93 / 100
93話 ぶつかる
しおりを挟む
「目障りだ、出て行け」
「嫌です、あなたと向き合えていません」
「戯れ言を」
「それは、ナグモさんにも言えることでは?」
「なぜ」
眼光が一段と鋭く感じる。逆鱗に触れるかもしれない
「ナグモさんは私たちに本音で話しました。
でも私はなにも話していない。自分だけ話して私に話させずに出て行け、というのは戯れ言ではないんですか」
「うるさい」
今度は本当に飛ばされそう。
「ナグモさん、私は怒っているんです。自分勝手の度が過ぎてます。
確かに、ルイさんはあなたを縛ることをしたと思います。でも、それを了承して実行したのは誰でもない
あなた自身ですよ。それを私にぶちまけられても困ります。ルイさんの子孫であって私は彼女自身
ではないんです。」
言葉に詰まるナグモ様に近づき、彼女の前に正座する。
「私はルイさんではないのでナグモさんの欲しい言葉を的確にいうことはできません。、ですから私なりの言葉を聞いてください。」
静かに言うとナグモさんは小さく頷いた
「ナグモさんはルイさんに嫉妬していたんですよね、
なら、どうして私を導くことをしてくれたんですか。
あの時点でルイさんは既にに亡くなっていました。
約束を破っても責める相手はいません。」
ナグモさんはなにも言わない。むしろ眉間に皺が寄っているように見える。
まぁ尋問まがいなことをしてるから当然か。
「ルイさんを表裏のない性格だとおっしゃいました。ですがそんな性格でも誰彼構わず
相談するとは思えないんです。むしろその性格の人ほど溜め込みやすいと私は考えています。
それに結婚の後押しなど余程のことがない限り、他人には相談しないものです。
親、兄弟、友達、ひっくるめて信頼している人にしかそんな相談はしません。
あなたは心から信頼してくれた人に対して、ずっとそのような感情で接していたんですか」
カズハ様は淡々と静かに話している。静かに話しているがどこか怖く感じる。
穏やかな人ほど怒る時は怖いって本当なんだな。ちらりとミズキ様を見ると呆れているらしい。
ナグモさんは狼狽えている。
「と、偉い口を叩いていますが感情を一番理解しているのは自分自身。他の誰にも操れるものではありません。」
こわばっていた表情と打って変わってカズハ様は柔らかな笑みを浮かべる。
「ここからは私の気持ちで話をさせてもらいます。」
眉間に皺がなくなり真剣な目になったのを私は見逃さない。
「人は変わりやすい生き物です。それゆえ、感情も変わりやすいです。
誰だって綺麗な感情のまま一生を終えることはありません。
不安になったり、怖くなって暴走したりします。でも心の底にある
感情は綺麗なままだと私は信じています。
それに体は正直です。
あなたは、禁術の書を手にとって実行した。
それは少なからず、ルイさんの願いを聞き入れたいという気持ちがあったんだと思います。その後の罪を覚悟して。あなたは憎しみの感情を持ちながら
禁術を行ったんですか?」
私が言い終えるとナグモさんは涙を流しながら謝罪する。
「ごめんさない、ルイ、ごめんなさい、カズハ。」
「私たちの出る幕なかったね」
「そうですね、ミズキ様」
俺たちはなにもしないまま解決してしまった。
その後ナグモ様は正気を取り戻したのか物凄い勢いでカズハ様に謝っていた。
一難去ってまた一難、あったりしないよな?
「嫌です、あなたと向き合えていません」
「戯れ言を」
「それは、ナグモさんにも言えることでは?」
「なぜ」
眼光が一段と鋭く感じる。逆鱗に触れるかもしれない
「ナグモさんは私たちに本音で話しました。
でも私はなにも話していない。自分だけ話して私に話させずに出て行け、というのは戯れ言ではないんですか」
「うるさい」
今度は本当に飛ばされそう。
「ナグモさん、私は怒っているんです。自分勝手の度が過ぎてます。
確かに、ルイさんはあなたを縛ることをしたと思います。でも、それを了承して実行したのは誰でもない
あなた自身ですよ。それを私にぶちまけられても困ります。ルイさんの子孫であって私は彼女自身
ではないんです。」
言葉に詰まるナグモ様に近づき、彼女の前に正座する。
「私はルイさんではないのでナグモさんの欲しい言葉を的確にいうことはできません。、ですから私なりの言葉を聞いてください。」
静かに言うとナグモさんは小さく頷いた
「ナグモさんはルイさんに嫉妬していたんですよね、
なら、どうして私を導くことをしてくれたんですか。
あの時点でルイさんは既にに亡くなっていました。
約束を破っても責める相手はいません。」
ナグモさんはなにも言わない。むしろ眉間に皺が寄っているように見える。
まぁ尋問まがいなことをしてるから当然か。
「ルイさんを表裏のない性格だとおっしゃいました。ですがそんな性格でも誰彼構わず
相談するとは思えないんです。むしろその性格の人ほど溜め込みやすいと私は考えています。
それに結婚の後押しなど余程のことがない限り、他人には相談しないものです。
親、兄弟、友達、ひっくるめて信頼している人にしかそんな相談はしません。
あなたは心から信頼してくれた人に対して、ずっとそのような感情で接していたんですか」
カズハ様は淡々と静かに話している。静かに話しているがどこか怖く感じる。
穏やかな人ほど怒る時は怖いって本当なんだな。ちらりとミズキ様を見ると呆れているらしい。
ナグモさんは狼狽えている。
「と、偉い口を叩いていますが感情を一番理解しているのは自分自身。他の誰にも操れるものではありません。」
こわばっていた表情と打って変わってカズハ様は柔らかな笑みを浮かべる。
「ここからは私の気持ちで話をさせてもらいます。」
眉間に皺がなくなり真剣な目になったのを私は見逃さない。
「人は変わりやすい生き物です。それゆえ、感情も変わりやすいです。
誰だって綺麗な感情のまま一生を終えることはありません。
不安になったり、怖くなって暴走したりします。でも心の底にある
感情は綺麗なままだと私は信じています。
それに体は正直です。
あなたは、禁術の書を手にとって実行した。
それは少なからず、ルイさんの願いを聞き入れたいという気持ちがあったんだと思います。その後の罪を覚悟して。あなたは憎しみの感情を持ちながら
禁術を行ったんですか?」
私が言い終えるとナグモさんは涙を流しながら謝罪する。
「ごめんさない、ルイ、ごめんなさい、カズハ。」
「私たちの出る幕なかったね」
「そうですね、ミズキ様」
俺たちはなにもしないまま解決してしまった。
その後ナグモ様は正気を取り戻したのか物凄い勢いでカズハ様に謝っていた。
一難去ってまた一難、あったりしないよな?
0
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説
記憶がないので離縁します。今更謝られても困りますからね。
せいめ
恋愛
メイドにいじめられ、頭をぶつけた私は、前世の記憶を思い出す。前世では兄2人と取っ組み合いの喧嘩をするくらい気の強かった私が、メイドにいじめられているなんて…。どれ、やり返してやるか!まずは邸の使用人を教育しよう。その後は、顔も知らない旦那様と離婚して、平民として自由に生きていこう。
頭をぶつけて現世記憶を失ったけど、前世の記憶で逞しく生きて行く、侯爵夫人のお話。
ご都合主義です。誤字脱字お許しください。
多産を見込まれて嫁いだ辺境伯家でしたが旦那様が閨に来ません。どうしたらいいのでしょう?
あとさん♪
恋愛
「俺の愛は、期待しないでくれ」
結婚式当日の晩、つまり初夜に、旦那様は私にそう言いました。
それはそれは苦渋に満ち満ちたお顔で。そして呆然とする私を残して、部屋を出て行った旦那様は、私が寝た後に私の上に伸し掛かって来まして。
不器用な年上旦那さまと割と飄々とした年下妻のじれじれラブ(を、目指しました)
※序盤、主人公が大切にされていない表現が続きます。ご気分を害された場合、速やかにブラウザバックして下さい。ご自分のメンタルはご自分で守って下さい。
※小説家になろうにも掲載しております
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
キャンピングカーで往く異世界徒然紀行
タジリユウ
ファンタジー
《第4回次世代ファンタジーカップ 面白スキル賞》
【書籍化!】
コツコツとお金を貯めて念願のキャンピングカーを手に入れた主人公。
早速キャンピングカーで初めてのキャンプをしたのだが、次の日目が覚めるとそこは異世界であった。
そしていつの間にかキャンピングカーにはナビゲーション機能、自動修復機能、燃料補給機能など様々な機能を拡張できるようになっていた。
道中で出会ったもふもふの魔物やちょっと残念なエルフを仲間に加えて、キャンピングカーで異世界をのんびりと旅したいのだが…
※旧題)チートなキャンピングカーで旅する異世界徒然紀行〜もふもふと愉快な仲間を添えて〜
※カクヨム様でも投稿をしております
イケメンが好きですか? いいえ、いけわんが好きなのです。
ぱっつんぱつお
キャラ文芸
不思議な少女はとある国で大きな邸に辿り着いた。
なんとその邸には犬が住んでいたのだ。しかも喋る。
少女は「もっふもっふさいこー!」と喜んでいたのだが、実は犬たちは呪いにかけられた元人間!?
まぁなんやかんやあって換毛期に悩まされていた邸の犬達は犬好き少女に呪いを解いてもらうのだが……。
「いやっ、ちょ、も、もふもふ……もふもふは……?」
なろう、カクヨム様にも投稿してます。
あなたの子ですが、内緒で育てます
椿蛍
恋愛
「本当にあなたの子ですか?」
突然現れた浮気相手、私の夫である国王陛下の子を身籠っているという。
夫、王妃の座、全て奪われ冷遇される日々――王宮から、追われた私のお腹には陛下の子が宿っていた。
私は強くなることを決意する。
「この子は私が育てます!」
お腹にいる子供は王の子。
王の子だけが不思議な力を持つ。
私は育った子供を連れて王宮へ戻る。
――そして、私を追い出したことを後悔してください。
※夫の後悔、浮気相手と虐げられからのざまあ
※他サイト様でも掲載しております。
※hotランキング1位&エールありがとうございます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる