アンナとハンナ

ムロヒ

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第十五話

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アミとジュンとケンカしたまま翌日朝を迎えた

アンナ「朝の顔もかわいい!」

アンナの愛車ランボルギーニが置いてある駐車場に行くとアンナの車に近所の人たちが群がっていた

アンナ「何か用ですか?」

愛車のボンネットに“やっと見つけたお前はニセモノだ”と書かれていた
周りの人はアンナを見ている

アンナ「え?えーと…この車ニセモノなの?」

近所の人「……」

その時はちょっとしたファンのイタズラだろうって気にしていなかった
それから数日間アンナは歌番組に出るたびに知名度も上がり世間はアンナのカリスマ性に注目の的になって大成功した
ところがアンナが注目を浴びるたびにアンナの家の壁やアンナのポスターに“お前はニセモノ”と落書きをされた、事務所にも”お前はニセモノ“と書かれた
手紙が何通も送られてきた

ジュン「またか…ジュリ気にすることない」

アンナ「わかってる…」

ジュン「ジュリの成功に今日は飲もう」

アンナ「打ち上げですか?」

ジュン「ああ俺の家で2人で飲もう」

アンナ「ふ、2人で?」

ジュン「嫌か?」

アンナ「いえ是非」

その日の夜はジュンと2人で飲みまくった
数時間後

アンナ「酔っちゃった…」

ジュン「…」

アンナのスカートが太ももまでめくりあげっていた今まで全くスカートを履かないので無防備になる
ジュンの目線はアンナの細長い綺麗な足に見惚れする
アンナはジュンの目線に気づき足を隠す

アンナ「…」

ジュン「…」

アンナ「変なムードになちゃった…」

ジュンが近づいてくる
ジュンはアンナの唇を触りキスをした

アンナ「…」

それからジュンは胸を触る

アンナ「…」
(あっ!豊胸したのバレる…)

咄嗟にジュンの腕を掴む

アンナ「ここはちょっと…」

ジュン「うん?」

ジュンは再びキスをした

そしてジュンはアンナのお尻を触り始める

アンナ「!」
(やばいガッツリお尻を触ってきた形が崩れる)

ジュン「…」

アンナ「ここもちょっと…ダメ…」

ジュンはアンナの拒否に冷めてしまった
良い雰囲気が気まずい空気になってしまった

アンナ「あの…気分を変えて一曲歌いましょうか?」

ジュン「仕事をしたいのか?」

アンナ「わかった…じゃシャワー浴びてから」

そう言うとアンナは服を脱ぎ始めた

ジュン「おいおいここで服脱ぐのか?」

そう言うとジュンはアンナの腰にあるタトゥーを目にする
それは1年前、アミが一緒に入れたタトゥー
1年前アミにアンナと同じものを腰に入れたとアミがジュンに万が一の為身元が分かるようにタトゥーを見せていたそれがジュリの腰にも入っている

ジュン「…」

ジュンはそれをみた途端無言で部屋を出て行く

アンナ「え?どうしたの?ちょっと待って」

ジュンはレーコーデングの部屋にいた

ジュン「確かアミのタトゥーの写真があったはずアンナを探すきっかけになると思い撮ったやつ!あった!これだやっぱりアミと一緒の所に同じタトゥー!偶然か?」

アンナは何も知らなかった1年前にジュンがまさかアミのタトゥーを見ていたことに
ジュンはアンナが言っていた言葉を振り返っていた



”整形した女性はどう思いますか?綺麗になりたいって気持ちは悪くないと思うんです“

““好き”って言えない気持ちがあなたにはわかるの?”



ジュン「まさか?そんな嘘だろ…」

ジュンは太っていた頃のアンナのビデオを見ていた
その時アンナが入ってくる

アンナ「あの~どうしましたか?さっきの続きは?」

ジュンはアンナを見るなり後退りをする

ジュン「さっきの続きは無かったことに…悪い」

アンナ「え?」

ジュン「まだここにいるつもりか?」

アンナ「…急にどうしたの?それに何で避けるの?」

ジュン「明日は早い明日から全国ツアーが始まる帰って休め」

アンナ「でも…」

ジュン「何も言うな」

アンナ「…」

ジュン「もういいアンナ!」

アンナ「え?今なんて言ったの?」

ジュン「アンナだろ?心配するな誰も知らないアミと俺と君!3人だけの秘密だ」

アンナ「…」

ジュン「俺も騙された」

アンナ「いつ?いつ気づいたの?」

ジュン「関係ないだろ?君は今ジュリだ明日は初のコンサートだからこの話は終わりだ」

アンナ「どうして…」

ジュン「俺は君にチャンスを与えただけだ」

アンナ「そんな言い方…結局私は”商品“だったの?”売る価値のないアンナ“”売りやすいジュリ“そうでしょ?」

ジュン「…」

アンナは涙ぐむ

アンナ「黙っていたのはごめんなさい…でもジュンさんを騙してると思うとつらかったでももうその必要はなかったみたいね…」

アンナは泣いてしまう

ジュン「…もういい」

アンナ「さっきまでキスしたり胸を触ってお尻も触ったりしたのに…今は近づくと離れるし全身整形した私を汚くて怖いっと思った?」

ジュン「やめろ!もういい!泣くな」

アンナ「だから避けるのね!」

ジュン「そんなに泣くと声に影響が出る」

アンナ「そうね舞台に出るわ頑張る、でもこれはもう要らないわよね?」

そう言うと“醜い頃のアンナ”が映っているテレビを倒したそしてビデオテープも取り出し地面に叩きつけるアンナと書かれたファイル、昔のアンナとジュンが写っている写真、ジュンにプレゼントした物まで昔のアンナとジュンとの思い出を次々と壊していく
アンナは泣きながら壊したその時に指を切ってしまう

アンナ「痛っ!」

ジュンが駆け寄る

ジュン「見せて!包帯しないと」

アンナ「大袈裟ね大丈夫よ痛くないわ“作り物”だしこれくらいなんでもないあの時骨を削って肉も切ったんだから平気よ」

アンナはさらに泣く

ジュン「…」

アンナ「あ、あの時手術台の上で誰の顔が浮かんだと思う?」

ジュン「…」

アンナ「初めて感じたわ手術の時より痛いこれがきっと“心の痛み”ね」

ジュンは無言で包帯を巻こうとする
それをアンナは払い除ける

アンナ「傷ついた心の傷はもう治せないわ」

そう言うとアンナは部屋を出て行った

第十六話に続く

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