虹色の薔薇が咲く場所は

1章 ファーストライブ

1話 STEP

私は日比谷　舞(ひびや　まい)13歳　
川桜(かわざくら)学園中等部1年、
入学式を終え、1ヶ月が経ち今は5月。
少中一貫なので、クラスメイトが変わる事なく特に緊張することはなかった

ただ、初等部は東校舎、中等部は西校舎にある。入学から数日は新しい校舎でワクワク
していた。

学校は今流行りのアイドルグループ
STEPの話題で持ちきりだ。

「ねぇねぇ、STEPって、知ってる？すごいよね。私も会ってみたいな」

机に座り窓の外を見ていると後ろから
紗南が話しかけてきた。
紗南は私が初等部に上がってからできた
友達。
紗南はSTEPについて興味深々だ。
STEP、男子7人のアイドルグループ。

最年少が19歳、最年長が25歳だ。
それぞれの担当カラーは赤、黄、緑、青、水色、紫、白。　
それは、光の三原色が元になっているのではないかと言われている。
色は三色混ぜると黒くなるが、光は逆で三色混ぜると白くなる。

今はネットでなんでもわかる時代だ。
どこで誰が見て投稿し拡散されるかわから
ないから私生活でもアイドルは気が
抜けないのだ。

ちなみに私はこの7人とは顔見知り。
誰にも言ってないが。ばれて孤立したくないし、逆に目立ちたくない、
基本面倒ごとになるようなことはしない
主義、だから紗南にも言っていない。

担当カラーが青の天宮翔。
(あまみやかける)
この人はギャップがすごい。
青と聞けはクールな人を想像するだろう。
まぁ、オンの時はそうだ。
だがオフの時は違う。
オフの時は、これでもかというほど甘える。

なんでそんなことを知ってるのかって？
「あ、おかえり、舞。
なぁなぁ一緒にゲームしようぜ。」

学校終わりに家の扉を開くと
わんこのように駆けてくる。
そう天宮翔、(あまみや　しょう)これは芸名
本名は日比谷翔(ひびや　かける)。
私の実の兄である。

「なんでいるの、翔」
「相変わらず冷たいなぁ舞」
翔はゲームソフトを持ったまま
突っ立ている。
「だって今日から強化合宿じゃ
なかったっけ？」

翔は21歳、高校卒業間近にアイドル
オーディションを受けた。
それに受かった翔含め6人でSTEPとして
活動を始めている。
最初は難色を示していたが、次第に軌道に
乗り始め、今やトップアイドルだ。
「それは明日から。今日は久しぶりに
実家でのんびりしようかなって。あ、
なつみさんは買い物してくるって」
「ふーん」

なつみさんはお父さんのお姉さん。
お父さんたちが亡くなってからこの家に来て
一緒に生活している。

翔の所属する芸能事務所の方針で事務所の
あるビル。その隣にあるマンションで
グループで生活している。

合宿先は家の近くらしい。
今回の他に、ステージが終わったら、
必ずと言っていいほど家に顔を出しにくる。

「そういえば他の6人は？」
「ああ、あいつらは」
言いかけた時、チャイムが鳴った。

(なんだか嫌な予感がする)