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異世界との邂逅
ラナと紗耶香 1
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沙織たち退魔士の一族は、時代の波に翻弄されてきた存在でもあった、ある時は人々を守ってくれる守護者として崇められ、またある時は異端とされて迫害を受けてきたのだ。
それだけに、彼らは同族意識が強くて基本的には血族や同業者同士で固まって住んでいた、現に沙織の中島家から半径500メートル圏内にはその手の家が26件もあって、それぞれに連絡を取り合っていたのだ。
そのうちの一つに一条家があったがここの三女である“一条 紗耶香”は沙織と同い年ながらも非常にストイックな少女で暇さえあれば鍛錬に打ち込んでいた。
同年代の戦士たちよりも頭一つ抜きん出た実力を誇っていた彼女は10歳頃までには独り立ちの認可を与えられて、人々に仇なす妖魔との戦いに人知れず身を投じて来たのだった。
そんな紗耶香はア-シェの事を知っていた、沙織の紹介で知り合った二人は性格や思考が似ていたこともあってすぐに打ち解け、沙織を交えて時々、三人で遊ぶようになっていった。
ちなみに。
そんな紗耶香もオナニーは知っていたし、また沙織と同様に百合っ気があった、だからなんとなく、沙織とアーシェの関係にも気が付いてはいたものの、だからと言って“自分も混ぜろ”とは彼女は言わなかった、さすがに恥ずかしかったのと、二人のお邪魔虫になりたくはなかったためだ。
それに彼女は、あくまでパートナーは一人に一人であるべきだ、との考えがあった、たった一人でいいから、お互いにもう戻れないところにまでイキ尽してしまいたい、グチョグチョになるまでやり合ってみたい、と言う密かな、それでいてかなり危ない性癖を隠し持っていたのである。
「アーシェのいる世界に、行ってみたいな」
「へええ。じゃあ連れて行ってあげようか?」
それに体を鍛えることも嫌いじゃなかった紗耶香は常々、ほんのわずかな時間で一ヶ月とか一年とかを過ごせる世界があったいいな、と思っていた、そうすれば誰にも邪魔されずに自分のやりたいように思い切り鍛錬に打ち込めるのに、と。
ある時、ふとしたことからその話題をアーシェにしてみたところ、彼女の使う転移魔法にはその性質があって、調整をすれば時間軸も跳躍することが出来る、と言う事を知った。
「つまり、向こうで三ヶ月くらい過ごした後で、出発してから一時間くらい後の時間軸に帰ってくればいいわけ」
「すごい!!」
その言葉に、紗耶香は思わず目を輝かせた、夢中でアーシェに“連れて行ってくれ”と頼み込み、土下座までしてしまう。
「ち、ちょっとやめてよ。止めてったら!!」
あまりの事にあっけにとられていたアーシェだったがすぐに紗耶香を押し止めると、“わかった”と言い、“ただし安全は保障しないよ”と続けた。
「向こうはこっちとは違うよ?本当に命を落とすことになるかも知れない、それでもいいの?」
「構わないさ、むしろそうでなければ修業の意味なんてないじゃないか!!」
何度か静止を試みるモノの、それでも“行きたい”と願う紗耶香の思いに、さすがのアーシェも根負けした、“それならば”と言って簡単なレクチャーといくつかの注意事項、そして万が一の時のためのマジックアイテム数点を持たせた後で、アーシェはそのまま紗耶香を連れて転移魔法を発動させた。
向かう先は異世界“ノ-ヴァ・テーラ”、期限は三か月間。
遥かな南方、赤道付近に広がる大森林で、紗耶香の過酷な日々が始まろうとしていた・・・。
それだけに、彼らは同族意識が強くて基本的には血族や同業者同士で固まって住んでいた、現に沙織の中島家から半径500メートル圏内にはその手の家が26件もあって、それぞれに連絡を取り合っていたのだ。
そのうちの一つに一条家があったがここの三女である“一条 紗耶香”は沙織と同い年ながらも非常にストイックな少女で暇さえあれば鍛錬に打ち込んでいた。
同年代の戦士たちよりも頭一つ抜きん出た実力を誇っていた彼女は10歳頃までには独り立ちの認可を与えられて、人々に仇なす妖魔との戦いに人知れず身を投じて来たのだった。
そんな紗耶香はア-シェの事を知っていた、沙織の紹介で知り合った二人は性格や思考が似ていたこともあってすぐに打ち解け、沙織を交えて時々、三人で遊ぶようになっていった。
ちなみに。
そんな紗耶香もオナニーは知っていたし、また沙織と同様に百合っ気があった、だからなんとなく、沙織とアーシェの関係にも気が付いてはいたものの、だからと言って“自分も混ぜろ”とは彼女は言わなかった、さすがに恥ずかしかったのと、二人のお邪魔虫になりたくはなかったためだ。
それに彼女は、あくまでパートナーは一人に一人であるべきだ、との考えがあった、たった一人でいいから、お互いにもう戻れないところにまでイキ尽してしまいたい、グチョグチョになるまでやり合ってみたい、と言う密かな、それでいてかなり危ない性癖を隠し持っていたのである。
「アーシェのいる世界に、行ってみたいな」
「へええ。じゃあ連れて行ってあげようか?」
それに体を鍛えることも嫌いじゃなかった紗耶香は常々、ほんのわずかな時間で一ヶ月とか一年とかを過ごせる世界があったいいな、と思っていた、そうすれば誰にも邪魔されずに自分のやりたいように思い切り鍛錬に打ち込めるのに、と。
ある時、ふとしたことからその話題をアーシェにしてみたところ、彼女の使う転移魔法にはその性質があって、調整をすれば時間軸も跳躍することが出来る、と言う事を知った。
「つまり、向こうで三ヶ月くらい過ごした後で、出発してから一時間くらい後の時間軸に帰ってくればいいわけ」
「すごい!!」
その言葉に、紗耶香は思わず目を輝かせた、夢中でアーシェに“連れて行ってくれ”と頼み込み、土下座までしてしまう。
「ち、ちょっとやめてよ。止めてったら!!」
あまりの事にあっけにとられていたアーシェだったがすぐに紗耶香を押し止めると、“わかった”と言い、“ただし安全は保障しないよ”と続けた。
「向こうはこっちとは違うよ?本当に命を落とすことになるかも知れない、それでもいいの?」
「構わないさ、むしろそうでなければ修業の意味なんてないじゃないか!!」
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向かう先は異世界“ノ-ヴァ・テーラ”、期限は三か月間。
遥かな南方、赤道付近に広がる大森林で、紗耶香の過酷な日々が始まろうとしていた・・・。
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