67 / 100
67話 会場
しおりを挟む
「あの、一つ聞いてもいいですか?」
「なに?」
「あなた、共犯者がいますよね」
そういうと縄を持つ手に力が入ったのか少し締まった。
「っ、」
「なんのことかな?」
「いえ、きっと勘違いです。
忘れてください」
これ以上締められたらまずい。
会場に着いたのか沢山の人がいた。
私を見る目が一気に変わった。
司会者が声高々に
「今回の目玉は、この娘。なんと鬼と人間の間にできた、奇跡の子。」
口ではなんとでも言える。どうせみんなお金を稼ぐ道具としかみてないんだろうな。
「最初は300枚からいきましょう。」
口々に500枚、800枚と上がっていく。
1000、1300と上がってきたところで声が
止んだ。
「他にはいませんか。なら1300枚で」
「1500」
会場がざわついた、
「で、では1500以上の方はいませんか?」
司会者の声に反する人がいなかったので私は1500枚で売られた。
1500枚と言ったであろう人がわたしたちに
近づいてくる。マントのフードを深くかぶっているので顔はわからない。
おじさんにお金を渡して首の縄を
解き私の手を引き外に出る。
会場を出てしばらくしてから
「大変でしたね。ナツキさん」
「え、名前。というかその声って」
フードを外すとやっぱり先生だ。
「失礼しますよ」
そういうとヨナガ先生は私を横に
抱きかかえた。
「え、一人で歩けますよ!?」
「手足に縄の跡が着いてる。
こういう時は教師を頼りなさい」
「あ、ありがとうございます。ところでどうして分かったんですか?」
口調変わってる
「俺、昼間は教師をしているだろ
んで、夜は警察官なんだ」
「警察官!?」
「まぁ、夜間だけだがな」
「先生、いつ休んでるんですか。」
「大人には大人の休息方法があるから
心配すんな」
「その口調どうしたんですか。」
「俺はこれが素なんだよ。教師の時は丁寧に話してるけど。今晩、人身売買する情報がきたから紛れてたってわけだ。」
「そうなんですか。紛れてたってひとりでですか?」
「いや、一緒にいた奴に俺の生徒だって言ったら何も言わずに後処理を引き受けてくれたよ」
「なんか、すみません。私なんかに大金を」
「前も言ったがあの3人が卒業するまでは
ナツキも俺の生徒だ。それに人を助けるのに大金だ、なんだって俺にとってはどうでもいい。それに生徒を助けるのも教師の仕事。
生徒を助けるためなら周りから見たら大金でも俺からしたらはした金だ。」
なんか、かっこいいな。
「カズハとロクも探してた。」
「え」
「あの会場に行く時、2人と会ったんだ。
事情を聞くとまだ宿に戻ってないっていうから、もしかしたらと思って。」
悪いことしちゃったな
「また競売とかに出されたらどうしよう」
独り言のつもりだったが
「その心配はない。言い方は悪いが俺が金を払った時点でナツキの所有権は俺だ。仮に
また売られそうになったとしても、所有権は俺だから誰かが手を出すことはできない」
よかった。買われたのが先生で。
先生じゃなかったと思うと血の気が引いた。
街に戻ると、
「「ナツキ!」」
向こうからカズハとロクが走ってくる。
先生が私をゆっくりとおろしてくれる。
カズハが抱きついてくる
「ナツキ、よかった。怪我して動けなくなったって聞いてたから心配したよ」
そういうことになってたのか。まぁ売られそうになったなんて言えないしな
「ごめん、大丈夫だよ。カズハ」
「でもよかったです。見つかって」
ロクは安堵のため息をつく。
でも勘づいたのか眉間に皺を寄せた。
「どうしたの?ロク」
カズハが聞くと
「いえ、なんでもありません。」
そう言いつつもなんか怖い顔になった。
私は先生にお礼を言い三人で宿に戻った
「なに?」
「あなた、共犯者がいますよね」
そういうと縄を持つ手に力が入ったのか少し締まった。
「っ、」
「なんのことかな?」
「いえ、きっと勘違いです。
忘れてください」
これ以上締められたらまずい。
会場に着いたのか沢山の人がいた。
私を見る目が一気に変わった。
司会者が声高々に
「今回の目玉は、この娘。なんと鬼と人間の間にできた、奇跡の子。」
口ではなんとでも言える。どうせみんなお金を稼ぐ道具としかみてないんだろうな。
「最初は300枚からいきましょう。」
口々に500枚、800枚と上がっていく。
1000、1300と上がってきたところで声が
止んだ。
「他にはいませんか。なら1300枚で」
「1500」
会場がざわついた、
「で、では1500以上の方はいませんか?」
司会者の声に反する人がいなかったので私は1500枚で売られた。
1500枚と言ったであろう人がわたしたちに
近づいてくる。マントのフードを深くかぶっているので顔はわからない。
おじさんにお金を渡して首の縄を
解き私の手を引き外に出る。
会場を出てしばらくしてから
「大変でしたね。ナツキさん」
「え、名前。というかその声って」
フードを外すとやっぱり先生だ。
「失礼しますよ」
そういうとヨナガ先生は私を横に
抱きかかえた。
「え、一人で歩けますよ!?」
「手足に縄の跡が着いてる。
こういう時は教師を頼りなさい」
「あ、ありがとうございます。ところでどうして分かったんですか?」
口調変わってる
「俺、昼間は教師をしているだろ
んで、夜は警察官なんだ」
「警察官!?」
「まぁ、夜間だけだがな」
「先生、いつ休んでるんですか。」
「大人には大人の休息方法があるから
心配すんな」
「その口調どうしたんですか。」
「俺はこれが素なんだよ。教師の時は丁寧に話してるけど。今晩、人身売買する情報がきたから紛れてたってわけだ。」
「そうなんですか。紛れてたってひとりでですか?」
「いや、一緒にいた奴に俺の生徒だって言ったら何も言わずに後処理を引き受けてくれたよ」
「なんか、すみません。私なんかに大金を」
「前も言ったがあの3人が卒業するまでは
ナツキも俺の生徒だ。それに人を助けるのに大金だ、なんだって俺にとってはどうでもいい。それに生徒を助けるのも教師の仕事。
生徒を助けるためなら周りから見たら大金でも俺からしたらはした金だ。」
なんか、かっこいいな。
「カズハとロクも探してた。」
「え」
「あの会場に行く時、2人と会ったんだ。
事情を聞くとまだ宿に戻ってないっていうから、もしかしたらと思って。」
悪いことしちゃったな
「また競売とかに出されたらどうしよう」
独り言のつもりだったが
「その心配はない。言い方は悪いが俺が金を払った時点でナツキの所有権は俺だ。仮に
また売られそうになったとしても、所有権は俺だから誰かが手を出すことはできない」
よかった。買われたのが先生で。
先生じゃなかったと思うと血の気が引いた。
街に戻ると、
「「ナツキ!」」
向こうからカズハとロクが走ってくる。
先生が私をゆっくりとおろしてくれる。
カズハが抱きついてくる
「ナツキ、よかった。怪我して動けなくなったって聞いてたから心配したよ」
そういうことになってたのか。まぁ売られそうになったなんて言えないしな
「ごめん、大丈夫だよ。カズハ」
「でもよかったです。見つかって」
ロクは安堵のため息をつく。
でも勘づいたのか眉間に皺を寄せた。
「どうしたの?ロク」
カズハが聞くと
「いえ、なんでもありません。」
そう言いつつもなんか怖い顔になった。
私は先生にお礼を言い三人で宿に戻った
0
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説
記憶がないので離縁します。今更謝られても困りますからね。
せいめ
恋愛
メイドにいじめられ、頭をぶつけた私は、前世の記憶を思い出す。前世では兄2人と取っ組み合いの喧嘩をするくらい気の強かった私が、メイドにいじめられているなんて…。どれ、やり返してやるか!まずは邸の使用人を教育しよう。その後は、顔も知らない旦那様と離婚して、平民として自由に生きていこう。
頭をぶつけて現世記憶を失ったけど、前世の記憶で逞しく生きて行く、侯爵夫人のお話。
ご都合主義です。誤字脱字お許しください。
多産を見込まれて嫁いだ辺境伯家でしたが旦那様が閨に来ません。どうしたらいいのでしょう?
あとさん♪
恋愛
「俺の愛は、期待しないでくれ」
結婚式当日の晩、つまり初夜に、旦那様は私にそう言いました。
それはそれは苦渋に満ち満ちたお顔で。そして呆然とする私を残して、部屋を出て行った旦那様は、私が寝た後に私の上に伸し掛かって来まして。
不器用な年上旦那さまと割と飄々とした年下妻のじれじれラブ(を、目指しました)
※序盤、主人公が大切にされていない表現が続きます。ご気分を害された場合、速やかにブラウザバックして下さい。ご自分のメンタルはご自分で守って下さい。
※小説家になろうにも掲載しております
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
キャンピングカーで往く異世界徒然紀行
タジリユウ
ファンタジー
《第4回次世代ファンタジーカップ 面白スキル賞》
【書籍化!】
コツコツとお金を貯めて念願のキャンピングカーを手に入れた主人公。
早速キャンピングカーで初めてのキャンプをしたのだが、次の日目が覚めるとそこは異世界であった。
そしていつの間にかキャンピングカーにはナビゲーション機能、自動修復機能、燃料補給機能など様々な機能を拡張できるようになっていた。
道中で出会ったもふもふの魔物やちょっと残念なエルフを仲間に加えて、キャンピングカーで異世界をのんびりと旅したいのだが…
※旧題)チートなキャンピングカーで旅する異世界徒然紀行〜もふもふと愉快な仲間を添えて〜
※カクヨム様でも投稿をしております
イケメンが好きですか? いいえ、いけわんが好きなのです。
ぱっつんぱつお
キャラ文芸
不思議な少女はとある国で大きな邸に辿り着いた。
なんとその邸には犬が住んでいたのだ。しかも喋る。
少女は「もっふもっふさいこー!」と喜んでいたのだが、実は犬たちは呪いにかけられた元人間!?
まぁなんやかんやあって換毛期に悩まされていた邸の犬達は犬好き少女に呪いを解いてもらうのだが……。
「いやっ、ちょ、も、もふもふ……もふもふは……?」
なろう、カクヨム様にも投稿してます。
あなたの子ですが、内緒で育てます
椿蛍
恋愛
「本当にあなたの子ですか?」
突然現れた浮気相手、私の夫である国王陛下の子を身籠っているという。
夫、王妃の座、全て奪われ冷遇される日々――王宮から、追われた私のお腹には陛下の子が宿っていた。
私は強くなることを決意する。
「この子は私が育てます!」
お腹にいる子供は王の子。
王の子だけが不思議な力を持つ。
私は育った子供を連れて王宮へ戻る。
――そして、私を追い出したことを後悔してください。
※夫の後悔、浮気相手と虐げられからのざまあ
※他サイト様でも掲載しております。
※hotランキング1位&エールありがとうございます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる