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2章 セカンドライブ

114話 晒してないよ

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「ここ、どこだ」
目が覚めると知らない部屋だった。
全体的に黒系のものが多くモダンな部屋。
(俺の部屋ではないな)

起き上がると頭に乗せられていたタオルが
落ちた。
スマホを見ると12時少し過ぎていた。
「あ、起きた?蓮」
「舞、ここは?てか、
俺なんでここにいるの?」
「それは、」

ー回想ー
「お、お久しぶりです」
「こんにちは、あの時以来だね」
「あ、はい」
私と蓮のお父さんは職員用玄関で立ち話を。
「俺、在宅で仕事してて
今波に乗ってるとこなんだ。」
「はぁ、」
「蓮のこと頼めないかな」
「はい?」
「家で仕事だと蓮も気が休まらないでしょ。
だから君に蓮のことを頼もうと思って」 
(気が休まらないって言うのは一理あるしな)

「わ、わかりました」
保健室で蓮を起こして荷物を乗せて
家まで送ってもらった。
その間にさっきのSNSをもう一度見ようとしたら削除されいた。
(あんなに言われたら削除するよね。
そういえばメールで一昨日翔帰ってきたって
言ってたな。部屋の片付けでかなり
埃が溜まってた、とか久しぶりにシーツと
マットレス、ランドリー洗ってきた、
って聞いたような)
「蓮、ついたよ」
「うん」
「ありがとうございました」

蓮と私の鞄を持ち、蓮が降りるとすぐに車が
走り出す。
汗が残暑で流れてるのか熱で流れてるのか
わからないが顔が青白い。
鍵を開けて中に入り翔の部屋に通すと、
すぐに寝てしまった。

ー回想終了ー
「蓮が寝ていたあいだにドラックストアで色々買ってきたんだ。」
そこまで言うと蓮は縮こまった。
「蓮?」
「俺、そんな醜態晒したのか」
(それで醜態って思うなら保健室のことは
覚えてないな。言わないでおこう)
「俺、その前にも醜態を晒してないか?」
「晒してないよ」

安心した途端舞が至近距離に近づいて
額を触る。
「舞?」
「うん、さっきより顔色はだいぶマシになったし熱も少し下がった気がする」
ふわりと笑った舞。
舞の笑った顔はいつも見ているのに
何故か胸が高鳴る。

(いやいやいや、気のせい気のせい。
きっと熱で頭がおかしくなってるんだ、
きっとそう)

そうこじつけて冷静を装う
「え、そう?」
「うん、さっき青白かったし」
「あお、・・・てっきり家かと思った」
「保健室の先生が言ってたんだ、
家は嫌だ、寮に自力で帰れるって。
色々あって家に連れてきたの」
「家?ってことはこの部屋って」
「翔の部屋。流石に私の部屋は無理だし」
舞はクローゼットの方に歩いた。

(なんか今日はダメだな。トップアイドルの
翔さんの部屋で休むって)
「はい、これとこれ」
差し出されたTシャツと短パンを受け取り
舞は出て行った。
俺が着ると少し大きくてオーバーサイズ
みたいになった。
ノックされて
「着替え終わった?」
「あ、うん」
舞は色々持って入ってきた。
「蓮、とりあえず体温測って」
舞から体温計を受け取り、測ると
「8.5か。お昼、なににする?
うどんかお粥か、他にあったら言って」
「お粥、かな」
「卵は?」
「要ります」
舞は部屋を出ていき約10分後、
「はい」
土鍋をお盆に乗せて持ってきてくれた。
卵粥にはネギが散らしてある。
「いただきます」
「どうぞ。じゃあ私、下で食べてるから」
「うん」
取り皿に木のスプーンでよそって食べる
「美味しい」

(なんかあったかいな、風邪ひいた時は
父さんがお粥作ってくれたっけ、
レトルトだけど。)
ふと枕元にあるスマホを見る、
特に連絡はなかった。
(まぁ分かってたけど)
食べ終わった頃、舞が片付けにきた。
(本当いつもタイミングいいよな)
布団を被り目を閉じた。
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