上 下
37 / 45

37話

しおりを挟む
勇者様の死から私はパナケアがもう立ち直っているものと思っていた。
前を向いて歩いていると思っていた。
それは違っていたのかもしれない。
まだパナケアは子供、唯一癒しの女神として助けれなかった勇者様の死を…あんな姿を…目の当たりにしたら…辛い事…させてしまった…パナケアにトラウマを作ってしまった…ごめん私がもっと…
それに今何が起きているの?何が起きた?
闇魔法:漆黒の月はすごいな…意識が飛びそうだ…そろそろやばい…
ディナの声もパナケアの声も聞こえなくなってきた…声も出しづらく…パナケアはどうなったの?助けなきゃ私が!

「つうぅ痛っ!何やってるんですかぁ?
フォルス様であろう方がぁ!しっかりしてください!」

「メルス様!良かったです!間に合って!
フォルス様!メルス様が止めてくれました」

「……………………?」

「フォルス様?フォルス様!!」

「……何が…あった……………?」

「え?だからメルス様がパナケア様が自害するところを助けて…聞こえて無いのですか?」

「あ?だれだ?テメぇ?パナケア死にたいの!おにぃちゃんの所行くの!」

「え?あなたパナケアちゃん?」

「メルス様!フォルス様の様子が変です」

「フォルス様に何があったの?」

「そいつはもう終いだ漆黒の月は盲目になり耳は聞こえない!後に声も出せなくなる!
意識も失い後は死を待つのみ全てが無になる!まだ意識を保ってるなんてすごいな!
メルスと言ったな貴様が来ても状況は変わらんよ!あははっあはっ………
お、お姉ちゃんごめんなさい…ごめんなさい私…私…お姉ちゃん!?今助けるから!」

「パナケア様?正気が戻って?」

「助ける…うるさい!黙れ黙れ!ガキが黙ってろ」

「パナケア様戻ってきて下さい」

“ドシュ”

「え?フォルス様何してるんですか?なんで自分を刺して」

「あ…安心…し……お前のま…魔法で…死ぬわけない……………………今助けるから…
降神術:私の体に…やどれ」

”ぴかーーーーーーーーーーーーーーーーん“

「ふぅ!まさか俺がまたこの世界に戻ってくるとはな!久しぶり!パナケア!」

「え?勇者おにぃちゃん?生きてたの?うぐっ頭が痛い…近づくな!くるな!」

「いやごめんな死んでしまってあの日パナケアにはちゃんとお別れ言ってなかったな」

「ディナ様これはフォルス様の魔法なのでしょうか?」

「分からないわたくしこんな魔法初めて見ました
あの方が勇者様?」

「おにぃちゃん~ううううえぇぇぇん
会いたかったちゃんと助けれなかった」

「パナケア様の正気が元に戻った!」

「おいおい飛びつくなよ!照れるだろ!
なんだ?助けれなかった事そんな事ずっと気にしてたのか?
気にすんな!パナケアはよくやった!」

「でも…」

「俺がちゃんと見守ってやるから!安心しろ!」

「うん!」

「あ!こら!これは俺しか使えない聖剣だぞ!パナケアが持ってちゃダメだろ!危険すぎる!まぁ俺も扱えなかったが…ハハ!」

「ごめんなさい…おにぃちゃんの形見だからこれでおにぃちゃんの仇を取りたかったの」

「そうか!パナケアはやっぱり優しいなじゃその聖剣で魔王を倒してくれるか?」

「うん!頑張る!」

「じゃパナケアに勇者の加護を与えるよ!」

”ぽぁーーーーーーーーーーーーーーーん“

「おにぃちゃん恥ずかしいよぎゅっとしないで」

「これでよし!これで聖剣も暴走しないよ!」

「暴走?」

「気づいて無かったのか?
フォルスのやつ黙ってたのか!
それとまだ間に合う騎士団達の微かに息はまだあるからみんな助けてくれるか?」

「うん!助ける!
治癒魔法:エリアヒール!」

「うぉデケェ魔法陣!やっぱりすごいなパナケアの治癒魔法は
ありがとなそろそろお別れだ!」

「ヤダ!行かないで!ううっ」

「泣くな言ったろ?大丈夫!これからもずっとそばで見守ってるよ!」

「うん!もう泣かない!」

「メルス様!メルス様の胸の傷も治っておられます」

「これはすごいわね…もう傷が塞がってる」

「おにぃちゃんが消えた…」

「パナケアちゃんお帰り!」

「フォルスお姉ちゃん!」

「お帰りなさいませパナケア様!」

「ディナお姉ちゃんもいたのね!
ただいま!」

「パナケア様!助かって良かった!」

「え?誰?」

「もう!騎士団の副隊長よ昨日話したじゃない」

「そうだっけ?」

「あははっ!」

「ふふふ!」

「もう!」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

訳ありヒロインは、前世が悪役令嬢だった。王妃教育を終了していた私は皆に認められる存在に。でも復讐はするわよ?

naturalsoft
恋愛
私の前世は公爵令嬢であり、王太子殿下の婚約者だった。しかし、光魔法の使える男爵令嬢に汚名を着せられて、婚約破棄された挙げ句、処刑された。 私は最後の瞬間に一族の秘術を使い過去に戻る事に成功した。 しかし、イレギュラーが起きた。 何故か宿敵である男爵令嬢として過去に戻ってしまっていたのだ。

巻き込まれ召喚・途中下車~幼女神の加護でチート?

サクラ近衛将監
ファンタジー
商社勤務の社会人一年生リューマが、偶然、勇者候補のヤンキーな連中の近くに居たことから、一緒に巻き込まれて異世界へ強制的に召喚された。万が一そのまま召喚されれば勇者候補ではないために何の力も与えられず悲惨な結末を迎える恐れが多分にあったのだが、その召喚に気づいた被召喚側世界(地球)の神様と召喚側世界(異世界)の神様である幼女神のお陰で助けられて、一旦狭間の世界に留め置かれ、改めて幼女神の加護等を貰ってから、異世界ではあるものの召喚場所とは異なる場所に無事に転移を果たすことができた。リューマは、幼女神の加護と付与された能力のおかげでチートな成長が促され、紆余曲折はありながらも異世界生活を満喫するために生きて行くことになる。 *この作品は「カクヨム」様にも投稿しています。 **週1(土曜日午後9時)の投稿を予定しています。**

断る――――前にもそう言ったはずだ

鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」  結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。  周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。  けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。  他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。 (わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)  そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。  ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。  そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

婚約者の浮気現場に踏み込んでみたら、大変なことになった。

和泉鷹央
恋愛
 アイリスは国母候補として長年にわたる教育を受けてきた、王太子アズライルの許嫁。  自分を正室として考えてくれるなら、十歳年上の殿下の浮気にも目を瞑ろう。  だって、殿下にはすでに非公式ながら側妃ダイアナがいるのだし。  しかし、素知らぬふりをして見逃せるのも、結婚式前夜までだった。  結婚式前夜には互いに床を共にするという習慣があるのに――彼は深夜になっても戻ってこない。  炎の女神の司祭という側面を持つアイリスの怒りが、静かに爆発する‥‥‥  2021年9月2日。  完結しました。  応援、ありがとうございます。  他の投稿サイトにも掲載しています。

こじらせ中年の深夜の異世界転生飯テロ探訪記

陰陽@2作品コミカライズと書籍化準備中
ファンタジー
※コミカライズ進行中。 なんか気が付いたら目の前に神様がいた。 異世界に転生させる相手を間違えたらしい。 元の世界に戻れないと謝罪を受けたが、 代わりにどんなものでも手に入るスキルと、 どんな食材かを理解するスキルと、 まだ見ぬレシピを知るスキルの、 3つの力を付与された。 うまい飯さえ食えればそれでいい。 なんか世界の危機らしいが、俺には関係ない。 今日も楽しくぼっち飯。 ──の筈が、飯にありつこうとする奴らが集まってきて、なんだか騒がしい。 やかましい。 食わせてやるから、黙って俺の飯を食え。 貰った体が、どうやら勇者様に与える筈のものだったことが分かってきたが、俺には戦う能力なんてないし、そのつもりもない。 前世同様、野菜を育てて、たまに狩猟をして、釣りを楽しんでのんびり暮らす。 最近は精霊の子株を我が子として、親バカ育児奮闘中。 更新頻度……深夜に突然うまいものが食いたくなったら。

駆け落ちした姉に代わって、悪辣公爵のもとへ嫁ぎましたところ 〜えっ?姉が帰ってきた?こっちは幸せに暮らしているので、お構いなく!〜

あーもんど
恋愛
『私は恋に生きるから、探さないでそっとしておいてほしい』 という置き手紙を残して、駆け落ちした姉のクラリス。 それにより、主人公のレイチェルは姉の婚約者────“悪辣公爵”と呼ばれるヘレスと結婚することに。 そうして、始まった新婚生活はやはり前途多難で……。 まず、夫が会いに来ない。 次に、使用人が仕事をしてくれない。 なので、レイチェル自ら家事などをしないといけず……とても大変。 でも────自由気ままに一人で過ごせる生活は、案外悪くなく……? そんな時、夫が現れて使用人達の職務放棄を知る。 すると、まさかの大激怒!? あっという間に使用人達を懲らしめ、それからはレイチェルとの時間も持つように。 ────もっと残忍で冷酷な方かと思ったけど、結構優しいわね。 と夫を見直すようになった頃、姉が帰ってきて……? 善意の押し付けとでも言うべきか、「あんな男とは、離婚しなさい!」と迫ってきた。 ────いやいや!こっちは幸せに暮らしているので、放っておいてください! ◆本編完結◆ ◆小説家になろう様でも、公開中◆

(完)妹の子供を養女にしたら・・・・・・

青空一夏
恋愛
私はダーシー・オークリー女伯爵。愛する夫との間に子供はいない。なんとかできるように努力はしてきたがどうやら私の身体に原因があるようだった。 「養女を迎えようと思うわ・・・・・・」 私の言葉に夫は私の妹のアイリスのお腹の子どもがいいと言う。私達はその産まれてきた子供を養女に迎えたが・・・・・・ 異世界中世ヨーロッパ風のゆるふわ設定。ざまぁ。魔獣がいる世界。

異世界でゆるゆる生活を満喫す 

葉月ゆな
ファンタジー
辺境伯家の三男坊。数か月前の高熱で前世は日本人だったこと、社会人でブラック企業に勤めていたことを思い出す。どうして亡くなったのかは記憶にない。ただもう前世のように働いて働いて夢も希望もなかった日々は送らない。 もふもふと魔法の世界で楽しく生きる、この生活を絶対死守するのだと誓っている。 家族に助けられ、面倒ごとは優秀な他人に任せる主人公。でも頼られるといやとはいえない。 ざまぁや成り上がりはなく、思いつくままに好きに行動する日常生活ゆるゆるファンタジーライフのご都合主義です。

処理中です...