者になったのも、本当はルミアのためだ。
勇者になればお金を稼げる。国から援助が出るし、加護によって強くもなれる。ルミアを守れるようになれる。
自分の半身のようなルミアを、家族のルミアを。
だがもうルミアは大丈夫だ。今や世界一の大国となった天野王国の王にめとられる。
ルミアも良く懐いていたこれほどうれしいことは無いだろう。
ーーー本当にそうか?
僕は? 本当にそれでよかったのか?
体が勝手に動いていた。
迫り来る剣を交わして、勇者の剣を抜き放ちノートンへと向ける。
「僕は! 死ねない! 僕は! まだやり残したことがあるから!」
この旅路で尊敬したノートンに殺意を向けた。
アルランはルミアを家族以上の感情を感じていた。
それが妹に対して向けていい感情では無いことは分かっていた。
けれど。ずっと共にいたのだ。辛いときに肩をさすって慰めてくれた、背中を押して勇気をくれた。
「僕は! この気持ちをルミアに伝えるまで死ねない!」
二人の男の殺しあいが始まった。
剣と剣のぶつかる音が響く。
ノートンの振り下ろし斬りを、アルランが剣を振り上げて弾き、そのまま足を払いをかける。
ノートンはジャンプで交わして、下げきった剣を反対の手でアルランに投げ付ける。
戦いの最中に命綱である剣を離すという行為に驚いて一瞬反応が遅れたアルランの肩にノートンの投げた剣が突き刺さる。
ノートンはアルランに近づいてその剣を引き抜いた。
やはり、アルランよりもノートンの方が強かった。
このままでは負ける! アルランはそれを悟って高速で思考を回転させる。
ノートンの猛攻にかろうじてついていきながら、勝ち筋を探す。
傷ついていく体と流れでる血の量は既に常人並ば死んでいてもおかしくない。
薄れ行く意識を辛うじて保つ。
探せ! 探せ! 探せ!
だが......ノートンの剣はアルランの腹部の中心を貫いた。
その瞬間、警戒が緩んだ、ノートンの腕を掴んで反撃した。
一線でぼとりとノートンの右腕が落ちた。
落ちた右腕を見ながらノートンは思う。
ーーー油断した!!
腕に走る激痛を無視して剣を拾う。
腕はボスに頼めば治る気にするな! 俺ぇはクリスの所に帰るんだ! ちびっ子の病を治すんだ!
気合いを入れ直してアルランを観察する。
腹に大きな傷、体中から出血が止まっていない。
片腕を斬られたとはいえまだ俺の方が有利だ。
ノートンはそう結論づけてアルランと最後の闘いに足を動かした。
闘いは互角だった、どっちが勝ってもおかしく無かったが、勝敗を分けたのは剣の質の違いだった。
アルランとノートンの剣がぶつかり砕けたのだ。ノートンの剣が。アルランは友情の聖剣は不壊属性がある。対してノートンが使っていた剣は、ただの剣だ。名刀でも魔刀でもでも無い市販されているただの剣。
壊れるのは必然だった......剣を失った隙はアルランとノートンの闘いには大きすぎる。
最早ノートンに立て直す術は無かった。
アルランも今更ここで剣を止めはしなかった。お互いが命をかけて戦う理由があったからだ。
だからノートンは素直に負けを認め......るわけ無かった!
「俺はボスの為に死ねねえんだよ!」
ノートンの叫びに奇跡が起きた。ノートンの手にかつて剣王ジークフリードアルバランがある使った『爆風剣』が突如現れた。
その意味はつまり。
世界一の剣士として認められたということだ。剣王は剣が選ぶ。爆風剣に選ばれたノートンはかつてジークフリード・アルバランを入れて最強と唄われた男達の一人になったのだ。
強烈な風がアルランを吹き飛ばした。
これで勝負は決した。壁にぶつかり気絶したアルランの首を落とす。
最後までノートンは油断しなかった。
「僕を殺せば光王様が悲しみますよ」
剣はアルランの首の薄皮を一枚居るところで止まった。
目を開けたアルランの言葉でノートンの剣が止まったのだ。
「僕は、時期王妃になるルミアの兄だ。殺せばルミアが悲しむ」
「!! この野郎」
アルランはその戸惑いを見逃さなかった。
一撃でノートンの首を落とした。
ノートンは最後の言葉に「クリス......」とだけ呟き絶命した。
アルランは残った力で這いながら決別の門を開けた。
この瞬間、大賢者のダンジョンが崩壊した。
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大賢者が渡す呪いの剣『デスブランド』によって。
黒く染まったアルランの剣とともに、世界に最強で最悪の魔王が今生まれた。
魔王の目的は望みは。
「僕は......アイツに光に奪われた全ての物を奪い返す! ルミアも姫もセレーナもアイツのすべてを奪ってやる!!」
それが、アルランのいや大魔王の目的だった。
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