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帝国ウィンドール⑩ 魔法使いティフネス
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イフィスフィナを助け出す!
と言っても俺なんかが勝てるはずがない…
俺が2人によって蘇ったのはわかったんだがなぜそもそもイフィスフィナとエリシアは魔王の討伐に?2人って少ないだろ?
「それとね…えーと……あのね………」
ティフネスは困った表情を見せる
「ん?何だ?それと?」
言いづらい事?何と分かりやすい表情だ…
「実は…魔王ビヌスはあなたの兄…」
「ぬぁにぃぃ?!何だそのとってつけたような話は!!もう知ってる事全部教えてくれ」
「うん…わかった…あれはエリシアとビヌスが生まれた頃イフィスフィナ様が…2人の…」
「イヤイヤちょっと待て生まれた頃ってそこまで遡らなくていい!!俺の兄ならなぜ魔王になったのかそこからでいいだろ!」
「そ…そうですね!はは!」
ティフネスは神妙な顔で話してくれた
「これはビヌスとエリシアそしてイフィスフィナ3人の話です」
※※※
かつてまだ魔物が存在しない平和だった時代帝国ウィンドール
ある日、ビヌスの魔法が暴走してしまいイフィスフィナの家族に重傷を負わせてしまった
「ビヌスもうやめて!」イフィスフィナが激昂しながら叫んだ。彼女の瞳には憎しみと同情が入り混じり、複雑な感情が渦巻いていた。
「うるさい!お前が悪い!
いつもいつもそうだ!俺ではなく才能のかけらのないこいつを選ぶ!王だってそうだ英雄は俺だ!勇者は俺なんだよ!なのに…」
ビヌスはエリシアの胸ぐらを掴んでいた
これ以上ビヌスの魔法が暴走してはいけないとエリシアが止めていた
「この手を離せ!ビヌス…もうやめろ……
気がすんだか?この国は平和だ!もう力なんて必要ない!」
エリシアが涙ぐみビヌスの腕を掴む
「ビヌスなんでこうなった?なぜ人を傷つける?」
「黙れ!力だ力が全てなんだ!力で解決できるんだよ!俺の言う事が全てなんだ!
あの戦争だってそうだ!お前は敵国の奴らを殺さずに捕虜として捕まえたバカか!敵は全て殺せ!!それが戦争だろ?」
「戦争はもう終わったんだ今更何を言う!
それにもう力なんて必要ない!平和になったんだ!なぜそこまで力を望む!」
ビヌスは幼少期から魔法の才能を持っていたが、その力を制御することができず、周囲に被害を与えてしまうことが何度もあった
それがとうとうイフィスフィナの家族にも影響してしまった
戦争とは帝国ウィンドールと王国レイムとの間で戦争が起きウィンドールが勝利を収めていた
その後帝国ウィンドールが王国レイムを統治した
戦争にもっとも貢献したのがビヌスだった
だがあまりにもビヌスの戦い方に批判もあったあまりにも残虐性に受け入れない民衆もいた
戦争だからと言って命乞いした兵士も戦争に参加してない王国の民衆を老若男女問わず殺しまくっていたのだ
ビヌスは苦悩の表情を浮かべながら力を抑えるために必死で耐えていた。
「はは…分かってる自分でも分かってるんだ…イフィスフィナ…エリシア…お前達が……
でも、僕はもう………」と口ごもったが、言葉が詰まる。
彼は自分の持つ魔法の力に恐れを感じながらも、その力を抑えることができないでいた。
「なぁ助けてくれ…聞こえるんだ…」
「ビヌス?何を言って…」
ビヌスは泣きながら叫んだ
「聞こえるんだよ!俺の頭の中で力でねじ伏せろと!思い通りになりたければ人間を襲えと!人間を!人間を!!人間を襲えって!!!」
「分かった俺がもう誰も傷つけさせない!
ビヌスも周りの人たちも!俺がなんとかするから落ち着け!」エリシアの声が響く
「ムカつく…それだ……それだよ………
勇者気取りか?…そうだよな!お前は英雄だ敵に情けをかけ殺さずに捕まえる!お前のその発言が俺をイライラさせる!お前如きに何ができる!!俺を止めるのか?殺すのか?
止めてみろよ!
じゃ“この声”を消してくれ!!なぁ俺を殺してくれよ!!」
ビヌスの殺気にエリシアとイフィスフィナはビヌスを恐れる
だが殺気に満ちたビヌスだったが急に電池が切れたようにその場で倒れ込んだ
「ビヌス?ビヌス!!しっかりしろ!」
心配そうに見つけるイフィスフィナ
「エリシア…ビヌスに何が起きているの?」
「分からない…昔はこんな非道な奴じゃなかったビヌスは僕が見ておく
それより早くイフィスフィナの家族の治療を母と弟を!」
それから
ビヌスはその数日後、忽然と姿を消した
「はぁはぁここだ!まだここにあるはず…
俺は強くなるもっと強くなるんだ!」
ビヌスは闇の力を手に入れるため、人類未踏の地と呼ばれる神秘的な場所へと向かう。
その場所は霧に包まれた森、岩場とても人が通れない場所だった
ビヌスが幼少時代に偶然見つけた場所だった
「確かこのあたりに…あれを全て飲み干せば」
ビヌスは幼少期の頃を思い出しながらある物を探していた
だがなかなか見つからない辺りはもう暗くなり夜になっていた
「あった…やっと見つけたこれだ!あの時と変わらない!」
ビヌスは真っ赤な石を見つけた
ビヌスがその真っ赤な石を握ると石から赤い水滴が落ちる
「これを飲めば“また”俺は強くなれる!
誰よりも強く!そうなれば誰もが俺を慕うに違いない!力を手に入れこの世界を支配するのは俺だ!でも俺は…本当に…」
ビヌスは自分の持つ魔法の力に恐れを感じていた
「俺はちゃんと抑える事ができるのか?また暴走したら…いや戻らなければ良い…
俺はもう帝国には戻らない!俺は俺自身の国を作る!」
その力を抑えることができず、自分が周囲に与える影響に苦しみながらも、孤独を感じていた
そしてビヌスは真っ赤な石から出る赤い水滴を飲んだ
「出た!!やはりこの場所じゃなきゃ出ないんだな!まだだもっと出ろ!」
ビヌスの体が光り輝く
「おお~力がみなぎる!素晴らしい!もっとだ!」
これ以上握っても水滴が落ちることは無かった
「くそ!また時間が経てば出るのか?それまで待てないここまで何年待ったと思ってる!
いやその前に誰かにこれが見つかってしまったら…」
以前この赤い石を持ち帰ったが何年経っても赤い液体は出なかった
この神秘的な場所が影響して出るらしい
ビヌスは何を思ったのかその赤い石を飲み込んでしまった
「はは!誰かに見つかる前に俺が食ってやる」
その時、ビヌスの体に異変が起きる
「ぐおっ!体が熱い…息が…できない……体から何かが……」
ビヌスの体から大きな黒い渦が飛び出てきた
「なんだ?これは…」
その場でビヌスは倒れ込んだ意識を失う
そしてビヌスが目が覚めると目の前には得体の知れないかつて見た事がない生物が立っていた
「お目覚めですか“魔王様”」
「魔王様?」
「私はハルピュイア!魔王様の憎しみや憎悪が具現化して生まれた魔物です!他にいますご紹介いたします私の同じ種族のハルピュイアです」
「私の名はロー!風魔法が得意です」
そこにいたのは同じ姿をした4体のハルピュイアだった違いは色
ハルピュイアは全身真っ白な綺麗な姿をしていたのに対しローは緑色をしていた
「魔王様!私はペテー身体強化魔法が得意です仲間の身体強化もできます!」
ペテーは鮮やかな虹色の身体をしていた
「私はイノー闇属性魔法が使えます!魔王様の過去の嫉妬や悪意が溢れ出て具現化され生まれてきたのです誰を殺しましょうか?憎きこの国を滅ぼしましょう!」
イノーはその漆黒の翼を大きく広げて空へと舞い上がる
「なんて美しい!漆黒の体エリシアだイノー!エリシアを殺せ!」
「かしこまりました!」
「だが待て!お前が殺しても俺の気分が晴れない自ら俺が殺してやる!それにだ帝国の騎士たちは強い!仲間を集めるぞ!お前たちの他に魔物はいるのか?」
「いえ!今の所魔王様の身体から生まれ出たのは私達だけです!」
「どうやって増やす?」
「魔王様の身体にある赤い魔石をこの森にいる動物に与えるのです」
「これ魔石って言うのか…」
「はい!かつての古代から続く人間族と魔物の争いに魔物が破れまた復活を願って初代魔王が作り上げた赤い魔石です!
これを使えば魔物はまた復活します!
1000年の時を得てあなた様が二代目魔王となるのです!私はこの時をずっと待っていました!」
「俺の中にあるこの魔石を使って…」
「魔王様の血を飲ませば良いのです!魔王様の血を与えればどんな生き物だって魔物に生まれ変わるのです!血を浴びた生物はやがて身体の中に赤い魔石が出来上がるのです」
「なるほど!じゃ人間が家畜にしていた豚に血を与えてみようじゃないか!豚はいっぱいいるからな!仲間を増やし帝国を滅ぼすぞ!そうだなイノシシにも血を与えよう!あらゆる動物たちに血を与える!」
ビヌスは人間が家畜にしている豚に血を与えた王国にいる家畜にも血を与えた
豚とイノシシはやがてオークとなり人間を襲った帝国と王国はまだ魔法に対して発展途上でありオークを倒すのに苦戦した
「死んだ人間を連れて来い!俺の血を与えてやる死んだ人間が血を与えたらどうなるか実験だ!」
それから新たな魔王ビヌスが魔王となり魔王国ネクロポリスが誕生した
※※※
「…」
「これが全ての始まりよ!魔物との第二次世界戦争よ」
「そんな嘘だろ……」
「その後ビヌスが生み出した死んだ人間が蘇りアンデットのせいで帝国国民と王国の国民の大半が犠牲になったわ…
イフィスフィナ様はビヌスを止めるべく大賢者になった…争いはずっと続いたまま…
全て話した!あなたはビヌスを止めないといけない責任がある!」
「俺が…できるわけ……」
くそ!なんで俺はこんな訳の分からない所に転生してしまったんだ…
村人Aの方がまだマシだ!はぁ…やるしかないのか……ん?待てよやるしかないって話にハルピュイア?が出てきたな
あ!ハルピュイア!!そうだよやるしかないんだよ!魔王を止める前にそのハルピュイアが俺を襲ってくる!帝国を襲ったんじゃないやはり俺が目当てだったんだ!早くここを離れないと!俺のせいで結界が破られる!俺がここにいなければ結界は破ってこないはず!ビヌスの目的は俺の命!
「まだ時間はある!ティフネス魔王国はどこにある!俺は帝国を離れる!魔王国を目指す!」
「魔王国は東にある山を超えた所よ!」
「分かった!行くよ!東だな!ティフネスはこの帝国を守ってくれ!」
俺はハルピュイアが襲ってくる前にこの帝国を離れた
と言っても俺なんかが勝てるはずがない…
俺が2人によって蘇ったのはわかったんだがなぜそもそもイフィスフィナとエリシアは魔王の討伐に?2人って少ないだろ?
「それとね…えーと……あのね………」
ティフネスは困った表情を見せる
「ん?何だ?それと?」
言いづらい事?何と分かりやすい表情だ…
「実は…魔王ビヌスはあなたの兄…」
「ぬぁにぃぃ?!何だそのとってつけたような話は!!もう知ってる事全部教えてくれ」
「うん…わかった…あれはエリシアとビヌスが生まれた頃イフィスフィナ様が…2人の…」
「イヤイヤちょっと待て生まれた頃ってそこまで遡らなくていい!!俺の兄ならなぜ魔王になったのかそこからでいいだろ!」
「そ…そうですね!はは!」
ティフネスは神妙な顔で話してくれた
「これはビヌスとエリシアそしてイフィスフィナ3人の話です」
※※※
かつてまだ魔物が存在しない平和だった時代帝国ウィンドール
ある日、ビヌスの魔法が暴走してしまいイフィスフィナの家族に重傷を負わせてしまった
「ビヌスもうやめて!」イフィスフィナが激昂しながら叫んだ。彼女の瞳には憎しみと同情が入り混じり、複雑な感情が渦巻いていた。
「うるさい!お前が悪い!
いつもいつもそうだ!俺ではなく才能のかけらのないこいつを選ぶ!王だってそうだ英雄は俺だ!勇者は俺なんだよ!なのに…」
ビヌスはエリシアの胸ぐらを掴んでいた
これ以上ビヌスの魔法が暴走してはいけないとエリシアが止めていた
「この手を離せ!ビヌス…もうやめろ……
気がすんだか?この国は平和だ!もう力なんて必要ない!」
エリシアが涙ぐみビヌスの腕を掴む
「ビヌスなんでこうなった?なぜ人を傷つける?」
「黙れ!力だ力が全てなんだ!力で解決できるんだよ!俺の言う事が全てなんだ!
あの戦争だってそうだ!お前は敵国の奴らを殺さずに捕虜として捕まえたバカか!敵は全て殺せ!!それが戦争だろ?」
「戦争はもう終わったんだ今更何を言う!
