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第4章
第60話
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「みんなはどうした?」
村に戻ったケイは、見張りをしている息子のレイナルドに、村の状況を尋ねた。
美花が先に帰ったので、最近の異常の真相と状況は説明されていると思う。
そのため、自分が戻るまでの間に、みんなで何か話し合ったはずだ。
それを聞いておこうと思ったのだ。
「いつでも避難できるように、貯蔵庫になってる洞窟の中に最低限の生活道具何かを色々運んでいるよ」
「なるほど……」
ケイがこの島について初めに拠点として使っていた洞窟は、内部の温度が一定な長所を利用して現在貯蔵庫になっている。
ケイが土魔法で部屋を幾つも作ったので、色々な種類の保存食が分かれておかれている。
「内部は? 部屋なかったよな?」
噴火した場合、入り口さえ塞いでしまえば頑丈に作られた洞窟内は安全だろう。
しかし、内部の部屋はほとんど保存食などで埋まっている。
全員が入れるほどの部屋はなかったような気がする。
そのことが気になり、ケイは問いかける。
「カルロスが魔法で広げてた」
「あっそ……」
ケイと美花の2人の息子は、ハーフとはいえエルフの血を継いでいるからか、ケイ程では二にしても魔法のレベルが非常に高い。
どんな魔法も使えるが、レイナルドは火や風の魔法が、カルロスは水と土の魔法が得意な方だ。
レイナルドとよく組み手をしたりしていたのが原因なのか、カルロスは魔法攻撃を防ぐために、どちらかというと防御系の属性が得意になったのかもしれない。
「お前は何で、ここにいるんだ?」
「噴火したら諦めるしかないけれど、ギリギリまで畑は守らないと……」
ケイが噴火による被害を減らす細工をしてきたが、何をしようと火山灰が降ってくることはどうしようもないだろう。
そうなると、畑にも降り積もることになるのだから、作物の成長に悪影響が出るのは目に見えている。
どれほど続くか分からないが、噴火がおさまるまでは畑は諦めていた方が良いかもしれない。
今畑を守ったところで、あまり意味がないようにも思える。
「イバン兄たちが一生懸命育てている畑だからね。可能性は低いけど、噴火しないって可能性もあるし……」
「なるほどね……」
レイナルドが言ったように、噴火しないという可能性もたしかにある。
しかし、魔物が逃げているような現状では、はっきり言って期待はできない。
それでも何もしない訳にはいかないのだろう。
自分も手伝っているが、イバンたち夫婦は一生懸命みんなのために作物を育てている。
食べ物のありがたみをよく知るケイや美花は、息子2人に耳にタコができるほど、食べ物への感謝を忘れるなと教えてきた。
それが、ちゃんとレイナルドには届いていたのが分かり、何だかちょっと嬉しかった。
「噴火したら諦めろよ。種もとってあるし、畑はまた作ればいいからな」
「あぁ」
イバンたちの頑張りは分かるが、ケイが言うように畑は作り直せばいい。
不作の年のことも考えて、野菜全部の種を保管してある。
自然が相手とは言え、理不尽に思うのは仕方ないが、守ることに意地になる必要はない。
表情的に、レイナルドもそこまでこだわっているようには思えないので、ケイはみんなの手伝いに行くことにした。
「地震が頻発してきましたね……」
ケイと美花が噴火の兆候を確認してから3日が経った。
遠くに見える煙は、少しずつ大きくなっているように見える。
それと、ルイスが言うように、地震の頻度が増えてきた。
震度的には1か2くらいのものだが、数が増えると不安がどんどんと募って来る。
子供たちや女性は、いつでも避難できるよう洞窟から離れないようにしてもらっている。
「噴火が近いのかも……」
地震の数が倍々に増えていっているのは、恐らく噴火が近い証拠だろう。
分かっていても何もできないのではどうしようもない。
ケイができることと言えば、できる限りいつもと変わりないように過ごすだけだ。
とは言っても、洞窟の付近から離れる訳にはいかないので、みんなには室内遊具を作ることにした。
この世界には前世と同様にトランプがあると、ルイスたち獣人たちから聞いた。
ならばと、厚めの紙を使ってケイは錬金術でトランプを作成しておいた。
紙のことだが、島には小さいが竹藪がある。
竹から紙を作れるということを知っていたケイは、それを材料に錬金術を試してみた。
そうしたら、肌触り的には荒めだが、れっきとした紙が作成された。
この紙を使い、子供たちには算数などの学問を教えたりしている。
“ゴゴゴゴ…………”
「まただっ!!」
「ぐっ!?」
昼食をみんなで食べ、子供たちがトランプで遊ぶ中、ケイがルイスと話し合っている最中にまたも地面が揺れ始めた。
「今までより強い!?」
「子供を避難させろ!!」
これまでとは段違いの振動に、みんな慌て始めた。
そんな中、ケイは落ち着いて指示を出す。
言われた大人の女性たちは、みんな子供を連れて洞窟へと入って行った。
“ズドーンッ!!”
「とうとう噴火したか!?」
魔力を目に集め、視力を強化してケイが山の方を見てみると、モクモクと煙が上空へ登っていく様が見えたのだった。
村に戻ったケイは、見張りをしている息子のレイナルドに、村の状況を尋ねた。
美花が先に帰ったので、最近の異常の真相と状況は説明されていると思う。
そのため、自分が戻るまでの間に、みんなで何か話し合ったはずだ。
それを聞いておこうと思ったのだ。
「いつでも避難できるように、貯蔵庫になってる洞窟の中に最低限の生活道具何かを色々運んでいるよ」
「なるほど……」
ケイがこの島について初めに拠点として使っていた洞窟は、内部の温度が一定な長所を利用して現在貯蔵庫になっている。
ケイが土魔法で部屋を幾つも作ったので、色々な種類の保存食が分かれておかれている。
「内部は? 部屋なかったよな?」
噴火した場合、入り口さえ塞いでしまえば頑丈に作られた洞窟内は安全だろう。
しかし、内部の部屋はほとんど保存食などで埋まっている。
全員が入れるほどの部屋はなかったような気がする。
そのことが気になり、ケイは問いかける。
「カルロスが魔法で広げてた」
「あっそ……」
ケイと美花の2人の息子は、ハーフとはいえエルフの血を継いでいるからか、ケイ程では二にしても魔法のレベルが非常に高い。
どんな魔法も使えるが、レイナルドは火や風の魔法が、カルロスは水と土の魔法が得意な方だ。
レイナルドとよく組み手をしたりしていたのが原因なのか、カルロスは魔法攻撃を防ぐために、どちらかというと防御系の属性が得意になったのかもしれない。
「お前は何で、ここにいるんだ?」
「噴火したら諦めるしかないけれど、ギリギリまで畑は守らないと……」
ケイが噴火による被害を減らす細工をしてきたが、何をしようと火山灰が降ってくることはどうしようもないだろう。
そうなると、畑にも降り積もることになるのだから、作物の成長に悪影響が出るのは目に見えている。
どれほど続くか分からないが、噴火がおさまるまでは畑は諦めていた方が良いかもしれない。
今畑を守ったところで、あまり意味がないようにも思える。
「イバン兄たちが一生懸命育てている畑だからね。可能性は低いけど、噴火しないって可能性もあるし……」
「なるほどね……」
レイナルドが言ったように、噴火しないという可能性もたしかにある。
しかし、魔物が逃げているような現状では、はっきり言って期待はできない。
それでも何もしない訳にはいかないのだろう。
自分も手伝っているが、イバンたち夫婦は一生懸命みんなのために作物を育てている。
食べ物のありがたみをよく知るケイや美花は、息子2人に耳にタコができるほど、食べ物への感謝を忘れるなと教えてきた。
それが、ちゃんとレイナルドには届いていたのが分かり、何だかちょっと嬉しかった。
「噴火したら諦めろよ。種もとってあるし、畑はまた作ればいいからな」
「あぁ」
イバンたちの頑張りは分かるが、ケイが言うように畑は作り直せばいい。
不作の年のことも考えて、野菜全部の種を保管してある。
自然が相手とは言え、理不尽に思うのは仕方ないが、守ることに意地になる必要はない。
表情的に、レイナルドもそこまでこだわっているようには思えないので、ケイはみんなの手伝いに行くことにした。
「地震が頻発してきましたね……」
ケイと美花が噴火の兆候を確認してから3日が経った。
遠くに見える煙は、少しずつ大きくなっているように見える。
それと、ルイスが言うように、地震の頻度が増えてきた。
震度的には1か2くらいのものだが、数が増えると不安がどんどんと募って来る。
子供たちや女性は、いつでも避難できるよう洞窟から離れないようにしてもらっている。
「噴火が近いのかも……」
地震の数が倍々に増えていっているのは、恐らく噴火が近い証拠だろう。
分かっていても何もできないのではどうしようもない。
ケイができることと言えば、できる限りいつもと変わりないように過ごすだけだ。
とは言っても、洞窟の付近から離れる訳にはいかないので、みんなには室内遊具を作ることにした。
この世界には前世と同様にトランプがあると、ルイスたち獣人たちから聞いた。
ならばと、厚めの紙を使ってケイは錬金術でトランプを作成しておいた。
紙のことだが、島には小さいが竹藪がある。
竹から紙を作れるということを知っていたケイは、それを材料に錬金術を試してみた。
そうしたら、肌触り的には荒めだが、れっきとした紙が作成された。
この紙を使い、子供たちには算数などの学問を教えたりしている。
“ゴゴゴゴ…………”
「まただっ!!」
「ぐっ!?」
昼食をみんなで食べ、子供たちがトランプで遊ぶ中、ケイがルイスと話し合っている最中にまたも地面が揺れ始めた。
「今までより強い!?」
「子供を避難させろ!!」
これまでとは段違いの振動に、みんな慌て始めた。
そんな中、ケイは落ち着いて指示を出す。
言われた大人の女性たちは、みんな子供を連れて洞窟へと入って行った。
“ズドーンッ!!”
「とうとう噴火したか!?」
魔力を目に集め、視力を強化してケイが山の方を見てみると、モクモクと煙が上空へ登っていく様が見えたのだった。
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