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第6章
第116話
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「……結果オーライかな?」
敵兵たちは、いきなり現れた人間がハーフエルフだと分かり、さっきまで獣人を殺すことに意識を向けていたのを忘れて、全員がレイナルドに目を向けた。
ニンジンをぶら下げた馬のように、彼らは血走った目で見つめてくる。
さっきの呟きを聞くに、自分たちエルフの捕獲には報酬が出ているのかもしれない。
それはそれでイラッとするが、注意がこちらに向いたのは好都合だ。
「俺がもらった!!」「いや俺だ!!」
褒美目当てなのだろう、彼らは我先にと手を伸ばしてきた。
ドンドンと群がってくる。
「愚かだ……」
褒美に目がくらみ、さきほど仲間が1人殺され、足を撃たれたことを忘れているらしい。
あまりにも見苦しい者たちに、レイナルドは綺麗な顔を歪めた。
そして、不快そうな表情をしたレイナルドは、銃を連射する。
すると、レイナルドに向かってきた敵兵たちは、頭に穴を開けてバタバタと倒れて行った。
「「「「「っ!?」」」」」
レイナルドの捕獲に出遅れた者たちは、この結果に目を見開く。
さっきまで喜び勇んでいたのにもかかわらず、何が起きたかも分からないまま死んでいったからだ。
「な、何が?」「エルフは弱いんじゃ?」「ハーフは違うのか?」
あまりにもあっさりと仲間を殺したレイナルドに、敵兵たちは狼狽える。
あっという間に数人を殺した手際もすごいが、そもそも、エルフは生き物を殺すことを禁じていたはず。
それを、目の前のエルフはあっさりと破っている。
ハーフだからあり得ないということなのだろうか。
そもそも、殺された彼らは、曲がりなりにも毎日のように訓練を繰り返してきた。
弱いことでも有名なエルフが、こんなことができるとは全然信じられない。
そのため、動きが固まる。
レイナルドにとってその隙はありがたい。
「フッ!!」
銃を構えて軽く息を吐く。
そのあと一気に力を込める。
レイナルドの銃から放たれた弾が、周囲の敵の頭を貫き、物言わぬ骸と化していく。
頭を撃っても死なない虫型魔物とは違い、人間は頭を破壊すれば反撃してこないので楽だ。
そんなどうでも良いことを考えながら、レイナルドは引き金を引いていく。
「ずいぶん減ったな……」
かなりの数を撃ち、ちょっと疲れたレイナルドは撃つのをやめて一息ついた。
100人近い数に囲まれたいたが、さっきので3割は減らせたかもしれない。
「ヒ、ヒィ……」「な、何で……」
敵兵たちは、数ではまだまだ勝っているにもかかわらず、攻めかかれば一瞬で脳天に風穴を開けられると理解した。
そのため恐怖で動くことができず、腰が引けて後退りし始めた。
中には、恐怖で逃げ出す者も出てきた。
「ぐへっ!?」
「おいおい! 逃げちゃダメでしょ!?」
逃げ出した者が走っていくと、3人の男たちが現れ、先頭を歩いていた男が逃げ出してきた者の1人の首を、何の躊躇もなく斬り飛ばした。
それを見たからか、同じ目に遭いたくないと思った者たちは足を止め、回れ右をした。
「……来たか?」
迫っていた魔力の高い者たちは、どうやら彼たちだろう。
目当てだった者たちが現れ、レイナルドは少し警戒した。
「……ハーフエルフだ」
「そうだな……」
「褒美がもらえるんだろ?」
槍を持つ男、斧を持つ男、剣盾を持つ男と順に話す。
やはり自分たちエルフを捕まえると、褒美がもらえるようだ。
「捕まえられるとは思わないがな……」
「……何だと?」
レイナルドは独り言として呟いたのだが、どうやら耳が良いらしく、槍の男が反応してきた。
「耳が良いな? まぁ、聞かれても構わないがな……」
「……こいつ、エルフのくせに生意気だな?」
レイナルドは、今度はわざと聞こえるように話す。
すると、3人とも腹を立てたのか、眉間にシワが寄った。
そして、やる気になったのか、3人とも魔力を纏い出した。
「誰がいく?」
「コインを持っていないか?」
「今回の旅で使うことはないと思ったから持ってきてないな……」
3人は余裕なのか、戦う者を決める話し合いをし始めた。
彼らが戦うような雰囲気になったので、巻き添えを食らう訳にはいかないと、他の兵たちは少し後方へと退避した。
「…………結果は分かっているんだから、3人同時にかかって来いよ」
「「「あ゛っ!?」」」
レイナルドからしたら、別に1人だろうと3人だろうと変わりはないように思えた。
そのため、冷めたように呟いたのだが、舐められていると判断した3人は、思いのほか頭に来たらしく、目つき鋭くレイナルドを睨みつけた。
「奴が良いって言ってるんだ、少し痛めつけてやろうぜ!」
「「あぁ……」」
斧の男が出した案に、他の2人も乗っかった。
軽く小突くだけで済ましてやろうと思っていたのだが、レイナルドがあまりにも舐めたことを言ったので、骨の2、3本くらい折ってやろうと密かに思ったようだ。
3人とも完全にやる気満々の顔をしている。
「行くぞ!?」
「おうっ!!」「あぁっ!!」
槍の男、ヘルバシオ。
斧の男、コルデーロ。
剣と盾の男、ビルヒニオ。
レイナルドは銃を片手に、この3人に対して構えを取ったのだった。
敵兵たちは、いきなり現れた人間がハーフエルフだと分かり、さっきまで獣人を殺すことに意識を向けていたのを忘れて、全員がレイナルドに目を向けた。
ニンジンをぶら下げた馬のように、彼らは血走った目で見つめてくる。
さっきの呟きを聞くに、自分たちエルフの捕獲には報酬が出ているのかもしれない。
それはそれでイラッとするが、注意がこちらに向いたのは好都合だ。
「俺がもらった!!」「いや俺だ!!」
褒美目当てなのだろう、彼らは我先にと手を伸ばしてきた。
ドンドンと群がってくる。
「愚かだ……」
褒美に目がくらみ、さきほど仲間が1人殺され、足を撃たれたことを忘れているらしい。
あまりにも見苦しい者たちに、レイナルドは綺麗な顔を歪めた。
そして、不快そうな表情をしたレイナルドは、銃を連射する。
すると、レイナルドに向かってきた敵兵たちは、頭に穴を開けてバタバタと倒れて行った。
「「「「「っ!?」」」」」
レイナルドの捕獲に出遅れた者たちは、この結果に目を見開く。
さっきまで喜び勇んでいたのにもかかわらず、何が起きたかも分からないまま死んでいったからだ。
「な、何が?」「エルフは弱いんじゃ?」「ハーフは違うのか?」
あまりにもあっさりと仲間を殺したレイナルドに、敵兵たちは狼狽える。
あっという間に数人を殺した手際もすごいが、そもそも、エルフは生き物を殺すことを禁じていたはず。
それを、目の前のエルフはあっさりと破っている。
ハーフだからあり得ないということなのだろうか。
そもそも、殺された彼らは、曲がりなりにも毎日のように訓練を繰り返してきた。
弱いことでも有名なエルフが、こんなことができるとは全然信じられない。
そのため、動きが固まる。
レイナルドにとってその隙はありがたい。
「フッ!!」
銃を構えて軽く息を吐く。
そのあと一気に力を込める。
レイナルドの銃から放たれた弾が、周囲の敵の頭を貫き、物言わぬ骸と化していく。
頭を撃っても死なない虫型魔物とは違い、人間は頭を破壊すれば反撃してこないので楽だ。
そんなどうでも良いことを考えながら、レイナルドは引き金を引いていく。
「ずいぶん減ったな……」
かなりの数を撃ち、ちょっと疲れたレイナルドは撃つのをやめて一息ついた。
100人近い数に囲まれたいたが、さっきので3割は減らせたかもしれない。
「ヒ、ヒィ……」「な、何で……」
敵兵たちは、数ではまだまだ勝っているにもかかわらず、攻めかかれば一瞬で脳天に風穴を開けられると理解した。
そのため恐怖で動くことができず、腰が引けて後退りし始めた。
中には、恐怖で逃げ出す者も出てきた。
「ぐへっ!?」
「おいおい! 逃げちゃダメでしょ!?」
逃げ出した者が走っていくと、3人の男たちが現れ、先頭を歩いていた男が逃げ出してきた者の1人の首を、何の躊躇もなく斬り飛ばした。
それを見たからか、同じ目に遭いたくないと思った者たちは足を止め、回れ右をした。
「……来たか?」
迫っていた魔力の高い者たちは、どうやら彼たちだろう。
目当てだった者たちが現れ、レイナルドは少し警戒した。
「……ハーフエルフだ」
「そうだな……」
「褒美がもらえるんだろ?」
槍を持つ男、斧を持つ男、剣盾を持つ男と順に話す。
やはり自分たちエルフを捕まえると、褒美がもらえるようだ。
「捕まえられるとは思わないがな……」
「……何だと?」
レイナルドは独り言として呟いたのだが、どうやら耳が良いらしく、槍の男が反応してきた。
「耳が良いな? まぁ、聞かれても構わないがな……」
「……こいつ、エルフのくせに生意気だな?」
レイナルドは、今度はわざと聞こえるように話す。
すると、3人とも腹を立てたのか、眉間にシワが寄った。
そして、やる気になったのか、3人とも魔力を纏い出した。
「誰がいく?」
「コインを持っていないか?」
「今回の旅で使うことはないと思ったから持ってきてないな……」
3人は余裕なのか、戦う者を決める話し合いをし始めた。
彼らが戦うような雰囲気になったので、巻き添えを食らう訳にはいかないと、他の兵たちは少し後方へと退避した。
「…………結果は分かっているんだから、3人同時にかかって来いよ」
「「「あ゛っ!?」」」
レイナルドからしたら、別に1人だろうと3人だろうと変わりはないように思えた。
そのため、冷めたように呟いたのだが、舐められていると判断した3人は、思いのほか頭に来たらしく、目つき鋭くレイナルドを睨みつけた。
「奴が良いって言ってるんだ、少し痛めつけてやろうぜ!」
「「あぁ……」」
斧の男が出した案に、他の2人も乗っかった。
軽く小突くだけで済ましてやろうと思っていたのだが、レイナルドがあまりにも舐めたことを言ったので、骨の2、3本くらい折ってやろうと密かに思ったようだ。
3人とも完全にやる気満々の顔をしている。
「行くぞ!?」
「おうっ!!」「あぁっ!!」
槍の男、ヘルバシオ。
斧の男、コルデーロ。
剣と盾の男、ビルヒニオ。
レイナルドは銃を片手に、この3人に対して構えを取ったのだった。
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