それにもう力なんて必要ない!平和になったんだ!なぜそこまで力を望む!」
ビヌスは幼少期から魔法の才能を持っていたが、その力を制御することができず、周囲に被害を与えてしまうことが何度もあった
それがとうとうイフィスフィナの家族にも影響してしまった
戦争とは帝国ウィンドールと王国レイムとの間で戦争が起きウィンドールが勝利を収めていた
その後帝国ウィンドールが王国レイムを統治した
戦争にもっとも貢献したのがビヌスだった
だがあまりにもビヌスの戦い方に批判もあったあまりにも残虐性に受け入れない民衆もいた
戦争だからと言って命乞いした兵士も戦争に参加してない王国の民衆を老若男女問わず殺しまくっていたのだ
ビヌスは苦悩の表情を浮かべながら力を抑えるために必死で耐えていた。
「はは…分かってる自分でも分かってるんだ…イフィスフィナ…エリシア…お前達が……
でも、僕はもう………」と口ごもったが、言葉が詰まる。
彼は自分の持つ魔法の力に恐れを感じながらも、その力を抑えることができないでいた。
「なぁ助けてくれ…聞こえるんだ…」
「ビヌス?何を言って…」
ビヌスは泣きながら叫んだ
「聞こえるんだよ!俺の頭の中で力でねじ伏せろと!思い通りになりたければ人間を襲えと!人間を!人間を!!人間を襲えって!!!」
「分かった俺がもう誰も傷つけさせない!
ビヌスも周りの人たちも!俺がなんとかするから落ち着け!」エリシアの声が響く
「ムカつく…それだ……それだよ………
勇者気取りか?…そうだよな!お前は英雄だ敵に情けをかけ殺さずに捕まえる!お前のその発言が俺をイライラさせる!お前如きに何ができる!!俺を止めるのか?殺すのか?
止めてみろよ!
じゃ“この声”を消してくれ!!なぁ俺を殺してくれよ!!」
ビヌスの殺気にエリシアとイフィスフィナはビヌスを恐れる
だが殺気に満ちたビヌスだったが急に電池が切れたようにその場で倒れ込んだ
「ビヌス?ビヌス!!しっかりしろ!」
心配そうに見つけるイフィスフィナ
「エリシア…ビヌスに何が起きているの?」
「分からない…昔はこんな非道な奴じゃなかったビヌスは僕が見ておく
それより早くイフィスフィナの家族の治療を母と弟を!」
それから
ビヌスはその数日後、忽然と姿を消した
「はぁはぁここだ!まだここにあるはず…
俺は強くなるもっと強くなるんだ!」
ビヌスは闇の力を手に入れるため、人類未踏の地と呼ばれる神秘的な場所へと向かう。
その場所は霧に包まれた森、岩場とても人が通れない場所だった
ビヌスが幼少時代に偶然見つけた場所だった
「確かこのあたりに…あれを全て飲み干せば」
ビヌスは幼少期の頃を思い出しながらある物を探していた
だがなかなか見つからない辺りはもう暗くなり夜になっていた
「あった…やっと見つけたこれだ!あの時と変わらない!」
ビヌスは真っ赤な石を見つけた
ビヌスがその真っ赤な石を握ると石から赤い水滴が落ちる
「これを飲めば“また”俺は強くなれる!
誰よりも強く!そうなれば誰もが俺を慕うに違いない!力を手に入れこの世界を支配するのは俺だ!でも俺は…本当に…」
ビヌスは自分の持つ魔法の力に恐れを感じていた
「俺はちゃんと抑える事ができるのか?また暴走したら…いや戻らなければ良い…
俺はもう帝国には戻らない!俺は俺自身の国を作る!」
その力を抑えることができず、自分が周囲に与える影響に苦しみながらも、孤独を感じていた
そしてビヌスは真っ赤な石から出る赤い水滴を飲んだ
「出た!!やはりこの場所じゃなきゃ出ないんだな!まだだもっと出ろ!」
ビヌスの体が光り輝く
「おお~力がみなぎる!素晴らしい!もっとだ!」
これ以上握っても水滴が落ちることは無かった
「くそ!また時間が経てば出るのか?それまで待てないここまで何年待ったと思ってる!
いやその前に誰かにこれが見つかってしまったら…」
以前この赤い石を持ち帰ったが何年経っても赤い液体は出なかった
この神秘的な場所が影響して出るらしい
ビヌスは何を思ったのかその赤い石を飲み込んでしまった
「はは!誰かに見つかる前に俺が食ってやる」
その時、ビヌスの体に異変が起きる
「ぐおっ!体が熱い…息が…できない……体から何かが……」
ビヌスの体から大きな黒い渦が飛び出てきた
「なんだ?これは…」
その場でビヌスは倒れ込んだ意識を失う
そしてビヌスが目が覚めると目の前には得体の知れないかつて見た事がない生物が立っていた
「お目覚めですか“魔王様”」
「魔王様?」
「私はハルピュイア!魔王様の憎しみや憎悪が具現化して生まれた魔物です!他にいますご紹介いたします私の同じ種族のハルピュイアです」
「私の名はロー!風魔法が得意です」
そこにいたのは同じ姿をした4体のハルピュイアだった違いは色
ハルピュイアは全身真っ白な綺麗な姿をしていたのに対しローは緑色をしていた
「魔王様!私はペテー身体強化魔法が得意です仲間の身体強化もできます!」
ペテーは鮮やかな虹色の身体をしていた
「私はイノー闇属性魔法が使えます!魔王様の過去の嫉妬や悪意が溢れ出て具現化され生まれてきたのです誰を殺しましょうか?憎きこの国を滅ぼしましょう!」
イノーはその漆黒の翼を大きく広げて空へと舞い上がる
「なんて美しい!漆黒の体エリシアだイノー!エリシアを殺せ!」
「かしこまりました!」
「だが待て!お前が殺しても俺の気分が晴れない自ら俺が殺してやる!それにだ帝国の騎士たちは強い!仲間を集めるぞ!お前たちの他に魔物はいるのか?」
「いえ!今の所魔王様の身体から生まれ出たのは私達だけです!」
「どうやって増やす?」
「魔王様の身体にある赤い魔石をこの森にいる動物に与えるのです」
「これ魔石って言うのか…」
「はい!かつての古代から続く人間族と魔物の争いに魔物が破れまた復活を願って初代魔王が作り上げた赤い魔石です!
これを使えば魔物はまた復活します!
1000年の時を得てあなた様が二代目魔王となるのです!私はこの時をずっと待っていました!」
「俺の中にあるこの魔石を使って…」
「魔王様の血を飲ませば良いのです!魔王様の血を与えればどんな生き物だって魔物に生まれ変わるのです!血を浴びた生物はやがて身体の中に赤い魔石が出来上がるのです」
「なるほど!じゃ人間が家畜にしていた豚に血を与えてみようじゃないか!豚はいっぱいいるからな!仲間を増やし帝国を滅ぼすぞ!そうだなイノシシにも血を与えよう!あらゆる動物たちに血を与える!」
ビヌスは人間が家畜にしている豚に血を与えた王国にいる家畜にも血を与えた
豚とイノシシはやがてオークとなり人間を襲った帝国と王国はまだ魔法に対して発展途上でありオークを倒すのに苦戦した
「死んだ人間を連れて来い!俺の血を与えてやる死んだ人間が血を与えたらどうなるか実験だ!」
それから新たな魔王ビヌスが魔王となり魔王国ネクロポリスが誕生した
※※※
「…」
「これが全ての始まりよ!魔物との第二次世界戦争よ」
「そんな嘘だろ……」
「その後ビヌスが生み出した死んだ人間が蘇りアンデットのせいで帝国国民と王国の国民の大半が犠牲になったわ…
イフィスフィナ様はビヌスを止めるべく大賢者になった…争いはずっと続いたまま…
全て話した!あなたはビヌスを止めないといけない責任がある!」
「俺が…できるわけ……」
くそ!なんで俺はこんな訳の分からない所に転生してしまったんだ…
村人Aの方がまだマシだ!はぁ…やるしかないのか……ん?待てよやるしかないって話にハルピュイア?が出てきたな
あ!ハルピュイア!!そうだよやるしかないんだよ!魔王を止める前にそのハルピュイアが俺を襲ってくる!帝国を襲ったんじゃないやはり俺が目当てだったんだ!早くここを離れないと!俺のせいで結界が破られる!俺がここにいなければ結界は破ってこないはず!ビヌスの目的は俺の命!
「まだ時間はある!ティフネス魔王国はどこにある!俺は帝国を離れる!魔王国を目指す!」
「魔王国は東にある山を超えた所よ!」
「分かった!行くよ!東だな!ティフネスはこの帝国を守ってくれ!」
俺はハルピュイアが襲ってくる前にこの帝国を離れた
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