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1章 ファーストライブ
2話 嫌な予感
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(なんだか嫌な予感がする)
翔が対応に出て、ゾロゾロ入ってきたのはSTEPの他の6人だ。
「久しぶり、舞ちゃん」
赤担当、泉 拓也さん
(いずみ たくや)
少しチャラい感じがして私は苦手だ。
「いきなりごめんね。
上がらせてもらうよ」
黄色担当、柊 司さん
(ひいらぎ つかさ)
元気すぎて、羽目を外すこともあるが
人気が高いらしい
「お邪魔します。お久しぶりです。
舞さん」
緑担当 小川 涼太さん
(おがわりょうた)
STEPの中で唯一メガネを
かけている人。
知的に見えて成績は良くないと
翔から聞いた。
「でも、迷惑じゃない?」
水色担当 青山 優斗さん
(あおやま ゆうと)
少々気が弱いが、曲やフリを完璧に
覚えるのが早く、隠れた才能だと
翔が言っていた。
「おう、久しぶりだな、舞」
紫担当 橘 陸さん
(たちばな りく)
少し気が荒く、青山さんと衝突することが
多い。
「こんにちは、舞ちゃん」
白担当 小鳥遊 日向さん
(たかなし ひなた)
STEPのリーダー 器が大きく怒ったことがないらしい。
でも一番腹黒いという噂も。
芸名を使っているのは翔だけで他の
皆さんは本名だ。
「お久しぶりです、皆さん。
今日はどうしたんですか」
「ちょっとね、こっちの方で合宿をやるから遊びに来た感じ」
司さんは曇りなき眼で言った。
「そうですか、ゆっくりしていって
ください。私は宿題があるので
失礼します」
「え、ゲームは?」
「私はいいので、皆さんでどうぞ」
翔の声に私はそう答え、鞄を持ち階段を
上がる。
私は制服から部屋着に着替え、
数学のノートを取り出し、宿題をする。
が、手は全く進まない。
「アイドル、か」
(ステージに立てば翔はアイドルだ。
でもそれを除けばただの一般人。
他の6人だって。彼らはどうして)
「アイドルを志すようになったん
だろう」
シャーペンを放り出し、頭の後ろで
手を組み背もたれに体重をかける
(実の兄がアイドルなんて不思議だ。
家にいればただの長男、
でも街に出れば誰もが噂するアイドル。
そのギャップに私は心底不思議に思う。
テレビ越しに見る翔の姿は
本当に兄なのかと疑ってしまう。
どこか遠くに行ってしまうかも)
「なんてね」
両親は不慮の事故で亡くなった。
亡くなった後、翔は両親の死よりも
オーディションのことで頭がいっぱいで
私に構ってくれることもなくなった。
それでも、ひたむきに夢を叶えるために
努力し続けた翔の姿はかっこよかった。
憧れだった。
(同じ場所に立てば同じものが
見えるのかな)
「なにこの、ブラコンじみた言葉」
乾いた笑いがこぼれる。
私は向き直り再びシャーペンを持った。
「舞の奴、変わっちまったな」
俺がそう漏らすと
「どういうことだ、翔」
隣で対戦をしていた司が画面に目を向けたまま聞いてくる。
他の5人は本を読んだり、
ゲームを鑑賞したり好きなことを
していた
「前に俺たちの両親は他界したって
言っただろ。」
「うん」
「俺はその時オーディションのことの方を重要視して、舞のことを考えて
なかった。」
司はゲームを中断画面にして、
俺の言葉に耳を傾けた。
違和感を感じて、振り返るとみんな
話を聞く体勢になっていた。
俺は話を中断して別の話題を出そうとしたが無言の圧で諦め続きを話す
「寄り添うことをしないで突き放した。
その結果、俺の勘違いかもしれないが 舞と距離ができたような感じがした。」
「舞ちゃんは舞ちゃんなりになにかを 感じていたんじゃないかな」
「日向・・・」
「嫌われてたらどうしよう、俺、
すげーショック」
その場にいる6人は思った。
シスコン、だと
翔が対応に出て、ゾロゾロ入ってきたのはSTEPの他の6人だ。
「久しぶり、舞ちゃん」
赤担当、泉 拓也さん
(いずみ たくや)
少しチャラい感じがして私は苦手だ。
「いきなりごめんね。
上がらせてもらうよ」
黄色担当、柊 司さん
(ひいらぎ つかさ)
元気すぎて、羽目を外すこともあるが
人気が高いらしい
「お邪魔します。お久しぶりです。
舞さん」
緑担当 小川 涼太さん
(おがわりょうた)
STEPの中で唯一メガネを
かけている人。
知的に見えて成績は良くないと
翔から聞いた。
「でも、迷惑じゃない?」
水色担当 青山 優斗さん
(あおやま ゆうと)
少々気が弱いが、曲やフリを完璧に
覚えるのが早く、隠れた才能だと
翔が言っていた。
「おう、久しぶりだな、舞」
紫担当 橘 陸さん
(たちばな りく)
少し気が荒く、青山さんと衝突することが
多い。
「こんにちは、舞ちゃん」
白担当 小鳥遊 日向さん
(たかなし ひなた)
STEPのリーダー 器が大きく怒ったことがないらしい。
でも一番腹黒いという噂も。
芸名を使っているのは翔だけで他の
皆さんは本名だ。
「お久しぶりです、皆さん。
今日はどうしたんですか」
「ちょっとね、こっちの方で合宿をやるから遊びに来た感じ」
司さんは曇りなき眼で言った。
「そうですか、ゆっくりしていって
ください。私は宿題があるので
失礼します」
「え、ゲームは?」
「私はいいので、皆さんでどうぞ」
翔の声に私はそう答え、鞄を持ち階段を
上がる。
私は制服から部屋着に着替え、
数学のノートを取り出し、宿題をする。
が、手は全く進まない。
「アイドル、か」
(ステージに立てば翔はアイドルだ。
でもそれを除けばただの一般人。
他の6人だって。彼らはどうして)
「アイドルを志すようになったん
だろう」
シャーペンを放り出し、頭の後ろで
手を組み背もたれに体重をかける
(実の兄がアイドルなんて不思議だ。
家にいればただの長男、
でも街に出れば誰もが噂するアイドル。
そのギャップに私は心底不思議に思う。
テレビ越しに見る翔の姿は
本当に兄なのかと疑ってしまう。
どこか遠くに行ってしまうかも)
「なんてね」
両親は不慮の事故で亡くなった。
亡くなった後、翔は両親の死よりも
オーディションのことで頭がいっぱいで
私に構ってくれることもなくなった。
それでも、ひたむきに夢を叶えるために
努力し続けた翔の姿はかっこよかった。
憧れだった。
(同じ場所に立てば同じものが
見えるのかな)
「なにこの、ブラコンじみた言葉」
乾いた笑いがこぼれる。
私は向き直り再びシャーペンを持った。
「舞の奴、変わっちまったな」
俺がそう漏らすと
「どういうことだ、翔」
隣で対戦をしていた司が画面に目を向けたまま聞いてくる。
他の5人は本を読んだり、
ゲームを鑑賞したり好きなことを
していた
「前に俺たちの両親は他界したって
言っただろ。」
「うん」
「俺はその時オーディションのことの方を重要視して、舞のことを考えて
なかった。」
司はゲームを中断画面にして、
俺の言葉に耳を傾けた。
違和感を感じて、振り返るとみんな
話を聞く体勢になっていた。
俺は話を中断して別の話題を出そうとしたが無言の圧で諦め続きを話す
「寄り添うことをしないで突き放した。
その結果、俺の勘違いかもしれないが 舞と距離ができたような感じがした。」
「舞ちゃんは舞ちゃんなりになにかを 感じていたんじゃないかな」
「日向・・・」
「嫌われてたらどうしよう、俺、
すげーショック」
その場にいる6人は思った。
シスコン、だと
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