311 / 375
第12章
第311話
しおりを挟む
「おのれ! 人間ごときが!!」
至近距離からの攻撃を受けて、体に大穴を開けていたギジェルモ。
大量の血を地面に垂れ流し、少しの間苦しみもがいた後、ケイに開けられた体の穴が修復されていった。
光魔法による攻撃により、修復と共に魔力も失った。
このままではケイとの魔力量の差が開く一方だ。
そのため、負けるというイメージが湧いてきたギジェルモは、最初の余裕がどこへ行ったのか怒りで我を忘れているかのようだ。
「俺が負けるはずがない! 負ける訳にはいかない!」
「……独り言か?」
どこを見ているのか分からない状態で、ギジェルモは独り言のように呟き始めた。
何度も痛めつけられたことで、ストレスで脳の血管でも切れたのだろうか。
「あの方に仕える俺が、負けるはずがない!」
「……あの方? 誰のことを言っているんだ?」
聞かれているということすら忘れているのか、何だか気になるような発言をしたのがケイには聞こえた。
たしかに、何者かがギジェルモの行動に関わっているかのような発言だ。
しかも、あの方などと言う物言いから察するに、ギジェルモ以上の実力の持ち主ということになる。
今となってはケイの方が押しているが、ギジェルモが余裕をかましていなかったら、魔力を削るのにもっと苦労していたことだろう。
そんなギジェルモ以上となると、ケイの本音としては関わりたくない所だ。
「おのれ! おのれ! おのれ! おのれ!」
「おい! あの方ってのは誰だって聞いてんだよ!」
何だかどんどんエスカレートしていく恨みにより、ギジェルモは魔力を今まで以上に多く出して身に纏い始めた。
何をする気なのかということも気になるが、あの方とか言う者の話が知りたいケイは、脅して吐かせようとするように左手の銃をギジェルモの方に向けた。
「おのれ――!!」
「っ!! ……そんな量の魔力を使ってどうしようってんだ?」
ずっと放出し続けた魔力がかなりの量まで来ると、その魔力を纏ったギジェルモが、ケイに対して目を向けた。
これまで以上の魔力による魔闘術にしているようだが、とてもコントロールできるようなレベルの魔力量ではない。
コントロールできない魔力によって、反動がギジェルモ自身に襲い掛かってくるのが目に見えている。
そのため、怒りでまともに戦うことも出来なくなったのかと、僅かにケイの警戒感が薄れたのは仕方がない。
「ガァッ!!」
「——―っ!!」
ギジェルモが大量の魔力で魔闘術をおこない、そのまま地面を蹴った瞬間、ケイはすぐに警戒感を元に戻した。
瞳孔の開いた眼で飛び出したギジェルモが、一瞬にしてケイの間合い入り、持っていた剣で一閃放ってきたのだ。
「……速い!!」
ギリギリの所で躱すことに成功したが、突進力を利用した突きがケイの服を腹部分を浅く斬り裂いていた。
これまでよりも急激に加速した移動速度に、危うく串刺しにされるところだった。
いきなりのことに、ケイは冷や汗を食ことになった。
「ガァッ!!」
「くっ!!」
攻撃を躱されたギジェルモは、すぐにターンをしてまたもケイへと接近を開始する。
今度は同じようにいく訳にはいかないと、ケイも両手の銃で攻撃をする。
その銃弾をサイドステップをして躱し、またもケイへと接近を計る。
これまでと違い、近付かれるとその突進力に痛手を受ける可能性がある。
そのため、近付こうとしてくるギジェルモに攻撃を放ちながら、ケイは距離を取ろうとバックステップをおこなった。
「ガァー!!」
「しつけえな!!」
ケイが距離を取ろうと、何度も銃撃して足止めを計ろうとするのだが、それを躱してすぐに距離を埋めようとギジェルモが迫って来る。
ずっと同じことの繰り返しに、ケイの方が先に焦りを感じ始めた。
ジワジワと互いの距離が詰まってきているからかもしれない。
「グゥ……」
「……意識が飛んでんのか?」
迫り来るギジェルモの眼がどこを向いているのか分からず、まるで意識が飛んでいるかのように見える。
ケイの銃撃を最短距離で躱しているのは、意識を飛ばして野性的な反応を呼び覚ましているのかもしれない。
「バッ!!」
「ぐっ!! やっぱりスピードだけでなくパワーまで上がってやがる!!」
とうとうケイに追いついたギジェルモは、剣を横薙ぎにしてケイの胴を斬り裂こうとしてきた。
その攻撃に対し、ケイは両手の銃を使って防いだ。
元々ギジェルモの方がパワーは上だったが、攻撃を防いだ衝撃を考えると明らかに上昇している。
自ら後方に飛ぶことで衝撃を防ごうとしたケイだが、予想以上に飛ばされる形になった。
「距離を取らせてもらってありがとさん!」
「っ!!」
威力があり過ぎるのは、今回の場合はケイにとって都合が良かった。
飛ばされたことで距離を取ることができた。
これなら逃げながらではなく、万全の態勢で攻撃をできる。
今度は近付くことなどできないように、銃を連射し始めた。
「ガアァー!!」
「……おいおい。マジか……?」
ケイのマシンガンのような連射攻撃をバックステップで躱して更に距離を取った所で、ギジェルモは更に魔力を増やして纏い始めた。
これまでも魔力のコントロールが完全ではなく、振り回されている感も否めないでいたが、これ以上となれば完全に体が耐えきれるわけがない。
自爆でもしようとしているのだろうか。
「ガアッ!!」
「おわっ!!」
さらに速度を上げたギジェルモは、ケイの攻撃を剣で弾きながら接近してきた。
数を増やした分威力が弱まっているとは言っても、お構いなしと言うかのような直線的な動きだ。
魔力量を増やしたことで防御力も上がっているのだろう。
剣では止め切れないと判断したら、左手で受け止めてそのまま距離を詰めてきた。
弾丸を受け止めた左手は浅く穴が開いただけで、たいした痛手を与えていないようだ。
「ガアッ!!」
“ブチブチッ!!”
「っ!! 筋肉が切れてもお構いなしか!?」
魔力を増やしてたことで、思った通り体が耐えきれないでいるようだ。
ギジェルモが近くまで迫った時、踏ん張った瞬間変な音が聞こえて来た。
体への負荷によって、筋肉が切れているようだ。
「ぐっ!!」
更に速度が増した攻撃を、ケイは銃を使って防いだが、吹き飛ばされると同時に手が痺れてきた。
まともに食らえば、一発で致命傷になってしまうだろう。
「ぐぅ……」
「体が耐えられなくても再生するから気にしないって事か……? ふざけた体しやがって!」
数度の衝突で、ようやくギジェルモの意図が分かった。
超回復と光属性の攻撃以外ではたいした痛手にならないことを利用し、自分の魔力で自分が傷ついても回復させればいいと、膨大な魔力を魔闘術に使っているようだ。
ケイには真似できない方法により、一気に実力差を埋めてきたようだ。
「ガッ!!」
「っ!!」
悪態をついているケイに、もはや会話をしなくなったギジェルモは剣を振り回してきた。
その剣を何とか銃で防ぐが、距離を取っての攻撃ができなくなってきた。
「ガアッ!!」
「ぐあっ!!」
剣の攻撃ばかりを注意していたためか、空いていたケイの腹にギジェルモの回し蹴りが当たった。
何とか威力を抑えようと、当たる瞬間に魔闘術の魔力を増やす。
それでなんとか骨が折られるのを防ぐが、直撃によって一瞬息が止まった。
「銃は遠距離攻撃しか使えないと思うなよ!!」
蹴られた部分の痛みを我慢して、ケイはギジェルモを接近で迎え撃つことを覚悟した。
逃げ回っても痛手が与えられないうえに距離を取っても意味がないのでは仕方ない。
「何とかして捕まえて、あの方とやらを聞きだしてやる!!」
人間界に迷惑をかける存在でしかない魔族。
ギジェルモほどの者が従っている所を見ると、かなりの戦闘力の人間なのだと想像できる。
そんな奴を野放しにして置いたら、エルフの国にも危険が迫るかもしれない。
そんなことにならないように、そいつを見つけて何とかしないといけない。
そのため、ケイはギジェルモを何としても弱らせて、捕まえてやると考えるようになっていた。
至近距離からの攻撃を受けて、体に大穴を開けていたギジェルモ。
大量の血を地面に垂れ流し、少しの間苦しみもがいた後、ケイに開けられた体の穴が修復されていった。
光魔法による攻撃により、修復と共に魔力も失った。
このままではケイとの魔力量の差が開く一方だ。
そのため、負けるというイメージが湧いてきたギジェルモは、最初の余裕がどこへ行ったのか怒りで我を忘れているかのようだ。
「俺が負けるはずがない! 負ける訳にはいかない!」
「……独り言か?」
どこを見ているのか分からない状態で、ギジェルモは独り言のように呟き始めた。
何度も痛めつけられたことで、ストレスで脳の血管でも切れたのだろうか。
「あの方に仕える俺が、負けるはずがない!」
「……あの方? 誰のことを言っているんだ?」
聞かれているということすら忘れているのか、何だか気になるような発言をしたのがケイには聞こえた。
たしかに、何者かがギジェルモの行動に関わっているかのような発言だ。
しかも、あの方などと言う物言いから察するに、ギジェルモ以上の実力の持ち主ということになる。
今となってはケイの方が押しているが、ギジェルモが余裕をかましていなかったら、魔力を削るのにもっと苦労していたことだろう。
そんなギジェルモ以上となると、ケイの本音としては関わりたくない所だ。
「おのれ! おのれ! おのれ! おのれ!」
「おい! あの方ってのは誰だって聞いてんだよ!」
何だかどんどんエスカレートしていく恨みにより、ギジェルモは魔力を今まで以上に多く出して身に纏い始めた。
何をする気なのかということも気になるが、あの方とか言う者の話が知りたいケイは、脅して吐かせようとするように左手の銃をギジェルモの方に向けた。
「おのれ――!!」
「っ!! ……そんな量の魔力を使ってどうしようってんだ?」
ずっと放出し続けた魔力がかなりの量まで来ると、その魔力を纏ったギジェルモが、ケイに対して目を向けた。
これまで以上の魔力による魔闘術にしているようだが、とてもコントロールできるようなレベルの魔力量ではない。
コントロールできない魔力によって、反動がギジェルモ自身に襲い掛かってくるのが目に見えている。
そのため、怒りでまともに戦うことも出来なくなったのかと、僅かにケイの警戒感が薄れたのは仕方がない。
「ガァッ!!」
「——―っ!!」
ギジェルモが大量の魔力で魔闘術をおこない、そのまま地面を蹴った瞬間、ケイはすぐに警戒感を元に戻した。
瞳孔の開いた眼で飛び出したギジェルモが、一瞬にしてケイの間合い入り、持っていた剣で一閃放ってきたのだ。
「……速い!!」
ギリギリの所で躱すことに成功したが、突進力を利用した突きがケイの服を腹部分を浅く斬り裂いていた。
これまでよりも急激に加速した移動速度に、危うく串刺しにされるところだった。
いきなりのことに、ケイは冷や汗を食ことになった。
「ガァッ!!」
「くっ!!」
攻撃を躱されたギジェルモは、すぐにターンをしてまたもケイへと接近を開始する。
今度は同じようにいく訳にはいかないと、ケイも両手の銃で攻撃をする。
その銃弾をサイドステップをして躱し、またもケイへと接近を計る。
これまでと違い、近付かれるとその突進力に痛手を受ける可能性がある。
そのため、近付こうとしてくるギジェルモに攻撃を放ちながら、ケイは距離を取ろうとバックステップをおこなった。
「ガァー!!」
「しつけえな!!」
ケイが距離を取ろうと、何度も銃撃して足止めを計ろうとするのだが、それを躱してすぐに距離を埋めようとギジェルモが迫って来る。
ずっと同じことの繰り返しに、ケイの方が先に焦りを感じ始めた。
ジワジワと互いの距離が詰まってきているからかもしれない。
「グゥ……」
「……意識が飛んでんのか?」
迫り来るギジェルモの眼がどこを向いているのか分からず、まるで意識が飛んでいるかのように見える。
ケイの銃撃を最短距離で躱しているのは、意識を飛ばして野性的な反応を呼び覚ましているのかもしれない。
「バッ!!」
「ぐっ!! やっぱりスピードだけでなくパワーまで上がってやがる!!」
とうとうケイに追いついたギジェルモは、剣を横薙ぎにしてケイの胴を斬り裂こうとしてきた。
その攻撃に対し、ケイは両手の銃を使って防いだ。
元々ギジェルモの方がパワーは上だったが、攻撃を防いだ衝撃を考えると明らかに上昇している。
自ら後方に飛ぶことで衝撃を防ごうとしたケイだが、予想以上に飛ばされる形になった。
「距離を取らせてもらってありがとさん!」
「っ!!」
威力があり過ぎるのは、今回の場合はケイにとって都合が良かった。
飛ばされたことで距離を取ることができた。
これなら逃げながらではなく、万全の態勢で攻撃をできる。
今度は近付くことなどできないように、銃を連射し始めた。
「ガアァー!!」
「……おいおい。マジか……?」
ケイのマシンガンのような連射攻撃をバックステップで躱して更に距離を取った所で、ギジェルモは更に魔力を増やして纏い始めた。
これまでも魔力のコントロールが完全ではなく、振り回されている感も否めないでいたが、これ以上となれば完全に体が耐えきれるわけがない。
自爆でもしようとしているのだろうか。
「ガアッ!!」
「おわっ!!」
さらに速度を上げたギジェルモは、ケイの攻撃を剣で弾きながら接近してきた。
数を増やした分威力が弱まっているとは言っても、お構いなしと言うかのような直線的な動きだ。
魔力量を増やしたことで防御力も上がっているのだろう。
剣では止め切れないと判断したら、左手で受け止めてそのまま距離を詰めてきた。
弾丸を受け止めた左手は浅く穴が開いただけで、たいした痛手を与えていないようだ。
「ガアッ!!」
“ブチブチッ!!”
「っ!! 筋肉が切れてもお構いなしか!?」
魔力を増やしてたことで、思った通り体が耐えきれないでいるようだ。
ギジェルモが近くまで迫った時、踏ん張った瞬間変な音が聞こえて来た。
体への負荷によって、筋肉が切れているようだ。
「ぐっ!!」
更に速度が増した攻撃を、ケイは銃を使って防いだが、吹き飛ばされると同時に手が痺れてきた。
まともに食らえば、一発で致命傷になってしまうだろう。
「ぐぅ……」
「体が耐えられなくても再生するから気にしないって事か……? ふざけた体しやがって!」
数度の衝突で、ようやくギジェルモの意図が分かった。
超回復と光属性の攻撃以外ではたいした痛手にならないことを利用し、自分の魔力で自分が傷ついても回復させればいいと、膨大な魔力を魔闘術に使っているようだ。
ケイには真似できない方法により、一気に実力差を埋めてきたようだ。
「ガッ!!」
「っ!!」
悪態をついているケイに、もはや会話をしなくなったギジェルモは剣を振り回してきた。
その剣を何とか銃で防ぐが、距離を取っての攻撃ができなくなってきた。
「ガアッ!!」
「ぐあっ!!」
剣の攻撃ばかりを注意していたためか、空いていたケイの腹にギジェルモの回し蹴りが当たった。
何とか威力を抑えようと、当たる瞬間に魔闘術の魔力を増やす。
それでなんとか骨が折られるのを防ぐが、直撃によって一瞬息が止まった。
「銃は遠距離攻撃しか使えないと思うなよ!!」
蹴られた部分の痛みを我慢して、ケイはギジェルモを接近で迎え撃つことを覚悟した。
逃げ回っても痛手が与えられないうえに距離を取っても意味がないのでは仕方ない。
「何とかして捕まえて、あの方とやらを聞きだしてやる!!」
人間界に迷惑をかける存在でしかない魔族。
ギジェルモほどの者が従っている所を見ると、かなりの戦闘力の人間なのだと想像できる。
そんな奴を野放しにして置いたら、エルフの国にも危険が迫るかもしれない。
そんなことにならないように、そいつを見つけて何とかしないといけない。
そのため、ケイはギジェルモを何としても弱らせて、捕まえてやると考えるようになっていた。
0
お気に入りに追加
633
あなたにおすすめの小説
聖女業に飽きて喫茶店開いたんだけど、追放を言い渡されたので辺境に移り住みます!【完結】
青緑
ファンタジー
聖女が喫茶店を開くけど、追放されて辺境に移り住んだ物語と、聖女のいない王都。
———————————————
物語内のノーラとデイジーは同一人物です。
王都の小話は追記予定。
修正を入れることがあるかもしれませんが、作品・物語自体は完結です。
【R18】World after 1 minute 1分後の先読み能力で金貨100万枚稼いだ僕は異世界で奴隷ハーレムを築きます
ロータス
ファンタジー
死んだでもなく、女神に誘われたでもなく、気づいたときには異世界へと転移された僕こと小川 秀作。
鑑定もなければ、ステータスも開かない、魔法も使えなければ、女神のサポートもない。
何もない、現代でも異世界でもダメダメな僕が唯一使えるスキル。
World after 1 minute。
1分後の未来をシミュレーションできるスキルだった。
そして目の前にはギャンブルが出来るコロセウムとなぜか握られている1枚の金貨。
運命というにはあまりにあからさまなそこに僕は足を踏み入れる。
そして僕の名は、コロセウムに轟くことになる。
コロセウム史上最大の勝ち金を手に入れた人間として。
私の愛する人は、私ではない人を愛しています
ハナミズキ
恋愛
代々王宮医師を輩出しているオルディアン伯爵家の双子の妹として生まれたヴィオラ。
物心ついた頃から病弱の双子の兄を溺愛する母に冷遇されていた。王族の専属侍医である父は王宮に常駐し、領地の邸には不在がちなため、誰も夫人によるヴィオラへの仕打ちを諫められる者はいなかった。
母に拒絶され続け、冷たい日々の中でヴィオラを支えたのは幼き頃の初恋の相手であり、婚約者であるフォルスター侯爵家嫡男ルカディオとの約束だった。
『俺が騎士になったらすぐにヴィオを迎えに行くから待っていて。ヴィオの事は俺が一生守るから』
だが、その約束は守られる事はなかった。
15歳の時、愛するルカディオと再会したヴィオラは残酷な現実を知り、心が壊れていく。
そんなヴィオラに、1人の青年が近づき、やがて国を巻き込む運命が廻り出す。
『約束する。お前の心も身体も、俺が守るから。だからもう頑張らなくていい』
それは誰の声だったか。
でもヴィオラの壊れた心にその声は届かない。
もうヴィオラは約束なんてしない。
信じたって最後には裏切られるのだ。
だってこれは既に決まっているシナリオだから。
そう。『悪役令嬢』の私は、破滅する為だけに生まれてきた、ただの当て馬なのだから。
強引に婚約破棄された最強聖女は愚かな王国に復讐をする!
悠月 風華
ファンタジー
〖神の意思〗により選ばれた聖女、ルミエール・オプスキュリテは
婚約者であったデルソーレ王国第一王子、クシオンに
『真実の愛に目覚めたから』と言われ、
強引に婚約破棄&国外追放を命じられる。
大切な母の形見を売り払い、6年間散々虐げておいて、
幸せになれるとは思うなよ……?
*ゆるゆるの設定なので、どこか辻褄が
合わないところがあると思います。
✣ノベルアップ+にて投稿しているオリジナル小説です。
✣表紙は柚唄ソラ様のpixivよりお借りしました。
https://www.pixiv.net/artworks/90902111
私はあなたの母ではありませんよ
れもんぴーる
恋愛
クラリスの夫アルマンには結婚する前からの愛人がいた。アルマンは、その愛人は恩人の娘であり切り捨てることはできないが、今後は決して関係を持つことなく支援のみすると約束した。クラリスに娘が生まれて幸せに暮らしていたが、アルマンには約束を違えたどころか隠し子がいた。おまけに娘のユマまでが愛人に懐いていることが判明し絶望する。そんなある日、クラリスは殺される。
クラリスがいなくなった屋敷には愛人と隠し子がやってくる。母を失い悲しみに打ちのめされていたユマは、使用人たちの冷ややかな視線に気づきもせず父の愛人をお母さまと縋り、アルマンは子供を任せられると愛人を屋敷に滞在させた。
アルマンと愛人はクラリス殺しを疑われ、人がどんどん離れて行っていた。そんな時、クラリスそっくりの夫人が社交界に現れた。
ユマもアルマンもクラリスの両親も彼女にクラリスを重ねるが、彼女は辺境の地にある次期ルロワ侯爵夫人オフェリーであった。アルマンやクラリスの両親は他人だとあきらめたがユマはあきらめがつかず、オフェリーに執着し続ける。
クラリスの関係者はこの先どのような未来を歩むのか。
*恋愛ジャンルですが親子関係もキーワード……というかそちらの要素が強いかも。
*めずらしく全編通してシリアスです。
*今後ほかのサイトにも投稿する予定です。
家族に無能と追放された冒険者、実は街に出たら【万能チート】すぎた、理由は家族がチート集団だったから
ハーーナ殿下
ファンタジー
冒険者を夢見る少年ハリトは、幼い時から『無能』と言われながら厳しい家族に鍛えられてきた。無能な自分は、このままではダメになってしまう。一人前の冒険者なるために、思い切って家出。辺境の都市国家に向かう。
だが少年は自覚していなかった。家族は【天才魔道具士】の父、【聖女】の母、【剣聖】の姉、【大魔導士】の兄、【元勇者】の祖父、【元魔王】の祖母で、自分が彼らの万能の才能を受け継いでいたことを。
これは自分が無能だと勘違いしていた少年が、滅亡寸前の小国を冒険者として助け、今までの努力が実り、市民や冒険者仲間、騎士、大商人や貴族、王女たちに認められ、大活躍していく逆転劇である。
ミュージカル小説 ~踊る公園~
右京之介
現代文学
集英社ライトノベル新人賞1次選考通過作品。
その街に広い空き地があった。
暴力団砂猫組は、地元の皆さんに喜んでもらおうと、そこへ公園を作った。
一方、宗教団体神々教は対抗して、神々公園を作り上げた。
ここに熾烈な公園戦争が勃発した。
ミュージカル小説という美しいタイトルとは名ばかり。
戦いはエスカレートし、お互いが殺し屋を雇い、果てしなき公園戦争へと突入して行く。
清純Domの献身~純潔は狂犬Subに貪られて~
天岸 あおい
BL
※多忙につき休載中。再開は三月以降になりそうです。
Dom/Subユニバースでガラの悪い人狼Sub×清純な童顔の人間Dom。
子供の頃から人に尽くしたがりだった古矢守流。
ある日、公園の藪で行き倒れている青年を保護する。
人狼の青年、アグーガル。
Sub持ちだったアグーガルはDomたちから逃れ、異世界からこっちの世界へ落ちてきた。
アグーガルはすぐに守流からDomの気配を感じるが本人は無自覚。しかし本能に突き動かされて尽くそうとする守流に、アグーガルは契約を持ちかける。
自分を追い詰めたDomへ復讐するかのように、何も知らない守流を淫らに仕込み、Subに乱れるDomを穿って優越感と多幸感を味わうアグーガル。
そんな思いを肌で感じ取りながらも、彼の幸せを心から望み、彼の喜びを自分の悦びに変え、淫らに堕ちていく守流。
本来の支配する側/される側が逆転しつつも、本能と復讐から始まった関係は次第に深い絆を生んでいく――。
※Dom受け。逆転することはなく固定です。
※R18パートは話タイトルの前に『●』が付きます。なお付いていない話でも、キスや愛撫などは隙あらば挟まります。SM色は弱く、羞恥プレイ・快楽責めメイン。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる