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第14章
第357話
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【えいっ!!】
現れたギガンテスを、ケイの従魔であるキュウが魔力の弾丸を放って一撃で倒す。
「ワウッ!!」
次に現れた巨大鹿を、同じくケイの従魔のクウが風魔法の風刃を放って首を斬り落とす。
「……順調だな」
魔王サカリアスを封印した結界内にできたダンジョン攻略を、ケイは2匹の従魔と共に開始した。
いくつもの階層を攻略して進んで行っている状況なのだが、自分の従魔が有能なため、ケイは特にやることが無く、散歩しているに近い状況だ。
従魔だけが活躍していることに複雑な思いをしながら、ケイは2匹の後を付いて行った。
「余り先走るなよ。どんな罠や魔物がいるか分からないからな」
【ハーイ!】「ワフッ!」
ダンジョン上層の魔物なら何の苦もないせいか、キュウやクウにとっては、主人のケイと共に探検している気分なのだろう。
かなり嬉しそうに動き回っている。
2匹の実力を考えれば確かに問題ないが、ダンジョン内にはどんな罠が待ち受けているか分からないため、ケイは注意を促す。
その注意に対し、キュウとクウは元気に返事をした。
【あっ!】「ワウッ!」
ケイの言葉に返事をしたともったら、2匹は何かを感じ取ったように動く。
【えいっ!】「ワウッ!」
何を見つけたのかと思ったら、2匹が行った方向に巨大熊がおり、2匹のよってあっという間に倒されていた。
「…………」
一応かなり強力な魔物なのだが、2匹が楽しそうにしているため、ケイは2匹に任せて付いて行くことにした。
「ここが10層か……」
10層の入り口に立ち、ケイは小さく呟く。
結局、ほとんどの魔物をキュウとクウが倒し、倒した魔物の魔石をケイが拾うということを繰り返しただけで10層まで来てしまった。
【どんな魔物が出るのか楽しみ!】
「ハッハッハ……!」
従魔2匹はと言うと、疲れている様子もなく魔物を倒しまくってご機嫌な様子だ。
「ダンジョンの常識からいって、この層にはこれまで以上に危険な魔物がいるはずだ。どんなレベルか分からないから十分注意して行動しろよ」
【うん!】「ワウッ!」
基本的に、ダンジョンは5の倍数階が危険だったりする。
侵入者から核を守るため、規定階数ごとにボス的な魔物を配置するからだ。
5層ではボスとなる魔物が出なかったので、恐らくこの階層に出るはずだ。
注意力が必要なため、ケイはテンションの高い2匹を一旦落ち着かせるように一撫でした。
「…………」
10層に入ると、平原が広がっている。
その中を進むと、一体の魔物が立っているのが目に入る。
「ゴブリン……か?」
近付いてみると、見つけた魔物はゴブリンだった。
しかし、見た目はゴブリンだが、身に纏う雰囲気は全く違う。
「お前が人間てやつか?」
「っ!! しゃべった……」
いつ襲い掛かってくるのかと思っていると、そのゴブリンは話しかけて来た。
そのことにケイは驚く。
まさかしゃべると思っていなかったからだ。
「魔族なのか……?」
「生み出された時に備えられた知識からすると、一応そうらしいな……」
この世界において、言語を話す程の知能を持っている魔物のことを魔族と呼んでいる。
そうなると、このゴブリンは魔族ということになる。
確認のために話しかけると、ゴブリンは肯定の答えを返してきた。
どうやら、このダンジョンによってこの場に出現した時に、知識を与えられていたようだ。
「この階層から出られないから暇でしょうがなかったぜ。相手にするのが弱い魔物ばかりでよ」
ボス限定とは言っても魔族を生み出すようなダンジョンだということに、ケイは改めてこのダンジョンの危険性を感じていた。
そんなケイのことなど関係なく、ゴブリンは嬉しそうに話しかけてくる。
話ぶりからいって、階層ボスとしてこの場に留まるという条件付きでの魔族のようだ。
知識として与えられているようだが、人間を見るのが初めてなのだろう。
上から下へ、下から上へと、何度もケイのことを眺めている。
「相手するのはいいが、下の階層へ向かうにはどうすれば良いんだ?」
サッカーコート2面分程度の部屋。
周囲を見てみるが、どこにも下層へと続く入り口がない。
そのため、ケイは答えはなんとなく分かっているが、とりあえず聞いてみた。
「下層に向かうには、俺を倒せば出現する仕組みになっているぜ」
「……やっぱり」
思った通りの答えが返ってきた。
ボスであるこのゴブリンを倒すことで、下層への通路入り口出現する形になっているようだ。
「さあ! やろうぜ!」
「あぁ……」
“パンッ!!”
「…………えっ?」
知識と知っているだけで、人間がどれ程の強さをしているのかが分からない。
そんな未知の生物との戦闘を楽しみにしているようで、ゴブリンは木できた棍棒を振り回し、ケイに対して構えをとった。
楽しそうにしている所申し訳ないが、無駄な時間を消費したくない、
そのため、ケイは返事をすると共に腰から銃を抜き、ゴブリンの脳天を撃ち抜いた。
あまりの早撃ちに、目で追うことも出来なかったゴブリンは、痛みに気付いた時にはその場に崩れ落ちた。
【さすが!】
ゴブリンが倒れて、下層へ向かう通路が出現する。
それを見て、少し後ろで控えていたキュウは、あっという間にボスを倒したケイを褒める。
「魔族とは言っても、ピンキリだからな……」
たしかに魔族は危険な生物だが、戦闘力としては差がある。
超回復さえなければ魔王と互角に戦えるほどの実力を持つケイが、生半可な魔族なんて相手にもならない。
このダンジョンがどれほどの数の階層になっているのか分からないが、そう簡単に攻略できるような階数ではないはずだ。
このゴブリン程度の魔族相手に手こずっているようでは、この先どれ程の苦戦を強いられるか分からないというもの。
少しでも速く先に進むためには、余計な時間は省くに限る。
構えをとっていたのだから不意撃ちでもなし、そもそも魔族相手に綺麗も汚いもない。
ごく当然という表情で、ケイはゴブリンの核を取り出した。
「今日中に20層まで行こう」
【うん!】「ワウッ!」
10層までの様子から、このダンジョンは罠よりも魔物の強さで侵入者を仕留めることを重視しているようだ。
もちろんこの先が同じとは思えないが、この程度ならまだ問題なく進めるはずだ。
ここまでの移動時間を考えると、今日中に行けるのは20層付近まで。
そこを目標にして、ケイたちは攻略を進めることにした。
現れたギガンテスを、ケイの従魔であるキュウが魔力の弾丸を放って一撃で倒す。
「ワウッ!!」
次に現れた巨大鹿を、同じくケイの従魔のクウが風魔法の風刃を放って首を斬り落とす。
「……順調だな」
魔王サカリアスを封印した結界内にできたダンジョン攻略を、ケイは2匹の従魔と共に開始した。
いくつもの階層を攻略して進んで行っている状況なのだが、自分の従魔が有能なため、ケイは特にやることが無く、散歩しているに近い状況だ。
従魔だけが活躍していることに複雑な思いをしながら、ケイは2匹の後を付いて行った。
「余り先走るなよ。どんな罠や魔物がいるか分からないからな」
【ハーイ!】「ワフッ!」
ダンジョン上層の魔物なら何の苦もないせいか、キュウやクウにとっては、主人のケイと共に探検している気分なのだろう。
かなり嬉しそうに動き回っている。
2匹の実力を考えれば確かに問題ないが、ダンジョン内にはどんな罠が待ち受けているか分からないため、ケイは注意を促す。
その注意に対し、キュウとクウは元気に返事をした。
【あっ!】「ワウッ!」
ケイの言葉に返事をしたともったら、2匹は何かを感じ取ったように動く。
【えいっ!】「ワウッ!」
何を見つけたのかと思ったら、2匹が行った方向に巨大熊がおり、2匹のよってあっという間に倒されていた。
「…………」
一応かなり強力な魔物なのだが、2匹が楽しそうにしているため、ケイは2匹に任せて付いて行くことにした。
「ここが10層か……」
10層の入り口に立ち、ケイは小さく呟く。
結局、ほとんどの魔物をキュウとクウが倒し、倒した魔物の魔石をケイが拾うということを繰り返しただけで10層まで来てしまった。
【どんな魔物が出るのか楽しみ!】
「ハッハッハ……!」
従魔2匹はと言うと、疲れている様子もなく魔物を倒しまくってご機嫌な様子だ。
「ダンジョンの常識からいって、この層にはこれまで以上に危険な魔物がいるはずだ。どんなレベルか分からないから十分注意して行動しろよ」
【うん!】「ワウッ!」
基本的に、ダンジョンは5の倍数階が危険だったりする。
侵入者から核を守るため、規定階数ごとにボス的な魔物を配置するからだ。
5層ではボスとなる魔物が出なかったので、恐らくこの階層に出るはずだ。
注意力が必要なため、ケイはテンションの高い2匹を一旦落ち着かせるように一撫でした。
「…………」
10層に入ると、平原が広がっている。
その中を進むと、一体の魔物が立っているのが目に入る。
「ゴブリン……か?」
近付いてみると、見つけた魔物はゴブリンだった。
しかし、見た目はゴブリンだが、身に纏う雰囲気は全く違う。
「お前が人間てやつか?」
「っ!! しゃべった……」
いつ襲い掛かってくるのかと思っていると、そのゴブリンは話しかけて来た。
そのことにケイは驚く。
まさかしゃべると思っていなかったからだ。
「魔族なのか……?」
「生み出された時に備えられた知識からすると、一応そうらしいな……」
この世界において、言語を話す程の知能を持っている魔物のことを魔族と呼んでいる。
そうなると、このゴブリンは魔族ということになる。
確認のために話しかけると、ゴブリンは肯定の答えを返してきた。
どうやら、このダンジョンによってこの場に出現した時に、知識を与えられていたようだ。
「この階層から出られないから暇でしょうがなかったぜ。相手にするのが弱い魔物ばかりでよ」
ボス限定とは言っても魔族を生み出すようなダンジョンだということに、ケイは改めてこのダンジョンの危険性を感じていた。
そんなケイのことなど関係なく、ゴブリンは嬉しそうに話しかけてくる。
話ぶりからいって、階層ボスとしてこの場に留まるという条件付きでの魔族のようだ。
知識として与えられているようだが、人間を見るのが初めてなのだろう。
上から下へ、下から上へと、何度もケイのことを眺めている。
「相手するのはいいが、下の階層へ向かうにはどうすれば良いんだ?」
サッカーコート2面分程度の部屋。
周囲を見てみるが、どこにも下層へと続く入り口がない。
そのため、ケイは答えはなんとなく分かっているが、とりあえず聞いてみた。
「下層に向かうには、俺を倒せば出現する仕組みになっているぜ」
「……やっぱり」
思った通りの答えが返ってきた。
ボスであるこのゴブリンを倒すことで、下層への通路入り口出現する形になっているようだ。
「さあ! やろうぜ!」
「あぁ……」
“パンッ!!”
「…………えっ?」
知識と知っているだけで、人間がどれ程の強さをしているのかが分からない。
そんな未知の生物との戦闘を楽しみにしているようで、ゴブリンは木できた棍棒を振り回し、ケイに対して構えをとった。
楽しそうにしている所申し訳ないが、無駄な時間を消費したくない、
そのため、ケイは返事をすると共に腰から銃を抜き、ゴブリンの脳天を撃ち抜いた。
あまりの早撃ちに、目で追うことも出来なかったゴブリンは、痛みに気付いた時にはその場に崩れ落ちた。
【さすが!】
ゴブリンが倒れて、下層へ向かう通路が出現する。
それを見て、少し後ろで控えていたキュウは、あっという間にボスを倒したケイを褒める。
「魔族とは言っても、ピンキリだからな……」
たしかに魔族は危険な生物だが、戦闘力としては差がある。
超回復さえなければ魔王と互角に戦えるほどの実力を持つケイが、生半可な魔族なんて相手にもならない。
このダンジョンがどれほどの数の階層になっているのか分からないが、そう簡単に攻略できるような階数ではないはずだ。
このゴブリン程度の魔族相手に手こずっているようでは、この先どれ程の苦戦を強いられるか分からないというもの。
少しでも速く先に進むためには、余計な時間は省くに限る。
構えをとっていたのだから不意撃ちでもなし、そもそも魔族相手に綺麗も汚いもない。
ごく当然という表情で、ケイはゴブリンの核を取り出した。
「今日中に20層まで行こう」
【うん!】「ワウッ!」
10層までの様子から、このダンジョンは罠よりも魔物の強さで侵入者を仕留めることを重視しているようだ。
もちろんこの先が同じとは思えないが、この程度ならまだ問題なく進めるはずだ。
ここまでの移動時間を考えると、今日中に行けるのは20層付近まで。
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