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新章
五話 イケメンのお願い
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学校に付き、尿意を催した俺は、リスティーと別れてトイレに向かった。
ジョロジョロジョロ……
「あああ~~ッ。沁みる~~っ」
尿を放出する何とも言いがたい快感に浸って居ると……
「そこの君。君は……星野空くんだよね?」
「えっ? そうだけど?」
後ろから声をかけれられた。
急いで、アレをしまい、振り向くと……そこに居たのは、金髪ホスト風のイケメン――
「天上院 夜神(てんじょういん やがみ)!?」
学校一の美少女が、姫野聖なら、学校一の美少年が、天上院夜神。
女子の間では、プリンスと呼ばれる彼は俺にとって異世界の存在。
なぜなら、天上院家は日本でも有数の名家で、資産は数千兆円に登るとか……その跡取り息子。
更に、彼自身も、天上院家の血だからか、なんなのか、勉強から運動に至るまでなんでも出来てしまう天才。
まさに人の上に立つ為に生まれてきたと言う訳だ。
だから当然と言えば当然、彼の元には沢山の女の子が集い、彼を慕っている。
彼もその女の子達を分け隔てなく接している。
俗に言うハーレムと言う奴である! 羨ましくなんてないぞ!
……姫野さんといい、リスティーといい、彼といい、なんでこの学校、金持ちが集まって来るか不思議でならない。
「夜神でいいよ。そのかわり、僕も君のこと空って呼んでいいかい?」
「……」
いや、名家の跡取り息子を、呼び捨てにする勇気なんてねぇ~よ!
夜、歩けなくなっちゃうだろ!
夜神ハーレムに刺されるわ!!
「俺……知らない人と話しちゃイケないって、親父に言われてるんで……」
こういう時の選択しは『逃走』一択。
面倒事にはなるべく関わりたくないからね。
夜神くんの隣を――
「昨日のお昼過ぎ……造園でクリスティーナ嬢との情愛を、僕、見ちゃったんだよね」
「――っ!」
――通り過ぎるのは一旦やめる。
「み、見たって……ナニを?」
アレを見られていたとしたら、放置は出来ないが、墓穴を掘る前に最終確認。
「君の趣味って過激だね? 空くんの逞しい男性こ――」
「ああああああああああああああああああああ――ッ!」
だからあそこはダメだって言ったんだよ!
バッチリ見られてんじゃねぇーか!
めっちゃ恥ずかしい。
だけど、恥ずかしがってばかりも居られない。
リスティーは俺が護らないと。
「話はなんだ!? リスティーに何かするつもりなら……」
何があっても徹底抗戦。
名家とか知るもんか!
「誤解しないでくれ。僕は、人の恋路を邪魔する趣味はない。クリスティーナ嬢は確かに可憐で美しく、手に入れたくはあったけど、君と彼女の熱い情愛を見せられたらね」
「手に入れたかったのかよ!」
「そりゃあ、男に生まれたんだ。美しい花は愛でないと損じゃないか」
なんて清々しい物言いなんだ。
俺の悩みがちっぽけに思えて来る。
さすが、天上院家の跡取り息子。
天上院夜神。
「僕と同じ匂いがする、空くんだってわかるだろ? 沢山の女の子と夜を過ごす極楽を。僕は百人の少女と毎晩数人ずつ愛し合う」
「同じにしないでくれ。格が違う……」
さすがは、夜神!!
リスティー、一人、相手に疲れたとか言っていたのが情けない。
「謙遜は良くないよ。僕だって、昼間からすることは少ないよ?」
「俺だって少ない……」
あれ? 以外としてるかも。
朝も昼も夜も時間と性欲があれば、割と……
「どうだい? 空くん。僕と少し、話さないかい?」
「……今から!?」
「授業のことかい? 僕たちには学校なんて暇潰しと変わらないだろ?」
「……解ったよ」
と言うことで、今日も今日とて、遅刻が決まった。
トイレから出ると、二人のメイド服を来た幼い少女が夜神くんの両脇を囲う。
ほら、異次元。
「「夜神様。どちらへ?」」
「メイ、マイ、僕の庭に行こう」
「「はい。夜神様」」
クソ可愛いな、あのメイドズ、双子かな?
そして、向かった先は『造園』……
「ああ……っ。そういうことか」
「察しがいいね。そう、ここは、天上院家が寄贈し運営している造園なんだ」
そんな場所で、不用意にリスティーとしていたから、天上院夜神にばれてしまった。
そういうことか。
「で? 話ってなんだよ」
「気が早いね。先ずは、かけたらどうだい?」
言われて、椅子に座ろうとすると、メイドの少女が、サッと離れ、どこからともなく取り出した手ぬぐいで、椅子を拭いてくれた。
これぞプロの技。
椅子を引き、かけやすくして来る。
至れり尽くせり。
「メイとマイを気に入ったかい?」
「ここまでされて気に食わなかったら、性格か性癖が歪んでる」
椅子に着くと、テーブルにお菓子や珈琲が運び込まれる。
「それなら、良かった。メイとマイは空くんをいたく気にっていてね。君にあげるつもりだったんだ」
「「っ! 矢神様ッ!」」
矢神様! ……じゃない。
メイドの譲渡とか普通に人身売買。
やっぱり異世界だ。
「君の屋敷には、使用人もいないと聞いているよ? メイとマイも君に会いたくてわざわざ僕に頼んできたんだよ? どうかな? 僕のお手付きだけどね」
「「夜神様ッ!?」」
「手広いな! 要らな……」
「「~~っ!!」」
キュッとメイとマイに手を握られた。
まるで、捨てられた子犬のような目……
「メイとマイはまだ、八歳だけど優秀だよ? いずれ、あの規模の屋敷には使用人が必要だと気付くはずだ。僕と君の友好の証として受け取ってくれないかい?」
「って……言われても」
女の子拾って帰ったら、リスティーにどやされる。
でも、確かに、引っ越してからリスティーが忙しそうにしている。
「まあ、良いか」
「「わぁーっ。ありがとうございます。星野様……いえ。ご主人様」」
深くは考えないことにしよう。
親父が言っていた。ただで貰えるものはゴミでも貰えと。
思いの外喜ぶ、メイとマイの頭を撫でてあげる。
……と、
「「えへへっ。ご主人様♪ これから誠心誠意お仕えさせていただきます(≧∇≦)」」
「か、可愛い……っ!」
本当に犬みたい!
コレは良いものを貰ったかも知れないね。
「メイとマイについて細かい契約は後にするとして……そろそろ本題に入ろうか」
「う、うん……」
そりゃあそーか。
メイとマイは前菜、ここからが……
「それで? 本題って?」
「僕はね。正妻に迎えたい人が居るんだ」
「へー」
どうでもいい。
「でも、ガードが固くてね。話すらまともに聞いてくれない」
「へーっ……」
こんなイケメンで、気さくな男に振り向かない女の子……ね。
誰だろう。
「でも、君とは仲がいいからさ。紹介して欲しいんだ」
「……リスティー。じゃ、ないんだよね?」
「当然さ」
「じゃあ、誰……?」
俺と仲の良い女の子なんてリスティーとネネぐらい。
ネネ……なのか?
ネネだから、メイとマイを渡して来たのか!
メイドと奴隷を交換するために!
もし、ネネだとしたら……俺は、土下座してでもメイとマイを返してネネを守る。
「姫野聖嬢。僕が心を奪われた人さ」
「――ッ!」
予想の斜め上……姫野さん。
それが、夜神くんの本命だった。
ジョロジョロジョロ……
「あああ~~ッ。沁みる~~っ」
尿を放出する何とも言いがたい快感に浸って居ると……
「そこの君。君は……星野空くんだよね?」
「えっ? そうだけど?」
後ろから声をかけれられた。
急いで、アレをしまい、振り向くと……そこに居たのは、金髪ホスト風のイケメン――
「天上院 夜神(てんじょういん やがみ)!?」
学校一の美少女が、姫野聖なら、学校一の美少年が、天上院夜神。
女子の間では、プリンスと呼ばれる彼は俺にとって異世界の存在。
なぜなら、天上院家は日本でも有数の名家で、資産は数千兆円に登るとか……その跡取り息子。
更に、彼自身も、天上院家の血だからか、なんなのか、勉強から運動に至るまでなんでも出来てしまう天才。
まさに人の上に立つ為に生まれてきたと言う訳だ。
だから当然と言えば当然、彼の元には沢山の女の子が集い、彼を慕っている。
彼もその女の子達を分け隔てなく接している。
俗に言うハーレムと言う奴である! 羨ましくなんてないぞ!
……姫野さんといい、リスティーといい、彼といい、なんでこの学校、金持ちが集まって来るか不思議でならない。
「夜神でいいよ。そのかわり、僕も君のこと空って呼んでいいかい?」
「……」
いや、名家の跡取り息子を、呼び捨てにする勇気なんてねぇ~よ!
夜、歩けなくなっちゃうだろ!
夜神ハーレムに刺されるわ!!
「俺……知らない人と話しちゃイケないって、親父に言われてるんで……」
こういう時の選択しは『逃走』一択。
面倒事にはなるべく関わりたくないからね。
夜神くんの隣を――
「昨日のお昼過ぎ……造園でクリスティーナ嬢との情愛を、僕、見ちゃったんだよね」
「――っ!」
――通り過ぎるのは一旦やめる。
「み、見たって……ナニを?」
アレを見られていたとしたら、放置は出来ないが、墓穴を掘る前に最終確認。
「君の趣味って過激だね? 空くんの逞しい男性こ――」
「ああああああああああああああああああああ――ッ!」
だからあそこはダメだって言ったんだよ!
バッチリ見られてんじゃねぇーか!
めっちゃ恥ずかしい。
だけど、恥ずかしがってばかりも居られない。
リスティーは俺が護らないと。
「話はなんだ!? リスティーに何かするつもりなら……」
何があっても徹底抗戦。
名家とか知るもんか!
「誤解しないでくれ。僕は、人の恋路を邪魔する趣味はない。クリスティーナ嬢は確かに可憐で美しく、手に入れたくはあったけど、君と彼女の熱い情愛を見せられたらね」
「手に入れたかったのかよ!」
「そりゃあ、男に生まれたんだ。美しい花は愛でないと損じゃないか」
なんて清々しい物言いなんだ。
俺の悩みがちっぽけに思えて来る。
さすが、天上院家の跡取り息子。
天上院夜神。
「僕と同じ匂いがする、空くんだってわかるだろ? 沢山の女の子と夜を過ごす極楽を。僕は百人の少女と毎晩数人ずつ愛し合う」
「同じにしないでくれ。格が違う……」
さすがは、夜神!!
リスティー、一人、相手に疲れたとか言っていたのが情けない。
「謙遜は良くないよ。僕だって、昼間からすることは少ないよ?」
「俺だって少ない……」
あれ? 以外としてるかも。
朝も昼も夜も時間と性欲があれば、割と……
「どうだい? 空くん。僕と少し、話さないかい?」
「……今から!?」
「授業のことかい? 僕たちには学校なんて暇潰しと変わらないだろ?」
「……解ったよ」
と言うことで、今日も今日とて、遅刻が決まった。
トイレから出ると、二人のメイド服を来た幼い少女が夜神くんの両脇を囲う。
ほら、異次元。
「「夜神様。どちらへ?」」
「メイ、マイ、僕の庭に行こう」
「「はい。夜神様」」
クソ可愛いな、あのメイドズ、双子かな?
そして、向かった先は『造園』……
「ああ……っ。そういうことか」
「察しがいいね。そう、ここは、天上院家が寄贈し運営している造園なんだ」
そんな場所で、不用意にリスティーとしていたから、天上院夜神にばれてしまった。
そういうことか。
「で? 話ってなんだよ」
「気が早いね。先ずは、かけたらどうだい?」
言われて、椅子に座ろうとすると、メイドの少女が、サッと離れ、どこからともなく取り出した手ぬぐいで、椅子を拭いてくれた。
これぞプロの技。
椅子を引き、かけやすくして来る。
至れり尽くせり。
「メイとマイを気に入ったかい?」
「ここまでされて気に食わなかったら、性格か性癖が歪んでる」
椅子に着くと、テーブルにお菓子や珈琲が運び込まれる。
「それなら、良かった。メイとマイは空くんをいたく気にっていてね。君にあげるつもりだったんだ」
「「っ! 矢神様ッ!」」
矢神様! ……じゃない。
メイドの譲渡とか普通に人身売買。
やっぱり異世界だ。
「君の屋敷には、使用人もいないと聞いているよ? メイとマイも君に会いたくてわざわざ僕に頼んできたんだよ? どうかな? 僕のお手付きだけどね」
「「夜神様ッ!?」」
「手広いな! 要らな……」
「「~~っ!!」」
キュッとメイとマイに手を握られた。
まるで、捨てられた子犬のような目……
「メイとマイはまだ、八歳だけど優秀だよ? いずれ、あの規模の屋敷には使用人が必要だと気付くはずだ。僕と君の友好の証として受け取ってくれないかい?」
「って……言われても」
女の子拾って帰ったら、リスティーにどやされる。
でも、確かに、引っ越してからリスティーが忙しそうにしている。
「まあ、良いか」
「「わぁーっ。ありがとうございます。星野様……いえ。ご主人様」」
深くは考えないことにしよう。
親父が言っていた。ただで貰えるものはゴミでも貰えと。
思いの外喜ぶ、メイとマイの頭を撫でてあげる。
……と、
「「えへへっ。ご主人様♪ これから誠心誠意お仕えさせていただきます(≧∇≦)」」
「か、可愛い……っ!」
本当に犬みたい!
コレは良いものを貰ったかも知れないね。
「メイとマイについて細かい契約は後にするとして……そろそろ本題に入ろうか」
「う、うん……」
そりゃあそーか。
メイとマイは前菜、ここからが……
「それで? 本題って?」
「僕はね。正妻に迎えたい人が居るんだ」
「へー」
どうでもいい。
「でも、ガードが固くてね。話すらまともに聞いてくれない」
「へーっ……」
こんなイケメンで、気さくな男に振り向かない女の子……ね。
誰だろう。
「でも、君とは仲がいいからさ。紹介して欲しいんだ」
「……リスティー。じゃ、ないんだよね?」
「当然さ」
「じゃあ、誰……?」
俺と仲の良い女の子なんてリスティーとネネぐらい。
ネネ……なのか?
ネネだから、メイとマイを渡して来たのか!
メイドと奴隷を交換するために!
もし、ネネだとしたら……俺は、土下座してでもメイとマイを返してネネを守る。
「姫野聖嬢。僕が心を奪われた人さ」
「――ッ!」
予想の斜め上……姫野さん。
それが、夜神くんの本命だった。
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