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新章
二十一話 ネネのおまじない
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リスティーの部屋を出て、お風呂で汚れを落とし、軽い食事を取ってから、高校へ向かう。
今から行っても、到着するのは昼休み頃で、遅刻は確定だけど……そんなん、気にしてたら一生登校できなくる。
綺麗にアイロンの掛かった制服を着込んで、いざ! 登校。
……メイドって良いね!
とか思ってたのに、何故かついて来ようとしてきて大変だった。
そういえば、双子は八歳。
小学校に通わせないといけない義務がある気がする
……後で、その辺も考えないといけないか。
で、結局。
双子を収めてくれたのは、ボサボサの頭で、いかにも寝起きなネネだった。
「ねぇ? ソレ以上。ダーリンを困らせると……葬るわよ?」
と、言ったら、青ざめて引き下がって行った。
そんな、双子にため息をついて、
「あら? 今日は一人で行くのかしら?」
「うん。リスティーは待っててくれるって」
「そう……」
暫く、頭を捻ってから、
「なら私が一緒に行くわ! また痴漢冤罪に巻き込まれたら大変だものね……うふふっ。でも、私には痴漢しても良いのよ?」
「公認の痴漢は痴漢じゃねぇ~よ!」
ということになった。
そして、通学電車。
お昼前に男女二人の学生が電車に乗っているせいで、周囲に奇異の視線を向けられている。
しかも、ネネが、脱法小学生なみの体格のせいか、向かいの車両に座っているオバサンが通報しようとしている。
……痴漢じゃなくて、児童ポルノ誘拐罪!?
ネネを連れてきたのは失敗だったか? ……まあ、ネネの行動を縛る事なんてしないけどさ。
そんなオバサンにネネも気づき、ギロリと睨む。
長髪が揺れ、瞳が紅く発光しているようにも見える。
「ねぇ。オバサン。私を見るなんて良い度胸ね。《消えなさい》」
「「……」」
ネネが短く告げると、オバサン達は無言で立ち上がり、他の車両へ移っていく……
ちょっと不自然……
そういえば……ネネの言葉には人に強制させる超常の力があるって自分で言ってたっけ?
……『私は超能力者よ』とか、真顔で言われた時には、距離を置こうとしたものだが、今は大事な奴隷として飼っているんだからこの世界は解らない。
でも、超能力者……か、信じてないけど。
「そういえば、ネネ。なんでリスティーに、姫野さんを呪わせてたの?」
『呪いのわら人形』なんて古臭いモノ、よく引っ張り出して来たものだ。
最初見たとき、心臓が破れると思うほど恐かった。
「仮にも、焚きつけたのはネネでしょ? わら人形は冗談にしては酷くない?」
「冗談……え? 何のことをいってるのよ?」
「……え?」
俺に寄り掛かりながら、電車席で寛いでいるネネが、本当に解らないみたいにキョトンと聞き返してきた。
……なんか怖い。
「ンフフっ♪ 私、これでもあの子の飼い犬よ? 冗談なんて言わないわ」
「ソレって……」
「何かしら?」
「何でもない!」
深くは追求しないようにしよう。
うん、そうしよう。
……といいうかソレより気になった言葉があった。
「ネネも一応、リスティーとの立場を理解してるんだ」
してないと思ってた。
四月に結んだ俺とネネの『契約』は、本当に俺の奴隷にする。みたいなモノだったけど、ネネが酷い扱いをされているのは見たことがない。
むしろ、掃除洗濯家事を全てリスティーに押し付けてたし……
「当然じゃない。私にとって契約は、たとえ口約束でも重大よ? 直属の隷属がダーリンだから、好き勝手しているけれど、あの子が本気になったら逆らえないわ」
そんなに気にしているなら、やっぱり、契約を破棄すれば良いのに。
俺は、ネネをこの立場に縛り付けるつもりはないんだから……
「ところで、ダーリン。昔から『バチが当たる』って言うじゃない?」
「言うね……」
なんだいきなり……話を変えたかったのか?
言ってくれれば、深く追求したりしないのに……
まあ、ここは、ネネの話に乗ってあげよう。
「アレの元々の意味って何か知っていたりするかしら?」
「んー。自業自得みたいな言葉じゃないの?」
「そうね……覚えておいて」
肯定してくれたけど、すぐに悪戯っぽくクスリと笑った。
「ここで、さっきのダーリンの問いに答えるわね」
ん?
さっきの話と繋がってるのか?
「私、ダーリンが幸せなら、何人の女の子を侍らせても怒らないわ。ダーリンの欲しいもの全て手に入れられるように協力だってしてあげる。でも! ダーリンに近付いて苦しめたなら別よ」
そういって、ネネの紅く発光する瞳が開かれた瞬間、車内の温度が数度下がった気がした。
「だから、姫野さんに呪いをかけたの?」
「そうよ」
ここに来て、まさかの、発覚。
ネネが姫野さんを快く思ってない。
リスティーだけに気を取られて、ネネの気持ちを聞くのを忘れていた。
「勘違いしなくて良いわよ? 私は心が広いから、ちょっと罰を受ければ、それ以上は水に流すわ」
「……ソレって、姫野さんと仲良くしてくれるって事?」
「もちろんよ。聖自体は嫌いじゃないもの。ただ……今回は、自分勝手にダーリンを傷つけた。呪いくらいかけたくなるわ」
……なんとも言えないけど、ネネがソレだけ俺を大切にしてくれていると言うこと。
なら、凄く光栄である。
「でも、私が直接呪ったら、あの子死んじゃうかも知れないし、私が自業自得の罰を受けることになっちゃうわ」
「死んじゃう!?」
恐ろしい。
何が恐ろしいって、一片の曇りなく言いっ切って居るのが、恐ろしい。
……オカルトだよ!?
って!
「自業自得の罰!?」
まさか!
「流石ダーリン。気づいたようね」
電撃的に頭のなかで、全ての話が繋がった。
……つじつまも会うし、
「《人を呪わば穴二つ》アナルが二つって、ふしだらな意味じゃないわよ?」
ソレくらい、知ってるよ。
ロリな地獄モノのアニメで聞いたことがある。
「呪いは呪った者にも還る……」
「そう。つまり、私が呪いたかったのは……」
「リスティー……?」
呪いたい人に、呪いをかけさせることで、間接的に呪いをかける。
……それがネネの狙いだったということ。
「私は私のご主人様に、呪いなんてかけられないけど、コレなら私は関係ないわ」
そんな、詭弁な!
オカルトだけど……
「なんで? リスティーなの? リスティーが嫌いなの?」
「……そこはほぼ、聖と同じよ。ダーリンを傷つけたその報いね」
「ほぼ?」
「鋭いわね。そう、あの子の場合は、嫌がらせ。普段、ダーリンを独り占めしているのに、不平不満ばかり言うからよ」
うふふふっと妖しく笑いながら、手足を首に絡ませて来る。
……おいおい、公共電車の中だぜ?
「四日間もダーリンを独り占めされちゃったから、体が疼いて我慢の限界よ?」
「……」
つまり、ネネを抱けば、リスティー達の呪いを解いてくれると言うことか?
「遠回りだなぁ……ネネなら言ってくれれば何時でも、歓迎なのに」
高校最寄りの駅まで、後五駅……周囲に人はいない。
時間もある。何より、ネネが誘ってくれている。
……本当は、少し待って欲しかったけど、断る理由には弱い。
「ンフフ♪ こういう方がダーリンの好みかと思ってね」
その通り、もろ好みです。
コッチの事に関しては、やっぱりネネが一枚上手……
「ネネはエッチが好きだなぁ……ばれないように近寄って」
「んふふ♪ 私が好きなのはダーリンよ」
「勝負の前に鋭気を養いなさい……何があっても自分を貫くために」
ネネの体を膝に載せて、大人のキス。
とろとろと舌が絡み付いて、悩殺される。
でも、一応、最後まで……
「……ネネ。因みに、さっきの話のオチは?」
「ここよ? ……ああ。呪いの事ね。あの子に教えたのは、不完全よ。呪いをかけたい相手のわら人形は自らの血で染めないといけないの。ソレをやらなきゃただのおまじないよ」
やっぱりね。
ネネが、二人に冗談でも酷いことするとは思わなかった。
……ん? 血?
「いや……染めてた様な?」
姫野さんのわら人形の赤み……アレは絶対血だった。
「嘘よ。わら人形を紅く染めなさいとは言ったけど……わざわざ自分の血を使うなんて馬鹿。いるわけ……いたの?」
「引っ越して来たばかりで、赤い絵の具なんてないだろ? それに、リスティーの腕に傷があった」
「……」
ピタッとネネの体が固まった。
……まさか、
「ねぇ。ネネ……オカルトだよね?」
「ふふふ……当然じゃない。コレから何が起こってもソレは偶然よ。呪いなんて有り得ないわ」
そこで、いきなり否定するところが、言い訳に聞こえて逆に怪しい。
「……四日前じゃ、聖は手遅れね」
ネネがボソッと呟いた所で、電車が駅に停車した。
「ダーリン。何が起こっても……起きてても、偶然だけど。私は家に戻るわね。用事を思い出したわ」
「あっ! ちょっと! ネネ!? オカルトだよね!?」
言うだけ言って、素早く電車を降りてしまう。
「ダーリン。ついていけないから、一つだけ言っておくわ。自分の気持ちに素直になりなさい。それが一番、ダーリンの為になるわ」
「ネネ!?」
俺も降りようとした直前で、電車の扉が閉まり、発進してしまう。
……何故か、リスティーが心配になってきた。
次の駅で降りて戻った方がいいか?
いや……こんなオカルトに振り回されて、姫野さんを後回しにするのは間違っている。
アレだけ酷く傷つけて、別れたんだ。
出来るだけ早く、謝りたい。
……よし。不思議ちゃんはほっておいて、高校へ向かう。
それが今、俺のやるべき事だ。
今から行っても、到着するのは昼休み頃で、遅刻は確定だけど……そんなん、気にしてたら一生登校できなくる。
綺麗にアイロンの掛かった制服を着込んで、いざ! 登校。
……メイドって良いね!
とか思ってたのに、何故かついて来ようとしてきて大変だった。
そういえば、双子は八歳。
小学校に通わせないといけない義務がある気がする
……後で、その辺も考えないといけないか。
で、結局。
双子を収めてくれたのは、ボサボサの頭で、いかにも寝起きなネネだった。
「ねぇ? ソレ以上。ダーリンを困らせると……葬るわよ?」
と、言ったら、青ざめて引き下がって行った。
そんな、双子にため息をついて、
「あら? 今日は一人で行くのかしら?」
「うん。リスティーは待っててくれるって」
「そう……」
暫く、頭を捻ってから、
「なら私が一緒に行くわ! また痴漢冤罪に巻き込まれたら大変だものね……うふふっ。でも、私には痴漢しても良いのよ?」
「公認の痴漢は痴漢じゃねぇ~よ!」
ということになった。
そして、通学電車。
お昼前に男女二人の学生が電車に乗っているせいで、周囲に奇異の視線を向けられている。
しかも、ネネが、脱法小学生なみの体格のせいか、向かいの車両に座っているオバサンが通報しようとしている。
……痴漢じゃなくて、児童ポルノ誘拐罪!?
ネネを連れてきたのは失敗だったか? ……まあ、ネネの行動を縛る事なんてしないけどさ。
そんなオバサンにネネも気づき、ギロリと睨む。
長髪が揺れ、瞳が紅く発光しているようにも見える。
「ねぇ。オバサン。私を見るなんて良い度胸ね。《消えなさい》」
「「……」」
ネネが短く告げると、オバサン達は無言で立ち上がり、他の車両へ移っていく……
ちょっと不自然……
そういえば……ネネの言葉には人に強制させる超常の力があるって自分で言ってたっけ?
……『私は超能力者よ』とか、真顔で言われた時には、距離を置こうとしたものだが、今は大事な奴隷として飼っているんだからこの世界は解らない。
でも、超能力者……か、信じてないけど。
「そういえば、ネネ。なんでリスティーに、姫野さんを呪わせてたの?」
『呪いのわら人形』なんて古臭いモノ、よく引っ張り出して来たものだ。
最初見たとき、心臓が破れると思うほど恐かった。
「仮にも、焚きつけたのはネネでしょ? わら人形は冗談にしては酷くない?」
「冗談……え? 何のことをいってるのよ?」
「……え?」
俺に寄り掛かりながら、電車席で寛いでいるネネが、本当に解らないみたいにキョトンと聞き返してきた。
……なんか怖い。
「ンフフっ♪ 私、これでもあの子の飼い犬よ? 冗談なんて言わないわ」
「ソレって……」
「何かしら?」
「何でもない!」
深くは追求しないようにしよう。
うん、そうしよう。
……といいうかソレより気になった言葉があった。
「ネネも一応、リスティーとの立場を理解してるんだ」
してないと思ってた。
四月に結んだ俺とネネの『契約』は、本当に俺の奴隷にする。みたいなモノだったけど、ネネが酷い扱いをされているのは見たことがない。
むしろ、掃除洗濯家事を全てリスティーに押し付けてたし……
「当然じゃない。私にとって契約は、たとえ口約束でも重大よ? 直属の隷属がダーリンだから、好き勝手しているけれど、あの子が本気になったら逆らえないわ」
そんなに気にしているなら、やっぱり、契約を破棄すれば良いのに。
俺は、ネネをこの立場に縛り付けるつもりはないんだから……
「ところで、ダーリン。昔から『バチが当たる』って言うじゃない?」
「言うね……」
なんだいきなり……話を変えたかったのか?
言ってくれれば、深く追求したりしないのに……
まあ、ここは、ネネの話に乗ってあげよう。
「アレの元々の意味って何か知っていたりするかしら?」
「んー。自業自得みたいな言葉じゃないの?」
「そうね……覚えておいて」
肯定してくれたけど、すぐに悪戯っぽくクスリと笑った。
「ここで、さっきのダーリンの問いに答えるわね」
ん?
さっきの話と繋がってるのか?
「私、ダーリンが幸せなら、何人の女の子を侍らせても怒らないわ。ダーリンの欲しいもの全て手に入れられるように協力だってしてあげる。でも! ダーリンに近付いて苦しめたなら別よ」
そういって、ネネの紅く発光する瞳が開かれた瞬間、車内の温度が数度下がった気がした。
「だから、姫野さんに呪いをかけたの?」
「そうよ」
ここに来て、まさかの、発覚。
ネネが姫野さんを快く思ってない。
リスティーだけに気を取られて、ネネの気持ちを聞くのを忘れていた。
「勘違いしなくて良いわよ? 私は心が広いから、ちょっと罰を受ければ、それ以上は水に流すわ」
「……ソレって、姫野さんと仲良くしてくれるって事?」
「もちろんよ。聖自体は嫌いじゃないもの。ただ……今回は、自分勝手にダーリンを傷つけた。呪いくらいかけたくなるわ」
……なんとも言えないけど、ネネがソレだけ俺を大切にしてくれていると言うこと。
なら、凄く光栄である。
「でも、私が直接呪ったら、あの子死んじゃうかも知れないし、私が自業自得の罰を受けることになっちゃうわ」
「死んじゃう!?」
恐ろしい。
何が恐ろしいって、一片の曇りなく言いっ切って居るのが、恐ろしい。
……オカルトだよ!?
って!
「自業自得の罰!?」
まさか!
「流石ダーリン。気づいたようね」
電撃的に頭のなかで、全ての話が繋がった。
……つじつまも会うし、
「《人を呪わば穴二つ》アナルが二つって、ふしだらな意味じゃないわよ?」
ソレくらい、知ってるよ。
ロリな地獄モノのアニメで聞いたことがある。
「呪いは呪った者にも還る……」
「そう。つまり、私が呪いたかったのは……」
「リスティー……?」
呪いたい人に、呪いをかけさせることで、間接的に呪いをかける。
……それがネネの狙いだったということ。
「私は私のご主人様に、呪いなんてかけられないけど、コレなら私は関係ないわ」
そんな、詭弁な!
オカルトだけど……
「なんで? リスティーなの? リスティーが嫌いなの?」
「……そこはほぼ、聖と同じよ。ダーリンを傷つけたその報いね」
「ほぼ?」
「鋭いわね。そう、あの子の場合は、嫌がらせ。普段、ダーリンを独り占めしているのに、不平不満ばかり言うからよ」
うふふふっと妖しく笑いながら、手足を首に絡ませて来る。
……おいおい、公共電車の中だぜ?
「四日間もダーリンを独り占めされちゃったから、体が疼いて我慢の限界よ?」
「……」
つまり、ネネを抱けば、リスティー達の呪いを解いてくれると言うことか?
「遠回りだなぁ……ネネなら言ってくれれば何時でも、歓迎なのに」
高校最寄りの駅まで、後五駅……周囲に人はいない。
時間もある。何より、ネネが誘ってくれている。
……本当は、少し待って欲しかったけど、断る理由には弱い。
「ンフフ♪ こういう方がダーリンの好みかと思ってね」
その通り、もろ好みです。
コッチの事に関しては、やっぱりネネが一枚上手……
「ネネはエッチが好きだなぁ……ばれないように近寄って」
「んふふ♪ 私が好きなのはダーリンよ」
「勝負の前に鋭気を養いなさい……何があっても自分を貫くために」
ネネの体を膝に載せて、大人のキス。
とろとろと舌が絡み付いて、悩殺される。
でも、一応、最後まで……
「……ネネ。因みに、さっきの話のオチは?」
「ここよ? ……ああ。呪いの事ね。あの子に教えたのは、不完全よ。呪いをかけたい相手のわら人形は自らの血で染めないといけないの。ソレをやらなきゃただのおまじないよ」
やっぱりね。
ネネが、二人に冗談でも酷いことするとは思わなかった。
……ん? 血?
「いや……染めてた様な?」
姫野さんのわら人形の赤み……アレは絶対血だった。
「嘘よ。わら人形を紅く染めなさいとは言ったけど……わざわざ自分の血を使うなんて馬鹿。いるわけ……いたの?」
「引っ越して来たばかりで、赤い絵の具なんてないだろ? それに、リスティーの腕に傷があった」
「……」
ピタッとネネの体が固まった。
……まさか、
「ねぇ。ネネ……オカルトだよね?」
「ふふふ……当然じゃない。コレから何が起こってもソレは偶然よ。呪いなんて有り得ないわ」
そこで、いきなり否定するところが、言い訳に聞こえて逆に怪しい。
「……四日前じゃ、聖は手遅れね」
ネネがボソッと呟いた所で、電車が駅に停車した。
「ダーリン。何が起こっても……起きてても、偶然だけど。私は家に戻るわね。用事を思い出したわ」
「あっ! ちょっと! ネネ!? オカルトだよね!?」
言うだけ言って、素早く電車を降りてしまう。
「ダーリン。ついていけないから、一つだけ言っておくわ。自分の気持ちに素直になりなさい。それが一番、ダーリンの為になるわ」
「ネネ!?」
俺も降りようとした直前で、電車の扉が閉まり、発進してしまう。
……何故か、リスティーが心配になってきた。
次の駅で降りて戻った方がいいか?
いや……こんなオカルトに振り回されて、姫野さんを後回しにするのは間違っている。
アレだけ酷く傷つけて、別れたんだ。
出来るだけ早く、謝りたい。
……よし。不思議ちゃんはほっておいて、高校へ向かう。
それが今、俺のやるべき事だ。
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