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3章 サードライブ
167話 5年ぶり
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「ところで茉里、
今日はなんて言ってここまできたの?」
(実家の近くだから
警戒してるんじゃ)
「川桜学園の友達に会いに行くって。
お兄ちゃんも川桜学園に通ってたん
だから嘘じゃないでしょ?」
「友達ではないけどね」
溶けてドロドロになったアイスを
アップルパイに絡めて食べる。
茉里はパフェを黙々と食べている。
(そういえば、過去の話をしている時も
たまに食べてたな)
5年ぶりに会う妹は可愛い寄りに成長
していた。
(これからも元気に成長して
たくさん学んで、楽しい事を経験して、
そのうち彼氏ができたりして、
お兄ちゃん、この人と結婚するの。
なんて言われたら多分立ち直れないな。
女の子はあっという間に淑女に
なるからね。
妹に情けない姿は見せたくないし。
あの時、煩わしいって言われていた
翔さんの気持ちが今なら分かる気がする)
「ねぇ、お兄ちゃん。聞いてる?」
「え、うん」
上の空でいると茉里は俺を呼んだ。
見るとパフェは空になっていた。
(早いな)
残り少ないアップルパイを少し急いで
食べコーヒーを飲みカップを置く。
「私、高校はこっちの方にしようと
思うの」
「どうして?」
「理由はわからないけどあんな嘘を
ついたあの人たちと距離をおきたいな
って」
(当たり前だよね。俺だって認められたいの他にあの家を出たかったのも
オーディションを受けた理由の一つだし)
「ねぇ、茉里。これから茉里が今住んでいる場所に行ってもいい?」
「え?」
「とてつもない修羅場になると思うけど決着をつけたい。・・・て考えてたけどやめとくよ」
茉里は困った顔をして
「それってもしかして私のため?」
「うん、中学を卒業するまで時間ある
からさ。その間が苦痛じゃないかなって。卒業して、こっちに来る前日くらいにはっきりさせたほうがいいかなって」
茉里は眉を顰めてため息をついた、
「お兄ちゃん、私まだ子供だけど
お兄ちゃんがあれこれ想定するほど
幼稚じゃないんだよ。
私だって、家族仲がこじれることくらい
わかってるよ。
でもそれ以上に私だってはっきりさせたいって思ってるの」
「・・・わかった。
それじゃあ行こうか。高坂家の
人生最大かもしれない喧嘩に。」
「うん」
俺たちはそれぞれお会計をして
お店を出る。
一方その頃、
「類、この前類と蓮が一緒に帰ってきた時あったじゃん。帰ってきて僕が海に行こうって行った日」
「うん、」
休憩中、隣で類は振りやスケジュール
の確認をしながら聞いてくれる。
「舞に、僕なりのアプローチしたんだけど全然気づいてくれなかった」
「ふーん、どんな?」
舞に言ったこと、した事を話す
「アプローチって言ったけどあれは
口説きって言ってもいいと思う」
「それで、変化なかったの?」
「うん、全く。その後も普通だったし」
「舞のことだから、ドラマとか劇の
練習って思ってるんじゃないの?」
「それもそうかな」
「ごめんね、類、雪希」
そこまで言って舞はレッスンにきた。
「タイミングいいから二人とも、
休憩終了で始めるよ」
杏子さんの凛とした声に気持ちの
切り替えができた。
その時、杏奈さんの携帯が鳴る。
「杏子。蓮くんから連絡。
多分今日は行けないかもしれないって」
「・・・わかった。」
(思ったよりあっさりしてる。)
「これは本格的なしごきコースだな」
(蓮、二つの意味で気をつけてよ
今日はなんて言ってここまできたの?」
(実家の近くだから
警戒してるんじゃ)
「川桜学園の友達に会いに行くって。
お兄ちゃんも川桜学園に通ってたん
だから嘘じゃないでしょ?」
「友達ではないけどね」
溶けてドロドロになったアイスを
アップルパイに絡めて食べる。
茉里はパフェを黙々と食べている。
(そういえば、過去の話をしている時も
たまに食べてたな)
5年ぶりに会う妹は可愛い寄りに成長
していた。
(これからも元気に成長して
たくさん学んで、楽しい事を経験して、
そのうち彼氏ができたりして、
お兄ちゃん、この人と結婚するの。
なんて言われたら多分立ち直れないな。
女の子はあっという間に淑女に
なるからね。
妹に情けない姿は見せたくないし。
あの時、煩わしいって言われていた
翔さんの気持ちが今なら分かる気がする)
「ねぇ、お兄ちゃん。聞いてる?」
「え、うん」
上の空でいると茉里は俺を呼んだ。
見るとパフェは空になっていた。
(早いな)
残り少ないアップルパイを少し急いで
食べコーヒーを飲みカップを置く。
「私、高校はこっちの方にしようと
思うの」
「どうして?」
「理由はわからないけどあんな嘘を
ついたあの人たちと距離をおきたいな
って」
(当たり前だよね。俺だって認められたいの他にあの家を出たかったのも
オーディションを受けた理由の一つだし)
「ねぇ、茉里。これから茉里が今住んでいる場所に行ってもいい?」
「え?」
「とてつもない修羅場になると思うけど決着をつけたい。・・・て考えてたけどやめとくよ」
茉里は困った顔をして
「それってもしかして私のため?」
「うん、中学を卒業するまで時間ある
からさ。その間が苦痛じゃないかなって。卒業して、こっちに来る前日くらいにはっきりさせたほうがいいかなって」
茉里は眉を顰めてため息をついた、
「お兄ちゃん、私まだ子供だけど
お兄ちゃんがあれこれ想定するほど
幼稚じゃないんだよ。
私だって、家族仲がこじれることくらい
わかってるよ。
でもそれ以上に私だってはっきりさせたいって思ってるの」
「・・・わかった。
それじゃあ行こうか。高坂家の
人生最大かもしれない喧嘩に。」
「うん」
俺たちはそれぞれお会計をして
お店を出る。
一方その頃、
「類、この前類と蓮が一緒に帰ってきた時あったじゃん。帰ってきて僕が海に行こうって行った日」
「うん、」
休憩中、隣で類は振りやスケジュール
の確認をしながら聞いてくれる。
「舞に、僕なりのアプローチしたんだけど全然気づいてくれなかった」
「ふーん、どんな?」
舞に言ったこと、した事を話す
「アプローチって言ったけどあれは
口説きって言ってもいいと思う」
「それで、変化なかったの?」
「うん、全く。その後も普通だったし」
「舞のことだから、ドラマとか劇の
練習って思ってるんじゃないの?」
「それもそうかな」
「ごめんね、類、雪希」
そこまで言って舞はレッスンにきた。
「タイミングいいから二人とも、
休憩終了で始めるよ」
杏子さんの凛とした声に気持ちの
切り替えができた。
その時、杏奈さんの携帯が鳴る。
「杏子。蓮くんから連絡。
多分今日は行けないかもしれないって」
「・・・わかった。」
(思ったよりあっさりしてる。)
「これは本格的なしごきコースだな」
(蓮、二つの意味で気をつけてよ
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