91 / 375
第5章
第91話
しおりを挟む
「おぉ、ようやく見えて来た」
「本当だ。行きよりも速かったわね」
船から見る景色に見慣れた島が映ったことに、ケイと美花は喜んでいた。
行きも乗って少し離れたかと思いきや、2人はいまだに海の上ということが苦手なままのようで、表情が硬い。
「……魔法があるというのは羨ましいですね」
行きも帰りもこの行程にしては珍しく、天気が良好だった。
逆に、良すぎるせいか風も弱く、船の進み具合は最初遅かった。
なので、早く島に帰りたいケイは、行きの時と同じように帆に風を送って船の速度を上げた。
おかげで、このままなら行きより半日ほど早く着くことができそうだ。
「あそこがこれからお前が住む島だよ」
「ワフッ!」
◆◆◆◆◆
「何か欲しい物はありますかな?」
王都を離れる日、ケイと美花は最後に別れの挨拶をしにリカルドのもとへ足を運んだ。
そうしたら、リカルドの方からこのような言葉を投げかけられた。
突然のことだったため、ケイは思はず素で「えっ?」と言いそうになった。
「……どういうことでしょうか?」
来た時と同じように玉座のまで会うことになったのだが、リカルドの突然の発言に、以前と同じ位置にいるファウストたちも驚いているように見える。
「深い意味はありません。ただ私がケイ殿を気に入ったから何か援助できるものがないか聞きたかっただけです。すぐ手に入れられる物なら、帰りの船に乗せましょう」
「……そうですか。ありがたいです」
めっちゃ笑顔で言っているので、リカルドの本心からの発言だと思う。
こんな好機を、遠慮して断るのはもったいない。
ケイは何か欲しいものがないか考え始めた。
「そうですね。人……が欲しいですね」
「人?」
少し間を置くと、島には何が足りないか思いついた。
それがこれだった。
いまいちピンとこなかったリカルドは、首を傾げた。
「恥ずかしながらわが国には住民が少ない。時間をかければ次第に増えるでしょうが、駐在してくれるカンタルボス兵に提供する食材を作るためにも作業を手伝ってくれる人が欲しいのです」
「なるほど……」
ケイの島には20人程度の住民しかいない。
カンタルボスが駐留させる兵の方が数が多い。
食料はカンタルボス側も提供するので、それほど必要とはならないだろうが、それでも今よりも食料の生産を増やす必要があるかもしれない。
そのことを考えると畑の拡張に伴い、人が必要になることは確かだ。
「仕事はして貰いますが、島ではのんびり過ごせるのでいいところです。もし来てくれるという人がいてくれるなら連れていきたいのですが……」
「ん~……、そうですな……」
聞きようによっては、国民を寄越せと言っているようなものだが、どこの国にもはみ出し者みたいなものはいるはず。
そういった人間を何人か連れていければと、ケイは思っていた。
とは言っても、自分を気に入っているというリカルドなら、おかしな人間を寄越さないだろうと、ケイは考えていた。
思った通り、リカルドは適当な人間がいないか悩みだした。
「……父上」
「ん?」
島に住むルイスたち狼人族の獣人との相性などを真剣に考えてくれているらしく、リカルドはなかなか答えが出ないでいた。
そんな父に、次男のファウストが話しかけた。
「ブエノカエルの狼人族の方たちはどうでしょうか?」
この王都に着く前に、ケイたちが寄ったブエノカエルの町。
そこには、ケイたちの島に住んでいるルイスたちと同じ狼人族の者たちが住んでいる。
ファウストは彼らを連れて行くことを提案した。
「ケイ殿の島にいる方たちは元は同じ村の同じ種族です。揉めるようなことはないと思います」
たしかに、彼らならルイスたちとも上手くやっていけるだろう。
言われてみれば適した者たちかもしれない。
「う~む……、しかし、彼らも後遺症に苦しみつつも新しい生活に慣れてきている者もいる。家族もできている者もいるし、首を縦に振るだろうか?」
「ならば、尋ねるだけ尋ねて、もしも良いという方がいるのなら、連れていくというのはどうでしょうか?」
ブエノカエルの町は、スタンピードで亡くなったエンツリオの村に似た雰囲気があるからか、後遺症の軽い者たちは回復傾向にあり、家庭を持って普通に暮らせるようになっている者もいる。
さすがにそういった者たちを無理に連れて行く訳にはいかない。
ただ、中には移住しても良いと言ってくれる者もいるかもしれない。
なので、帰りは寄るつもりはなかったが、ブエノカエルに寄って彼らに話してから港町エンツに向かうことになった。
話してすぐに連れて行くというのは、流石に彼らも用意や心の整理などができないだろう。
そのため、とりあえずは話をして、半年後にでも島へと向かう船で連れてくるということになった。
「美花殿は何かありませんか?」
ケイの望みは一応片付いた。
そして、リカルドは次に美花にも望みを尋ねてきた。
「私もよろしいのですか?」
戦って気に入ったケイのことなら分かるが、美花にまでとは随分と大盤振る舞いだ。
美花もちょっとためらい、申し訳なさそうにリカルドに尋ねた。
「ん~……、あっ!」
少しの間悩んだ美花だったが、あることを思いだした。
「犬が欲しいです」
「「「「「「犬?」」」」」」
リカルドたちカンタルボスの王族一同だけでなく、これにはケイも聞き返してしまった。
◆◆◆◆◆
「ハッハッハッ……」
【いぬ、キュウがまもる!】
王都ではずっとおとなしくしているしかなかったケイの従魔のキュウも、帰れることが嬉しそうだ。
美花がリカルドに頼んだ犬の背中に乗っている。
犬もキュウの強さが分かっているのか、大人しくしている。
「クウは船大丈夫でいいわね」
表情が硬い美香は、気を紛らわそうと犬の頭を撫でた。
クウと呼ばれた犬は、ケイと美花が王都の短い観光をした時に、ペットショップで懐いていた柴犬そっくりの魔物だ。
犬の従魔がずっと欲しかったらしく、美花はあの時から気になっていた。
欲しいものと聞かれて、島のことなど考えず言ってしまったが、今の美花はとても嬉しそうだ。
そんな美花を見たら、ケイも文句を言うことはできない。
キュウがやきもちを焼くと悪いので、たまにだがケイもクウを撫でさせてもらっている。
「「「「「お帰り~~!!」」」」」
帆船を岸に止め、小舟に乗り換えていつもの東海岸へ近付いていく。
すると、ケイと美花の帰りを待ち望んでいたのか、2人の子供や孫たち、それに獣人のルイスたちや魔人のシリアコが総出で出迎えてくれた。
「「ただいま!!」」
長いようで短い旅が終わり、無事に帰って来たのだと安心した2人は、やっと笑顔になってみんなのもとへと近付いて行ったのだった。
「本当だ。行きよりも速かったわね」
船から見る景色に見慣れた島が映ったことに、ケイと美花は喜んでいた。
行きも乗って少し離れたかと思いきや、2人はいまだに海の上ということが苦手なままのようで、表情が硬い。
「……魔法があるというのは羨ましいですね」
行きも帰りもこの行程にしては珍しく、天気が良好だった。
逆に、良すぎるせいか風も弱く、船の進み具合は最初遅かった。
なので、早く島に帰りたいケイは、行きの時と同じように帆に風を送って船の速度を上げた。
おかげで、このままなら行きより半日ほど早く着くことができそうだ。
「あそこがこれからお前が住む島だよ」
「ワフッ!」
◆◆◆◆◆
「何か欲しい物はありますかな?」
王都を離れる日、ケイと美花は最後に別れの挨拶をしにリカルドのもとへ足を運んだ。
そうしたら、リカルドの方からこのような言葉を投げかけられた。
突然のことだったため、ケイは思はず素で「えっ?」と言いそうになった。
「……どういうことでしょうか?」
来た時と同じように玉座のまで会うことになったのだが、リカルドの突然の発言に、以前と同じ位置にいるファウストたちも驚いているように見える。
「深い意味はありません。ただ私がケイ殿を気に入ったから何か援助できるものがないか聞きたかっただけです。すぐ手に入れられる物なら、帰りの船に乗せましょう」
「……そうですか。ありがたいです」
めっちゃ笑顔で言っているので、リカルドの本心からの発言だと思う。
こんな好機を、遠慮して断るのはもったいない。
ケイは何か欲しいものがないか考え始めた。
「そうですね。人……が欲しいですね」
「人?」
少し間を置くと、島には何が足りないか思いついた。
それがこれだった。
いまいちピンとこなかったリカルドは、首を傾げた。
「恥ずかしながらわが国には住民が少ない。時間をかければ次第に増えるでしょうが、駐在してくれるカンタルボス兵に提供する食材を作るためにも作業を手伝ってくれる人が欲しいのです」
「なるほど……」
ケイの島には20人程度の住民しかいない。
カンタルボスが駐留させる兵の方が数が多い。
食料はカンタルボス側も提供するので、それほど必要とはならないだろうが、それでも今よりも食料の生産を増やす必要があるかもしれない。
そのことを考えると畑の拡張に伴い、人が必要になることは確かだ。
「仕事はして貰いますが、島ではのんびり過ごせるのでいいところです。もし来てくれるという人がいてくれるなら連れていきたいのですが……」
「ん~……、そうですな……」
聞きようによっては、国民を寄越せと言っているようなものだが、どこの国にもはみ出し者みたいなものはいるはず。
そういった人間を何人か連れていければと、ケイは思っていた。
とは言っても、自分を気に入っているというリカルドなら、おかしな人間を寄越さないだろうと、ケイは考えていた。
思った通り、リカルドは適当な人間がいないか悩みだした。
「……父上」
「ん?」
島に住むルイスたち狼人族の獣人との相性などを真剣に考えてくれているらしく、リカルドはなかなか答えが出ないでいた。
そんな父に、次男のファウストが話しかけた。
「ブエノカエルの狼人族の方たちはどうでしょうか?」
この王都に着く前に、ケイたちが寄ったブエノカエルの町。
そこには、ケイたちの島に住んでいるルイスたちと同じ狼人族の者たちが住んでいる。
ファウストは彼らを連れて行くことを提案した。
「ケイ殿の島にいる方たちは元は同じ村の同じ種族です。揉めるようなことはないと思います」
たしかに、彼らならルイスたちとも上手くやっていけるだろう。
言われてみれば適した者たちかもしれない。
「う~む……、しかし、彼らも後遺症に苦しみつつも新しい生活に慣れてきている者もいる。家族もできている者もいるし、首を縦に振るだろうか?」
「ならば、尋ねるだけ尋ねて、もしも良いという方がいるのなら、連れていくというのはどうでしょうか?」
ブエノカエルの町は、スタンピードで亡くなったエンツリオの村に似た雰囲気があるからか、後遺症の軽い者たちは回復傾向にあり、家庭を持って普通に暮らせるようになっている者もいる。
さすがにそういった者たちを無理に連れて行く訳にはいかない。
ただ、中には移住しても良いと言ってくれる者もいるかもしれない。
なので、帰りは寄るつもりはなかったが、ブエノカエルに寄って彼らに話してから港町エンツに向かうことになった。
話してすぐに連れて行くというのは、流石に彼らも用意や心の整理などができないだろう。
そのため、とりあえずは話をして、半年後にでも島へと向かう船で連れてくるということになった。
「美花殿は何かありませんか?」
ケイの望みは一応片付いた。
そして、リカルドは次に美花にも望みを尋ねてきた。
「私もよろしいのですか?」
戦って気に入ったケイのことなら分かるが、美花にまでとは随分と大盤振る舞いだ。
美花もちょっとためらい、申し訳なさそうにリカルドに尋ねた。
「ん~……、あっ!」
少しの間悩んだ美花だったが、あることを思いだした。
「犬が欲しいです」
「「「「「「犬?」」」」」」
リカルドたちカンタルボスの王族一同だけでなく、これにはケイも聞き返してしまった。
◆◆◆◆◆
「ハッハッハッ……」
【いぬ、キュウがまもる!】
王都ではずっとおとなしくしているしかなかったケイの従魔のキュウも、帰れることが嬉しそうだ。
美花がリカルドに頼んだ犬の背中に乗っている。
犬もキュウの強さが分かっているのか、大人しくしている。
「クウは船大丈夫でいいわね」
表情が硬い美香は、気を紛らわそうと犬の頭を撫でた。
クウと呼ばれた犬は、ケイと美花が王都の短い観光をした時に、ペットショップで懐いていた柴犬そっくりの魔物だ。
犬の従魔がずっと欲しかったらしく、美花はあの時から気になっていた。
欲しいものと聞かれて、島のことなど考えず言ってしまったが、今の美花はとても嬉しそうだ。
そんな美花を見たら、ケイも文句を言うことはできない。
キュウがやきもちを焼くと悪いので、たまにだがケイもクウを撫でさせてもらっている。
「「「「「お帰り~~!!」」」」」
帆船を岸に止め、小舟に乗り換えていつもの東海岸へ近付いていく。
すると、ケイと美花の帰りを待ち望んでいたのか、2人の子供や孫たち、それに獣人のルイスたちや魔人のシリアコが総出で出迎えてくれた。
「「ただいま!!」」
長いようで短い旅が終わり、無事に帰って来たのだと安心した2人は、やっと笑顔になってみんなのもとへと近付いて行ったのだった。
0
お気に入りに追加
640
あなたにおすすめの小説
主人公は高みの見物していたい
ポリ 外丸
ファンタジー
高等魔術学園に入学した主人公の新田伸。彼は大人しく高校生活を送りたいのに、友人たちが問題を持ち込んでくる。嫌々ながら巻き込まれつつ、彼は徹底的に目立たないようにやり過ごそうとする。例え相手が高校最強と呼ばれる人間だろうと、やり過ごす自信が彼にはあった。何故なら、彼こそが世界最強の魔術使いなのだから……。最強の魔術使いの高校生が、平穏な学園生活のために実力を隠しながら、迫り来る問題を解決していく物語。
※主人公はできる限り本気を出さず、ずっと実力を誤魔化し続けます
※小説家になろう、ノベルアップ+、ノベルバ、カクヨムにも投稿しています。
【完結】異世界転移した私がドラゴンの魔女と呼ばれるまでの話
yuzuku
ファンタジー
ベランダから落ちて死んだ私は知らない森にいた。
知らない生物、知らない植物、知らない言語。
何もかもを失った私が唯一見つけた希望の光、それはドラゴンだった。
臆病で自信もないどこにでもいるような平凡な私は、そのドラゴンとの出会いで次第に変わっていく。
いや、変わらなければならない。
ほんの少しの勇気を持った女性と青いドラゴンが冒険する異世界ファンタジー。
彼女は後にこう呼ばれることになる。
「ドラゴンの魔女」と。
※この物語はフィクションです。
実在の人物・団体とは一切関係ありません。
異世界翻訳者の想定外な日々 ~静かに読書生活を送る筈が何故か家がハーレム化し金持ちになったあげく黒覆面の最強怪傑となってしまった~
於田縫紀
ファンタジー
図書館の奥である本に出合った時、俺は思い出す。『そうだ、俺はかつて日本人だった』と。
その本をつい翻訳してしまった事がきっかけで俺の人生設計は狂い始める。気がつけば美少女3人に囲まれつつ仕事に追われる毎日。そして時々俺は悩む。本当に俺はこんな暮らしをしてていいのだろうかと。ハーレム状態なのだろうか。単に便利に使われているだけなのだろうかと。
タブレット片手に異世界転移!〜元社畜、ダウンロード→インストールでチート強化しつつ温泉巡り始めます〜
夢・風魔
ファンタジー
一か月の平均残業時間130時間。残業代ゼロ。そんなブラック企業で働いていた葉月悠斗は、巨漢上司が眩暈を起こし倒れた所に居たため圧死した。
不真面目な天使のせいでデスルーラを繰り返すハメになった彼は、輪廻の女神によって1001回目にようやくまともな異世界転移を果たす。
その際、便利アイテムとしてタブレットを貰った。検索機能、収納機能を持ったタブレットで『ダウンロード』『インストール』で徐々に強化されていく悠斗。
彼を「勇者殿」と呼び慕うどうみても美少女な男装エルフと共に、彼は社畜時代に夢見た「温泉巡り」を異世界ですることにした。
異世界の温泉事情もあり、温泉地でいろいろな事件に巻き込まれつつも、彼は社畜時代には無かったポジティブ思考で事件を解決していく!?
*小説家になろうでも公開しております。
城で侍女をしているマリアンネと申します。お給金の良いお仕事ありませんか?
甘寧
ファンタジー
「武闘家貴族」「脳筋貴族」と呼ばれていた元子爵令嬢のマリアンネ。
友人に騙され多額の借金を作った脳筋父のせいで、屋敷、領土を差し押さえられ事実上の没落となり、その借金を返済する為、城で侍女の仕事をしつつ得意な武力を活かし副業で「便利屋」を掛け持ちしながら借金返済の為、奮闘する毎日。
マリアンネに執着するオネエ王子やマリアンネを取り巻く人達と様々な試練を越えていく。借金返済の為に……
そんなある日、便利屋の上司ゴリさんからの指令で幽霊屋敷を調査する事になり……
武闘家令嬢と呼ばれいたマリアンネの、借金返済までを綴った物語
グライフトゥルム戦記~微笑みの軍師マティアスの救国戦略~
愛山雄町
ファンタジー
エンデラント大陸最古の王国、グライフトゥルム王国の英雄の一人である、マティアス・フォン・ラウシェンバッハは転生者である。
彼は類い稀なる知力と予知能力を持つと言われるほどの先見性から、“知将マティアス”や“千里眼のマティアス”と呼ばれることになる。
彼は大陸最強の軍事国家ゾルダート帝国や狂信的な宗教国家レヒト法国の侵略に対し、優柔不断な国王や獅子身中の虫である大貴族の有形無形の妨害にあいながらも、旧態依然とした王国軍の近代化を図りつつ、敵国に対して謀略を仕掛け、危機的な状況を回避する。
しかし、宿敵である帝国には軍事と政治の天才が生まれ、更に謎の暗殺者集団“夜(ナハト)”や目的のためなら手段を選ばぬ魔導師集団“真理の探究者”など一筋縄ではいかぬ敵たちが次々と現れる。
そんな敵たちとの死闘に際しても、絶対の自信の表れとも言える余裕の笑みを浮かべながら策を献じたことから、“微笑みの軍師”とも呼ばれていた。
しかし、マティアスは日本での記憶を持った一般人に過ぎなかった。彼は情報分析とプレゼンテーション能力こそ、この世界の人間より優れていたものの、軍事に関する知識は小説や映画などから得たレベルのものしか持っていなかった。
更に彼は生まれつき身体が弱く、武術も魔導の才もないというハンディキャップを抱えていた。また、日本で得た知識を使った技術革新も、世界を崩壊させる危険な技術として封じられてしまう。
彼の代名詞である“微笑み”も単に苦し紛れの策に対する苦笑に過ぎなかった。
マティアスは愛する家族や仲間を守るため、大賢者とその配下の凄腕間者集団の力を借りつつ、優秀な友人たちと力を合わせて強大な敵と戦うことを決意する。
彼は情報の重要性を誰よりも重視し、巧みに情報を利用した謀略で敵を混乱させ、更に戦場では敵の意表を突く戦術を駆使して勝利に貢献していく……。
■■■
あらすじにある通り、主人公にあるのは日本で得た中途半端な知識のみで、チートに類する卓越した能力はありません。基本的には政略・謀略・軍略といったシリアスな話が主となる予定で、恋愛要素は少なめ、ハーレム要素はもちろんありません。前半は裏方に徹して情報収集や情報操作を行うため、主人公が出てくる戦闘シーンはほとんどありません。
■■■
小説家になろう、カクヨム、ノベルアップ+でも掲載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる