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1学年 後期
第59話
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「オッス!」
「おぉ……!」
「日に焼けてんな!」
夏休みが終わった9月後半、学園に登校した伸は久々に石塚と吉井を目にした。
了と2人が話している所へ行き、伸が軽く声をかけると、石塚と吉井は伸の姿を見て懐かしそうに話しかけてきた。
結局、夏休み中会えたのは、魔物を退治してちょっとした有名人になった了だけだった。
伸の夏休みは、柊家と地元の花紡州魔闘組合支部の仕事を手伝うことに終始していた。
はっきり言って、去年とあまり変わりない日々だったように思える。
今年に限って言えば、海に行けただけでも良しとするべきだろう。
「3人も焼けてんな」
「おかしな感じにな……」
魔物の退治に外での仕事が多かったため、伸は見える部分を日焼けしている。
それは3人も同じで、夏休み前よりこんがりとしている。
しかし、伸の言葉に反応した了の言葉は、1人をからかうような物言いだ。
「ゴーグルしてたから少し段差になっちまったんだよ」
了の言葉に石塚が反論する。
というのも、確かに石塚も顔を日焼けしているが、少し目の周りだけは薄くしか焼けていない。
夏休み前に言っていたようにサバゲー三昧をしていたため、目を保護するためにゴーグルをしていたのが原因だった。
目の周りだけ日焼けが薄いことに気付いて、何とか目の周りも日焼けするように日に当たったのだが、そう都合よく行く訳もなく、段差のようになってしまったようだ。
「そうだ! 伸!」
「……何だ?」
日焼けを話題にしていると、石塚は話しを変えようと伸へと詰め寄る。
その顔は、なんとなく剣吞な雰囲気を感じる。
「聞いたぞ! 柊の家の仕事を手伝ってたんだって!?」
「了……」
夏休みの最初の頃、たまたま伸は剣道部の合宿中の了に出くわした。
その時に、柊家の令嬢である綾愛や、柊家従者の家系の杉山奈津希と一緒にいた。
2人と一緒にいる理由を説明したので、知っているのは了だけだ。
そのため、石塚からの問いを受けた伸は、その話の出所であるだろう了を睨みつけた。
「面倒なことに付き合わせた罰だ!」
「自分だって何気に楽しんでただろ!」
合宿中に魔物を倒したことで、了は休養の名目で1日休みをもらえた。
せっかくの海を楽しめると思ったのだが、伸と遭遇して思惑が外れた。
伸に誘われて、2人の女子と楽しく遊べるのかと思ったら、2人に近付く男どもを払いのける役を手伝わされることになり、全然気が休まる時間がなかった。
その時の恨みからか、石塚と吉井にも伸が柊家と懇意にしているということを知らせたらしい。
この2人に知られれば、以前のように綾愛との中を揶揄って来るに違いない。
面倒臭いことになることが分かっていて意趣返しをして来たようだが、海岸の件は了もそれなりに楽しんでいたため、こんな仕打ちを受ける謂れはないと抗議した。
「そこ! 始業式が始まるから、体育館に移動しろ!」
「「は~い!」」
普通の高校と同様に、学園でも夏休み後は後期の授業期間の始業式がおこなわれる。
その始業式のために、他の生徒たちは体育館に移動を始めていた。
担任の三門の言葉によって、それに気付いた伸と了は、口論をやめて他の生徒同様移動を開始したのだった。
「夏休みも終われば次は文化祭と選出会か……」
「学園の場合、文化祭よりも選出会の方が人気だよな」
普通高校と同様に、この学園にも文化祭は存在する。
内容的にも変わらないが、違うと言えば学園の場合魔術を使った出し物をしたりするだけだ。
その学園祭も生徒としては楽しみではあるが、伸の呟きに反応した了の言うように、学園には体育祭の代わりに選考会という者が存在する。
12月におこなわれる魔術師学園対抗戦の選考をおこなう校内大会だ。
「俺たちは無理だろうけど、了は入れる可能性があるかもな……」
「そうだな」
学園対抗戦に参加するのは、通常2、3年が3人、1年が2人となっている。
選考会は、この学園の代表8人を選出するためのものだ。
伸たち1年でいうなら、成績上位8名を選び出し、その8人でトーナメント戦をおこなうことになる。
その8人は、入試から選考会が開始される10月中旬までの色々な成績を計算しての選出となる。
了は入試の実践試験で綾愛と共に試験官から1本取った人間。
実力があることは、教師たちには認められている。
吉井の言うように、可能性があると思った伸は頷きを返す。
「……でも、学力がどう評価されるか……」
「たしかに……」
伸たちは可能性があると思っているが、了自身は自信がないようだ。
というのも、彼が言うように、強いと言っても学力試験などの成績がいまいちよくない。
そのため、選考会の選手に選ばれるには、その点がネックになっているかもしれない。
「でも、夏休み中に魔物を倒したことは大きく評価されるだろ? きっと選ばれるって!」
