285 / 375
第11章
第285話
しおりを挟む
「ここは俺1人で良い。あちらの方角に集まっている魔人たちの相手をしろ!」
「了解しました。ハシント様!」
魔人のバレリオとエべラルドと対峙したまま、ハシントは遅れてついてきた部下たちに指示を出す。
最初姿が見えない所から飛んで来る魔法に人族軍は苦労していたようだが、集団で固まって対処をするようにしたからか、魔人たちの魔法攻撃にも対応できるようになってきた。
後は敵の居場所さえ分かれば、彼らも攻撃に移れるだろう。
この2人は一般の兵に任せる訳にはいかないため自分が請け負い、探知に反応した魔人たちの位置を指さし、ハシントはそちらへ部下たちに行かせることにした。
「行かせ……」
「待て!!」
的確に位置を把握しているハシントの指示に従い、人族の兵たちが仲間の所へ向かおうとしているのを黙っていかせるわけにはいかない。
そのため、エべラルドは人族の兵を追おうとした。
しかし、それをバレリオが制止する。
「隊長?」
「動けばこいつに斬られるぞ!」
何故止めるのか分からず、エべラルドは不思議そうにバレリオを見つめる。
それに対し、バレリオは冷静に理由を述べた。
「……そっちの若いのと違って、あんたは良い判断してるな」
バレリオが言った通り、ハシントはエべラルドが動いた時の隙を狙っていたらしく、剣に魔力を集めていた。
いつでも魔法を放って、攻撃をしかけることができる体勢だ。
もしも、バレリオが止めていなければ、エべラルドは大怪我を負っていただろう。
「しかし……」
「あっちはあっちの人間に任せればいい。仲間を信用するんだ」
自分が危険な状態だったことに気付いたエべラルドは、顔を青ざめる。
しかし、このままでは人族の兵に仲間がやられてしまうかもしれない。
それを黙って見過ごすわけにはいかない。
エべラルドのその気持ちもわかるが、今目の前の男から目を離すわけにはいかない。
仲間の方へ向かって行った人族の兵よりも、この男を放っておくほうが仲間にとっては危険極まりないからだ。
そのため、バレリオはエベラルドをこちらの方に集中させようとした。
「……分かりました」
たしかに、あっちへ向かえばこの危険な人族の男をバレリオ1人では止め切れない。
そのため、この状況では仲間を信用するしかないため、エべラルドは頷きを返したのだった。
「1つ聞きたいのだが……、どうやって魔闘術を使えるようになったんだ?」
「「………………」」
半年という短期間で、ゼロから魔法を使いこなせるようになった魔人たちには脅威すら感じる。
しかも、2人も魔闘術まで使いこなせるようになっている。
エヌーノ王国には、ハシントしか魔闘術を使える者はいない。
小国とは言っても魔闘術の使い手が大勢いれば、大国を相手にしても勝利を治めることができる。
そうなるためには、魔人たちがここまで成長する理由に興味が湧いた。
そのため、ハシントはバレリオに剣を向けて問いかけた。
しかし、当然のようにバレリオとエべラルドはその質問に答えない。
それもそのはず、ケイというエルフのお陰だなどと答えたら、人族がケイに迷惑をかけることが目に見えているからだ。
ドワーフ同様、ケイもエナグア王国にとって恩人となっている。
そんなことになると分かっていて、答える訳がない。
「そりゃ答えないか……だが、所詮はにわか仕込み、そう長い時間の使用はできないだろう?」
「………………」「っ!?」
半年で魔闘術を使えるようになったこの2人は天才と言ってもいい。
しかし、いくら天才とは言っても、半年で自由に使いこなせるようになる訳がない。
ハッタリ代わりにハシントが問いかけた。
「ハハ、そっちの奴は読みやすいな。顔に出ているぞ」
経験の差だろうか、バレリオはその問いに反応することはない。
しかし、エべラルドはそうはいかず、僅かに表情に出てしまった。
予想通り、この2人は完全に魔闘術を使いこなせるわけではない。
このまま、睨み合っているだけでも自分の方が勝てる可能性が高い。
エべラルドの反応だけで、ハシントは勝利を確信し笑みを浮かべた。
「このっ!!」
自分のせいで、不利の状況を悪化させてしまった。
そのことで焦ってしまったのか、エべラルドはハシントへ襲い掛かった。
「青いな……。むっ!?」
エべラルドの槍による突きを読んでいたかのように、ハシントは回避する。
そして、回避と同時にすぐさま剣で斬りかかった。
その剣がエべラルドを斬り裂く前に、バレリオがハシントへと攻撃を放ってきた。
仕方がないため、ハシントはエべラルドへの攻撃を中断して、バレリオの攻撃を防ぐことにした。
「あまりうかつに攻め込むな! エべラルド」
「すいません! 隊長……」
もしもバレリオがハシントへ攻撃をしていなかったら、剣で斬られて致命傷をっていたかもしれない。
先程と合わせて2度目の危機に、エべラルドはバレリオに申し訳なさそうに謝る。
「2対1で互角……といったところか?」
「………………」
先程の攻防で、ハシントはお互いの戦力を分析した結果を呟く。
それを聞いたバレリオは、声と表情に出さずに内心でそれを否定する。
たしかに、バレリオの経験値でエべラルドの未熟な部分を補えば、ハシントともいい勝負ができるかもしれない。
しかし、ハシントと違い、こちらは魔闘術を維持できる時間が限られている。
とても互角といえる状況ではない。
「……エべラルド。もしもの時は俺ごとあいつを仕留めろ!」
「っ!? なっ、何を!?」
戦いはどのようなことが状況を変えるか分からない。
しかし、それでこちらが有利になる機会が来るのを期待するのは虫が良すぎる。
そうなると、最終手段は刺し違えるということ。
そのことも覚悟しておかないと、とてもではないがこちらが勝つことはできない。
そのため、バレリオはエべラルドに近付き小声で呟いたのだが、経験不足からそこまでの覚悟がなかったのか、その言葉に慌てたような声をあげる。
「それなら、俺が……」
「馬鹿言うな! 年功序列で俺が犠牲になるべきだ!」
目の前の敵を倒しても、他にも人族を大量に相手にしなければならない。
そうなったら、自分より指揮をとれるバレリオが生き残った方が良い。
それを提案しようとしたエべラルドの言葉を遮るように、バレリオが強めに声を出す。
「それ程の相手だ! 分かったな?」
「……わ、分かりました」
自分1人で戦っていたら、もうやられていたかもしれないような人間が相手だ。
何かを犠牲にするくらいの覚悟は必要かもしれない。
自分とバレリオのどちらが生き残る方が良いのか、エべラルドには吹っ切れない部分があるが、今はバレリオの指示に従うことにしたのだった。
「了解しました。ハシント様!」
魔人のバレリオとエべラルドと対峙したまま、ハシントは遅れてついてきた部下たちに指示を出す。
最初姿が見えない所から飛んで来る魔法に人族軍は苦労していたようだが、集団で固まって対処をするようにしたからか、魔人たちの魔法攻撃にも対応できるようになってきた。
後は敵の居場所さえ分かれば、彼らも攻撃に移れるだろう。
この2人は一般の兵に任せる訳にはいかないため自分が請け負い、探知に反応した魔人たちの位置を指さし、ハシントはそちらへ部下たちに行かせることにした。
「行かせ……」
「待て!!」
的確に位置を把握しているハシントの指示に従い、人族の兵たちが仲間の所へ向かおうとしているのを黙っていかせるわけにはいかない。
そのため、エべラルドは人族の兵を追おうとした。
しかし、それをバレリオが制止する。
「隊長?」
「動けばこいつに斬られるぞ!」
何故止めるのか分からず、エべラルドは不思議そうにバレリオを見つめる。
それに対し、バレリオは冷静に理由を述べた。
「……そっちの若いのと違って、あんたは良い判断してるな」
バレリオが言った通り、ハシントはエべラルドが動いた時の隙を狙っていたらしく、剣に魔力を集めていた。
いつでも魔法を放って、攻撃をしかけることができる体勢だ。
もしも、バレリオが止めていなければ、エべラルドは大怪我を負っていただろう。
「しかし……」
「あっちはあっちの人間に任せればいい。仲間を信用するんだ」
自分が危険な状態だったことに気付いたエべラルドは、顔を青ざめる。
しかし、このままでは人族の兵に仲間がやられてしまうかもしれない。
それを黙って見過ごすわけにはいかない。
エべラルドのその気持ちもわかるが、今目の前の男から目を離すわけにはいかない。
仲間の方へ向かって行った人族の兵よりも、この男を放っておくほうが仲間にとっては危険極まりないからだ。
そのため、バレリオはエベラルドをこちらの方に集中させようとした。
「……分かりました」
たしかに、あっちへ向かえばこの危険な人族の男をバレリオ1人では止め切れない。
そのため、この状況では仲間を信用するしかないため、エべラルドは頷きを返したのだった。
「1つ聞きたいのだが……、どうやって魔闘術を使えるようになったんだ?」
「「………………」」
半年という短期間で、ゼロから魔法を使いこなせるようになった魔人たちには脅威すら感じる。
しかも、2人も魔闘術まで使いこなせるようになっている。
エヌーノ王国には、ハシントしか魔闘術を使える者はいない。
小国とは言っても魔闘術の使い手が大勢いれば、大国を相手にしても勝利を治めることができる。
そうなるためには、魔人たちがここまで成長する理由に興味が湧いた。
そのため、ハシントはバレリオに剣を向けて問いかけた。
しかし、当然のようにバレリオとエべラルドはその質問に答えない。
それもそのはず、ケイというエルフのお陰だなどと答えたら、人族がケイに迷惑をかけることが目に見えているからだ。
ドワーフ同様、ケイもエナグア王国にとって恩人となっている。
そんなことになると分かっていて、答える訳がない。
「そりゃ答えないか……だが、所詮はにわか仕込み、そう長い時間の使用はできないだろう?」
「………………」「っ!?」
半年で魔闘術を使えるようになったこの2人は天才と言ってもいい。
しかし、いくら天才とは言っても、半年で自由に使いこなせるようになる訳がない。
ハッタリ代わりにハシントが問いかけた。
「ハハ、そっちの奴は読みやすいな。顔に出ているぞ」
経験の差だろうか、バレリオはその問いに反応することはない。
しかし、エべラルドはそうはいかず、僅かに表情に出てしまった。
予想通り、この2人は完全に魔闘術を使いこなせるわけではない。
このまま、睨み合っているだけでも自分の方が勝てる可能性が高い。
エべラルドの反応だけで、ハシントは勝利を確信し笑みを浮かべた。
「このっ!!」
自分のせいで、不利の状況を悪化させてしまった。
そのことで焦ってしまったのか、エべラルドはハシントへ襲い掛かった。
「青いな……。むっ!?」
エべラルドの槍による突きを読んでいたかのように、ハシントは回避する。
そして、回避と同時にすぐさま剣で斬りかかった。
その剣がエべラルドを斬り裂く前に、バレリオがハシントへと攻撃を放ってきた。
仕方がないため、ハシントはエべラルドへの攻撃を中断して、バレリオの攻撃を防ぐことにした。
「あまりうかつに攻め込むな! エべラルド」
「すいません! 隊長……」
もしもバレリオがハシントへ攻撃をしていなかったら、剣で斬られて致命傷をっていたかもしれない。
先程と合わせて2度目の危機に、エべラルドはバレリオに申し訳なさそうに謝る。
「2対1で互角……といったところか?」
「………………」
先程の攻防で、ハシントはお互いの戦力を分析した結果を呟く。
それを聞いたバレリオは、声と表情に出さずに内心でそれを否定する。
たしかに、バレリオの経験値でエべラルドの未熟な部分を補えば、ハシントともいい勝負ができるかもしれない。
しかし、ハシントと違い、こちらは魔闘術を維持できる時間が限られている。
とても互角といえる状況ではない。
「……エべラルド。もしもの時は俺ごとあいつを仕留めろ!」
「っ!? なっ、何を!?」
戦いはどのようなことが状況を変えるか分からない。
しかし、それでこちらが有利になる機会が来るのを期待するのは虫が良すぎる。
そうなると、最終手段は刺し違えるということ。
そのことも覚悟しておかないと、とてもではないがこちらが勝つことはできない。
そのため、バレリオはエべラルドに近付き小声で呟いたのだが、経験不足からそこまでの覚悟がなかったのか、その言葉に慌てたような声をあげる。
「それなら、俺が……」
「馬鹿言うな! 年功序列で俺が犠牲になるべきだ!」
目の前の敵を倒しても、他にも人族を大量に相手にしなければならない。
そうなったら、自分より指揮をとれるバレリオが生き残った方が良い。
それを提案しようとしたエべラルドの言葉を遮るように、バレリオが強めに声を出す。
「それ程の相手だ! 分かったな?」
「……わ、分かりました」
自分1人で戦っていたら、もうやられていたかもしれないような人間が相手だ。
何かを犠牲にするくらいの覚悟は必要かもしれない。
自分とバレリオのどちらが生き残る方が良いのか、エべラルドには吹っ切れない部分があるが、今はバレリオの指示に従うことにしたのだった。
0
お気に入りに追加
633
あなたにおすすめの小説
聖女業に飽きて喫茶店開いたんだけど、追放を言い渡されたので辺境に移り住みます!【完結】
青緑
ファンタジー
聖女が喫茶店を開くけど、追放されて辺境に移り住んだ物語と、聖女のいない王都。
———————————————
物語内のノーラとデイジーは同一人物です。
王都の小話は追記予定。
修正を入れることがあるかもしれませんが、作品・物語自体は完結です。
【R18】World after 1 minute 1分後の先読み能力で金貨100万枚稼いだ僕は異世界で奴隷ハーレムを築きます
ロータス
ファンタジー
死んだでもなく、女神に誘われたでもなく、気づいたときには異世界へと転移された僕こと小川 秀作。
鑑定もなければ、ステータスも開かない、魔法も使えなければ、女神のサポートもない。
何もない、現代でも異世界でもダメダメな僕が唯一使えるスキル。
World after 1 minute。
1分後の未来をシミュレーションできるスキルだった。
そして目の前にはギャンブルが出来るコロセウムとなぜか握られている1枚の金貨。
運命というにはあまりにあからさまなそこに僕は足を踏み入れる。
そして僕の名は、コロセウムに轟くことになる。
コロセウム史上最大の勝ち金を手に入れた人間として。
私の愛する人は、私ではない人を愛しています
ハナミズキ
恋愛
代々王宮医師を輩出しているオルディアン伯爵家の双子の妹として生まれたヴィオラ。
物心ついた頃から病弱の双子の兄を溺愛する母に冷遇されていた。王族の専属侍医である父は王宮に常駐し、領地の邸には不在がちなため、誰も夫人によるヴィオラへの仕打ちを諫められる者はいなかった。
母に拒絶され続け、冷たい日々の中でヴィオラを支えたのは幼き頃の初恋の相手であり、婚約者であるフォルスター侯爵家嫡男ルカディオとの約束だった。
『俺が騎士になったらすぐにヴィオを迎えに行くから待っていて。ヴィオの事は俺が一生守るから』
だが、その約束は守られる事はなかった。
15歳の時、愛するルカディオと再会したヴィオラは残酷な現実を知り、心が壊れていく。
そんなヴィオラに、1人の青年が近づき、やがて国を巻き込む運命が廻り出す。
『約束する。お前の心も身体も、俺が守るから。だからもう頑張らなくていい』
それは誰の声だったか。
でもヴィオラの壊れた心にその声は届かない。
もうヴィオラは約束なんてしない。
信じたって最後には裏切られるのだ。
だってこれは既に決まっているシナリオだから。
そう。『悪役令嬢』の私は、破滅する為だけに生まれてきた、ただの当て馬なのだから。
強引に婚約破棄された最強聖女は愚かな王国に復讐をする!
悠月 風華
ファンタジー
〖神の意思〗により選ばれた聖女、ルミエール・オプスキュリテは
婚約者であったデルソーレ王国第一王子、クシオンに
『真実の愛に目覚めたから』と言われ、
強引に婚約破棄&国外追放を命じられる。
大切な母の形見を売り払い、6年間散々虐げておいて、
幸せになれるとは思うなよ……?
*ゆるゆるの設定なので、どこか辻褄が
合わないところがあると思います。
✣ノベルアップ+にて投稿しているオリジナル小説です。
✣表紙は柚唄ソラ様のpixivよりお借りしました。
https://www.pixiv.net/artworks/90902111
私はあなたの母ではありませんよ
れもんぴーる
恋愛
クラリスの夫アルマンには結婚する前からの愛人がいた。アルマンは、その愛人は恩人の娘であり切り捨てることはできないが、今後は決して関係を持つことなく支援のみすると約束した。クラリスに娘が生まれて幸せに暮らしていたが、アルマンには約束を違えたどころか隠し子がいた。おまけに娘のユマまでが愛人に懐いていることが判明し絶望する。そんなある日、クラリスは殺される。
クラリスがいなくなった屋敷には愛人と隠し子がやってくる。母を失い悲しみに打ちのめされていたユマは、使用人たちの冷ややかな視線に気づきもせず父の愛人をお母さまと縋り、アルマンは子供を任せられると愛人を屋敷に滞在させた。
アルマンと愛人はクラリス殺しを疑われ、人がどんどん離れて行っていた。そんな時、クラリスそっくりの夫人が社交界に現れた。
ユマもアルマンもクラリスの両親も彼女にクラリスを重ねるが、彼女は辺境の地にある次期ルロワ侯爵夫人オフェリーであった。アルマンやクラリスの両親は他人だとあきらめたがユマはあきらめがつかず、オフェリーに執着し続ける。
クラリスの関係者はこの先どのような未来を歩むのか。
*恋愛ジャンルですが親子関係もキーワード……というかそちらの要素が強いかも。
*めずらしく全編通してシリアスです。
*今後ほかのサイトにも投稿する予定です。
家族に無能と追放された冒険者、実は街に出たら【万能チート】すぎた、理由は家族がチート集団だったから
ハーーナ殿下
ファンタジー
冒険者を夢見る少年ハリトは、幼い時から『無能』と言われながら厳しい家族に鍛えられてきた。無能な自分は、このままではダメになってしまう。一人前の冒険者なるために、思い切って家出。辺境の都市国家に向かう。
だが少年は自覚していなかった。家族は【天才魔道具士】の父、【聖女】の母、【剣聖】の姉、【大魔導士】の兄、【元勇者】の祖父、【元魔王】の祖母で、自分が彼らの万能の才能を受け継いでいたことを。
これは自分が無能だと勘違いしていた少年が、滅亡寸前の小国を冒険者として助け、今までの努力が実り、市民や冒険者仲間、騎士、大商人や貴族、王女たちに認められ、大活躍していく逆転劇である。
ミュージカル小説 ~踊る公園~
右京之介
現代文学
集英社ライトノベル新人賞1次選考通過作品。
その街に広い空き地があった。
暴力団砂猫組は、地元の皆さんに喜んでもらおうと、そこへ公園を作った。
一方、宗教団体神々教は対抗して、神々公園を作り上げた。
ここに熾烈な公園戦争が勃発した。
ミュージカル小説という美しいタイトルとは名ばかり。
戦いはエスカレートし、お互いが殺し屋を雇い、果てしなき公園戦争へと突入して行く。
清純Domの献身~純潔は狂犬Subに貪られて~
天岸 あおい
BL
※多忙につき休載中。再開は三月以降になりそうです。
Dom/Subユニバースでガラの悪い人狼Sub×清純な童顔の人間Dom。
子供の頃から人に尽くしたがりだった古矢守流。
ある日、公園の藪で行き倒れている青年を保護する。
人狼の青年、アグーガル。
Sub持ちだったアグーガルはDomたちから逃れ、異世界からこっちの世界へ落ちてきた。
アグーガルはすぐに守流からDomの気配を感じるが本人は無自覚。しかし本能に突き動かされて尽くそうとする守流に、アグーガルは契約を持ちかける。
自分を追い詰めたDomへ復讐するかのように、何も知らない守流を淫らに仕込み、Subに乱れるDomを穿って優越感と多幸感を味わうアグーガル。
そんな思いを肌で感じ取りながらも、彼の幸せを心から望み、彼の喜びを自分の悦びに変え、淫らに堕ちていく守流。
本来の支配する側/される側が逆転しつつも、本能と復讐から始まった関係は次第に深い絆を生んでいく――。
※Dom受け。逆転することはなく固定です。
※R18パートは話タイトルの前に『●』が付きます。なお付いていない話でも、キスや愛撫などは隙あらば挟まります。SM色は弱く、羞恥プレイ・快楽責めメイン。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる