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14話 お泊まり会

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いつもの授業の準備と泊まりの準備をして登校すると教室が賑わっていた。
「どうしたの?」
先に来ていたジュンに聞く。
「今日学校に泊まるだろ?そん時、肝試しをやるんだと。んで肝試しの時に告白すると恋が叶うっていう噂。」
おませな女の子はもう気になる子がいるのか。青春だなぁ。というかそれって
「吊り橋効果じゃないの?」
「ツリバシコウカ?」
「吊り橋の上のような恐怖や緊張する場所で告白されると、ドキドキが恋からなのか恐怖からなのかわからなくなる、
一種の心理効果。」
「ふーん、そういうのがあるのか。
つか今日着物なのか、珍しいな。
いつもの、あの格好もよかったたけど
その着物も似合うな」
「ありがとう。」
そう、私はあの時に買った着物を着ているのだ。ロクに教えてもらいながら帯を結び、腰紐などはミズキさんのお古をもらうことができたのでそれを使っている。
ちょうど鐘がなったので席に着く。
授業は滞りなく進み、昼食と夕食は自分たちで作る。わたしは予備の腰紐の端を口に咥え、たすき掛けをする。包丁を使う作業は最年長の3人でやるのだが3人の他に12人なので少し疲れた。
煮込み作業、味付け、盛り付けは下級生たちがやるのだが、最年長の私たちは終始ハラハラしながら見守っていた。
昼食はご飯、カボチャの煮物、キノコのお味噌汁。
夕食はご飯、焼き魚、さつまいものお味噌汁。
(ご飯はナグモ先生が研いで炊飯器にセットしといてくれた)
魚焼きグリルがあったが、ナグモ先生がせっかくだから七輪で焼こうと提案して
外で魚を焼いた。
食べる時、ロクはその場にはいなかった
(まだ素顔は見られたくないのだろう)
みんなと談笑しながら食べる。
いつもと違う食事時、わたしは楽しい気持ちでいっぱいだった。

片付けをしたらいよいよ肝試しだ。
3人組のグループで行くことに決まった。私はあの時の座敷童、チヨと
雨少女、スイウと一番最後に行くことになった。

「2人は好きな子いないの?」
「スイはジュンおにーちゃんが好き。」
「アタシはロクおにーちゃんが好き。」
2人とも人気だな~。ジュンはわかるけど、ロクは意外だな~。
「「でもカズハおねーちゃんが一番好き~」」
愛い。でもほんわかした雰囲気はここまでであとは恐怖で話せなかった。
2人とも着物にしがみつきながら進む。
(夜の学校ほど怖いものは他にないな)
和室まで行き帰ってくるという簡単なお題だったが、心は穏やかではなかった。
戻ると、一気に安心してしまった。
「全員いますね。着替えをもって狐の宿屋に移動しますよ。」
ヨナガ先生の声で教室に戻る




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