「おぉ!」「そうだよ!」
伸の言葉に、石塚と吉井も納得の声をあげる。
了は夏休み中に海水浴場に出現した魔物を退治し、地方紙とは言え新聞の一面を飾った。
そのことは学園にも伝わっているはずだ。
1年で魔物を倒しているような生徒を、選考会に選出させない訳にはいかないだろう。
「……う~ん」
たしかに魔物を倒した人間なら選ばれるだろう。
了としてもそう思っているが、自分は魔物を倒した時の記憶がない。
本当に倒しているなら、夏休み中にでも思い出すと思っていたのだが、結局その時の記憶が戻ることはなかった。
そのため、そんな自分が選ばれてもいいのか微妙に思えている。
「まぁ、選ばれたら俺たちが応援してやるよ!」
「俺たち以外に応援する生徒なんて誰もいねえだろうからな!」
「おいっ!」
了が選ばれるかはあと1か月ほどある。
仮定の話として、石塚と吉井は了の応援をする事を告げた。
しかし、吉井の言うように、入学早々色々あって問題児に思われている了が他の生徒に応援されるかは微妙なところだ。
言わなくてもいいことをわざわざ言う吉井に、了はすぐさまツッコミを入れた。
「そん時は、伸がセコンドついてくれよ?」
「えっ? 俺っ? まあいいけど……」
選考会でも対抗戦でも、選手には介添人が1人付けられることになっている。
ボクシングなどと同じように、選手が危険だと判断した時に棄権を申し出る権利が与えられるため、仲の良い人間に任せるのが普通だ。
伸は実力も学力も平均的という評価になっているはずなので、選手に選ばれることはない。
友人の了が選ばれるなら、セコンドくらい構わないと思い、その提案を了承した。
「何で俺たちじゃねえんだ?」
「そうだよ!」
目の前で試合が見れるため、石塚と吉井もセコンドはやりたかった。
別に伸でも良いが、どうして自分たちでないのか不満のようだ。
「2人は参戦してきそうだからな……」
「「そんなことしねえよ!」」
選考会で友人が不利になりセコンドが乱入したということは、これまでの歴史上何回かある。
魔術による戦闘のため、血の気の多い者も当然いる。
学園側からしたら、選手が選んだセコンドも見ている。
伸は問題ないだろうが、石塚と吉井の場合微妙かもしれない。
遠回しに血の気の多い短気な奴と言われた2人は、声を揃えて心外そうにツッコんだ。
「選手に選ばれても、柊に当たれば終わりだろうがな!」
「その通り!」
「俺の応援は?」
選考会に綾愛が選ばれるのは当然だろう。
短気扱いされた2人は、まるで綾愛と当たることを望むような言い方だ。
さっき応援すると言ったのに、綾愛を応援するかのような2人に、今度は了がツッコミを入れることになった。
「おぉ……!」
「日に焼けてんな!」
夏休みが終わった9月後半、学園に登校した伸は久々に石塚と吉井を目にした。
了と2人が話している所へ行き、伸が軽く声をかけると、石塚と吉井は伸の姿を見て懐かしそうに話しかけてきた。
結局、夏休み中会えたのは、魔物を退治してちょっとした有名人になった了だけだった。
伸の夏休みは、柊家と地元の花紡州魔闘組合支部の仕事を手伝うことに終始していた。
はっきり言って、去年とあまり変わりない日々だったように思える。
今年に限って言えば、海に行けただけでも良しとするべきだろう。
「3人も焼けてんな」
「おかしな感じにな……」
魔物の退治に外での仕事が多かったため、伸は見える部分を日焼けしている。
それは3人も同じで、夏休み前よりこんがりとしている。
しかし、伸の言葉に反応した了の言葉は、1人をからかうような物言いだ。
「ゴーグルしてたから少し段差になっちまったんだよ」
了の言葉に石塚が反論する。
というのも、確かに石塚も顔を日焼けしているが、少し目の周りだけは薄くしか焼けていない。
夏休み前に言っていたようにサバゲー三昧をしていたため、目を保護するためにゴーグルをしていたのが原因だった。
目の周りだけ日焼けが薄いことに気付いて、何とか目の周りも日焼けするように日に当たったのだが、そう都合よく行く訳もなく、段差のようになってしまったようだ。
「そうだ! 伸!」
「……何だ?」
日焼けを話題にしていると、石塚は話しを変えようと伸へと詰め寄る。
その顔は、なんとなく剣吞な雰囲気を感じる。
「聞いたぞ! 柊の家の仕事を手伝ってたんだって!?」
「了……」
夏休みの最初の頃、たまたま伸は剣道部の合宿中の了に出くわした。
その時に、柊家の令嬢である綾愛や、柊家従者の家系の杉山奈津希と一緒にいた。
2人と一緒にいる理由を説明したので、知っているのは了だけだ。
そのため、石塚からの問いを受けた伸は、その話の出所であるだろう了を睨みつけた。
「面倒なことに付き合わせた罰だ!」
「自分だって何気に楽しんでただろ!」
合宿中に魔物を倒したことで、了は休養の名目で1日休みをもらえた。
せっかくの海を楽しめると思ったのだが、伸と遭遇して思惑が外れた。
伸に誘われて、2人の女子と楽しく遊べるのかと思ったら、2人に近付く男どもを払いのける役を手伝わされることになり、全然気が休まる時間がなかった。
その時の恨みからか、石塚と吉井にも伸が柊家と懇意にしているということを知らせたらしい。
この2人に知られれば、以前のように綾愛との中を揶揄って来るに違いない。
面倒臭いことになることが分かっていて意趣返しをして来たようだが、海岸の件は了もそれなりに楽しんでいたため、こんな仕打ちを受ける謂れはないと抗議した。
「そこ! 始業式が始まるから、体育館に移動しろ!」
「「は~い!」」
普通の高校と同様に、学園でも夏休み後は後期の授業期間の始業式がおこなわれる。
その始業式のために、他の生徒たちは体育館に移動を始めていた。
担任の三門の言葉によって、それに気付いた伸と了は、口論をやめて他の生徒同様移動を開始したのだった。
「夏休みも終われば次は文化祭と選出会か……」
「学園の場合、文化祭よりも選出会の方が人気だよな」
普通高校と同様に、この学園にも文化祭は存在する。
内容的にも変わらないが、違うと言えば学園の場合魔術を使った出し物をしたりするだけだ。
その学園祭も生徒としては楽しみではあるが、伸の呟きに反応した了の言うように、学園には体育祭の代わりに選考会という者が存在する。
12月におこなわれる魔術師学園対抗戦の選考をおこなう校内大会だ。
「俺たちは無理だろうけど、了は入れる可能性があるかもな……」
「そうだな」
学園対抗戦に参加するのは、通常2、3年が3人、1年が2人となっている。
選考会は、この学園の代表8人を選出するためのものだ。
伸たち1年でいうなら、成績上位8名を選び出し、その8人でトーナメント戦をおこなうことになる。
その8人は、入試から選考会が開始される10月中旬までの色々な成績を計算しての選出となる。
了は入試の実践試験で綾愛と共に試験官から1本取った人間。
実力があることは、教師たちには認められている。
吉井の言うように、可能性があると思った伸は頷きを返す。
「……でも、学力がどう評価されるか……」
「たしかに……」
伸たちは可能性があると思っているが、了自身は自信がないようだ。
というのも、彼が言うように、強いと言っても学力試験などの成績がいまいちよくない。
そのため、選考会の選手に選ばれるには、その点がネックになっているかもしれない。
「でも、夏休み中に魔物を倒したことは大きく評価されるだろ? きっと選ばれるって!」
「おぉ!」「そうだよ!」
伸の言葉に、石塚と吉井も納得の声をあげる。
了は夏休み中に海水浴場に出現した魔物を退治し、地方紙とは言え新聞の一面を飾った。
そのことは学園にも伝わっているはずだ。
1年で魔物を倒しているような生徒を、選考会に選出させない訳にはいかないだろう。
「……う~ん」
たしかに魔物を倒した人間なら選ばれるだろう。
了としてもそう思っているが、自分は魔物を倒した時の記憶がない。
本当に倒しているなら、夏休み中にでも思い出すと思っていたのだが、結局その時の記憶が戻ることはなかった。
そのため、そんな自分が選ばれてもいいのか微妙に思えている。
「まぁ、選ばれたら俺たちが応援してやるよ!」
「俺たち以外に応援する生徒なんて誰もいねえだろうからな!」
「おいっ!」
了が選ばれるかはあと1か月ほどある。
仮定の話として、石塚と吉井は了の応援をする事を告げた。
しかし、吉井の言うように、入学早々色々あって問題児に思われている了が他の生徒に応援されるかは微妙なところだ。
言わなくてもいいことをわざわざ言う吉井に、了はすぐさまツッコミを入れた。
「そん時は、伸がセコンドついてくれよ?」
「えっ? 俺っ? まあいいけど……」
選考会でも対抗戦でも、選手には介添人が1人付けられることになっている。
ボクシングなどと同じように、選手が危険だと判断した時に棄権を申し出る権利が与えられるため、仲の良い人間に任せるのが普通だ。
伸は実力も学力も平均的という評価になっているはずなので、選手に選ばれることはない。
友人の了が選ばれるなら、セコンドくらい構わないと思い、その提案を了承した。
「何で俺たちじゃねえんだ?」
「そうだよ!」
目の前で試合が見れるため、石塚と吉井もセコンドはやりたかった。
別に伸でも良いが、どうして自分たちでないのか不満のようだ。
「2人は参戦してきそうだからな……」
「「そんなことしねえよ!」」
選考会で友人が不利になりセコンドが乱入したということは、これまでの歴史上何回かある。
魔術による戦闘のため、血の気の多い者も当然いる。
学園側からしたら、選手が選んだセコンドも見ている。
伸は問題ないだろうが、石塚と吉井の場合微妙かもしれない。
遠回しに血の気の多い短気な奴と言われた2人は、声を揃えて心外そうにツッコんだ。
「選手に選ばれても、柊に当たれば終わりだろうがな!」
「その通り!」
「俺の応援は?」
選考会に綾愛が選ばれるのは当然だろう。
短気扱いされた2人は、まるで綾愛と当たることを望むような言い方だ。
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