上 下
10 / 21

第十話

しおりを挟む
ニコ店長とロム会長が美術館デートをしてからその日の夜、ニコ店長は親友のハルとアン3人でいつもの焼肉に来ていた

【焼肉屋】

アン
「今だ!」

ハル
「おお!綺麗に焼けてるなかなかやるわね」

アン
「ホルモンは5秒遅れても色が違うなかなかホルモン焼くのは難しいのよ!」

ニコ店長はずっとボーと何かを考えていた

ハル
「どうしたの?なに考えてるの?」

ニコ店長
「最近美容室また新しくオープンするんだって…」

アン
「もうじき辞めるんだし何で考えるのよ?」

ニコ店長
「そこの店長が入ったばかりのジアちゃんなの心配だわ私がちゃんと教えなきゃ」

ハル
「ジアちゃんってあんたの所の店舗の店長じゃないの?それに私から見たらニコちゃんは考えすぎよ俗に言う“仕事中毒”」

ニコ店長
「最後までベストを尽くしたいのよちゃんと教えなきゃジアちゃんにも悪いしまだ20歳の子よ!完璧じゃなきゃ!」

アン
「それだから会長はあんたを引き止めるのよ!はぁ辞めるんだし適当で良いのよハルから聞いたわ」

ハル
「ちょっと!アン!」

アン
「会長はあんたに対する所有欲が半端ないって!」

ニコ店長
「ハル!アンに話したの?」

ハル
「ホルモン焼きの達人さんあなたはホルモンを完璧に焼いててくれるかしら?」

アン
「あ!それはまだ食べないで後15秒待って!」

ニコ店長
「ねぇ2人とも会長が引き止めるのは単なる所有欲じゃなくて本当に私が必要としてくれてるのかも」

ハル「え?」

アン「え?」

ニコ店長
「私がいないと会長はどうなるかと考えちゃって」

ハル
「まさかと思うけど会長の事好きになった?」

ニコ店長
「は?そんなのあり得ない考えすぎよ」

ハル
「親友だからはっきり言うわ違うならキッパリ縁を切りなさい、さもないと一生振り回されて自分の人生を失うわよ」

ニコ店長
「それは誰よりも私がよくわかってる…もう!煙が私の方に来る!!」

ハル
「まったくホルモン焼き達人なんでしょ!」

アン
「なによ達人なんて一言も言ってないし!」

ニコ店長
「ねぇハル…恐怖症はいつか克服できるものなのかな?」

ハル
「いきなりどうしたの?慣れれば徐々に恐怖は薄れてくると思うけど何か恐怖症なの?」

ニコ店長
「私じゃなくて会長が女性恐怖症なの…」

ハル
「なになに面白いわね詳しく教えて」

ニコ店長
「あ…やっぱりいい…ごめんやっぱり今の事忘れて」

【ロム会長御殿】

ロム会長
「”ニコ店長は今何してる“かな…」

ロム会長はずっとニコ店長の事を考えていた

ロム会長はニコ店長と美術館に行った時、本屋でニコ店長が好きだと言う本を密かに買っていた
ロム会長は本を手に取り読み始める

ロム会長
「幼稚な本が好きとは」

ロム会長は本の内容に理解し得ない

タイトル:一度だけの恋

“何気ない日々の中で不意に今何してるのかと考えて自分以外の誰かを頭に浮かべるそれだけで十分君への愛情と呼べる”

作者:ペウ

ロム会長
「愛情じゃない“上司は部下の動きを把握”すべきだ愛情?バカを言うな作者ペウ?ふざけた名前だ」

次の日の朝
【美容室FMK本社】

ジア
「ニコ店長遅くなってすみません」

ニコ店長
「店長としての自覚をもっと持って!明日からは遅れないで」

ジア
「はい…」

ニコ店長
「でも珍しいわね遅刻するなんて」

ジア
「すみません…実は最近好きな本にハマってしまって作者ペウさんって人の作品なんだけどその恋愛のストーリーにどハマり!」

ニコ店長
「あ!知ってる私も好きな本!タイトル確か“一度だけの恋”」

ジア
「それです!悲しいラブストーリーで夜通し泣きましたよ!」

ニコ店長
「でしょ!やっぱり感動するよね!」

ジア
「ですよね!でも何でペウはずっと顔出しNGなの?出したら話題になるのに注目の的ですよね?」

ニコ店長
「確かに!今まで顔出さなかった売れっ子作家が顔公開したら注目の的ね!」

その時ロム会長が出勤してきた

ロム会長
「2人ともおはよう!」

ジア
「あ!会長おはようございます!会長はこの本読みました?」

ジアがロム会長に本を見せた

ニコ店長
「なにを言ってるのかな?ジアちゃん!ロム会長が“恋愛本”読むわけないじゃない!」

ロム会長
「ああその本か昨日読んだよ!」

ニコ店長
「嘘!読んだんですか?」

ジア
「どうでした?やっぱり泣きますよね!」

ニコ店長
「泣かない人はいないわ」

ロム会長
「ふっ!」

ロム会長は馬鹿にした笑みを浮かべる

ニコ店長
「え?今笑いました?」

ニコ店長が不満な顔をする

ロム会長
「俺が?いや笑ってないよ!」

その時ロム会長の携帯に電話が鳴る

ロム会長
「会社の前にいるだと?今から?」

ロム会長は電話を切る

ニコ店長
「あの…前にも電話ありましたよね?同じ方ですか?女性とか?」
(誰?気になる)

ロム会長
「気になるか?ニコ店長お願いがあるんだが買い物してきてくれないか?頭を使うとカロリーを消費する」

ニコ店長
「はい!」

ジア
「あ!じゃ私が買いに行きます」

ロム会長
「イヤ!結構だ!ニコ店長に行ってもらう腹が減った」

ニコ店長
「それでしたら会長の好きな茶菓子がありますよ」

ロム会長
「いや、高級バーガー店で1番安い不人気な商品を2個と揚げたのアツアツポテトを2個買って来てくれ!」

ニコ店長
「え?え?」

ロム会長
「あ!飲み物はコーヒー2つ!ひとつはホットで!遅くなってもいい砂糖は4つ!ナプキンは7枚」

ニコ店長
「ちょっといきなりで…メモします」

ロム会長
「頼んだぞ!急いで!」

ニコ店長
「はい…分かりました行ってきます」

ロム会長
「エレベーター使うな階段を使って下りろ」

ニコ店長
「え?はいわかりました…」

ロム会長
「急ぐんだ!」

ニコ店長
「はい!行ってきます!」

ニコ店長は階段を使って下りる

ニコ店長
「どうして階段なのよ!急げならエレベーターでしょ!まさか私を遠ざけて私に知られたくないお客さんが来るのかしら?」

ニコ店長は階段を下りて出口に向かったちょうどその時ライがエレベーターに乗り込むライが向かった先はロム会長のオフィスだった
2人はすれ違う

【会長オフィス】
ライはネームプレートを見る

ライ
「なるほど“会長ロム・ヒ”すっかり見違えたあの幼い何もできない弟が」

ロム会長
「何しに来た?あの電話で挨拶はすんだはず」

ライ
「特に用はない出版社の帰りに立ち寄っただけだそうだ1冊やろうか?」

ロム会長
「ふん…お前が作家か?」

ライ
「もっとも恋愛小説には興味なんかないよな!お前も恋愛しろよ愛を知れば世の中が見えてくる」

ロム会長
「お前と違ってそんな暇はない」

ライ
「愛想がないな」

ロム会長
「帰ってくれご覧のとおり忙しい!」

ライ
「そうか?ずいぶん暇そうだぞ?まぁいいまた今度」

ロム会長
「…」

ライはロム会長のオフィスを出て行く
ライは出口に向かって歩いているとニコ店長が両手が塞がっていて扉を開けれずにジタバタしてるそれを見たライは扉を開けてくれた

ニコ店長
「ありがとうございます助かります」

ライ
「あれ?君は靴紐の子!」

ニコ店長
「あ!あの時の!」

ライ
「また会えるなんて」

ニコ店長
「そうですね!扉開けてくれてありがとう!では急ぐので失礼します」

ライ
「あ!待って!また会えたのも何かの縁、連絡先を聞いても?」

ニコ店長
「ごめんなさい急いでいるので」

ライ
「僕も急いでる連絡先をくれないと通さない」

ライは携帯を渡して番号を入力してと懇願する

ニコ店長
「はぁ…分かったこれでいい?」

ニコ店長は渋々番号を入力する
入力してる間ライはニコ店長の名札を見た

“FMKファミリーグループ店長ニコ”

ライ
「ニコちゃんって言うんですね!」

ニコ店長
「…では、失礼します」

ニコ店長はその場を急いで立ち去る

ライがニコ店長が入力した番号を見ると
”0-7777-7777“と書かれていた

ライ
「明らかに番号が嘘くさいハハ!」

ニコ店長
「しつこい人だった何で番号教えないといけないのよ馴れ馴れしい」

急いでエレベーターに乗り込みロム会長のオフィスに向かう

【ロム会長オフィス】

ニコ店長
「ただいま戻りましたコーヒーとハンバーガーです」

ロム会長
「食べない」

ニコ店長
「え?」
(出た会長のパワハラまぁいつもの事だけど)

ニコ店長
「でも買ってこいと…」

ロム会長
「気が変わった」

ニコ店長
「はい…分かりました…じゃジアちゃんといただいてもいいですか?」

ロム会長
「ああ!好きにしろ!」

ニコ店長は不機嫌にオフィスを出て行く

ニコ店長
「ジアちゃんハンバーガー買ってきたので会議の前に一緒に食べましょう!」

ジア
「え?私も会議に出るんですね!」

ニコ店長
「そうよ!当たり前じゃない新店舗はジアちゃんが店長になるんだからその為の会議よ!」

ジア
「はい!頑張ります!」

【ロム会長の実家】

ライ
「ただいま!」

お母様
「ライ!久しぶりね3年ぶりかしら海外はどうだった?ロムには会った?」

ライ
「はい…相変わらず嫌われてる」

お母様
「そんなことないわあの子は無愛想なだけよ」

ライ
「そうかな…まるで他人みたいな態度…家族と思ってない」

【ロム会長オフィス】

ニコ店長
「失礼しますロム会長呼びましたか?」

ロム会長
「ああ!ジアの引き継ぎは順調か?」

ニコ店長
「はい!今のところ順調です技術面も完璧です」

ロム会長
「そうか!さすがニコ店長だこの調子で頼む!新店舗オープンも間近だからな!それと今朝は悪かった今夜イタリア料理でも…」

ニコ店長
「いえ…まだまだジアちゃんに教えること沢山あって忙しいので」

ロム会長
「勘違いするな…夜食に会議費として注文しろ」

ニコ店長
「お気遣いありがとうございます」

ロム会長
「ご苦労さま」

ニコ店長
「あ!会長ネクタイが乱れてます私直します」
(ネクタイ朝からずっと気になってたロムさんらしくない)

ニコ店長はさりげなくサッとネクタイに手をかける
ニコ店長の顔が近いニコ店長は笑顔でネクタイを直す

ロム会長
「あ…大丈夫だ自分でやる…」

ニコ店長
「これでよし!完璧!」

その時ニコ店長の携帯が鳴る

ニコ店長
「失礼して電話を…」
(あれ?ロム会長のお母様から電話だ何で私に?)

ロム会長
「ああ!」

ニコ店長はオフィスを出て行く

ロム会長の心臓の鼓動が激しく動いていた

ロム会長
「もう歳か?いきなり脈が早いな…どうした?明日主治医に見てもらおう!心臓がおかしい…まさか俺がニコ店長に動揺してる?」

第十一話に続く














しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

【完結】俺のセフレが幼なじみなんですが?

おもち
恋愛
アプリで知り合った女の子。初対面の彼女は予想より断然可愛かった。事前に取り決めていたとおり、2人は恋愛NGの都合の良い関係(セフレ)になる。何回か関係を続け、ある日、彼女の家まで送ると……、その家は、見覚えのある家だった。 『え、ここ、幼馴染の家なんだけど……?』 ※他サイトでも投稿しています。2サイト計60万PV作品です。

幼なじみとセックスごっこを始めて、10年がたった。

スタジオ.T
青春
 幼なじみの鞠川春姫(まりかわはるひめ)は、学校内でも屈指の美少女だ。  そんな春姫と俺は、毎週水曜日にセックスごっこをする約束をしている。    ゆるいイチャラブ、そしてエッチなラブストーリー。

13歳女子は男友達のためヌードモデルになる

矢木羽研
青春
写真が趣味の男の子への「プレゼント」として、自らを被写体にする女の子の決意。「脱ぐ」までの過程の描写に力を入れました。裸体描写を含むのでR15にしましたが、性的な接触はありません。

[完結済み]男女比1対99の貞操観念が逆転した世界での日常が狂いまくっている件

森 拓也
キャラ文芸
俺、緒方 悟(おがた さとる)は意識を取り戻したら男女比1対99の貞操観念が逆転した世界にいた。そこでは男が稀少であり、何よりも尊重されていて、俺も例外ではなかった。 学校の中も、男子生徒が数人しかいないからまるで雰囲気が違う。廊下を歩いてても、女子たちの声だけが聞こえてくる。まるで別の世界みたいに。 そんな中でも俺の周りには優しいな女子たちがたくさんいる。特に、幼馴染の美羽はずっと俺のことを気にかけてくれているみたいで……

【ヤンデレ鬼ごっこ実況中】

階段
恋愛
ヤンデレ彼氏の鬼ごっこしながら、 屋敷(監禁場所)から脱出しようとする話 _________________________________ 【登場人物】 ・アオイ 昨日初彼氏ができた。 初デートの後、そのまま監禁される。 面食い。 ・ヒナタ アオイの彼氏。 お金持ちでイケメン。 アオイを自身の屋敷に監禁する。 ・カイト 泥棒。 ヒナタの屋敷に盗みに入るが脱出できなくなる。 アオイに協力する。 _________________________________ 【あらすじ】 彼氏との初デートを楽しんだアオイ。 彼氏に家まで送ってもらっていると急に眠気に襲われる。 目覚めると知らないベッドに横たわっており、手足を縛られていた。 色々あってヒタナに監禁された事を知り、隙を見て拘束を解いて部屋の外へ出ることに成功する。 だがそこは人里離れた大きな屋敷の最上階だった。 ヒタナから逃げ切るためには、まずこの屋敷から脱出しなければならない。 果たしてアオイはヤンデレから逃げ切ることができるのか!? _________________________________ 7話くらいで終わらせます。 短いです。 途中でR15くらいになるかもしれませんがわからないです。

処理中です...