216 / 375
第10章
第216話
しおりを挟む
「今日はどうするんだ?」
朝食を食べ終え。昨日は早々に眠りについて十分な睡眠を取ったからか、善貞はテンション高くケイに問いかける。
昨日狩った猪の肉があるので別に構わないのだが、普通に食事を強請って来たことにケイはイラっと来た。
「昨日だけでも9頭なんて、いくら何でも多すぎる」
「たしかに……」
月和村で村人が猪の魔物が畑を荒らしに来ると愚痴っていたが、1日でこんなに遭遇するなんてただ事ではない。
官林村も畑に被害を受け始めたために、善貞が動いたのだ。
両村とも、猪なんてそう滅多に出ないにもかかわらず、同時期に被害に遭っているとなると、これだけ頻繁に会うこの山に原因があるように思える。
「何かあったのかもしれないな。森に入って原因を探す」
「本気か?」
街道付近だけでこれだけの数に遭遇するとなると、とてもではないが個人で対応する案件ではない。
昨日までは甘く考えていた善貞も、自分が解決しようなどという思いはもう消え去っていた。
それなのにもかかわらず、この国に関係のないケイが問題解決に動こうとしていることが信じられなず、善貞は目を見開く。
「あんた強ぇみたいだけど危険過ぎるだろ?」
昨日、善貞はケイの強さをすこしだけだが見た。
魔闘術を使いこなし、猪をものともしないほど強いのは分かっている。
しかし、それは単体を相手にした時の強さであって、集団を相手にした場合1人では対応しきれない可能性がある。
猪の攻撃を少しでも食らってしまったら、たちまち餌へと変わってしまうだろう。
それを考えると、善貞は心配になる。
たまたま知り合ったとは言っても、ケイにはかなり世話になった。
このまま見送る訳にはいかない。
「本当にやばかったら、速攻で逃げるよ」
「いや、それでも……」
善貞が止めるよう促すが、ケイは原因追及に向かうのをやめる様子はない。
昔からアンヘル島で猪の相手は良くしていた。
島でも猪の数が増え、集団に襲われたこともある。
その時は何とか全速力で逃げて難を逃れたが、かなり恐ろしかったことを思いだす。
しかし、それもかなり若い頃の話だ。
今なら十分対応できる。
「お前とはここでお別れだ。お前は村にでも帰れ」
「……理由があって帰れない。役に立たないかもしれないが、お前に付いて行く!」
猪の集団と戦うことになるかもしれないとなると、問題は善貞だ。
もしもついてくるとなると、はっきり言って足手まといだ。
そのため、ケイは村に帰ることを促した。
しかし、言われた方の善貞は、表情を曇らせて拒否をしてきた。
官林村とかいう村にいたらしいが、どうやら戻るに戻れない理由でもあるようだ。
しかも、ついてくる気満々だ。
「そいつは御愁傷様。けど俺がお前につれていかなければならない理由がない」
「それは……」
もしかしたら身分を隠していることが関係しているのかもしれないが、そんなことケイには関係ない。
善貞の安全を思って突き放す。
しかし、善貞は反論する言葉が見当たらないのか、言い淀んで顔をうつ向かせる。
「……俺の指示を遵守するか?」
「っ!?」
何か色々と抱え込んでいるのだろう。
魔闘術を学びたちと言っていたが、強くならなければならない理由でもあるのかもしれない。
若干甘やかされて育てられた感は見え隠れするが、短い付き合いとはいえ悪い奴ではないように思える。
深くかかわって面倒に巻き込まれるのは嫌だが、このまま放って置いたら何をするか分からない。
甘い考えをしている所を見ると、騙されるか、あっさり命を落としかねない。
とりあえず、少しの間面倒を見てやるかと、ケイは仏心を出すことにした。
ケイの言葉に驚きつつ、善貞は顔を上げてケイを見つめる。
「ついてこい!」
「あ、あぁ!」
ケイに同行を許され、善貞は一気に顔をほころばせる。
そして、森に向かい歩き出したケイの背中を付いて行った。
◆◆◆◆◆
「大繁殖してるな……」
「これは……」
森の中に入り、何度か猪が襲い掛かって来たが、ケイが銃で仕留めて先へと進んで来た。
探知に引っかかる猪が多い方へと向かって来ると、そこにはかなりの数のうり坊が集まっていた。
多くのうり坊を見て、大繁殖していることを確信したケイたちは、見つからないように遠くから様子を窺う。
見た目は可愛らしいが、育てば親のように凶暴な猪へと変わってしまう。
それを考えると、見た目が可愛いからと言ってこのまま放置はできない。
うり坊を始末しないといけないのだが、母親らしき猪たちが守るように周囲を固めている。
その数もとんでもない。
「駄目だ! これは剣術部隊に任せるしかない!」
「そんなの待ってたら、村が潰れるぞ?」
想像以上の数の猪に、善貞は小声でケイに引くことを勧めてくる。
魔闘術を使えても、これだけの数を1人で対処するのは難しい。
そう思うのも仕方がない。
だが、その剣術部隊とやらもいつ来るか分からない。
放って置いたら、うり坊たちの食料を手に入れるために親の猪たちが近くの村へと向かってしまうかもしれない。
「お前はこいつらの側にいろ!」
「しかし……」
大量の猪たちを前にしても、ケイは引くつもりはない。
原因はまだ分からないが、集まっている猪の集団を叩けば何かしら分かるだろう。
善貞はやはり止めて来るが、さっさとやってしまおう。
「キュウ! クウ! こいつを頼んだぞ!」
【まかせて!】「ワウッ!」
数が多いのでケイはそっちにかかりっきりになる。
その間、善貞に猪や他の魔物が襲い掛からないとも限らない。
距離が離れているので、ケイを無視して襲い掛かってくるとは思わないが、念のためキュウたちに任せることにした。
キュウたちは、頼まれて嬉しそうに返事をする。
「こいつらがいれば、勝手なことをしない限り、お前が死ぬことはないからな」
「わ、分かった」
キュウたちを指さし、ケイは善貞に忠告をする。
勝手な行動をされて困るのはケイたちもだが、一番危ないのは善貞だ。
お互いのためにも動かないでほしい。
「そう言えば、お前魔闘術を教えろと言ったが、簡単に教える訳にはいかない」
「そうだよな……」
魔闘術は日向でも大陸でも重要な戦闘技術だ。
簡単に教えて、悪用されるわけにもいかない。
なので、教えるにしても慎重にならざるを得ない。
それが分かっているので、ケイに断られたことを納得する善貞。
「だから、見て何か感じろ!」
「えっ?」
教えるのは構わなくもないが、簡単に教えるのも癪だ。
それに、手取り足取り教えても善貞のためにならない。
見てどうにかなるかは分からないが、それで何かを感じ取ったならしょうがない。
その程度の気持ちでケイは善貞へ声をかけた。
つまりは見て盗めと言っていると善貞は理解する。
「じゃあ、行って来る!」
「あ、あぁ!」
ケイが言うのだから、きっと見て何か盗めるものがあるはず。
そのため、善貞は目を見開き、短い言葉と共に地を蹴ったケイの背中を見送ったのだった。
朝食を食べ終え。昨日は早々に眠りについて十分な睡眠を取ったからか、善貞はテンション高くケイに問いかける。
昨日狩った猪の肉があるので別に構わないのだが、普通に食事を強請って来たことにケイはイラっと来た。
「昨日だけでも9頭なんて、いくら何でも多すぎる」
「たしかに……」
月和村で村人が猪の魔物が畑を荒らしに来ると愚痴っていたが、1日でこんなに遭遇するなんてただ事ではない。
官林村も畑に被害を受け始めたために、善貞が動いたのだ。
両村とも、猪なんてそう滅多に出ないにもかかわらず、同時期に被害に遭っているとなると、これだけ頻繁に会うこの山に原因があるように思える。
「何かあったのかもしれないな。森に入って原因を探す」
「本気か?」
街道付近だけでこれだけの数に遭遇するとなると、とてもではないが個人で対応する案件ではない。
昨日までは甘く考えていた善貞も、自分が解決しようなどという思いはもう消え去っていた。
それなのにもかかわらず、この国に関係のないケイが問題解決に動こうとしていることが信じられなず、善貞は目を見開く。
「あんた強ぇみたいだけど危険過ぎるだろ?」
昨日、善貞はケイの強さをすこしだけだが見た。
魔闘術を使いこなし、猪をものともしないほど強いのは分かっている。
しかし、それは単体を相手にした時の強さであって、集団を相手にした場合1人では対応しきれない可能性がある。
猪の攻撃を少しでも食らってしまったら、たちまち餌へと変わってしまうだろう。
それを考えると、善貞は心配になる。
たまたま知り合ったとは言っても、ケイにはかなり世話になった。
このまま見送る訳にはいかない。
「本当にやばかったら、速攻で逃げるよ」
「いや、それでも……」
善貞が止めるよう促すが、ケイは原因追及に向かうのをやめる様子はない。
昔からアンヘル島で猪の相手は良くしていた。
島でも猪の数が増え、集団に襲われたこともある。
その時は何とか全速力で逃げて難を逃れたが、かなり恐ろしかったことを思いだす。
しかし、それもかなり若い頃の話だ。
今なら十分対応できる。
「お前とはここでお別れだ。お前は村にでも帰れ」
「……理由があって帰れない。役に立たないかもしれないが、お前に付いて行く!」
猪の集団と戦うことになるかもしれないとなると、問題は善貞だ。
もしもついてくるとなると、はっきり言って足手まといだ。
そのため、ケイは村に帰ることを促した。
しかし、言われた方の善貞は、表情を曇らせて拒否をしてきた。
官林村とかいう村にいたらしいが、どうやら戻るに戻れない理由でもあるようだ。
しかも、ついてくる気満々だ。
「そいつは御愁傷様。けど俺がお前につれていかなければならない理由がない」
「それは……」
もしかしたら身分を隠していることが関係しているのかもしれないが、そんなことケイには関係ない。
善貞の安全を思って突き放す。
しかし、善貞は反論する言葉が見当たらないのか、言い淀んで顔をうつ向かせる。
「……俺の指示を遵守するか?」
「っ!?」
何か色々と抱え込んでいるのだろう。
魔闘術を学びたちと言っていたが、強くならなければならない理由でもあるのかもしれない。
若干甘やかされて育てられた感は見え隠れするが、短い付き合いとはいえ悪い奴ではないように思える。
深くかかわって面倒に巻き込まれるのは嫌だが、このまま放って置いたら何をするか分からない。
甘い考えをしている所を見ると、騙されるか、あっさり命を落としかねない。
とりあえず、少しの間面倒を見てやるかと、ケイは仏心を出すことにした。
ケイの言葉に驚きつつ、善貞は顔を上げてケイを見つめる。
「ついてこい!」
「あ、あぁ!」
ケイに同行を許され、善貞は一気に顔をほころばせる。
そして、森に向かい歩き出したケイの背中を付いて行った。
◆◆◆◆◆
「大繁殖してるな……」
「これは……」
森の中に入り、何度か猪が襲い掛かって来たが、ケイが銃で仕留めて先へと進んで来た。
探知に引っかかる猪が多い方へと向かって来ると、そこにはかなりの数のうり坊が集まっていた。
多くのうり坊を見て、大繁殖していることを確信したケイたちは、見つからないように遠くから様子を窺う。
見た目は可愛らしいが、育てば親のように凶暴な猪へと変わってしまう。
それを考えると、見た目が可愛いからと言ってこのまま放置はできない。
うり坊を始末しないといけないのだが、母親らしき猪たちが守るように周囲を固めている。
その数もとんでもない。
「駄目だ! これは剣術部隊に任せるしかない!」
「そんなの待ってたら、村が潰れるぞ?」
想像以上の数の猪に、善貞は小声でケイに引くことを勧めてくる。
魔闘術を使えても、これだけの数を1人で対処するのは難しい。
そう思うのも仕方がない。
だが、その剣術部隊とやらもいつ来るか分からない。
放って置いたら、うり坊たちの食料を手に入れるために親の猪たちが近くの村へと向かってしまうかもしれない。
「お前はこいつらの側にいろ!」
「しかし……」
大量の猪たちを前にしても、ケイは引くつもりはない。
原因はまだ分からないが、集まっている猪の集団を叩けば何かしら分かるだろう。
善貞はやはり止めて来るが、さっさとやってしまおう。
「キュウ! クウ! こいつを頼んだぞ!」
【まかせて!】「ワウッ!」
数が多いのでケイはそっちにかかりっきりになる。
その間、善貞に猪や他の魔物が襲い掛からないとも限らない。
距離が離れているので、ケイを無視して襲い掛かってくるとは思わないが、念のためキュウたちに任せることにした。
キュウたちは、頼まれて嬉しそうに返事をする。
「こいつらがいれば、勝手なことをしない限り、お前が死ぬことはないからな」
「わ、分かった」
キュウたちを指さし、ケイは善貞に忠告をする。
勝手な行動をされて困るのはケイたちもだが、一番危ないのは善貞だ。
お互いのためにも動かないでほしい。
「そう言えば、お前魔闘術を教えろと言ったが、簡単に教える訳にはいかない」
「そうだよな……」
魔闘術は日向でも大陸でも重要な戦闘技術だ。
簡単に教えて、悪用されるわけにもいかない。
なので、教えるにしても慎重にならざるを得ない。
それが分かっているので、ケイに断られたことを納得する善貞。
「だから、見て何か感じろ!」
「えっ?」
教えるのは構わなくもないが、簡単に教えるのも癪だ。
それに、手取り足取り教えても善貞のためにならない。
見てどうにかなるかは分からないが、それで何かを感じ取ったならしょうがない。
その程度の気持ちでケイは善貞へ声をかけた。
つまりは見て盗めと言っていると善貞は理解する。
「じゃあ、行って来る!」
「あ、あぁ!」
ケイが言うのだから、きっと見て何か盗めるものがあるはず。
そのため、善貞は目を見開き、短い言葉と共に地を蹴ったケイの背中を見送ったのだった。
0
お気に入りに追加
633
あなたにおすすめの小説
聖女業に飽きて喫茶店開いたんだけど、追放を言い渡されたので辺境に移り住みます!【完結】
青緑
ファンタジー
聖女が喫茶店を開くけど、追放されて辺境に移り住んだ物語と、聖女のいない王都。
———————————————
物語内のノーラとデイジーは同一人物です。
王都の小話は追記予定。
修正を入れることがあるかもしれませんが、作品・物語自体は完結です。
【R18】World after 1 minute 1分後の先読み能力で金貨100万枚稼いだ僕は異世界で奴隷ハーレムを築きます
ロータス
ファンタジー
死んだでもなく、女神に誘われたでもなく、気づいたときには異世界へと転移された僕こと小川 秀作。
鑑定もなければ、ステータスも開かない、魔法も使えなければ、女神のサポートもない。
何もない、現代でも異世界でもダメダメな僕が唯一使えるスキル。
World after 1 minute。
1分後の未来をシミュレーションできるスキルだった。
そして目の前にはギャンブルが出来るコロセウムとなぜか握られている1枚の金貨。
運命というにはあまりにあからさまなそこに僕は足を踏み入れる。
そして僕の名は、コロセウムに轟くことになる。
コロセウム史上最大の勝ち金を手に入れた人間として。
私の愛する人は、私ではない人を愛しています
ハナミズキ
恋愛
代々王宮医師を輩出しているオルディアン伯爵家の双子の妹として生まれたヴィオラ。
物心ついた頃から病弱の双子の兄を溺愛する母に冷遇されていた。王族の専属侍医である父は王宮に常駐し、領地の邸には不在がちなため、誰も夫人によるヴィオラへの仕打ちを諫められる者はいなかった。
母に拒絶され続け、冷たい日々の中でヴィオラを支えたのは幼き頃の初恋の相手であり、婚約者であるフォルスター侯爵家嫡男ルカディオとの約束だった。
『俺が騎士になったらすぐにヴィオを迎えに行くから待っていて。ヴィオの事は俺が一生守るから』
だが、その約束は守られる事はなかった。
15歳の時、愛するルカディオと再会したヴィオラは残酷な現実を知り、心が壊れていく。
そんなヴィオラに、1人の青年が近づき、やがて国を巻き込む運命が廻り出す。
『約束する。お前の心も身体も、俺が守るから。だからもう頑張らなくていい』
それは誰の声だったか。
でもヴィオラの壊れた心にその声は届かない。
もうヴィオラは約束なんてしない。
信じたって最後には裏切られるのだ。
だってこれは既に決まっているシナリオだから。
そう。『悪役令嬢』の私は、破滅する為だけに生まれてきた、ただの当て馬なのだから。
強引に婚約破棄された最強聖女は愚かな王国に復讐をする!
悠月 風華
ファンタジー
〖神の意思〗により選ばれた聖女、ルミエール・オプスキュリテは
婚約者であったデルソーレ王国第一王子、クシオンに
『真実の愛に目覚めたから』と言われ、
強引に婚約破棄&国外追放を命じられる。
大切な母の形見を売り払い、6年間散々虐げておいて、
幸せになれるとは思うなよ……?
*ゆるゆるの設定なので、どこか辻褄が
合わないところがあると思います。
✣ノベルアップ+にて投稿しているオリジナル小説です。
✣表紙は柚唄ソラ様のpixivよりお借りしました。
https://www.pixiv.net/artworks/90902111
私はあなたの母ではありませんよ
れもんぴーる
恋愛
クラリスの夫アルマンには結婚する前からの愛人がいた。アルマンは、その愛人は恩人の娘であり切り捨てることはできないが、今後は決して関係を持つことなく支援のみすると約束した。クラリスに娘が生まれて幸せに暮らしていたが、アルマンには約束を違えたどころか隠し子がいた。おまけに娘のユマまでが愛人に懐いていることが判明し絶望する。そんなある日、クラリスは殺される。
クラリスがいなくなった屋敷には愛人と隠し子がやってくる。母を失い悲しみに打ちのめされていたユマは、使用人たちの冷ややかな視線に気づきもせず父の愛人をお母さまと縋り、アルマンは子供を任せられると愛人を屋敷に滞在させた。
アルマンと愛人はクラリス殺しを疑われ、人がどんどん離れて行っていた。そんな時、クラリスそっくりの夫人が社交界に現れた。
ユマもアルマンもクラリスの両親も彼女にクラリスを重ねるが、彼女は辺境の地にある次期ルロワ侯爵夫人オフェリーであった。アルマンやクラリスの両親は他人だとあきらめたがユマはあきらめがつかず、オフェリーに執着し続ける。
クラリスの関係者はこの先どのような未来を歩むのか。
*恋愛ジャンルですが親子関係もキーワード……というかそちらの要素が強いかも。
*めずらしく全編通してシリアスです。
*今後ほかのサイトにも投稿する予定です。
家族に無能と追放された冒険者、実は街に出たら【万能チート】すぎた、理由は家族がチート集団だったから
ハーーナ殿下
ファンタジー
冒険者を夢見る少年ハリトは、幼い時から『無能』と言われながら厳しい家族に鍛えられてきた。無能な自分は、このままではダメになってしまう。一人前の冒険者なるために、思い切って家出。辺境の都市国家に向かう。
だが少年は自覚していなかった。家族は【天才魔道具士】の父、【聖女】の母、【剣聖】の姉、【大魔導士】の兄、【元勇者】の祖父、【元魔王】の祖母で、自分が彼らの万能の才能を受け継いでいたことを。
これは自分が無能だと勘違いしていた少年が、滅亡寸前の小国を冒険者として助け、今までの努力が実り、市民や冒険者仲間、騎士、大商人や貴族、王女たちに認められ、大活躍していく逆転劇である。
ミュージカル小説 ~踊る公園~
右京之介
現代文学
集英社ライトノベル新人賞1次選考通過作品。
その街に広い空き地があった。
暴力団砂猫組は、地元の皆さんに喜んでもらおうと、そこへ公園を作った。
一方、宗教団体神々教は対抗して、神々公園を作り上げた。
ここに熾烈な公園戦争が勃発した。
ミュージカル小説という美しいタイトルとは名ばかり。
戦いはエスカレートし、お互いが殺し屋を雇い、果てしなき公園戦争へと突入して行く。
清純Domの献身~純潔は狂犬Subに貪られて~
天岸 あおい
BL
※多忙につき休載中。再開は三月以降になりそうです。
Dom/Subユニバースでガラの悪い人狼Sub×清純な童顔の人間Dom。
子供の頃から人に尽くしたがりだった古矢守流。
ある日、公園の藪で行き倒れている青年を保護する。
人狼の青年、アグーガル。
Sub持ちだったアグーガルはDomたちから逃れ、異世界からこっちの世界へ落ちてきた。
アグーガルはすぐに守流からDomの気配を感じるが本人は無自覚。しかし本能に突き動かされて尽くそうとする守流に、アグーガルは契約を持ちかける。
自分を追い詰めたDomへ復讐するかのように、何も知らない守流を淫らに仕込み、Subに乱れるDomを穿って優越感と多幸感を味わうアグーガル。
そんな思いを肌で感じ取りながらも、彼の幸せを心から望み、彼の喜びを自分の悦びに変え、淫らに堕ちていく守流。
本来の支配する側/される側が逆転しつつも、本能と復讐から始まった関係は次第に深い絆を生んでいく――。
※Dom受け。逆転することはなく固定です。
※R18パートは話タイトルの前に『●』が付きます。なお付いていない話でも、キスや愛撫などは隙あらば挟まります。SM色は弱く、羞恥プレイ・快楽責めメイン。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる